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第5章 3話

「もしもーし、お邪魔かしら?私」

美喜子さんが私の背後から現れた。

「お邪魔って何だよ。それよりも、林道さんもディルスの名前を知ってるみたいなんだ」

「へ?ディルスを!?」

私はうなずく。

「あいつこそ、葛葉の両親を殺した人物。あまりにも憎すぎる相手ですわ」

「葛葉ちゃんの両親って、どういう事?理恵子の親父さんはついこの前も会った気がするけど」

「って事は、葛葉は養子って事かい?」

山本さんは察しがいいですわね。

「その通りです。葛葉は違う両親の元で生まれ、育っていました。それがディルスに殺されて。さらには預けられた親戚の所でも酷い仕打ちを。あの子の両親が殺される事には私の両親が関わりを持っていたので、あまりにも可愛そうなので私が引き取ったのです」

ですから、血は繋がっていない。

「へー。そうは見えないわね。滅茶苦茶仲の良い姉妹にしか見えないのに」

「そうですわね。あの子が私を慕ってくれるおかげだとも言えます」

だからこそ、葛葉には幸せになって欲しいのに。

その葛葉にも、能力が発動してしまった。

あの、トトの書のせいで。

それでも、葛葉は気にする事無く過ごしていた。

それを見て、私も気にする事を止めましたが。

「だからこそ、葛葉も危険な冒険に巻き込まれてると思うと、とても辛いんです」

私のせいで。

「でもここでディルスという名前を聞いて、私は思い出しました。私が何のために不思議な道具を集めていたかを」

「って事はだ。林道さんもディルスを倒したいと?」

黙ってうなずく。

そもそもは、あのディルスのせいで葛葉の幸せが滅茶苦茶になってしまった。

今となっては、何故葛葉の両親を狙ったかは定かではないけれど。

あの子の姉として、ディルスを許す訳にはいきません。

「って事だ。どうする?美喜子」

「どうするも、それを聞いちゃ仕方ないじゃない」

?どういう事?

「実はね」

美喜子さんが口を開く。

「私達の冒険と、ディルスの目的は何か繋がりがあるのよ」

「え!?ディルスと!?」

まさか!!

お二人にも!?。

「まだ奴の目的は分かってないけど。少なくとも今まで私達が行った先には、ディルスも行ってたみたいなのよ。奴には奴の目的があるみたいだけど。でも、この水晶のドクロを集めて行けば最終的にあいつと戦えるかもしれない」

「まだ謎は多いけどね。あいつにも能力があるらしいのは分かってるけど、その能力もまだ全部分かってる訳では無い。それにこの水晶のドクロを集めると何があるのか。その肝心な部分も分かっていない」

なるほど。

何故かは知らないけれど。

水晶のドクロがある先には、ディルスも現れる。

そして、その最終目的はきっと良くない事が待っている。

あのディルスがわざわざ動く理由なんて、そういう事でしょうね。

「美喜子さん、山本さん。改めて言います。私を一緒に連れて行ってください!!」

今度こそ、勇気を出さなくては。

あの子の姉である為に。

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