【創世10日目】 所持品 パチンカス 「…ピク …ピク …ピク」
【前回の異世界複利!】
新宮入りでなんとか逮捕に待ったをかけた私たち。
そんな中、エルデフリダさんが異世界で四天王をしていることが発覚。
エルデフリダ 「ワタクシは皆さんの様な醜女貧民と違って全てを持ってるから…」
引け目を感じていたエルデフリダさんは、新しい自分となるべくお菓子泥棒に挑戦。
エルデフリダ 「物資を盗むと
不思議と勇気がもらえるの!」
七感 「エルデフリダ! それやで!
ただそれを、そのまま!
歌に乗せるだけでええねん!」
そして新宮での恩着せ配給は大成功!
目指せ、世紀末覇者!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【脇田昇】
「じゃあ、光戦士君。
レバーを引っ張れば青いランプが点灯するから。
その間は君の声が電波に乗って紀伊半島の南部に届く。
理論上は串本~尾鷲間で受信出来るはずだ。」
『はい、分かりましたのだ。』
「いいかい。
政府機能が麻痺しているとは言え、僕らがやっている事は電波法に抵触する違法行為だ。
秩序回復と同時に摘発される可能性もある。
もしも今後取り調べを受けたら、僕に強要されたと証言するんだ、いいね?」
『脇田さん。』
「ん?」
『ボクは自分の意志でここに居るのだ。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【ずんだもん解説ラジオ】
《ネットが死ぬレベルの非常事態下で生存率を上げる方法》
『ずんだもん解説~♪
はい、サトシ・ナカモトの所為で世界経済は崩壊。
おまけに、福島原発がポールソン軍なる自称ロシアとは無関係軍隊に占領されてしまったのだ。
そしてとうとうネットまで繋がらなくなってしまったのだ。
あれ?
ひょっとしてボクのずん生終わったのだ?
でも、諦めるのはまだ早いのだ。
ネット上で搔き集めた集合知を総動員すれば、こんな状況でも生き残る術はあるはすなのだ。
今日ボクが解説するのは【ネットが死ぬレベルの非常時の生き残り方】なのだ。
このラジオを聞いているみんな。
日本終了のお知らせには、まだ早いのだ。
何とか助け合って生き残って行きましょー、おーなのだ。
まず、結論から。
ネットが死んだら、頼れるのは『防災ラジオ』だけなのだ。
今、この放送を聞いているみんなはラジオに気付けてる訳だけど、隣近所にはラジオの存在を思い当たらない人も居る筈なのだ。
ボクもさっき聞いてみたけど、天理と白浜で状況共有の為の放送をしている人が居たのだ。
こんな状況だからフェイクニュースも飛び交うと思うけど、まずは冷静にラジオを聞いて欲しいのだ。
放送があるという事は、まだ文明が残っているということ。
つまり貴方は一人ではないのだ。
まずは冷静にラジオを聞いて欲しいのだ。
ラジオの前のアナタ。
ちょっと真面目に聞いてほしいのだ。
ネットがあった頃、アナタにはSNSに何千、何万人のフォロワーがいたかもしれない。
でも、いつネットが繋がるか分からない今、もうバーチャルはアテにならないのだ。
だから、自己防衛の為にも積極的に隣近所と挨拶をして、まずは互いの安否確認をするところから始めて欲しいのだ。
法が機能していない今の世の中、一人暮らしは『カモ』なのだ。
強盗や略奪者から身を守るには、数が必要なんすよ。
隣近所と仲良くして『異変があったら大声を出す』『交代で見張りをする』。
このアナログな相互監視こそが、今の日本で一番硬いセキュリティシステムになるのだ。
そして試みて欲しいのがスキルの物々交換。
機械に詳しい、料理が出来る、植物を栽培出来る。
それらは立派な資産なのだ。
まずはアナタが持っている無形の資産を思い出して欲しいのだ。
そして最初に為すべき事。
それが「挨拶」なのだ。
この非常事態、急に『仲間になれ』って言うのは難しいのだ。
だからまずは、今すぐ玄関を出て、隣の人に挨拶するのだ。
『大丈夫ですか?』『ラジオ、聴きましたか?』
その一言が、未来のアナタの命を救うんすよ。
孤立は死なのだ。
ずんだ餅も、バラバラの豆より、すり潰して固まった方が美味くて強いのだ。
ボクも、ここの放送局の仲間とずんだ餅を分け合って頑張ってるのだ。
だからアナタも一人で抱え込まないでほしいのだ。
……よし、この放送が終わったら、ボクも勇気を出して近所の人に余った乾電池を持って挨拶してくるのだ。
大丈夫、こんな悪夢はすぐに終わるのだ。
次の放送でまた会おうなのだー!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【三橋真也】
「光戦士君、お疲れさまー。
番組良かったよ。
やっぱり場慣れしてるねー。
台本なしでアソコまで喋れるなんて、流石は人気YouTuberだ。」
『ありがとうございますなのだ。
ふふっ、少し緊張しちゃった。
でも、初回だから一般論で落ち着いたっすけどね。
次からもっと実用に寄せていくのだ。』
「そんな事ないよ。
脇田さんも《素人とは思えない》って驚いてたもの。
内容も良かった。
きっとさっきの番組は聞いた人を助けるよ。
どうか胸を張って欲しい。
キミは社会に貢献したんだ。」
『…でも三橋さん。
ボクらが泥棒である事には変わらないのだ。』
「かもね。
幾ら世紀末とは言え許されないと僕も自覚はしている。」
「まてー、この泥棒烏(♀)--!!!」
##キャハハ♪ (パタパタ)
チョコパイはワタクシの物♥ (パタパタ)
誰にも渡さないのだわーw(パタパタ)##
『…。』
「…。」
「盗んだ物を返せー!!!
この泥棒烏(♀)!!」
##キャハハハ!!(パタパタ)##
『…。 (蠅叩きべチン!!)』
##ぶえーーーーッ!!!##
「あ、すみません。
番組中にお邪魔してしまって…
コイツが娘のお菓子を盗んだんですよ。」
『いえ。
申し訳ありませんでしたのだ。
飼い主のボクの不始末ですのだ。(ペコリ)』
##ピクッピクッ##
『さあ、お菓子をお返ししますのだ。
お詫びと言う訳じゃないんすけど、これをお納め下さい。』
「おお!!
ガソリンだ!!
すみません、お土産まで貰っちゃって。」
『いえ、なるべく早く次の街に行くように心掛けますのだ。』
「いやいや!!
烏はともかく観音様なら
幾らでも滞在なさって下さいよ。
こんなに新宮が盛り上がったのは
源平合戦以来です!」
『ははは、そう仰って頂けて救われますのだ。』
「じゃあ、私はこれで。
失礼します。」
『…。 (ペコリ)』
「…光戦士君はまだ中学生なのに大人と受け答え出来ていて偉いねえ。」
『いえ。
ずっと大人の人に囲まれてたからっすよ。』
「じゃあ、きっと光戦士君の…
いや、僕らの旅にはちゃんと意味があったんだ。」
『…三橋さん。
もしもこれが旅だとしたら…
一体ボク達はどこを目指してるんすか?』
「光戦士君。
君の望みはなんだい?」
『それは勿論…』
「うん、そこが光戦士君にとっての目的地だよ。」
『…ボクの目的地。
…リン兄ちゃん。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【久保木瀬里奈】
「ジャンジャンバリバリアアアアアッ!!!」
『うわっ、びっくりした。
パチ子さん、常時発狂するのは勘弁して欲しいのだ。』
「バリバリデンセツ!!!」
『おい、エルデフリダ。
パチ子係はオマエなのだ。
ちゃんと面倒見とけなのだ。』
##ちょっと坊や。(パタパタ)
人様を蠅叩きで叩いておいて(パタパタ)
その言い草は何よ!(パタパタ)##
『お、おう。
オマエの自己認識、まだ人間だったのだ。』
「バリバリバルカンパンチ!!!」
##え? 何?(パタパタ)
パチンコしないと
死んじゃうの?(パタパタ)##
「オサシミタベラレナイヨー!!!」
##大変よ、坊や!(パタパタ)
パチンコをさせないと(パタパタ)
セリナが死んじゃう!(パタパタ)##
「オサシミタベタイナー。」
『えっと、死ねばいいんじゃないっすかね?』
##ちょっと待ちなさい!!!(パタパタ)
ワタクシ達仲間でしょ!!(パタパタ)
見損なったわ!!(パタパタ)
仲間を見殺しにするの!?(パタパタ)##
「タイクツデシンジャウヨー。」
『えっと、この激動の世紀末で退屈出来る神経が凄いんすけど。』
◇ ◇ 《30分後》 ◇ ◇
##みんな褒めて!!(パタパタ)
ワタクシの大手柄よ!!(パタパタ)
愚民共を集めて来たわ!(パタパタ)##
『おいエルデフリダ。
パチンカスばっかりこんなに集めてどーすんのだ。
今から尾鷲を目指して隊列を組み直さなきゃならないんすよ。』
##えー!(パタパタ)
何で怒られるのか分からなーい。(パタパタ)
折角やる気を出したのに!(パタパタ)##
『…コイツ、やる気があろうがなかろうが邪魔なタイプなのだ。』
##な、何よ!!(パタパタ)
このワタクシが(パタパタ)
こんなに頑張ってるのに!!(パタパタ)
キーキーギャオーン!!(パタパタ)##
「ズン坊、どうした?
あの群衆はなんだ?」
『あ、夜色姉ちゃん。
実はかくかくしかじかなのだ。』
「あー、パチ屋かぁ。
そりゃあパチンカス共には辛い状況だろうよ。
でもそもそも原油が止まってるらしいからな。
電気を無駄にするパチ屋なんてNGだろうなあ。」
『エルデフリダが勝手にパチンコ屋の開店を宣伝したみたいなのだ。』
「なるほどなー。
まあ、ここらは漁師町でもあるからな。
パチンカスは多いだろうな。」
『ごめんなさい。
ボクがエルデフリダから目を離したから。
コイツ邪魔ばっかりするのだ。』
「まあまあ。
エルデフリダさんはウ↑チ↓にとって大切な人だ。」
##ルナー♥(パタパタ)##
「この人ほどのVIPには相応しい仕事を用意してあるから。
大目に見てやってくれ。」
##キャハハ!!(パタパタ)
聞いたぁ↑?(パタパタ)
ルナはワタクシの価値をちゃーんと理解してるわ。(パタパタ)
坊やも少しは見習いなさいww(パタパタ)##
『分かった分かった。
オマエの為にロイヤルルームを用意してやったから入ってろなのだ。』
##ロイヤルルーム!?(パタパタ)
あらあらぁ。(パタパタ)
坊やも少しは世の中の道理が分かって来たじゃない。(パタパタ)
うふふふロイヤルルーム♥(パタパタ)
あらあら、ワタクシに相応しいクリスタルのような(パタパタ)
透明感のあるお部屋❤(パタパタ)
キャッハーーーーッ❤(飛び込み)##
「へー、丈夫そうな虫かごじゃねーか。」
『フタを開けずに餌を投入出来る仕組みなんすよ。』
「へー、最近は色々あるんだなー。」
##ロイヤルロイヤル♪(パタパタ)
ワタクシの息子は帝国皇帝~♪(パタパタ)
うふふふー♪(パタパタ)##
『遮音性に乏しいのが欠点なんすけどね。』
「そっかー。
鈴虫用の虫かごを入手したらズン坊にやるよ。」
『期待して待ってるのだ。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【相構厳】
「ん?
何だい光戦士君?」
『ゲンさん。
パチンコ屋を再稼働するのを手伝って欲しいのだ。』
「え?
パチンコを?
いやいや、さっきの天理教ラジオでも言っていただろう。
もう日本にはタンカーが入って来ないんだよ。
あんな電気を喰う店舗は止めるべきだと思うけどなぁ。」
『実は、かくかくしかじかなんすよ。』
「あー、なるほどねえ。
中毒者かぁ…
あー、まあ、こういう田舎じゃ娯楽も少ないだろうからねぇ。」
『新宮市街のパチンコ屋さんは2軒あるんすよ。
地図広げますね。
42号線沿いから一本入った所に【パチンコ21世紀シアター】さんが。
新宮紀宝道路の根元に【キング観光】さんが。
夜色姉ちゃんは、どちらかを制圧するつもりなんすけど。』
「キング観光。」
『え?
ここからじゃ結構距離ありますけど。』
「和歌山県警と三重県警が足並みを揃えて攻撃して来た場合、どこかで迎撃しなくてはならないからね。
だから密集地は駄目だ。
見通しの良い平地なら火力でゴリ押して離脱出来る。
だからキング観光から新宮紀宝道路の間を制圧した上でパチンコを再開するべき。」
『話が大きくなって来たのだ。』
「街中に入るとそれくらいリスクが増えて来るってことさ。
私はお茶を濁した方が良いと思うけど。
そこまでしてパチンコ中毒者を満足させる必要はあるのかい?」
『えっと、これは兄ちゃんが茨城に居た時に実際にやった事なんすけど。
かくかくしかじか。』
「なるほど、人間パチンコか…
流石に遠市君は全世界から追われるだけあって傑物だねえ。
いや異世界からも指名が掛かってるのだったか…」
『実際にパチンコを打った事があるのはゲンさんだけなのだ。』
「まゅまもパチったことぁるょー♪」
『だからゲンさんが反対なら諦めるのだ。』
「…そうか。
分かった、夜色さんと車両配置を詰めてみるよ。」
「まゅまもまゅまも!」
『ありがとうございますなのだ。』
「いや、志ある若者が未来を掴もうとしているのなら…
私達にはそれを後押しする責務がある。」
「ぇへへ、それほどでもぁるょ♪」
『志…
ボクのはただの私情なのだ。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【鷹見夜色】
「さっき久能木さんから聞いたよ。
ダーリン様が茨城で開いた人間パチンコ。
ウ↑チ↓はアリだと思う。
いや、遠市厘の思想を尊重するなら…
むしろ、今ここで開帳しておくべきだと思う。」
「ジャンジャンバリバリィーッァア!」
『あのパチ子さん。
真面目な話をしているので、あっちに行ってて欲しいのだ。』
「ジャバァ!?」
「ちなみに久能木さんはさっきまで普通に人語を話してたから。」
『嘘ォ!?』
「損得勘定の天才みたいな人なのでウ↑チ↓も非常に助けられてる。」
『パ、パチ子さん。
ボクにも普通に話して貰う事は出来ないんすか?』
「ジャンジャンバリバリー♪」
『…。』
「安心しろ久能木さんはズン坊の事を高く評価してるから。」
『そうなんすかね?
おちょくられてるようにしか感じないんすけど。』
「セーテキナイミデ! セーテキナイミデ!」
「よし。
そうと決まれば善は急げだ。
一旦紀宝町側に渡って新宮市街を迂回。
鵜殿城を占拠中の木下隊と合流してから新宮紀宝道路を押し渡ってキング観光及びその周辺地帯を制圧する。」
『なんか本当に戦時下みたいになっちゃったっすね。』
「告知はズン坊とワッキーに任せる。
オマエ達が人心を和らげるアナウンスに成功すれば死人の桁が減る。」
『…。』
「日本はまだまだ平和だぞ。
ラジオの情報では、アメリカで大規模な人種戦争が勃発してるらしいしな。」
『ネットが止まる前からあの国は酷い事になってたのだ。』
「まあ、ガイジンが減るのは良いことだよ。
そして日本に関してはオマエ次第だ、ズン坊。
ウ↑チ↓から社会を守りたいんだろ?」
『…夜色姉ちゃんみたいな山賊が威張ってるのはおかしいのだ。』
「ふふふ、そうだな。
オマエならちゃんとした世界を作れるよ。」
『…。』
「さあ、行くぞ。
ズン坊、未来はオマエが決めろ。」
『ボクが未来を…』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【久能木瀬里奈】
「ジャンジャンバリバリャアーーーッ!!」
『落ち着いて下さいなのだ、パチ子さん。』
「ブゥワリブゥワリャァァッアア!!!」
『こんな狂人がのさばるなんて、世も末っすね。
まだ21世紀は4分の1も消化してないけど。』
##あらぁ、セリナ元気になったじゃなーい♪(パタパタ)##
「バーリ♪」
##うぇーい♪(パタパタ)##
『コイツラの波長が妙に合ってるのが怖い点について。』
##ねえ坊やぁ。(プーーーン。)
なーに辛気臭い顔をしているのよ。(ピト)
もっと明るい表情作りなさい。
催しをお祭りにするのも葬儀にするのも主催次第よ。##
『…言いたい事は分かるけど。
明るい気分なんかになれないのだ。』
##違う違う。
自分の感情なんてどうでもいいの。
大切な事は人民が自分に何を求めているか。
それだけよ。
少なくともワタクシはちゃんと義務を果たしてきたわ。##
『義務っすか?』
##お姫様♥##
『…。』
##天真爛漫なお姫様♥
だから世俗の事は何も分からな〜い♪##
『まあ、言わんとすることは分からないでも無いのだ。』
##アナタにも求められてる役割がある筈よ。##
『…。』
##進みなさい、カネモト・ズンダモン。
アナタの進んだ方向に明日があるのだから。##
『…ボクの明日。』
「ぉーぃ、ェル公。
ェロくなぃ方の風呂が沸いたぞー。」
##キャハッ!(パタパタ)
まゅまー♥(パタパタ)
珍しく気が利くじゃない!(パタパタ)##
「なんだとー!
まゅまゎ、ぃつでも配慮だょ!」
##キャハハハww(パタパタ)##
「ぁははははww」
##「ギャヒーギャヒーww」##
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【安久津明】
『え?
この状態のリン兄ちゃんを晒すんすか?
*全人類(+異世界勢)に追われてるんすよ?』
*地球人類は世界超恐慌の主犯であるサトシ・ナカモト(トイチ)を深く恨んでます。
「うーーーん。
でも猊下って、もう原形留めてない訳じゃない。
ってか、これを吊ってても誰も人間だと気づかないんじゃないかな?」
『あ、いや。
でも、それは…
人道上、あまりにも…』
「光戦士君の気持ちは分からないでもないけど。
明ちゃん達も綱渡りで戦ってる訳じゃない?
使える物は何でも使うべきだと思うけどな。」
『…。』
「大丈夫大丈夫。
あくまで秘仏扱いだから、秘仏♪
ちょっと豪華な祠をでっち上げて、その中で大観音して貰うだけよ。
だーいじょーぶだーいじょーぶ♪
心電図は一応動いてるでしょ?」
『…分かったのだ。
ただ、もう少し顔を隠す訳には行かないのだ?』
「うーーん。
猊下のこの苦悶の表情が売り物だからねぇ。
まあいいわ。
猊下の身元が特定されないように工夫する。」
『遠市大観音って呼ばれてる時点でもう特定されてるも同然なのだ。』
「それな。」
『…みんなは結局リン兄ちゃんをどうしたいのだ?』
「明ちゃんは猊下のお嫁さんだから正当な権利を徴収しているだけよ。」
『アンタは関係ないでしょ!』
「あるんだなー、それが♪
だって明ちゃん18歳のお腹の中には猊下の子供が居るのよ❤
光戦士君は子供産めない身体だよねー?」
『…。』
「あははははww
ゴメンゴメンww
そんなに怖い顔しないでよー。
ほら、三橋君がパチンコ屋を開けてくれたよ。
あははは、凄い行列ww
ふーん、部分的に稼働させるのね。
北斗(暴凶星)が2島。
海物語5が2島。
お、浅野天狗が壇上に登ったww
あの人もノリノリだよねーww」
「皆の物ー!!
パチンコを打ちたいのであれば祠前に供え物を置け!!
供え物が多い物から遊ばせてやる!!
退場時にちゃんと返却するから安心せよ!!」
「あははは。
アレは三橋君が前から言ってたアイデアだねえ。
民衆にモノを預けさせるってアイデア。」
「また!!
遊戯中は乗って来た車両を神に預ける事を義務付ける!!
遠市大観音は御利益満点であるぞおお!!!」
「…ほう。
鷹見ちゃんの表情から察するに、車両委託は浅野天狗のアイデアかな。」
『…勝確なのだ。』
「あら、光戦士君もそう思う?」
『リン兄ちゃんの【異世界複利】は車も増やせるから。
それも車検証完備・ガソリン満タンで。』
「流石は猊下。
まさしく現代の現人神!!
最高の男よ!!」
『…なら、ちゃんと人間扱いしろなのだ。』
「ん?
ふふふ、善処しておくわ。」
◇ ◇ 《30分後》 ◇ ◇
【安久津明】
「ばびょーん♪
遠市大観音ッ!
完成~www」
『…。』
「えー、何で怒ってるのー?」
『全身を金粉で塗っただけなのだ!!』
「でも伊東ちゃんもエルデフリダも笑ってくれたよ?」
『あんな屑共と一緒にするななのだ!!』
「一番爆笑してたのが七感なんだけどね。」
『…。』
「まあまあ、許してあげなよ。
七感だって猊下の子供を孕んでるんだから。
旦那を笑うのは妻として当然の権利じゃない?」
『…世も末なのだ。』
「だーいじょーぶだいじょーぶ♪
次の世を遠市大観音が創世してくれるから。」
『そ、創世?』
「光戦士君だって本当は理解してるんでしょ?
もう、そういうステージなんだって。」
『い、いや。
ネットが繋がれば、時間は掛かるけど、また社会が元通りに…』
「ならないよ。」
『え?』
「させねーよww
やっと、この糞世界が滅びるんだからさあ。
旧人類にはきっちり絶滅して貰おうよww
新しい世界はアタシらと猊下の子供だけが居ればいいんだよ。」
『…世も末なのだ。』
「そう♪
ようやく世が末♪
いやぁ、良い時代になったものねぇ~♪」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【鷹見夜色】
「どうしたズン坊?
眉間に皴が寄ってるぞー。」
『皆がリン兄ちゃんを苛めるのが許せないだけなのだ。』
「はっはっはww
どちらかと言うとダーリン様が皆を苛めているのが実情なんだがなww
まあ、確かにズン坊の目にそう映ってしまうのも仕方ないのかもな。
でも、ほら見てみろよ。
このパチ屋に停まってるクルマ。
全部ダーリン様への貢ぎ物だぞ?
まあ、遊戯終了後にちゃんと返すけどな。」
『…どうして皆そこまでしてパチンコがしたいの?』
「そりゃあオマエww
生物の目的って【獲得】だからな。」
『パチンコなんか、一番勝率の低いギャンブルなのに…』
「でもさ?
パチンカスなんて自力で何一つ生み出せないゴミの集まりな訳じゃない。
あそこに居る連中は1000年経っても、何も生み出せないし何も獲得出来ない。
だから、奴らにとっちゃパチ台の前で口を開けてる事が一番勝率が高いのさ。」
『…。』
「ほら、見て見ろズン坊。
みんな大当たりで大喜びしてるだろ。
設定6で釘全開にしたからな。
功徳を積んだと思わんか?」
『パチンコでどれだけ勝っても、現実世界の勝利とは関係ないのだ。
あの人達は電子音に騙されてるだけなのだ。』
「お、流石は人気ユーチューバー。
良い事言うねぇ。
なら、現実世界とやらは、もう少し愚民に夢を持たせてやるべきだったな。
そういう初歩を怠るからウ↑チ↓らにハックされるんだ。」
『…。』
「安心しろ。
ウ↑チ↓だって世の中全てを愚弄したい訳じゃない。
生き残るべき賢人に対してはちゃんとリスペクトしているさ。
ほら、あそこを見ろ。
僅かながらではあるが、無償ボランティアに応じた連中が炊き出しを手伝ってくれてるだろ?
無償ボランティアに応じる者だけに遠市大観音の拝観が許される。
まあ、全体の1%も居なかったが。
ああいう賢人は生き残るべきだ。」
『…賢くない人はどうなるのだ?』
「オイオイオイ。
これまでだってそうだっただろ?」
『…。』
「さあズン坊。
そろそろダーリン様の異世界複利が発動する。
受傷事故にだけはお互い気を付けようぜ。」
『分かったのだ。
荷台に戻るのだ。』
「スマンな。
きっとオマエにとっては不本意な手法だと思う。」
『…本当はボクも分かっているのだ。
これがリン兄ちゃんを持つ者の正しいあり方だと。
兄ちゃんの側に居る資格があるのは夜色姉ちゃんみたいに分配実務が出来る人だけなんすよ。』
「…ウ↑チ↓も背伸びしてるだけだよ。
ついこの間まで東横で燻ってた糞ガキさ。」
『そうは見えないのだ。
夜色姉ちゃんは上手くやってるのだ。』
「周りのメンバーがウ↑チ↓を支えてくれている。
人に恵まれた。
ただそれだけの話。」
『…確かに三橋さん達はみんな凄い人ばっかりなのだ。
それも夜色姉ちゃんのチカラっすよ。』
「…もうすぐ17時だ。
パチンカス共の死角に回れ。」
『…はい。』
「ふうむ。
それにしても、あそこまで熱狂してくれるとはな。
ウ↑チ↓も奈々と一緒に打ったことあるんだけどさ。
パチに脳を焼かれた奴はリカバリー難しいかもな。」
『パチ子さんも中毒っすしね。』
「あの人は全部計算だから気を付けた方がいいぜ。
怖いくらい冷徹に損得勘定してるから。」
『流石にそれは過大評…
あ、17時なのだ!』
「早く荷台に乗れ!」
《38万円の配当が支払われました。》
『夜色姉ちゃん!!
アナウンスが38%になった!!』
「マジか!?
バケモノだなこの人!!」
『う、うわあ。
荷物が崩れ…』
「掴まれ!」
ドサササササササササアアッ!!
『あ、ありがとなのだ。
ボク、鈍臭くてゴメンなさい。』
「いや、ズン坊はよくやってくれている。
さて、増えた車両からガソリン抜いてくるわ。
オマエは少し休んでろ。」
『ぼ、ボクもガソリン収集を手伝うのだ。』
「そっか。
じゃあ、さっさと済ませちまおう。」
◇ ◇ 《120分後》 ◇ ◇
【伊東まゅま】
「ぅひょぉぉぉ!!! (バチィ)
ひかぬ! こびぬ! かえりみぬ!! (べチィ)」
【エルデフリダ】
「ワタクシの名を言ってみろなのだわー!!! (ペチペチ)」
【久能木瀬里奈】
「オマエハモウシンデイル!! (ズガッ!)
オマエハモウシンデイル!! (ドコッ!)」
『こらーパチンカス共!!
リン兄ちゃんで北斗ゴッコをするななのだー!!』
「「「ばびょーんww (シュタタタタ)」」」」
『ハアハア。
パチンコする奴にロクな奴いないのだ。』
【金本七感】
「まあまあ。
アホと何とかは使いようや。
パチンカス共には優しくしたり。」
『いや、優しくするも何も…
まさか群衆が一緒に来るとは思わなかったのだ。
100台以上ついてきてるっすよ。』
「そうか?
至って合理的な判断やと思うで。
タテマエはパチンコやけど、鷹見ちゃんがやっとる事は単なる配給やからな。
だってせやろ?
実質タダで食料とガソリンが貰えるねんで?
アイツらが期待するのも当然やろ。」
『まあ、ボクが新宮人でも同じ行動をとるのだ。
それにしても(チラッ)
後ろのクルマの列が途切れないのだ。』
「ま、これがトイチ君のチカラや。
大したモンやんけ。」
『そう思うならウンコやシッコの世話もしてやれなのだ。』
「あ、うん。
それはズンに任せるわ。」
『はぁ。
みんなガソリンやおコメばっかり欲しがって、兄ちゃんには見向きもしないのだ。』
「なあズン。
分かっとるんやろ?」
『うん。
それが最適解なのだ。』
「今、ウ↑チ→らは戦争しとる。
自覚せなアカンで?」
『戦争ってポールソン?』
「ふふっ。
ズンもホンマは分かっとるんやろ?
ウ↑チ→らが何と戦っとるのか。」
『まあ、何となくは。』
「胸を張れ。
今日は戦利品もたんまり入手した。」
『あの人達が…
戦利品なのだ?』
「少なくとも肉の壁としては機能するやろな。
三重県警が尾鷲で防衛線を張ったっちゅう風聞もある。
まあ、オマエもいずれ理解出来るわ。
神には信者が必要やねん。」
『…。』
【遠市大観音】
『…ピク …ピク …ピク』
【金本光戦士】
『ねえ、リン兄ちゃん。
ボクは兄ちゃんと静かに暮らしたいだけなのだ。
…こんなのが兄ちゃんのしたかったことなの?』
【名前】
金本光戦士
【職業】
聖巫女
【称号】
ロイヤルトリプルクラウン・ファウンダーズ・エグゼクティブ・プラチナム・ゴールドエメラルドダイアモンディッド・スペシャルアンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 低い
《HP》 繊弱
《MP》 微少
《力》 非力
《速度》 どん臭
《器用》 不器用
《魔力》 色小姓
《知性》 受け売り
《精神》 黄金
《幸運》 巻き込まれ体質
《経験》 処女
【特殊能力】
「ずんだもん完全再現」
「ドーピングタンポポ精製 (松村流免許皆伝)」
【使い魔】
妖精エルデフリダ (神格・八咫烏♀)
【実績】
動画本数2077本
チャンネル登録者数 1.8万人
68,839,643 回視聴
※総務省の指導によりチャンネル閉鎖
【スキル】
「複利(?)」
※日利38%
下4桁切り上げ
【約束】
遠市厘 「必ずボクがリン兄ちゃんを救ってあげるのだ!」
金本光宙 「近いうちに恋人を作って紹介してあげるのだ。」
エルデフリダ 「何でもするからボクにチカラを貸して欲しいのだ!!」
安久津明 「息子さんの保護を約束するのだ!」




