オープン! あなたの世界!!(オープンワールドサンドボックス)
架空のゲームというのが大前提の紹介文風作品です。
紹介するゲームは実在しませんので、真に受けないようお願い申し上げます。
オープン! あなたの世界!!
発売日∶20XX年X月XX日
発売プラットフォーム∶PC(要∶完全没入機器)
ジャンル∶オープンワールド サンドボックス
概要∶
《サービス終了済み》
このゲームは発表直後から、完全無課金で遊べるリアル寄りのオープンワールドでサンドボックスなゲームとアナウンスされて、大変に注目を集めた。
同時にどうして無料なのか、その利益体制も添えられた。
それによると、企業からの宣伝広告費で賄うとされた。
どうやって広告されるかだが、広告主と関係がありそうなゲーム内のアイテムのグラフィックやアイテムの読み物を変える事で一定期間登場させる、いわゆるネーミングライツ権的な使い方だったそう。
無料ゲームでよくある、いきなり広告動画が差し込まれて、強制的に数十秒間動画を見せられるタイプではないと明言されていた。
ゲームシステムは至って開放的。
ゲーム会社の用意したサーバーから1人1つ分として割り当てられたデータ容量内で思い思いに世界を作り、それを全世界へ公開する。
公開された世界へは自由に出入りでき、その世界の中で好き放題自由に遊べるフリースタイルのオープンワールドゲーム。
作った世界に登場する人物等は自動生成も可能だし、シナリオも簡単な道筋をゲームの補助機能によるアンケートを答えるだけでストーリーの自動生成もしてくれる。
見本としてテンプレートがいくつか用意されているのを適用すれば、あっという間につくる事も可能。
もちろん自動生成機能に頼らず1から自力で、コツコツこだわって作り上げる事も可能。
お手軽に作った世界を公開し、他のプレイヤーの自由な遊び場にして、自身はひたすら他のプレイヤーの世界で遊ぶのも良し。
凝り凝って拘りに拘り抜いて世界を作り上げ、その世界で遊ぶプレイヤーの様子を眺めて楽しむのも良し。
サンドボックスでオープンワールドの特性上、制作者の想定外のプレイによって生じてしまう矛盾は、ゲームの補助AIによって補完される。
サンドボックスの性質上、地形や建物破壊が当たり前に行われるし、逆にブロック等を使って色々台無しにされる事もあるが、それを楽しむのもまたサンドボックスゲームの醍醐味。
自己責任になるが自作世界へ非公式データの導入も認められていて、更に自由度が増したゲーム体験を得られる。
そして完成した世界は世界中の同ゲームのプレイヤー達へ公開され、人気のある世界は何千何万ものプレイヤーが作られた世界で同時に遊んでいた。
なんと素晴らしいゲームか。
と、ゲーム開始前のプレイヤー達は思っていた。
いや、実際にサービス開始直後の1ヶ月はそんな感じだった。
しかし実際は何をやってもOKな風潮から、無粋な無法者は簡単に発生する。
他人の世界を壊し尽くすのが楽しみだとするプレイヤー、他人の世界に干渉するMODを使い改変して世界を奪うプレイヤー、ゲーム自体は全年齢向けなのにキャラクターにR18的MODを入れて世界をメチャクチャにするプレイヤー。
上記の他にも他にも多数いるが、そう言った他者の世界で悪さしかしない害悪プレイが横行し始めた。
このゲームの開発・運営は、無力だった。
各世界のバックアップは存在せず、各プレイヤー独自のデータバックアップは認めておらず、世界に変化があったら逐次オートセーブの仕組みだった。
世界の補修をするには編集モードにして他プレイヤーを追い出し、再びブロックの積み直し等を行う必要がある。
そんな仕様の為、悪質なプレイヤーの破壊行為によって、何ヶ月もかけて構築したのに全てを失った世界や、やさしいせかいを夢見て作り上げた世界を地獄へ変えられたり。
特に長い時間をかけて作られた世界ほど、世界を壊したがる悪質プレイヤーによって壊されやすく、世界を作るガチ勢は心が折れて早々に手を引いた。
なお世界を壊されたくないからと鍵を付ける機能は無くて、世界を守る術は用意されていない。
一応編集モード中は誰も世界に入れないのでソレで守ろうと考えても、世界をオープンにしないと他者の世界へ行けないので実質強制オープンである。
世界を壊された事で憤ったプレイヤーが報復行動に出るも、害悪プレイをするプレイヤーの世界はプリセットのままでオープンしており、その世界を壊されても何もダメージが無いだろうと思わせる絶望があった。
ありとあらゆる意味で世界を喰らい尽くすプレイヤーの増加によりプレイ人口は激減し、良い宣伝効果が見込めないと判断したスポンサー達に逃げられ、サービス期間は1年2ヶ月で終了した。
ゲームそのものは普通に遊べるので、選考から漏れるはずだったのだが、悪質なプレイヤーへの対策が全く出来ていなくてプレイがほぼ不可能になってしまって選考対象となってしまった、大変に珍しいケースである。
人気だった世界∶
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