第6章 13話
「答えてもらおう。ディルスは何が目的であのオロチ・システムを持って移動しているんだ?」
これはとても重要な質問だ。
未だに僕達はディルスが何の目的があるか、ハッキリとは分かっていない。
それは僕達も同じようなものだけど。
「古代兵器イザナギノミコトを蘇らすためだ」
古代兵器!?
しかもその名前は。
出雲の神とされている名前じゃないか。
「どういう事だ?なんで」
「それは私にも分からない。ただディルスは言っていた。あのオロチ・システムこそが古代兵器を操る為のリモコンのような物だと」
奴はそれを完成させたいという訳か。
「ただ、一つディルスは危惧していた事がある」
危惧していた事?
「何それ?」
美喜子も当然の質問。
「それは、イザナギノミコトに対抗する古代兵器、イザナミノミコトの存在だ」
こっちは女性の神だ。
しかもイザナギノミコトと対になっている。
「こっちはこっちで、別の起動方法があると言っていた。それが何なのかはディルスも分からなかったみたいだが」
なるほど。
分からないからこそ、とりあえず自分の方だけ収穫しようという訳か。
「それじゃあ、あちこち移動しているのは・・・」
「オロチ・システムを完全に起動させるための歯車を探しているんだ。これは何故かオーパーツで無いと動かない仕組みになっているようで」
そうか。
これで、ディルスもあちこちの場所に移動していた訳が分かった。
僕達が今まで行った所にも、水晶のドクロというオーパーツがあった。
当然、他のオーパーツもあって不思議では無い。
ただ、僕達の目的とは違うから探していなかっただけだ。
ディルスもそういう考えで動いていた訳だ。
もちろん、他のを見つけた所で自分達の目的とは違う訳だし。
見つけても、何に使うか分からないのを探しても時間の無駄。
それよりは、自分達の探している物を見つけた方がいい。
そういう意味では、僕達もディルスも同じ考えという訳か。
「何故か歯車に次の目的地のヒントみたいのが刻まれていて、それに従っていたんだ」
なんだって!?
「それって、私達の水晶のドクロと同じ?」
まさか。
もしかして。
この水晶のドクロって、もう一つの古代兵器でもある。
イザナミノミコトを起動させるための道具なんじゃ?
次回更新は2月27日(月)予定です。