第1章 11話
一通り美喜子は暴れた。
「ふぅ・・・」
一息つく。
「大丈夫か・・・?美喜子」
僕は駆け寄る。
「うん。特に何も・・・」
確かに・・・今の所何もなさそうだけど・・・。
「なんだ・・・?今の威力・・・」
今まで何度も美喜子の空手は見た事あるけど・・・。
スピードも威力も全然違う。
「分かんない。なんか精神を集中したら、突然・・・」
それでも、いきなり使いこなしてる美喜子も凄いと思うけど・・・。
「このピラミッドの力なんだろうか」
良くピラミッドパワーって言葉を聞くけど。
ここはそのピラミッドの中だから、ありえるかも。
「それか・・・あの魔法陣のせいとか」
あっ・・・!!
そうか。
美喜子の方が正しいかもしれない。
あの時は何も体に変化は無かったけど。
確実に何か変化はあったって事か・・・。
美喜子は何回も突きを放ってる。
「うん。分かって来た。どうも精神を集中すると力が発揮されるみたい」
確かに・・・。
普通のスピードと、目にも止まらないぐらいのスピードとがある。
「副作用とかはあるのかい?」
「う~ん・・・。一度の使用ではそんなに長い時間使えない事かな?数十秒くらいね。ただ何回も使えるみたい」
見てる限りでも、他に副作用の影響は無いみたいだ。
良かった・・・。
ん・・・?
美喜子が僕の右手を握って来た。
「さて!先に行くわよ」
珍しいな・・・子供の頃以来かな?
こういう時・・・確か、美喜子は不安を抱えてる時があったはず。
普段は男みたいで、誰かを頼りにするって事は無いけど・・・。
やはり・・・未知なる力に不安を抱いてるんだろうか。
次回更新は3月29日(月)予定です。
最近更新が遅れてすいません。