第5章 4話
そういえば。
「先ほどから何を調べているんですか?」
山本さんは本を開いて調べている。
「あぁ。今回見つけたドクロに描いてあった図形を調べてるんだ。これが次の目的地なのは間違い無いんだけど。どこか分からなくて」
ふむ。
確かに、意味不明な建物の図形ですわね。
でも、何処かで見た事あるような?
えっと確か、有名な場所だったはず。
「ほら、まずはこれを鑑定してもらえる?まぁ本物であるのは間違い無いとは思うけど」
美喜子さんが水晶のドクロを出して来る。
これが今回手にいれた水晶のドクロですね。
なるほど。
触れると、確かに本物。
そして。
図形が頭の中に飛び込んで来る。
これが今、山本さんが調べている図形なのね。
あれ?
これってもしかして。
「この図形。もしかしてモヘンジョ・ダロの上部から見た図形ではありませんか?」
「え!?」
山本さんは慌てて本を調べる。
「本当だ!!これは、そっくりというか。モヘンジョ・ダロそのものじゃないか!!」
「良く分かったわね」
美喜子さんは感心している。
「ほら。私は情報が直接脳に飛び込んで来るから。かなり強烈に覚えいられるんですよ。しかも、こういう古代文化を私は得意としていますから」
まるで、パズルのピースが合うように情報が合う瞬間を体験しましたわよ。
「それじゃ、次はモヘンジョ・ダロね!」
「美喜子。かなり問題があるよ。次の目的地は」
確かに。
「へ?どんな問題?」
どうやら、美喜子さんは分かっていない様子。
「モヘンジョ・ダロがある場所はパキスタン。つまり未だに戦争が行われている国だ。モヘンジョ・ダロの周辺はそれほど危険だとは思わないけれど」
それでも、行かなければならない場所。
二人の態度を見ているとそう思っています。
色々言ってはいても、二人とも行く前提で話が進んでいる。
これはきっと、今までも二人が当たり前のようにやっていたんでしょうね。
どんな危険な所でも行く覚悟。
これこそが、彼女達の強さの秘訣なんでしょうね。
私も、この覚悟をしなければならない。
葛葉の姉として。
次回更新は8月22日(月)予定です。