出会い
苦しかった。周囲は全て敵に見えた。海辺の砂浜に力尽きて倒れた気分だった。
それでも、この苦しみを救ってくれるものを夢中で探し続けた。手あたり次第本を買い今度こそ、今度こそと読み進めるうちに、違う、これじゃないとがっかりすることが続いた。そうして、探し求めていた時に、YOUTUBEの斎藤一人さんの、動画に出会った。天国言葉がいいというお話を聞いた。一日100回唱えるといいって、一生懸命唱えた。三日ぐらいしたころ、涙があふれて止まらなくなった。自分のハートにごめんね、と何度もつぶやいていた。その後もこの方の動画を片っ端から見た。ある時、短い動画を見た。死ぬんじゃないよ、誰も悲しまなくても、俺と神様が悲しむと言っていた。独りぼっちだと思っていた私の心に、ポッと明かりが灯った感じがした。それからは、この動画が、私の心のよりどころとなった。動画で、いろいろ教えてもらった。結界塩も作って、毎月1日と15日に、部屋の四隅に置くようになった。お札をそろえて、トイレのふたもするようになった。
そのころ、我が家には宗教系の勧誘が入れ代わり立ち代わりしつこく訪問することに辟易していました。いつものように斎藤一人さんの動画を見ていた時、バシャールさん(宇宙人ン)の動画が出てきた。タイトルにひかれ、開く。英語の早口でエネルギッシュな語り口、下に日本語訳のテロップが流れる。すごい、これすごい、私の求めていたものは、まさにこれだと感じた。それからはタイトルの中に答えを求めて毎日聞いていた。
懐中電灯に照らされた先は、真理にあふれていた。自分の考えは間違っていなかったと確信できた。
ある夜のこと、いつものようにバシャールの動画を開いた。チャネリングしているダリルさんという人がまるで私に直接語り掛けるように、「神との対話という本を強くお勧めします」と言っていた。今までは本のタイトルで、「苦しみから救われる」というニュアンスのものを、片っ端からよんでいたのだが、このタイトルは拍子抜けするほどシンプルだった。そういう探し方をすればよかったのか、と気づく。
その夜のうちに、ネットで検索して購入した。2~3日して届く、すぐに読み始めた。これだ、まさに自分が求めていたものがここにあった。やっと見つけた。みんなに教えたかった。友達に話した。ポカーンとしていた。宗教の勧誘の人にも話した。何かつぶやきながら帰っていった。
本を読み進めていくうちにますます確信に変わっていく。知りたかったことを、作者のニールさんという人が次々に聞いてくれる。そのすべてに神様がわかりやすく答えてくれる。まさに乾いた砂に水がしみこむように心にしみわたる。細い懐中電灯ではなくて、部屋の明かりが灯った感じ。
1巻から、3巻まで一気に読んだ。心が嬉しくてワクワクしていた。そのあと、神との友情、神と一つになること、新しき啓示、明日の神、神へかえるも何度も何度も何年もかかって読み返した。読むたびに理解が深まっていった気がする。飽きることはなかった。父母に会いに行くような嬉しい懐かしい時間だった。