第4章 7話
「はっ!」
気が付いた時にはすでに手が出ていた。
能力を使い、銃を撃つ間も無いうちに倒れた。
「どうやら警備をしている奴らに見つかっていたみたいだ」
「どうする?あいつら全部やっつける?」
これまでの敵に比べれば雑魚も同然。
数十人いるけど問題にもならない。
「いや。止めておこう。それよりも一旦離れておこう。あそこに何かありそうなのは分かったし」
慎重なのね。
「あいつらが軍隊だから?」
「そうだな。どうして自衛隊がここにいるか分からないが。あいつらがいる理由はなんとなく分かる。何せ空中に浮いている都市だ。軍事利用したくもなる」
「それはいいけど、これからどうするの?」
一旦離れるのはいいけれど。
まだこの都市の構造もよく分かってない。
これまでは、なんとなく怪しい所とか分かったんだけど。
今回はまだそういう所が見つけられない。
唯一怪しそうなのは、あいつらが固まってるし。
それに。
今回は敵と思われる存在もまだ出てない。
ちょっと今回はいつもと違う。
とりあえず私達は離れる。
さて、どうするか。
「土の精霊よ!」
え?
健一が珍しく能力を使ってる。
非科学的な力はあんまり好きじゃないって言ってたのに。
土の精霊と何やら話し込んでる。
「なるほど。どうやらこの都市の中枢はやはりあいつらがいる所らしいね」
「分かるの?」
「ああ。この都市だって地面がある。それならそこから情報を得ればいいんだしね」
ふえー。
なんというか。
健一はあのピラミッドの前と後では全然変わったわね。
かなり積極的になったし。
「んで、どうする?」
「なんとかして、あそこに行きたいな。おそらく美喜子なら何かを見つけられると思うし」
頼られるのも悪くないわね。