第1章 7話
とりあえず・・・。
外に出る所を探さないと・・・。
そんなに落下はしてないはずだから、たぶん出るのはそう難しくないかもしれない。
・・・出られる所があればの話だけど。
周りはたいまつがあり、明るいのでとても助かる。
「ん?何あれ・・・?」
美喜子がなにやら指さしてる。
あれ・・・?
そこには・・・。
そう。
部屋のちょうど隅の辺りに、本が落ちている。
なんだ・・・?
見ると・・・。
かなり古ぼけた本だ。
表紙に何か書いてある。
何だ・・・?
「トトの書!?」
まさか・・・。
トトと言えばエジプト神話において書記と学芸の守護者で、ヒエログリフ文字の発明者とも言われてる、まさに文芸の神の名前。
それが何故ここに・・・。
僕は思わずページをめくる。
「あれ?」
美喜子が疑問に思った。
それはそうだろう。
真っ白で何も書かれてない。
古い書物のため、色はだいぶ黄ばんではいるが・・・。
でもこの紙質はパピルスに間違いないだろうし・・・。
表紙の文字も、間違いなく古代エジプト文字なんだけど・・・。
なんで何も書いてないのだろうか・・・?
ん?
ようやく何か書いてあるページにたどり着いた。
「何・・・これ?」
2ページ見開きで、巨大な円が描いてあり。
その円の中には、なにやら奇妙な図形やら文字やらが書かれてある。
「なんかこれ・・・魔法陣みたい」
確かに・・・。
美喜子の例えが一番近いかもしれない。
でも、なんでここに・・・?
あれ・・・?
「何!?」
突然・・・。
その魔法陣が光った!!
次回更新は3月1日(月)予定です。