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【転移95日目】 所持金2京1458兆3455億1901万ウェン 「神様に空きビン拾いさせちまったよ…」

世界情勢は例によって混迷を極めているが、我々に出される朝食は豪勢極まりない。



クロワッサンっぽいもの。

シュラスコっぽいもの。

海鮮マリネっぽいもの。

カルパッチョっぽいもの。

ロコモコっぽいもの。

オレンジジュースっぽいもの。

フルーツパフェっぽいもの。



無数に並ぶ皿の中から日本人の口に合いそうなものをチョイスした。

メインシェフのボネ氏は陛下の専属料理人であり、10代の頃から様々な料理コンクールを制覇してきた本物の天才である。

どれくらい凄い人かを説明すると、俺の拙い説明から豚骨ラーメンを再現してしまうほどである。

(あの即興のラーメンだけでも、普通に日本で通用するレベル。)



この先、ゆっくり休める保証が無いので、今は一時の堕落を楽しむ。

ピット会長は既に国境の沿いまで向かっているらしいので、俺と陛下も進軍路の安全を確認しながら向かう予定である。

勿論、この行動に俺の意思は微塵も反映されていない。

カネ持ちになれば自由が買えると信じていた時期もあったのだが、《過ぎたるは猶及ばざるが如し》を身を以て思い知らされている。

今からでもいいから、俺の資産100億くらいに設定し直してくれないかな?

なあ、マジで誰か1京円貰ってくれない?




高速運河を使うので降り口からの安全ルートを確認さえ出来れば鈍行でも2日で到着する。

(陛下は拙速主義者なので恐らく高速走破を希望されると思うが…)

参謀総長曰く

「日頃の分断統治が功を奏しまして、自由都市方面では一揆は殆ど起こっておりません!」

とのこと。


首長国も自由都市との国境地域には特に気を遣っているので、安全度は高いそうだ。



少しだけ国王陛下が難色を示すがカイン達の同行も認めさせる。

これだけ国債を買ってやった上に人質までくれてやるつもりは無い。




==========================




朝食が終わると、すぐに出発する。

陛下はこの後、帝国四諸侯との決着を着けなければならないし、王国からの亡命貴族達との謁見もある。

更には内乱発生地帯を鎮圧順に視察することも決定済だ。



『陛下…

俺は王様というのはもっとのんびりとした毎日を過ごしているのだと思いました。』



「のんびりして見せなくてはならない場面では、頑張ってのんびりしますよ。

焦ってる場面でも余裕そうに見せないといけないですしね。」



『陛下でも焦る場面とかあるんですか?』



「…ありますよー。

例えば1京ウェンを見せつけられた時とか。」



『あの。

しつこいようですが、俺を殺せば全部解決するんじゃないですか?』



「ねえ、コリンズ社長。

貴方は問題が起こる度に人を殺し続けるんですか?」



『いえ…』



「コリンズ社長のような有名人が突然亡くなったり不審死したら世論はどう反応するかわかりますか?

ただでさえ、カーター大主教や皇帝アレクセイの訃報に世間が混乱している時期です。

貴方まで失う訳にはいかないんですよ!


それにね?

命は掛け替えのないものです。

軽率に奪ってはならないのです。

少なくとも社会に影響力を持つ人間は口が裂けても生命を軽んじる発言をしてはなりません。


これからは軽率な発言を慎んで下さい!

コリンズ社長が何気なく発したつもりの言葉でも、マーケットは過敏に反応してしまうんですよ!

持つ者はその富や名誉以上の自覚を持たねばならんのです!」



『も、申し訳ありません。』



老人の剣幕に思わず自説を引っ込めてしまったが。

…でも、俺を殺す方がコスパいいと思わない?

俺が王様ならコリンズ一派をしれっと皆殺しにして1京ウェンをコッソリ奪うけどなあ。

俺・ヒルダ・コレット・キーン・カイン・ポール、騒ぐようなその家族と社員。

必要人数は100人もいないだろ?

ヒルダが教団を始末したように、移動中の落盤事故か何かに見せ掛けて皆殺しにすればいいだけじゃないか。

それに俺達は平民だ。

仮に騒ぎになった所で、すぐに忘れられるだろう。



王様の考えがわからん。

カネ持ちの財産なんて、どうせ悪事で貯めたものなんだから、サクっと殺して皆で分配すればいいだけじゃないか。


ましてや俺のカネなんて、スキルという名のズルで手に入れたものだから、殺された所で文句を言う筋合いもない。





そんな内心は老人には見抜かれているようで


「コリンズ社長…  

今、すっごく過激な思想を膨らませてるでしょう。

いや、誤魔化しても無駄です!

貴方がた若者の考える事は、我々年寄りが何十年も前に通った道なんですからね!


あ、わかった!

【カネ持ちを殺してその財産を民衆に分配すればいい】

とか考えてるでしょう!」



『心を読まないで下さいよ。

何ですか? 陛下はそんなスキルを持ってるんですか?』



「そんな危険なスキルが存在する訳ないでしょう。

仮に心を読むような狼藉者が居たとすれば…

それこそ世界を挙げて抹殺せねばなりません!」



…さっきと言ってること違うじゃねーか。



「ある程度の人生経験を積めば、若者の思考は何となく読めるものです。

それくらい、年齢差・経験差というものは大きい。

ピット会長なんか、私よりも遥かに鋭いですよ?

あの人現役の神様ですし。」



『神!?』



「私の口から言えることではないので…

相手は大学の大先輩でもありますし。


まあ、逢えば色々と語ってくれるでしょう。

本人は否定していますが、この世界全体の支配者のような人なので。」



『???』



え?

ラスボス登場、なのか?


いや、そりゃあそうか。

資産が増えれば増えるほど、地位の高い相手と接触する機会も増える。

(現にこうして陛下と二人きりで会話している。)


なら世界一の資産家になってしまった今、世界を牛耳るラスボスと面会する機会に恵まれても不思議ではないのか…

(既に名刺交換も乾杯も次のアポも取っているのだが。)、



『あ! 思い出した!

俺、ピット会長からお見舞いのプレゼント貰ってます!』



「ちゃんとお返しはしたんですよね!?」



『つ、妻が…

多分…』



「多分じゃ駄目ですよ!

そういう礼儀挨拶はちゃんとして下さい!!

我々の階級の人間だと、ちょっとした口論や諍いの噂が立っただけで国際社会に悪影響を与えてしまうんですからね!」



『す、すみません!!

猛省します!!』



…クッソ。

俺、カネ持ちになってからずっと誰かに怒られてないか?

思ってたんと違う。

世のカネ持ちというのは一方的に威張り散らしてのうのうと生きているものだと思っていたが。


俺、財産に比例して謝る回数増えてるぞ?

??

これ、おかしくないか??

そんなものなのか?



==========================



高速運河を走る間も、ずっと陛下とマンツーマン。

正直、辛い。


自分の祖父ほどの年齢の専制君主と二人きりの船旅…

辛い。

向こうも必死に気さくに振舞ってくれているのは分かるのだが。

その気遣いが逆に息苦しい。


クッソ…

どこで間違えた?

追放系の異世界生活なんて自由と享楽の代名詞みたいなもんじゃねーか。


少なくとも俺が読んで来たラノベの主人公どもは全員やりたい放題してたぞ!

俺だけ何でこんな目に遭わされるんだよ!

いっつも怒られるし、下半身不随になるし、ヒルダは怖いし!!



小用で休憩の折、第九王子のフェルナン殿下と顔を合わせる。



『フェルナン殿下!

殿下も同席して下さいよ!

流石に国王陛下とずーっと2人きりは辛いんです!』



「申し訳ありません。

私如きが立ち入れる場面でもないので。」



『いやいや!

王子が入れないなら誰が入れるんですか!』



「本当にその権限が無いんです。

私は母親の身分が低いですし、軍籍もありません。

こういう政治的な場面に立ち会えるような身分ではないんです!


本来、私如きがこうやってコリンズ様と会話することもおこがましい。

後で陛下から叱責を賜ることでしょう。」




『いやいや!

晩餐会ではあんなに親しくして下さったじゃないですか!』




「あれは儀礼故、特別に友人の様な馴れた態度を取ってしまいました。

あの後、陛下からも家臣からも《分を弁えよ》と厳しく叱責されております。」



『わ、私は!

殿下を立派なお方だと思ってます!

尊敬しております。

例え今は無理でも、友人になれると信じております。』



「…身分違いです。

王子と言っても私は末席。

領地も継承権も持たず部屋住みの身分です。

そんな私如きがコリンズ様と対等にはなれません。」



『…晩餐会で詠んで下さった友情の詩は嘘ですか。

少なくとも私は感動しましたよ。』



「…あり得ないからこそ芸術は美しいのです。

コリンズ様、現実を見ましょう。

私は一介の部屋住み身分。

エッセイや脚本を執筆してかろうじて体裁を保っております。


一方、貴方は国さえ買える大富豪。

身分が違い過ぎますよ。」



『…いや、そんなのおかしいでしょう。

人間の価値が財産や収入の多寡で決まってしまうんですか?

じゃあカネを持たない人間には価値がないんですか?』



「コリンズ様…

貴方は旅を通して、その答えを十分見てきた筈です。


現実を見て下さい。

カネは身分です!!」



『…。』



俺はうなだれて貴賓室に戻った。

反論出来なかった。

俺は生まれてこの方、《カネは身分》という現実を突きつけられ続けてきたからだ。


ねえ、父さん。

俺、カネ持ちにさえなれば父さんの価値を証明できると思ってた…


思ってんだけどな。




==========================



高速運河をすっ飛ばしていく高速艇にも驚かされたが、その降り口にピット会長が既に到着していたことにも心胆を凍らされる。

どちらの陣営が組み立てたものかは分からないが、武骨で巨大なゲルが聳え立っている。


何でオマエら、老人の癖にそんなに神速なんだよ。



『ピット会長、御無沙汰しております!』

「ピット先輩! 御無沙汰しております!」



俺と陛下は会長に深く頭を下げ、会長も丁寧に頭を下げた。



「お二人の貴重な時間を割いて下さってありがとうございます。

仕事の話とは関係なく、こうしてお目に掛かれたことを嬉しく思います。」



前も思った事だが、腰の低い人だ。

わざわざ俺の車椅子の高さまで目線を下げてからお辞儀を下さる。

正直、恐縮以外のなにものでもない。



「ルイ陛下。

遊びに行く約束をなかなか果たせずに心苦しかったので。

こうやって首長国に入国させて頂いて、少し安堵致しました。」



「いえ!

私からお迎えに上がるべき所

先輩を煩わせてしまい非常に恐縮しております!」



2人の老人は、軽く抱擁して俺の両脇に座った。

ん?

そのフォーメーションおかしくない?



「コリンズ社長、本当に申し訳ありません。

ランチを御馳走する約束が伸びてしまって…

こうやって顔を合わすのも気恥ずかしいです。」



『いえいえ!

私こそ急に国を出てしまって!

会長に連絡をするべきでした!』



「ふふふ。

私は大丈夫ですので、奥様達にちゃんと連絡をしてあげて下さいね。」



『…はい。』




「では、自己紹介も兼ねて現在の情勢を整理しましょうか。」




==========================




うーーーーーーーーーーーーーーーーーん。

ガチのマジでラスボスだ。


ピット家。

事実上、この世界の大半を支配している。


地球の大航海時代に例えれば、ピサロ+ハプスブルクみたいなポジション。




ピーター・ピット。

(株)南洋海運の会長兼CEOにして南洋諸島総督。

表向き、自由都市の役職は世襲が許されていないのだが、唯一の例外がピット家の南洋諸島総督職。

これは聖域なので、論ずることすら許されていない。

要は南洋諸島と呼称される地域の実質的な王である。




「コリンズ社長、この地図に見覚えはあるでしょう?」



『ええ、王国の宿屋にも貼ってありましたから。

ああ、この小さい点々が南洋諸島ですか。

へえ、20個くらいの島が連なっているんですね。』



「…。」



『?』



「今までコリンズ社長が見て来た地図は政治的配慮に基づいた地図です。

そして、こちらが科学的事実に基づいた地図です。」



『え!?

全然違うじゃないですか!!』



「…若干の誤差が見受けられますね。」



『いやいや!

若干とかじゃなくて!

え?

コレ、我々が今いる大陸より、こっちの南側の方が遥かに巨大です。

え?

4倍? 5倍?』



「はい。

今、コリンズ社長が《遥かに巨大》と表現した大陸の所有者にして唯一神が

ここにおられるピット会長なのです。」



『え? え?

スミマセン、少し仰る意味が…

え? え? この大きいの全部?

こんなモン、実質的に世界の大半じゃないですか!』



「わかります。

私も世界の真実を初めて知った時は混乱し戦慄しました。」




ピット会長は無言で申し訳なさそうに俯いている。

こうして見ると、本当に気弱で小柄な老人である。



「本当に恐ろしいのはね?

会長の支配面積ではないんです。


これだけ巨大な権力を持ちながら、殆どの市民は会長の存在を認識出来てないんですよ。

情報通で恐れられていたあのカーター氏ですらも、大主教に就任して初めてピット会長を知ったのですから。」



…ステルスに成功した世界支配者?

そんなのアリなのか?



そしてピット会長は、ポツポツと真実を語り始める。




==========================




250年前。

ピット家なるものは存在せず、王国からの逃亡農奴であるフラットなる青年が自由都市で港湾労働に従事していただけだった。


世情に疎いフラット青年は各所で騙され続け、自由都市に辿り着いて1年もしない間に借金漬けにされて奴隷落ちし、外洋船の最下級甲板員として冒険的航海の片道切符を握らされてしまった。

船の生活は苛酷であり、ある日船長に目を付けられたフラット青年は陰惨な集団リンチを受け、営倉に閉じ込められてしまった。

食事も水も与えられず死を待つだけだったフラット青年だったが、幸か不幸か集団食中毒によって自分以外の船員が全員死亡するというアクシデントに直面する。


瀕死の牢番から家族の保護と引き換えに鍵を受け取り、巨大な外洋船の舵を握ったフラット青年は七日七晩の漂流の後、何とか陸地に漂着する。


その陸地こそが、後に《南洋諸島》と呼称される巨大大陸であった。

大陸はフラット青年の故郷とは対照的に、温暖で豊穣で何より鮮明だった。



「太陽とは、こうも壮麗なものだったのか!?」



それがフラット青年の第一声である。




あまりの美しい光景に呆然とするフラット青年は、砂浜を探索中に小柄な人種と出逢う。

これがこの大陸に住む北洋種とは全く人種が異なる南洋種であった。


南洋種は豊穣の地で生きて来た所為か、鷹揚で温厚で底抜けに親切であった。

彼らはあらゆる悪徳とは無縁の文明を築いていた。


国家、法律、刑罰、金銭、嘘、そして宗教。

彼らはそういった恥ずべき悪徳の概念すら知らなかった。



その結果、恥ずべき悪虐種のフラット青年は彼らの神となった。

大きな船に大きな体、…そして大きな態度。

ただそれだけの男を神として崇めてしまう程に、彼らは純朴であった。


神になったフラット青年は欲望の赴くままに南洋種の女達を犯し続けていった。

いや、犯すという表現は正しくない。

フラットは恩寵を授け続けたのだ。

大陸という巨大なハーレムを10年以上満喫したフラット青年は、ある日望郷の念に駆られた。


神の命令として、大陸に住まう者全てのリソースを投入し帰還の手段を探った。

相当の犠牲を出したが問題はない。

死んでいったのは全て男だったからだ。

その分女達には子種を仕込んでやった。

神は実に思慮深い。



そしてフラット青年(この頃には中年に差し掛かっていたが)は巨大な鯨に乗って自由都市の沿岸に辿り着いた。

持ち帰った膨大な金塊は彼をすぐにソドムタウンの主役に押し上げた。


フラットは莫大な財力を背景に貴族の女を娶った。

それも王国貴族の女をだ!!


貴族の女に産ませた子をフラットは溺愛し、命名にすらも気が狂うほど熱心に悩んだ。

(南洋種の女には1度もくれてやらなかった癖に。)


《ピーター》


結局、農奴時代に彼が崇めさせられた王の名を世襲させることにした。

フラットは最愛の息子ピーターに自らの考えられる全てを与えた。


…南洋諸島での生殖権も含めて。


そしてピット家の男子は少年期から青年期まで南洋諸島で神として暮らすルールが自然に発生していた。


以来、250年間。

ピット家は北洋大陸文明を用いて神として南洋諸島に君臨し続けた。

そして南洋諸島から持ち帰った莫大な金塊を使って、北洋大陸で不動の地位を築いた。

幾人かの身の程知らずがピット家の利権を狙ったが、容赦ない反撃によってその全てが族滅された。

残忍極まりない処刑を見せつけられたソドムの市民たちは大いに恐懼し、ピット家に屈服した。


《南洋諸島総督》の職にはピット家が未来永劫君臨する事が憲法で正式に制定された。

また当然の如く、測量権もピット家が保有することが定められた。

それが如何なる巨大大陸であろうと、ピット家が島々と主張するならば、そこはヤシの実が転がっているだけの牧歌的な島なのだ。


250年、ピット家の男たちは神として南洋種に恩寵を与え続けた。

そして現在、南洋大陸にピット家の血を引かぬ者など1人も存在しない。



==========================



ピット家当主、17代目ピーター・ピット。

それが俺の眼前の老人の名である。

当然、ピット家の慣例に従い彼は少年・青年時代を神として暮らし

膨大な量の血脈を残している。



『すみません。

会長、スケールが大きすぎて…

話についていけません。』



「ああ、一度に話し過ぎてしまいました。

こんな話を聞かせてしまってゴメンなさいねぇ。」



『えっと。

会長ではなく、神様とお呼びした方が宜しいでしょうか?』



「いやいや!

ここでは一市民。

コリンズさんと同じ地区に住む仲間じゃないですか。」



そうなのだ。

俺が管轄する神殿の向かいがピット会長の邸宅の敷地で、一度ゴミが散乱してしまった時にポールと一緒に謝罪しに行ったことがある。

その時は静かで上品な御老人だとしか思ってなかったが…


あ、思い出した。

ピット会長、落ちてたエナドリの瓶を何本か拾ってゴミ籠に捨てて下さったんだ。

あ、やっべえな。

すっかり忘れてた。

俺、神様に空きビン拾いさせちまったよ…




「コリンズさん。

あくまで当家が特殊な立ち位置というだけね?

普通にして、普通に接して?」



『あ、いや。

そうは言われましても。


いやはや。

これまで失礼な言動をとってしまい申し訳御座いません、としか。』



国王陛下が「でも、自分より偉い人見つけると、少し嬉しいでしょう?」と冗談めかして囁く。

うん、ちょっとスッキリした。



『いやあ。

こういう言い方は良くないですけれど。

雲の上の人が居てくれて安心しました。


やっぱり自分の上には誰かが居て欲しいですよ。

自分より上に何も存在しない、と云うのは屋根のない部屋に住むようなものです。


俺、これからは会長の取り巻きの末席になります。』




「駄目駄目。

先輩の卓の末席は私と決まってるんですから。」




「もぅ、2人ともやめてよぉ。

大体、コリンズさんだって凄い商才の持ち主だと聞きましたよ?


伝書も読みましたけれど…

とてつもない富をお持ちだとか?」



『いえいえ、俺なんか。』





《ンディッド・スペシャルアンバサダー信徒》当が支払われました。》




ドッバ―――――――――――――――――――――!!!!!!!!


ジャバジャバジャバジャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!




「…確かに。

屋根のある部屋は落ち着きますねぇ。」




その夜は会長にせがまれて地球の話をした。

何故か《タコ焼き》の話に異常に喰い付いてきたので

『いつか一緒に地球に行く事があれば御馳走しますよ。』

と答えておいた。


別に社交辞令じゃない。

父さんに食べさせてやる約束を果たせなかったからな。

代わりに会長に喜んで貰えれば、きっといい供養になるだろう。

【名前】


リン・コリンズ




【職業】


(株)エナドリ 創業オーナー

駐自由都市同盟 連邦大使 

連邦政府財政顧問




【称号】


ロイヤルトリプルクラウン・ファウンダーズ・エグゼクティブ・プラチナム・ゴールドエメラルドダイアモンディッド・スペシャルアンバサダー信徒




【ステータス】 (リン・コリンズからは視認不能状態)


《LV》  43


《HP》  (6/6)

《MP》  (5/5)


《腕力》 3

《速度》 3

《器用》 3

《魔力》 2

《知性》 5

《精神》 9

《幸運》 1


《経験》 31兆0640億0285万8470ポイント  


次のレベルまで残り24兆2894億6062万8305ポイント 




【スキル】 (リン・コリンズからは視認不能状態)


「複利」


※日利43%  

 下12桁切上




【所持金】 (リン・コリンズからは視認不能状態)


2京1458兆3455億1901万ウェン   



※バベル銀行の8兆8167億8740万ウェン預入証書保有

※国際産業道路98号線交通債100億ウェン分を保有

※第11次魔族領戦時国債200億ウェン分を保有

※第4次帝国インフラ債550億ウェン分を保有

※帝国総合プランテーション債230億ウェン分を保有

※自由都市海洋開拓債1000億ウェン分を保有

※第2次自由都市未来テック債1000億ウェン分を保有

※首長国臨時戦時国債1100億ウェン分を保有

※自由都市国庫短期証券4000億ウェン分を保有。





【試供品在庫】 (リン・コリンズからは視認不能状態)


エナドリ 588605ℓ



※今回発生分の253100ℓは全てそこら辺に垂れ流し。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公に在日韓国人の生活保護受給者や、生活保護受けながらパチンカスしてるやつについて語ってほしい和
[一言] ようやくここまで追いつきました。 時間を忘れ夜更かしをしてしまうほど面白く読み進めてこれました。 ジャンルとしては異世界転移風刺小説でしょうか? 物語的に落としどころが難しいのでは?と思っ…
[気になる点] エリクサー捨てすぎーー!!パート2ーーー!! [一言] リン君何だかヤケクソになってきてないかな? 自分が死んで金を分配すればいいなんて短絡的な事は前は考えなかったよね。
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