第2章 2話
来てしまった。
本当はあんまりここには来たく無かった。
別に、嫌って訳じゃなくて。
本来ならこういう問題は自分たちで解決すべきであり。
むやみに友達の力は使いたく無かったけど。
こういう事態になってしまったからには仕方ない。
私はお店の扉を開ける。
「いらっしゃ・・・。あら、美喜子さん」
「どうも、理恵子」
彼女は林道理恵子。
このリサイクルショップに勤めている、凄腕の鑑定人だ。
普段、学校で見てる時は美人で博学な部分を見せてはいるけど。
あまり古くさい物には縁が無さそうには見える。
だけど結構古代知識にも長け、泥のついた壷も平気で触れたりする。
「初めてですね、この店に来るのは」
「そうね。遊びに来る時も家側からしか来た事無かったもの」
ハッキリ言って、私はそういうのには無縁だったものね。
だけど・・・。
「それで、わざわざこっちに来たのはどういう事ですか?」
「実は・・・見て欲しいのがあるの。別に売りたいとかじゃなくて」
彼女はそれこそ触っただけでも、その品物の事が分かるとも言われている。
だから、ここは知る人はとてもつもなく重宝する場所かもしれない。
私はバックの中から、水晶のドクロを取り出す。
「これは、水晶のドクロ?」
「本物かどうかは知らないけどね」
そう。
まだこれをきちんと鑑定した事は無い。
それは、万が一本物だった時に困る。
何せこれは、私達が命がけで見つけた物。
一体何の意味があってあそこにあったのか。
それが知りたい。
健一が見つけた数字にも何か意味があるとは思うんだけど。
この存在自体に何か意味があるのかもしれない。
それほど。
オーパーツと言われる物には謎が多い。
そう健一が言っていた。
「待って」
理恵子は薄手の手袋をすると、そっと触る。
「!?これは!!どこで見つけたんですか?」
「え!?ピラミッド」
私は素直に答える。
「ピラミッド?」
「えっと何だっけ・・・ギサのピラミッド?」
「ギザのピラミッドですね」
「そうそう!それ!そこで見つけたの」
うーん、やっぱきちんと覚えて無かったなぁ。
「美喜子さん。これは正真正銘、本物ですわ」