第3章 7話
中に入るとそこは豪華な場所だった。
「うわ、凄い」
思わずそう言っても仕方無いだろう。
でもここに何が?
「こりゃあ、一体何だ?」
え!?
後ろから声が聞こえた。
僕達は振り返る。
そこには。
船長がいた。
「なんでここに?待っていてって言ったのに」
「何言ってんだ。こんな不気味な所で一人で留守番なんて、不安で仕方無いだろ」
気持ちは分かるが。
「ったく、何があっても知らないわよ」
この美喜子の言う事も分かる。
とにかく、これまでの冒険で嫌というほど危険だって事を知っているから。
だからこそ、普通の人には安全な所で待っていた方がいい。
船が安全かと言えば断定出来ないけど、少なくとも降りるよりは安全だろう。
そう考えていた時。
何かが歩く音が聞こえて来た。
「なんだ?」
船長が窓から外を見る。
僕達もその後ろから見る。
そこには。
「なっ!なんだ、ありゃ!?」
船長が驚いたのも無理も無い。
何せ外を歩いていたのは恐竜だったからだ。
それこそ恐竜なんて、映画とかのフィクションの世界だろう。
しかもそれが大量に。
「これ全部倒さないといけないの?」
美喜子が小声で聞く。
だけど僕が首を横に振る。
「この恐竜はステゴサウルスと言われる恐竜だ。いわゆる植物食恐竜。それが僕達の敵とは考えにくい」
「おいおい!なんだそりゃ?」
船長も聞いていたらしく、僕に聞いて来る。
「つまり、あれは分かりやすく言うと馬とか牛とかのような植物を主に食べる草食動物と同じような生き物だ。気を付けていれば大丈夫だとは思う。ただ生き物だから絶対とは言えないけど」
馬や牛だって人に危害を与える場合もある。
だからこそ植物食恐竜だからと言って、完全に安全とは言えない。
だけども、積極的に危害を与えるとも思えない。
そう。
だからこそ、ああやって群れで歩いているのだろう。
そこで重要な事を気づいた。
草食動物が群れで動く理由。
それは肉食動物から身を守る為。
そうだ。
植物食恐竜がいるって事は、肉食恐竜がいてもおかしくない。
もしかしたら、それこそが僕達の敵かもしれない。