第1章 5話
「これがピラミッド・・・」
本当に来てしまった。
目の前に巨大なピラミッドがある。
僕達はあれから、まずラクダをレンタルした。
いくら街から近いとはいえ、砂漠を渡るのにラクダ無しなんて無理だ。
何せ僕達は普通の観光客だ。
砂漠を徒歩で渡ろうなんて、無謀もいい所だしね。
でも、美喜子がラクダに乗る事に興味を覚えたのが良かった。
ここまではいい。
「すっご~~~~い!!」
素直に感動してる。
確かに・・・。
僕も目の前の光景を見て、感動をしている。
これまで写真とか、テレビでしか見た事ないけど・・・。
実物は凄い。
まず大きい。
当たり前と言えば当たり前だけど、実物の大きさというのは想像以上だ・・・。
「ねぇねぇ!これって、何処から入るの!?」
・・・やっぱり。
当然と言えば、当然の展開だ。
「あっ!!あれかな・・・」
どうやら入り口を見つけたようだ。
まぁ、観光客用の入り口はあるだろうから。
それで満足してくれればいいが・・・。
僕も後を追う。
さすがに中も凄い・・・。
中は僕もあまり知らないんだけど。
古代の作った人という感じがする。
当たり前か。
「ふぇ~~~」
美喜子はしきりに感心している。
「どう?本物のピラミッドは?」
「うん!やっぱり来て良かった!!」
満面の笑みを浮かべながら言う。
本当に喜んでるみたいだ。
僕としては、美喜子が喜んでくれるならいい事だ。
願わくば、このまま無事に帰れますように・・・。
「ん?ねぇ・・・。これってなんて書いてあるの?」
何か見つけたようだ・・・。
これは・・・。
古代文字だな。
「なんでこれを?」
そう。
他にもあちこちあるのに、何故これだけ興味を示したのか。
「うん・・・。何かね。呼んでる気がして」
・・・。
絶対何かある・・・。
読みたくない・・・。
「ねぇ。これ読める?」
うっ・・・。
ここへ来て・・・。
勉強して来た自分を恨む事になった・・・。