第7章 6話
水かさはどんどんと勢いを増すばかり。
それなのに、まだ水晶のドクロのありかは分からない。
時間制限付きだなんて、さすがの美喜子さんも焦っている。
どうすれば。
え?
不意に空からもの凄い音が鳴り響く。
まるで飛行機が、もの凄い遅いスピードで飛んでいるかのような。
空に鳴り響く、低い音。
私達は空を見る。
「何あれ!?」
それはまるで。
帆船が丸ごと飛んでいるかのよう。
そう。
あれは空さえ飛んでいなければ、普通の船とそうは変わらない形。
それが飛んでいる。
あれは!
まさか。
「イザナギノミコト」
そう。
あれこそが。
古代兵器のイザナギノミコトの姿。
「え!?あれが?」
「はい。氷室から話を聞いた後に、私なりに調べたんです。そうしたら船そっくりの形で飛ぶ兵器の事が書いてあって」
「まさに、あれだな」
そう。
という事は。
間違いなく、あれにはディルスが乗っている。
「くっ!早く見つけなきゃ!!」
確かに。
もうすでにあちらは見つけて、しかも動かしている。
それなのに、こちらはというと。
まだ見つけて無いのが複数もある。
あれがどんな力を持っているのかは、まだ謎ですが。
とんでも無い事になるのは間違い無い。
「やれやれ。かなりまずい事態だ」
え?
健一さんが前方を見てますが。
何を?
「もっと上の方だ。ビルの隙間からなら見やすいだろう」
どれどれ。
え!?
「うげっ!?何あれ」
そう。
そこに見えたのは。
凄まじい程の高さの波がこちらに押し寄せようとしてる光景だった。
「あんなの来たら。一発で水没じゃない」
「そうだな。あれが来る前に見つけないと駄目って事か」
非常にまずい。
美喜子さんの瞬間移動があるから、ギリギリまでは大丈夫ですが。
これは本格的に、とんでもない状況。
「あっ!あれ!!」
その時に美喜子さんが何かを見つけた。
それは。
博物館だった。
「なるほど、水晶のドクロがあるにはこれ以上うってつけの場所は無いな」