第7章 8話
「美喜子さん。とても残念なお知らせがあります」
「へ?」
そう。
とても残酷な結果が出てしまった。
「次の目的地がありません」
「へ??」
これが残酷な結果。
つまり。
私達は次へ行けなくなってしまった。
「次の目的地が無いって。それじゃもしかしてこれで全部?」
「美喜子。たぶんそれは無い。例えこれで全部だとしてもイザナミノミコトの場所は何処にある?」
「あっ」
そう。
これは本物で間違いない。
私の能力は触れるだけで、それがどんな物が瞬時に分かる。
だけど。
いつものように、次の目的地の情報が今回はまるで入って来ない。
美喜子さんが、水晶のドクロをのぞき込む。
「本当だ。何にも無い。どういう事?」
それが分かれば苦労はしない。
完全に行き詰まり。
「残念だけど美喜子。僕達の冒険はここで終わりって事だ」
「そっそんな!ここまで来て。やっと氷室にも勝てたのに!あとちょっとなのに!そして、ディルスを止めないといけないのに!!」
その気持ちは痛いほど分かる。
やっとここまで追いつめた。
あと少しの事なのに。
「もう誰もディルスを止められない。終わりだ」
イザナミノミコトの場所が分からない以上、そういう事になるでしょうね。
「待ってよ!まだ私には瞬間移動がある!ディルスの船へ行けばまだ勝機は」
「美喜子。無駄な事は止めた方がいいよ」
あっさりと山本さんが言う。
「へ?」
「すでに僕が試した。風の精霊だけどね。そうしたら、精霊があの船に到着する前に弾かれた。つまりあの船には超能力のバリアみたいのがあると思っていい」
なんと。
すでにそんな事をしていたなんて。
「つまり、イザナミノミコトを見つけない限り。僕達でもどうする事も出来ない」
そうなると。
まさしく絶望ですわね。
「それじゃ、もしかして、入り口から間違っていたって言うの!?本当は水晶のドクロじゃなく別の」
「今更それを言っても遅い」
山本さん。
「悔しく無いの!?私達がここまで頑張って来たのが全て無駄だったなんて。やっと・・・やっと過去を乗り越えられる時が来たと思ったのに!!」
「悔しいが。これが現実だ」