第1章 8話
な・・・なんだ?
光が消えた・・・。
別に・・・何か出現した訳でも、何か異変が起こった訳でも無い。
「あれ?」
ふと気づいた。
手に持っていたはずの本が無くなってる事に。
一体何処に!?
ゴゴゴゴ・・・。
突然部屋が揺れ始めた。
揺れてるとは言っても、そんなに激しくは無い。
「な・・・何!?」
美喜子も驚いている。
「ん・・・?あれ!!」
だけど、その美喜子が先に気づいた。
壁の一部がせり上がってる事に。
そして・・・。
揺れが収まると同時に、通路が表れた。
ここを行けって事か?
「どうやら・・・行くしか無いみたいね」
「おい。どう考えても罠に決まってる。もう少し調べて他の通路が無いか・・・」
だけど、僕の言葉を美喜子が遮る。
「んな事は分かってるわよ!でも・・・他の通路なんてあると思う?」
確かに・・・。
他は全部壁。
通路はおろか、扉も無い。
「つまり・・・罠を承知で行くしか無いって事よ」
そういう事か・・・。
はぁ~。
やはり・・・トラブルに巻き込まれたか・・・。
問題は・・・。
さっきの魔法陣だ。
トトの書に描いてあったあれは、もの凄い気になる。
そして・・・。
光りはしたけど、通路が出てくるだけで済んでるというのも気になる。
本当に異常は無いのか・・・?
「どうしたの?行くわよ」
「ああ・・・」
はたして何が待ってるのやら・・・。
次回更新は3月8日(月)予定です。