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灯火  作者: 暦海
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いつものパターン?

「……あの、エリス。やっぱり、これ――」

「いや、別に良いって。それより、飯にしようぜ。今日は――」



 それから、二週間ほど経て。

 少し肌寒くも穏やかな朝、そう言って差し出す私を留めつつ答えるエリス。そんな私の手には数多の紙幣――例によって、昨夜前払いで渡してくれた代金が。


 そして、例によって彼は私に指一歩触れず、次第に眠りへと落ち――出会ってから二週間、その間も何度か彼から申し出があったのだけど、いつもこのパターン……つまりは、報酬だけをもらった上で私は何もしていないわけで。せめて、服を脱ぐくらいすべきだったか……いや、別に相手から求められてもいないのにそれもおかしいか。



 …………求められてもいない、か。

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