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第8章 13話
「行くぞ」
くそっ!
ディルスの方からやってくる。
僕の能力がパワーが弱いせいで、通用しなかった。
僕がもっと強ければ。
いや。
僕にはまだ覚悟が足りないんだ。
僕はこれまで臆病で、戦うなんて事は嫌いだ。
でも。
こいつだけは倒さないといけない。
もっと!
もっと気迫を!!
「風の精霊よ!!」
ここで!
「無駄だ」
また鉄球を取り出す。
くっ!
「行け」
鉄球が僕の右腕に吸い込まれるように飛ぶ。
「ぐっ!」
これは。
右腕に当たった!
「やはり、お前のその能力は右腕に依存してるな。これでお前の能力は防いだ」
なんてことだ。
僕の能力は、奴の磁力で動かなくても使う事は出来る。
だが、腕に若干力が入る。
たぶん、それを見抜かれたんだろう。
「よし。それじゃお前は死ね」
なに!?
ディルスはどんどん鉄球を取り出す。
これは。
奴はいくつも持ってる。
「便利な能力だ。世の中にはパチンコ玉みたいに便利な物もあるしな」
そうか。
それならばいくつも持てる。
「行け」
また来る!
今度は大量に。
まずい。
非常にまずい。
あれを一気にくらったら。
「駄目ーーー!!」
美喜子の絶叫が響いた。