【創世9日目】 所持品 信奉者 「ピコーーーン…… ピコーーーン……」
【前回の異世界複利!】
ついに反社ロンダリングアイドルとして初めての恩着せ配給に挑むことになった私達9人!
児玉「よろしくお願いしまーす」
金本「病'sファーストバクシーシやでー。」
志倉「どうか、配給が成功しますように…いや、大成功しますように!よろしくお願いしまーす!」
でも
伊東「タダでぁげるの勿体なくね?」
ですが、私達は配ります。
いつか、世間が騙される日を夢見て!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『ボクの名前は金本光戦士。
吉野山を縦断して来た落ち武者ならぬ落ち枝豆なのだ。
眼下に見えるのは熊野川の河口、新宮市。
古来より京の裏側、都の異界として認識されていた僻陬の聖地なのだ。
補陀落浄土がこの遥か南にあると信じた人々は小舟に乗って戻らぬ船出に…
あ! 海が見えたのだ!!』
【鷹見夜色】
「ズン坊。
これまでウ↑チ↓らが進軍していたのは無防備な山里だった。
だが、ここからは人の多い市街地だ。
不慮の襲撃には警戒しろよ。」
『やっぱり襲われるのだ?』
「ここに来るまで相当殺してるからな。
海外じゃデフォルトなんだが、日本ではまだまだ少数派だ。」
『警察、機能してるんすかね?』
「どうだろう。
あちこちの路肩に事故車が放置し放しだからな…
正常の状態ではないだろう。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【木下樹理奈】
「夜色。
やっぱり皆イオンかオークワの駐車場に集まってる。
新宮駅は、かなりまばら。
セージカみたいな奴が演説してた。
「何?
イオンって普通に営業してるの?」
「多分してないんじゃないかな?
シャッター閉まってたし。」
「駐車場でみんな何してるんだ?」
「多分、皆モールが空くのを待ってるんだと思う。
勝手にBBQしてる奴も居たから、あんまり秩序は保ててないっぽい。
後ねぇ、商店街の入り口に警備員?が立ってた。
雰囲気的に事件の直後っぽい。
かなり騒然としてた。」
「ふーん。
みんな大変だねー。
ダーリン様の異世界複利をバラ撒く話だけどさ、イオンとオークワどっちでやるべき?」
「両方駄目。
配給するなら権現河原でやろう。」
「河原?
何で?」
「ほら、マップを見て。
イオンもオークワも街中にあるでしょ?
万が一ケーサツに包囲された場合に離脱出来ない。
でも、この権現河原は熊野大橋のたもと。
ケーサツに襲撃されても抜けられる。」
「いや、普通に橋を渡って追撃されるだろ?」
「夜色。
橋の向かいの紀宝町は三重県なんだ。
和歌山県警も命を懸けるような追い方はしないと思う。」
「…管轄違い、か。
いや、あり得るよ。
昔、ウ↑チ↓が川崎で揉めた時もそんな展開だった。」
「どうする?
河原なら、車も殆ど止まって無かったけど。
アリバイとして配給の形を取る程度なら十分じゃないかな?」
「…樹理奈のアイデアで行く。
まずは全員で共有しよう。」
「OK。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【古河槐】
「夜色、ゴメンね。
妊娠がここまでキツいとは思わなかったよ。
レベリングはちゃんとしたんだけどな。」
「仕方ないさ。
槐は身体がまだ出来てないだけだよ。
どうしても辛いなら堕ろす方法も…」
「やだ、産む。」
「そっか。」
「ゴメンね。
我儘言って。」
「いや、槐は悪くないよ。
寧ろウ↑チ↓が配慮を欠いていた。」
「アタシさぁ。
世界滅べってずっと言ってじゃん。」
「うん、言ってたな。」
「リンはその夢を叶えてくれた人だから。
原発占領してるポールソンもリンの部下なんでしょ?
…リンは最高だよ。
白馬の王子様。
だから、恩返しの為にも産む!」
「ウ↑チ↓も世界が滅ぶのは賛成だけどさ。
日本を守りたいからポールソンは殺すぞ?」
「うん、でも世界滅亡は邪魔しないでね。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【エルデフリダ】
「ねえ、光戦士。(パタパタ)」
『顔の前を飛ぶななのだ。』
「ワタクシ、お菓子が食べたーい♪(パタパタ)」
『さっき無人販売店でミカンを買ってやったばかりなのだ。』
「来る日も来る日もミカンミカン!(パタパタ)
もう飽きたのよ!(パタパタ)」
『ミカンは和歌山の名産だから仕方ないのだ!』
「エヒメでもそんな事を言ってたでしょ!(パタパタ)」
『愛媛も名産地なのだ。』
「うー!(パタパタ)」
『我慢しなさいなのだ。』
「やだー、やだやだやだー (ジタバタ)
ポールなら何でも言いなりなのに!」
『空中で足バタバタやめなさいなのだ。』
【伊東まゅま】
「ゃだゃだやだー!!!! (ジタバタ)」
『伊東、オマエどこから湧いたのだ!?』
【久能木瀬里奈】
「ジャンジャンバリバリー!!! (ジタバタ)」
『えっと久能木さんってボクより年上のお子さんが居られるんですよね?』
【金本七感】
「なあ、ズン。
ウ↑チ→もお菓子食べたいわぁ。」
『えっと、七感オバチャンはカネモト洋菓子店の一員っすよね?
なろう主人公みたいにお菓子で冒険を解決とかないんすか?』
「ウ↑チ→、家の手伝いは経理と企画営業ばっかりやったから。」
『うーーーん、この。
ちな、ママ上も洋菓子屋に嫁いできた癖に手伝いをしてる所を見た事がないのだ。』
「アカンアカン。
晴海さんは昔からマジモンのテイカーやから。
あの人、自分の事しか考えん屑やで。
まあ、せやから金本家の家風に馴染めたんやろうけど。」
『…嫌な家風なのだ。』
「ギバーはズンに任せる!」
『いや、突然任せられても。』
「任せる!!
女子が喜びそうな菓子を調達してくれ。」
【安久津明】
「女子と聞いて!」
【児玉繭子】
「女子と聞いて!」
『どうしてBBAに限って《女子》って単語が好きなのだ。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【志倉しぃ】
『ねえ、しぃ姉ちゃん。
お菓子どうするのだ?』
「うーん。
コンビニとかでまとめ買いしたらいいんじゃない?
ほら、あそこのローソン。」
◇ ◇ 《3分後》 ◇ ◇
『辛ラーメンしか残ってなかったのだ。』
「まさか全部買い占められてるとはね。」
『きっと、この分じゃ市街も似たような物なのだ…
原資がなければ増やせないんすよ。』
「そんなに悲観する事もないよ。
ガソリン握ってるのはこっちなんだし。」
『?』
「お菓子持って来た人には2倍のガソリンを配給するって言ったらいいんじゃない?」
『確かに、そんな単純な事も気付かなかったっす。
…スミマセンなのだ。』
「ん?
どうして謝るの?」
『この旅でボクは何の役にも立ってないのだ。
ずっと守られてばかりで…』
「そう?
今は【異世界複利】を光戦士君が保有してるんでしょ?
それにエルデフリダさんへの餌やりも頑張ってるじゃない。
キミは立派に働いてるよ。」
『異世界複利はリン兄ちゃんのスキルだし、虫の餌やりなんて誰にでも出来るのだ。
ボクは、もっとちゃんとした仕事で皆の役に立ちたいんすよ。』
「伊東さんより貢献してるじゃない。」
『流石にあんなゴミカスと比べられると傷付くのだ…』
「だよねー。
分かった、お姉さんが考えておくよ。
光戦士君にしか出来ないお仕事。」
『そんなのがあるといいんすけどね。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【三橋真也】
「光戦士君。
一旦キャンピングカーに入ってなさい。」
『どうしたのだ?』
「思ったより新宮市街が荒れてる。
ほら、焼け焦げた車が増えて来てるだろう。」
『本当っすね。』
「諸外国よりマシとは言え、日本でも暴動っぽい動きはあるからね…
あ!」
『どうしたんすか!?』
「いや、多分…
イオンの方で火の手が上がってるねぇ…
うん、木下さんの提言通り河原に退避するのが正解だったみたい。
光戦士君、見てご覧。
河原の駐車場は1台も停まってないだろう。」
『まぁ季節が季節っすからね。
もうすぐ寒波の時期ですし、みんな河原に降りたがらないのだ。』
「ははは、光戦士君は博識だなぁ。
流石はリアルずんだもん。」
『えへへ、からかわないで欲しいのだ。
ボクなんか脳にずんだもん動画を焼き付けられただけっすよ。』
「それよ!」
「うわ、びっくりした。
志倉さん、いきなり後ろから大きな声出さないで下さいよ。」
「私、難しく考え過ぎてた!
光戦士君はありのままで良かったんだ!」
『え?え?
話が読めないのだ。』
「キミは全てのずんだもん動画を
脳内に保管している!
そして今はネットが止まっている!」
『えっと、それはつまり?』
「君自身がずんだもんとして
配給備品になるって事なのよ!」
『な、なんだってーなのだ!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【児玉繭子】
「光戦士君。
まず状況を整理するね。」
『はい、なのだ。』
「断言は出来ないけど、人工衛星は全部撃墜されてる。
少なくてもラジオから流れる情報を総合すれば、基幹衛星が機能していないのは確か。
タイミングからしてポールソン軍の仕業。」
『そんな事、出来るモンなんですかね?』
「少なくとも初手で原発を占領して来るような連中だからね。
地球の泣き所は知り尽くしてるんでしょう。」
『ですよねー。』
「問題はここから。
ネットが完全に止まってるっぽい。
私は衛星撃墜と同時にケーブルが切られたって推理してる。
理論上、衛星が無くてもネットは使える筈なんだけど…
三橋君は地上ケーブルにアクセスが集中して、その負荷で地上も駄目になったんじゃないかって考えている。」
『世も末っすね。』
「なので。
光戦士君を準Wiki的に活用するってのが、志倉ちゃんのアイデア。」
『この時点でワケワカなのだ。』
「本当は理解しているんでしょ?」
『…まあ、もし本当にネットが使えないのならボクは有用だと思うのだ。』
「よーし、じゃあ今日の配給で早速実戦投入してみよー♪」
『…児玉さん楽しそうっすね。』
「楽しいわよー、米国債が紙切れになっちゃたしねえ。
地道に増やしたこのディナル金貨ですら、この世紀末じゃあ、どこまで効力あるのか謎だしね。」
『えっと、21世紀はまだ四分の一も消化出来てないんすけど。』
「諦めなさい。
22世紀に賭けましょう。」
『…その頃のボクは90歳になってるのだ…』
「あっはっは。
まあ、戦火の中の青春を楽しみなさい。
でも結構楽しいと思わない?」
『…前の時代が良かったのだ。』
「はっはっはww
じゃあ、前の時代の知識を皆に披露して行こう。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【鷹見夜色】
『随分、大きいトラック仕入れたっすね。
ハッチの中に入ってみると家みたいに大きいのだ。
リン兄ちゃんはつくづく荷台に縁のある人なのだ…』
「4㌧車だ。
これ以上デカくなると紀伊半島では取り回し出来ないからな。
まあ大BBA曰く、ダーリン様は異世界でも馬車荷台で息を潜めていたらしいからな。
これが運命だったんだろう。
おい、心電図はちゃんと動いてるよな?」
『えっと、これ本当に機能してるのだ?』
遠市即身観音 『ピコーーーン…… ピコーーーン……』
『この状態を命と呼ぶのは不本意だけど、心電図は微弱に動いているのだ。』
「うむ、ならばよし!」
『良くはないと思うんすけど。』
「まあまあ。
死せるダーリン様が生ける日本を救うと思えば胸が熱くならねえか?」
『えっと、日本社会も既に死に掛けてるんすけど、それは…』
「細けえことはいいんだよ。
ダーリン様の異世界複利ある限り、日本はリカバリー可能だ。
派手にパーっとバラ撒くぞ。
オマエもダーリン様の遺志を無駄にするな。」
『勝手に殺すな定期。』
「はっはっは。
そろそろ17時だ。
ぬかるなよ?」
『分かったのだ。
えっと、このドラム缶はガソリンなのだ?
よく今時ガソリンなんて手に入ったっすね。
また強盗したの?』
「いや、違う。
ほら、最近は異世界複利で車を増やしてるだろ?」
『うん、アレは驚いたのだ。
どこぞから強奪した高級キャンピングカーが無造作に増殖するという出鱈目。
しかも何故かゲンさん名義の車検証まで出現するという相変わらずのチート仕様。』
「おう、アレはマジでビビったわ。
そりゃあダーリン様が異世界征服したのも納得だわ。
でな、ズン坊。
驚くのはここからなんだぜ。」
『のだ?』
「増えた車両はガソリン満タンの状態で出現する。」
『あ!』
「だろ?
やっぱダーリン様は最強だよ。
ウ↑チ↓、一生貞節を尽くすぜ。」
『えっと、まずはリン兄ちゃんの鎖を解いてあげて欲しいのだ。』
「却下。
男に自由を与えてはならない(戒め)」
『ぴえん、可哀想なリン兄ちゃん。』
「さて、法則によると今日の配当は36%。
ズン坊、荷崩れが怖いから、もう少し下がれ。」
『えっと荷崩れが起きたらリン兄ちゃんが押し潰されると思うんすけど。』
「あ!
いや、うん、大丈夫だ。
ちゃんとダーリン様の安全には配慮している。」
『今、【あ!】って言ったでしょ!!』
「分かった分かった。
(ハッチガチャ。)
おい、樹理奈。
バイクのメット貸してくれよ。」
「えー?
アタシずっとノーヘルだよ?」
「え?
そうなの?
いや、ダーリン様の頭部を保護したくてさ。」
「布でも巻いてりゃイケるっしょ。」
「えー、布とか急に言われても。」
「ほい、このバスタオル使いな。」
「えー、これオマエがさっきシャワー浴びてた時のやつじゃね?」
「細けえことはいいんだよ。
大体さあ、アタシはリンの正式な側室だよ?
タオルくらい余裕っしょ。」
「うーーーん、まあ、筋は通ってるか。
おいズン坊。
このタオルをダーリン様の頭に撒いとけ。」
『リン兄ちゃんの扱いがどんどんぞんざいになってくるのだ…
兄ちゃん、ボクが助けてあげるからね。
はい、明らかに長旅で洗ってないであろうバスタオルを巻き巻き。』
「まあまあ、そういう言い方するなよ。
ダーリン様こそが、この世紀末の救世主なんだからさ。」
『ちな、この世紀末状態を引き起こした犯人こそがリン兄ちゃんなのだ。』
「お、よっぴー。
チョコパイもちゃんと集まったか?」
「はい。
途中、伊東さんや久保木さんやエルデフリダさんに
強奪されそうになりましたけど。」
「うむ、よくぞ守り切った。
流石はよっぴー、さすよぴだ。
(ナデナデ)」
「スミマセン。
僕ももう少し役に立ちたいんですけど。」
「アホ、オマエが一番頑張ってくれとる。
(ナデナデ)
さあ、ズン坊。
もう17時まで時間がない。
荷崩れ注意な。
よっぴー、恐らく車両が一斉増殖する。
原住民を絶対に近寄らせるな。」
「はい!
追加のロープ張って来ます!」
「それにしても。
ダーリン様のチートはとことん無法だよなあ。
よく今まで制御出来たものだ。」
「制御出来てないから世界超恐慌定期。」
「む、そろそろか。
ズン坊、もう少し下がれ。」
『あー、このノリ懐かしいのだ。
リン兄ちゃんと共に日本銀行券で溺死しそうになった尊き日々…』
《37万円の配当が支払われました。》
『37パーセントなのだ!!!』
「後ろに飛べ!!」
ガララララララーーンッ!!!
『リン兄ちゃん!!!』
「チッ、これが37%の暴力か…
ダーリン様は恐ろしいお方だぜ。」
『兄ちゃんの手が曲がってるのだ!!』
「ズン坊、手には関節という物があってだなあ。」
『変な方向に曲がってるのだ!!』
「えーマジかー。
うっわ、高度なヨガみたいなポーズになっとる。」
『兄ちゃん、兄ちゃん!
うわーーーーん!!』
「泣くな、ダーリン様は大丈夫。
根拠はないけど、多分大丈夫。」
『うわーーーーーーーん!』
「夜色さん。
地元民が騒いでます。
配給はまだか、と。」
「ちっ、乞食共がよ。
まあいい。
三橋、今日の利率は37%だ。」
「また増えたんですか!?
いやあ、遠市君の奇跡はもはや神域ですねえ。」
「そんな事より車両はどうなった?」
「ええ、ちゃんと1台ずつ増えました。
これでキャンピングカー3台・4㌧車2台体制ですよ。」
「おお!!
よし! これで燃料問題は解決だ!!
予備の4㌧車からガソリンを!」
「いえ、僕らの誤算でした。」
「ん?」
「4㌧車は軽油なんです!
今、思い出しました。」
「あ、そっか!」
「冷静に考えればバスもトラックも軽油で動くんです。
僕達はガソリンさえ入手出来ればと考えておりましたが…
今後は軽油こそが最重要アイテムになるかも知れません。」
「軽油を持つ者が時代を制すか…
確かになぁ、物流って全部軽油だもんな。」
「明日からは意識して軽油も増やして行きましょう。
夜色さん、まずは今日です!」
「だな。
さあ、配給開始だ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【熊野大天狗・浅野雄一郎】
「皆の者、静まれェいッ!!!
ただいまより!!
並びに神聖教団による救済措置を行う!!
ガソリンは2リットルペットボトル1本のみ!!
コメは一袋のみ!!!
2度並びした者には神罰を下すぞ!!!」
『夜色姉ちゃん…
まさかここで天狗さんを投入するなんて。 (ヒソヒソ)』
「まあ、この人の使いどころはここしかないだろ。
ほら、ウ↑チ↓らみたいな娘子軍はビジュアル的に弱いだろ?
それがどうだ。
浅野天狗が出て来た途端に群衆が黙っただろ?(ヒソヒソ)」
「そこぉ!!
ちゃんと列を守らんか!!
受け取った者は直ちに帰れ。
無償労働奉仕を希望する者のみが残れ!!
かなりの重労働に堪えうる者以外は要らぬぞ!!」
「さあ、ここからがダーリン様の真価。
あの人が名古屋で辿り着いた結論はここでも有効かな。」
『無償労働って聞いた途端に皆が逃げ出したっすね。
リン兄ちゃんの言っていた通りなのだ。』
「名古屋でもそうだったらしいな。」
『そうなんすよ。
後片付けボランティアを募った瞬間に
居座ろうとしていた連中が全員逃げたのだ。』
「まあ、そんなモンだよ。
みんなコメやガソリンは欲しいが労働はしたくないのさ。
お、5人ほど残ったな。
じゃあ、ちょっと話してくるよ。」
「そこぉ!!
労働に参加せぬなら屯するでないわ!!!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【エルデフリダ】
「ねえねえ! (パタパタ)
チョコパイチョコパイ!! (パタパタ)」
『えっと、オマエの餌はさっきもあげたのだ。』
「甘い物は別腹なの!! (パタパタ)
女の子なんだゾ!! (パタパタ)」
『ボクと同じ年の息子さんがいる時点で【女の子】ではなくオバサンなのだ。』
「キーキーギャオーン!!! (パタパタ)」
『頼むから顔の前でジタバタするななのだ。
大体、働かざる者食うべからずこそが社会の原則。
オマエも少しは組織に貢献しろなのだ。』
「ワタクシお姫様(迫真)!! (パタパタ)」
『いや、年齢的に…』
「キーキーギャオーン!!! (パタパタ)」
「ズン坊、今いいか?」
『あ、夜色姉ちゃん。』
「地元民が何人か食い下がってきてな。
しつこくて困ってるんだ。」
『え?
粘着されたら追い払う取り決めなんじゃ…』
「いや。
かなり熱心な熊野の在家みたいでな…
協定を結んだばかりだから、粗略にも出来ない。」
『ああ、確かに熊野大権現の名前を出したのは勇み足だったかもっすね。
神を騙るって一番嫌われる行為だから。』
「そこで!!」
『はい?』
「無知なる衆生に神を見せる事にした!!」
『神様なんてどうやって!?
詐欺師扱いされてしまうのだ!!!』
「居るじゃねえか、神ならば…
ここに!!!」
『ちょ!!!
リン兄ちゃんは絶対安静なのだ!!!』
「つべこべ言うな!!
ワイヤーで釣り上げるぞ!!」
『あ!
ちょ!!
そんなに乱暴にしたら!!!』
「ふんッ!」
ボキボキボキボキ!!!!
『リン兄ちゃーーーーーんッ(号泣)!!!!』
「浅野天狗!!!
準備OKだ!!」
「よし!!
後は任せろ!!!」
『オマエら人の心ないのかなのだぁああッ(号泣)!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【衆生】
「あー、あー、諸君。
静粛に、静粛にするように。」
「権現様を騙るなんて許されないよー!!」
「天川の騒動、犯人はアンタらじゃないのー!」
「神聖教団って合コン紛いの如何わしい布教してる連中でしょ!!」
「静まれッ!!! 静まれーーーーーいッ!!」
「あの天狗面。
前に尾鷲で揉めてただろ?」
「指名手配犯って噂だよ。」
「権現様を騙るなど言語同断。」
「諸君らの疑義に応え!!!
神聖教団の御神体を特別に披露する!!」
「ふん、御神体だぁ。」
「乱に乗じて盗んだものでしょう。」
「けしからん、世も末だな。」
「鷹見女史!!
天岩戸を開けーーーいッ!!!」
「イタタ、天岩戸と来ましたかぁ。」
「新興宗教あるあるですなあ。」
「神聖教団とやらも底が知れましたな。」
「いでませーーーい!!!
遠市即身観音ッ!!!」
ギギギギギギギギ、ギーーーーーッ!!
「か、観音?」
「どうせハッタリですよ。」
「このトラックに何か積んでるわけ?」
「チョコパイチョコパイチョコパイ! (パタパタパタ)
ワタクシ、スイーツが無きゃ死んじゃう! (パタパタパタ)」
「う、うっわあああ!!!!」
「変な生き物ーー!?」
「しゃ、喋ったあああ!?」
「諸君!!
落ち着きなさい!!
アレは八咫烏なのだ!!」
「え?」
「で、でも。」
「女性の姿をしてるけど…」
「愚か者ぉッ!!
メスの八咫烏に決まっておろうが!!!」
「え? あ、確かに…?」
「烏も有性生殖ですからな。」
「まあ、神武東征の記述にも雌雄までは…」
「チョコパイチョコパイチョコパイ! (パタパタパタ)」
「え? お菓子が欲しいの?」
「じゃあ、ハッピーターンをあげよう。」
「大事な話をしているから、あっちへ行ってなさい。」
「えー何コレー。 (パタパタパタ)
ワタクシが思ってたのと違ぁう。 (トビサリー)」
「諸君!!
そんなのは良いから御神体を拝観したまえ!!」
「ああ、失礼。」
「本題はそちらでしたな。」
「んー、どれどれ。」
「光戦士少年!!!
照明スイッチオン!!」
『あ、はいなのだ。』
ピカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
「え!? な、なんだ後光がッうわあああ!?」
「世界の苦悶を一身に背負ったような表情ッ!!」
「人体では絶対にあり得ない異形のポージング!!!」
「痴れ者共ッ!!
頭が高あああああああああいッ!!!
キサマらの眼に映っているのは!!
この荒廃した世紀末の救世主!!
遠市即身観音なるぞおおおおおお!!!!!」
『…荒廃させた張本人こそがリン兄ちゃん定期。』
「はッ!!! ははーーーーーッ!!」
「神に対して畏れも知らぬ言動ッ!!!」
「お許し下さいませーーー!!!!」
「思い知ったかあああッ!!!」
「「「心より帰依致しますーーー!!!!!」」」
『…何でやねんなのだ。』
【名前】
金本光戦士
【職業】
聖巫女
【称号】
ロイヤルトリプルクラウン・ファウンダーズ・エグゼクティブ・プラチナム・ゴールドエメラルドダイアモンディッド・スペシャルアンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 低い
《HP》 繊弱
《MP》 微少
《力》 非力
《速度》 どん臭
《器用》 不器用
《魔力》 色小姓
《知性》 受け売り
《精神》 黄金
《幸運》 巻き込まれ体質
《経験》 処女
【特殊能力】
「ずんだもん完全再現」
「ドーピングタンポポ精製 (松村流免許皆伝)」
【使い魔】
妖精エルデフリダ (神格・八咫烏♀)
【実績】
動画本数2077本
チャンネル登録者数 1.8万人
68,839,643 回視聴
※総務省の指導によりチャンネル閉鎖
【スキル】
「複利(?)」
※日利37%
下4桁切り上げ
【約束】
遠市厘 「必ずボクがリン兄ちゃんを救ってあげるのだ!」
金本光宙 「近いうちに恋人を作って紹介してあげるのだ。」
エルデフリダ 「何でもするからボクにチカラを貸して欲しいのだ!!」
安久津明 「息子さんの保護を約束するのだ!」




