第8章 イザナミノミコト
なんだか、とても久しぶりな感じがする。
僕達が初めて能力をもらった場所。
それが、ギザのピラミッド。
再びこの場所にやって来た。
またここにやって来るとは思っていなかったけど。
ふと見るとすでに街には蛙であふれている。
これも十の災いの一つだ。
すでに川が血になってるだけでも混乱が生じているのに。
街には人の気配はほとんど無い。
普通にピラミッドへ向かおうとしているのは、僕達ぐらいなものだ。
でも、本当にここにあるのか?
不安はある。
もっとも手がかりが全く無い以上。
ほんのわずかな可能性に賭けるしか無いのは事実。
このまま放っておいたら、僕達は死んでしまう。
それだけはなんとしても阻止しなくては。
もうすでに二つめが発動している。
このペースだと、最後の災いが発動するのはそう遠くも無い話だ。
でもここはすでに一度足を踏み入れた所。
他に部屋があるというのか?
「山本さん。このギザのピラミッドは現在でも判明されて無い部分がかなり残っているんです。そこにもしかしたら残りの水晶のドクロがあるかも」
なるほど。
確かにこのピラミッドは未知の部分が多い事でも有名だ。
現代の科学力でも、まだ全てを明らかには出来ない。
僕達は中へと入る。
さすがにピラミッドの中までは蛙はいないようだ。
もしかしたら、ピラミッドパワーのせいかもしれないが。
ん?
荷物として持ってきた、他の水晶のドクロが反応している?
なんか、リュックの中から光りが漏れている。
僕は開けてみる。
すると。
これまで集めた9個の水晶のドクロが光り輝いている。
これは!?
「ピラミッドに反応している?」
かもしれない。
中に入った途端にこれだ。
その光はある一点を指している。
もしかしたら。
その先に何かあるって事なんだろう。
残りの水晶のドクロでもあるんだろうか