第4章 8話
さて、どうしようか。
そう考えていた時。
なにやら騒ぎが起きている。
何?
「うわぁあああ!!」
もの凄い叫び。
尋常じゃないわね。
何が起きたのかしら?
ん?
「なっ!?何、あれ?」
信じられない物を目にした。
それは銀色の球体。
大きさは約2メートルって所かしら。
それが、自動で転がっている。
そして、さっきの彼らと戦っている。
どうなってんの!?
「これまた、未知の技術だな」
健一も感心している。
パンパン!
銃で撃ってるけど、まったく利かない。
もの凄く固いのかしら。
「何にせよ、混乱は起きている。今のうちに行こう!」
「うん!」
今の私達はここの中心に行く事が目的。
無駄な戦いはするべきでは無い。
「でもどうすんの?このまま行ったらあいつらにも、そしてあの球体にも会うけど?」
「僕にいい考えがある。瞬間移動を使うまでもなく、無事に通り抜けれる方法が」
ふむ。
健一は今回の冒険でだいぶ変わったわね。
なんというか、頼もしくなったというか。
ふふっ。
「ん?」
「あっ、なんでもないの!」
まったく。
何を考えてんのよ。
っと。
あいつらが見えて来た。
だけど、私達の事を気にする事無く逃げて行く。
「え?どういう事?」
「そりゃあ、あれに追いかけられてんだ。僕達に構ってる暇は無いだろうね」
そうか。
突然現れた球体。
これに追いかけられていたんだものね。
「んで?どうするの?」
どんどんこっちに向かって来る。
「あいつは地面を自在に動いている。だけど、その地面を動かしてやれば」
え!?
「ノームよ!」
健一が精霊を呼び出す。
そうか!
健一にはこういう手があったんだわ。
球体が私達を避けるように動いている。
いや。
地面が動いているんだわ。
ぐるぐると回ってはいるけれど、まったく動かない。
その肝心の地面を健一が動かしているからだわ。
「これで良し」
健一は今回の冒険で、だいぶ成長してるわ。