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第8章 8話

その始まりはそれほど特別な事では無かった。

茨城県にも巨大ショッピングモールを作ろうと企業が集まり、工事が始まった。

こういう巨大ショッピングモール作りは、すでにあちこちで成功を収めている。

だからそこにも作ろうというのは、別におかしい部分は無かった。

ところが。

その工事の途中。

一つの箱が出てきた。

見た目は普通の木の箱。

当然、開けてみようとする。

だが、それが開かない。

別に鍵がかかってるようには見えないが。

その工事に関わってる人、ほぼ全ての人が挑戦したが開ける事は出来なかった。

中が確認出来なければ、当然廃棄する事も出来ない。

もし万が一、中に危険物が入っていたら?

そう思うと、あまり乱暴にも扱えない。

いよいよ現場ではお手上げになった時。

この計画をしている企業の所に渡る事になった。

もちろん土地も買ってるのだから、持ち主がハッキリ判明するまではその土地を持ってる人が管理する事になる。

これが国宝級のお宝なら国へ渡さなければならないが。

今の所、外見は普通の木箱なのでその必要も無いと考えていた。

しかし。

その企業がいくら調べても、謎の箱としか判明出来なかった。

それはそうだろう。

単なる商業の企業なのだ。

出来る事は限られている。

もっときちんとした研究機関で調べるしか無い。

そうして、日本の研究施設が整っている大学へと渡された。

そこで運悪く。

大学生により情報がマスコミへと流れた。

こうして日本中が注目する木箱へなってしまった。

だが、その大学でも中身が判明出来なかった。

ここで、マスコミの悪い癖が出る。

そう。

もっと上の場所。

つまり、国の研究機関で調べろという流れになった。

それこそが、国民の意見であり。

それを調べる事が国としての義務なのだと。

本当は、単に自分達が知りたいだけなのに。

過剰に煽ってしまった。

やがて、政府も重い腰を上げる。

長らく低迷する支持率を上げるためにも。

国をあげての調査となった。

そこで呼ばれたのが。

アメリカからDNAを調べるエキスパートとしてディルスが。

そして、日本からは考古学や民謡学のエキスパートとして真方夫妻が呼ばれた。

土の中から出てきた木箱。

あらゆる方向から調べる事となった。

そして、木箱がその昔ヤマタノオロチとして存在していた正体だとも判明した。

そこからまた歯車が狂い出す。

例のショッピングモールの土地を、国が買収。

そこに原子力発電所を建てた。

表向きは、都心等の電力を支えるために。

だがその真意は違う。

地下深くで、こっそりとオロチ・システムを研究していたのだ。

中身は判明したが、まだ動かし方が分かって無かったのだ。

そして、これが自由に動かす事が出来るのなら。

新たな戦力になる。

だからこそ、政府は隠したのだ。

マスコミには「結局何も入って無い空だった」と、偽物まで用意して。

だが、オロチ・システムの動かし方を判明した途端。

ディルスが裏切ったのだ。

全て自分の物にするために。

自分の研究していた内容が生物を使って実験出来る。

その魅力に負けたのだ。

そして、ディルスは手始めに原子力発電所の職員の脳をいじった。

その結果。

その職員は暴走。

悪い事にその日は、原子力発電所の社会見学の日でもあった。

そしてその日には彼の部下も紛れていた。

その結果が、死者200名を越す大惨事。

生存者は子供が2名のみ。

これほどの大惨事にも関わらず。

あっと言う間にニュースの話題から消えた。

その理由は。

ディルスだった。

まずは政府を脅した。

あの原子力発電所の地下に何があるのかを知っているからだ。

政府はそれを表に出されたくない。

次にマスコミ。

これも実は簡単だった。

何せこの研究には、極秘で例のショッピングモールの企業が資金を出していたのだ。

かなり巨大な企業が参加していたのが運の尽き。

マスコミは企業からの広告料で成り立っている。

その大きな企業から手を引けを言われたのだ。

それも一つや二つでは無い。

こうして、マスコミも企業の良いなりになり。

あっと言う間に風化してしまったのだ。

そして。

この時真方夫妻を国に送ったのが、林道浩史。

理恵子の父親である。

だからこそ、理恵子は二人を送ってしまった事を自分のせいのように悔やんでいた。

そして。

この時に生還した子供2名。

言うまでもなく、美喜子と健一の事である。

そう。

全てはここから始まっていたのであった。


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