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【遠征日誌07】 不倫記録

足手まといも甚だしい。


俺が率いている軍隊の話である。

こんな御大層な大軍を率いているから身動きが取れないのだ。

もしも単騎で攻め込むことを許可していてくれたなら…

今頃はとっくに大魔王を確保してやったものを。

連れて来るとしても、あの者だけで良かったのだ。

そう。

俺の最終兵器である、あの少年だけで良かった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「こんにちはー。

期間限定で質問コーナーを設けまーす。」



若い癖に通る声だ。

放胆にも陣を出て床几に腰掛けて微笑んでいる。



「急に押し掛けちゃってごめんさいねー。

きっと皆さん不安だと思いますので、質疑応答の機会を作ってみました。」



民間人に偽装した敵武官2名が不審な近づき方をしたので消滅させた。

そろそろ学習してくれると助かるのだが、彼らも職業柄難しいだろうな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



ケイン・D・グランツ。

前四天王カイン・D・グランツの長男。

帝国皇帝ハロルド・キーンの友人。

そして何より摂政コレット・コリンズの幼馴染。

この時点で天下に比肩し得えない価値がある。


無論、それはこっちの話。

宇宙の果てに住まう地球人には関係のないこと。

だが、この少年には政治的価値などを越えた異能がある。


【美貌】


彼は類稀なる美少年なのだ。

父のカインもオラオラ系最上位の伊達男だったのだが、そこから毒気を抜いた様な顔立ちをしている。

妙な気品があるのだ。

(あのヤクザな父を反面教師にしている模様。)

今回の様なファーストコンタクト作戦では、美貌のような普遍性のある武器が1番役に立つと思い連れてきた。


無論、本国と地球では美醜の価値観が異なる事は言うまでもない。

なので、我々が思う美男美女を連れてきた所で地球人の目にどう映るかは本来は不明。

だが、ケイン君レベルの美少年となれば話は別だ。

これほどの美貌には普遍性がある。

その証拠に地球人達がどこからとも無く湧いてきて、照れたような表情で恐る恐る話し掛けている。

もう1人死角から回り込もうとしていた私服武官を俺が消滅させると、後は友好的な地球人しか残っていなかった。

俺はイデハラが提供してくれたスピーカーに耳を澄ませて、事態の推移を見守る。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



  「あ、あのぉ…

  話し掛けても大丈夫ですか?」



「どうぞ!

はじめまして、ケイン・D・グランツと申します。」



  「あ、どうも。

  杉浦と申します。」



「スギウラさん、お目に掛かれて光栄です。」



  「えっと、質問コーナー…

  もう始まってるんですか?」



「ええ、どうぞ。

僕で答えられる事なら何でも答えますよ。」



  「…ロシアの人ではないんですよね?」



「ええ、違います。

皆さんそう仰るので我々も驚いてます。」



  「実はボク…

  近所の人間なんですけど…

  ちょっと困ってるって言うか…

  近所のコンビニも閉まっちゃったし。

  食事を確保するのも一苦労と言うか…」



「御迷惑をお掛けします。」



  「あ、あの。

  動画を見たんですけど…

  攻めて来た訳じゃないんですね?」



「えっと、Yesと答えたいのは山々なんですけど…」



  「あ、やっぱり攻撃なんですね。」



「トイチ・リン氏だけ何とか見つけてくれませんか?

ここだけの話、父の上官なんですよ。」



  「へー。」



「あの、食事にお困りとの事ですが…

宜しければ食べます?」



  「え?

  これは?」



「暗黒団子と言いまして、配給食です。」



  「おー。

  非ロシアっぽい!」



取り立て大した話をしている訳ではないのだが、原住民達は概ね好意的である。

…やっぱりイケメンは強いよなぁ。

ケイン君に対して聞かれてないことまでペラペラと喋り出す。

質問コーナーとは名ばかりで、いつの間にかケイン君はニコニコと聞き手に回っている。


まあ、そういう作戦だ。

名付けて!

【イケメンを座らせておけば勝手に周囲がお膳立てしてくれるよ作戦】

暗い青春を送った俺にとっては腹立たしい作戦なのだが、現に成果を挙げている。

特に女。



  「あの!

  ケイン君に彼女は居るんですか?」



「いやー、僕は奥手でして…

そういうのは良く分からないんですよ。」



  「キャー♥」



理解に苦しむのだが、女共はケイン君に色々プレゼントを持参している。

酷い女になると山積みした玄米を100キロほど我が軍に供出してくれた。

曰く、「だってケイン君がカッコいいから♥」とのこと。

他にも地図やら機械やら諸々。

いや、地球には利敵罪とかないのか?



『…ゲコ君。

地球人ってみんなこんな感じ?』



「…日本の女共はこんな感じですね。」



『えっと、こういう詳細な地図って侵略軍に渡さない方がいいと思うんだけど。』



「まあ、日本が滅ぼされずに済んだらカス共を粛清して回りますわ。」



ゲコも白けた目でケイン君コーナーを眺めている。

どうやら同胞女性に言いたい事が山ほどあるらしく、苦虫を噛み潰したような顔をしている。



『…。』



「…。」



…この作戦の欠点は成功すればするほどアホらしくなることだ。

結局、祖国でも地球でも女はイケメンが総取りするように出来ているらしい。

まぁなあ、俺はガキの頃からドナルド・キーンの総取りを散々見せつけられているからなぁ。

悪夢のような学生時代がフラッシュバックする。

ケイン君には申し訳ないんだけど、イケメンって敵以外の何者でもないよな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



そのケイン君が涼しい表情で帰還。



「公王様。

報告します。」



『あ、はい。』



「現地人の協力者が4名現れました。」



  「ミカでーす。」


  「アヤノですぅ。」

 

  「エリナです♪」


  「ユマですー。」



『あ、うん。』



「どうしましょう?」



『あ、いや。

どうするも何も…

流石に陣地に入れる訳には行かないんで…

とりあえずケイン君が一旦預かるという形で…』



  「「「「キャー♥ 

 ありがとうございますぅ♥」」」」



『あ、いえ。

どういたしまして。』



「それじゃあ4人共、仕事の話があるからどこかで時間を潰しておいて下さい。」



  「「「「はーい♥」」」」



「じゃあ、公王様。

大魔王様の情報が入って来たので報告します。」



『あ、はい。』



女共が大魔王の協力者名簿を献上して来たらしいので目を通す。

ご丁寧にもMP4なる記録媒体で動画が確認出来るそうだ。


俺、思うんだけどさ。

最初から俺かケイン君のどちからを派遣していれば、とっくに大魔王は保護出来ていたと思うぞ。

誰だよトルーパーなんか持ち込んだ馬鹿は。



  「ええ、肘関節が駄目なんですよ。

  日常生活には支障が無いんですけど。」



「あ!」



『ゲコ君、どうした。』



「後藤君やん。」



『知り合い?』



「国民的ヒーローですわ。

子供の頃にスポーツの大会で何度か対戦したんです。

あー、懐かしい。」



『君は国民的ヒーローでは無かったの?』



「親が国民的ヒーローのパクリ商品を販売して逮捕されてました(泣)」



『そっか、同じ競技に取り組んでたのにえらい違いだね。』



「言い方ァッ!」



『で、そのヒーロー君と大魔王が一緒に居る、と。』



「それが不思議なんですわ。

後藤君ほどの陽キャの頂点みたいな子が…

何でトイチ君みたいなアスペ陰キャコミュ障ガイジと一緒におるんやろ?

カネで転ぶような人間とは思えんのですけどねえ。」



『だ、大魔王には人間的魅力があるから(震え声)』



「うーーーーん。

あったかなぁ?

寧ろその真逆のような。(笑)」



『不敬罪やめろよぉ。

私にまでとばっちりが来るだろぉ。(笑)』



ゲコと笑い合いながら名簿を確認する。



「いやー、これやと軍隊いらんかったですね。

ボクらが掴んでた情報より遥かに精度ありますやん。」



『まあ、イデハラ氏頼みだったから、実際何も分かってなかったしね。』



「イデハラさん、どうなるんでしょうね。」



『無事だといいよね。』



「とか言って、ホンマは憲兵さん用のデコイとして使い潰すつもりやないんですか?」



『いやいやいや!

そ、そ、そ、そんな酷いこと考えないよ。』



イデハラもなぁ…

ノーラに目を付けられてしまったからなぁ。

俺とイデハラ、どっちが先に殺されるかなぁ。

でも、ノーラの注意を引いてくれてるのは助かるよなぁ。

あのまま2人で末永く暮らしてくれないかな…



  「なんや、ちっぽけな店やな。

  こんなところでうまいもんが

  食えるんかいな」



「あ!」



『ん?

また知り合い?』



「坊門おるやん…」



『?』



「大阪の成金ジジーですわ。

自分の顔がデカデカと乗った広告を阪急電車に全面掲載。

ボクの1番嫌いなタイプですわ。

コイツ、はよ死刑にならんかな。」



『まあまあ。

大魔王は能力の性質上、資本家階級と付き合わざるを得ないんだよ。』



「なるほど。

トイチ君も足りない脳味噌で考えては居るんでしょうね。」



『まあまあ、資本家に知能なんて要らないんだよ。』



「ですねぇ。

世襲の政治家とかって能力も魅力も無いカスが大半ですからね。

神輿は軽い方がええんかも知れませんね。」



『え?

ゲコ君は政治家嫌いなの?』



「ボクは無能や世襲は大目に見るつもりなんですけど、兼任者は根切にするしかないでしょ。」



『おお、溢れ出る摂政イズム(笑)』



「からかわんとって下さいよー(笑)」



まあなあ、俺もゲコもコレット・コリンズが出した正解を目の当たりにしているからな。

社会にとっての最適解は、金持ちや権力者を機械的に族滅し続け、接収した占有物を分配することだけなのだ。

アホみたいに皆が豊かになるからな。



『地球で御一新をしたい訳?』



「そらぁ、正解を知った以上は実践するべきでしょう。

まあ、憲兵さんやら小弟やらの魔の手から地球を守り終わってからの話ですけど。」



『がんばれー。』



「他人事みたいに言うなー、このオッサンは。」



  「それでもッ!

  守りたい世界があるんだぁーーッ!!!」



「あ!」



『んー?

どうしたの?』



「天空院翔真やん!!」



『え?

有名な人?』



「悪質な詐欺師ですよ。

高利を謳って無知なる衆生からカネを騙し取ってる大悪党です。」



『ふーん。

人間のやる事なんてどこも変わらないね。

年利2023%?

悪質だなぁ。』



「まあ、トイチ君の経済テロほど悪質ではないですけどね。」



『天下振舞に関しては、みんな喜んでるからいいじゃない。

今でも皆、大魔王の銅像に礼拝しているよ。』



「いやいや、まさしく拝金主義ですやん。

そういう思考ばっかりしとるから摂政殿下に…

え?」



  「もー、リン兄ちゃんは

  世話の焼ける奴なのだ♥」



『ゲコ君?』



  「あははは! 

  くすぐり攻撃ー♥」



「…。」



『え?

ゲコ君どうした?

顔が怖いよ?』



  「えーww

  それならリン兄ちゃんと

  一緒の布団で我慢するのだ♥」



「(拳プルプル)」



『え?え?何?何?』



「うがああああああああああッ!!!」



『わっ。

誰かー、ゲコ君が壊れたー。』



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



さて、以前から秘かに行っていたゲコ本名特定ゲームの勝者はジミーだった。

コイツ昔から勝負強いんだよなぁ。



「じゃあ、ポール殿。

賭けは拙者の勝ちと言う事で。

暗黒団子頂きますぞ。」



『はい、どーぞ。

うーん。

あの雰囲気だと【イマイ ナオヒロ】って語感がフィットすると思ったんだけどな。』



「ポール殿が絶対に違うと仰っていた【カネモト ピカチュー】でゴザったな。」



『いやー、地球人の名前って全然ピンと来ないわ。』



「でも、拙者達の名は馴染みがあるみたいですぞ?

ジミーもポールも存在するらしいです。

1番驚いたのはドナルド・キーンなる作家まで存在する事ですな。」



『まさか地球に来てまでアイツの名前を聞くなんて思いもよらなかったわ。』



「この分だとエルデフリダもありそうですな。(笑)」



『勘弁してくれよー(笑)』



ただでさえキャパオーバーなのだ。

今、エルデフリダまで話に入ってくれば、俺の脳がパニックになる。

もうあの女は十分だ。



「エルデフリダ女史の弔辞。

ちゃんと考えておいて欲しいでゴザル。」



『まさかあの女が俺達より先に死ぬとはなぁ。

殺しても死なないタイプだとは思っていたのだが…』



「いゃあ、それにしても。

あのエルデフリダ女史がねぇ。

身近な人間が死ぬと、自分が歳を取ったと思い知らされますな。」



『オマエまだ30代じゃん。』



「統一政府は首脳陣が若いですからな。

あれを見てると嫌でも老けさせられるでゴザルよ。」



『まぁなあ。

摂政やハロルド皇帝を見ていると…

エルデフリダの次は俺かな。』



「縁起でも無いことを…

でもまぁ、ケイン君の活躍を見るていると…

世代交代を意識せざるを得ませんなぁ。」



『大魔王やゲコ君も若いしな。

老兵は去るのみだわ。』



御一新の何が怖いって10代20代のクソガキ共が主力だった点なんだよな。

少女特有の残忍さと潔癖さが起因して…

大魔王の理想が全て叶った世界が完成してしまった。

その理想郷に俺や大魔王の居場所が無さそうなのは御愛嬌。



『俺も歳だわー。』



同じセリフを何度も繰り返しながらケイン君を交えて、ノーラやカロッゾと大魔王捜索の方針を練り直す。

高い確率でゲコ(ピカチュー・カネモト)の弟と一緒に居る、との結論に辿り着く。



『軍監。

ゲコ君に大魔王救助を依頼するのは如何でしょう?』



「ボク個人としては悪くはない手だと思うよ。

でも1人で行かせるのは反対。」



『誰かが監視せよと?』



「カロッゾが適任だと思うな。

無論、丸腰は危険だからトルーパーに搭乗させるべきだと思うけどね。」



『…総司令官権限で却下させて下さい。

トルーパー投入は最後の手段ということで。』



「…いいよ。

作戦決定権はポールソンのものだからね。

キミが駄目と言うなら従うまでさ。

但し、突発事態が発生すれば個々の裁量で対処するけどね。

ボクも本国からアレを呼び寄せる手筈になっている。」



『交渉の場に戦略兵器を持ち込まないで下さいよ。』



「じゃあ、そうなる前に成果を挙げることだね。

ボクらは軍務で来ているんだ。

終わりなきピクニックを楽しんでいる訳じゃあない。

そこは勘違いしないでくれよ、総司令官殿。」



『…今日、ケイン君が情報を集めてくれました。

進展ならあります。』



「あのなあポールソン。

大魔王の身柄を回収する事だけが成果だ。

ガキじゃないんだから、いい加減分かれよ。」



『はい、申し訳ありません。』



ノーラが強硬な発言をしているという事は、まだ地球人を攻撃する意図がない。

アレを地球に召喚する段取りではあるのだろうが、実戦投入はまだの筈だ。

当然だろう。

所在が掴めていない段階で地球に攻撃を仕掛ければ、大魔王を害する可能性がある。

それは完全な準反逆罪である。

ノーラ・ウェインが地球人を絶滅させるのは、あくまで大魔王回収が完了してからの話なのだ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



『ゲコ君。

精神崩壊からは復調出来たかー?』



「…首括る枝を探しとって下さい。」



『お、流石にリカバリー早いね。』



「はぁ(糞デカ溜息) 

…死にたい。」



『まあまあ。

まだ弟さんが寵童仕えをしていると決まった訳ではないし。』



恨めしそうにゲコが睨んで来る。

そうだよなあ。

あの雰囲気はガチのマジで衆道関係だもんなぁ。



「まあ、ええですわ。」



『ん?

鬱タイム終わった?』



「ボクも本気を出します。」



『おお、その台詞7回目だぞ。』



「トイチ君を回収して摂政殿下に献上しますわ。

彼が地球でどんなに楽しいハーレムを築いていたか、摂政殿下に報告するのが楽しみですな(ニカッ)」



『え!?

そんなことされたら大魔王殺されちゃうよ!』



「は?

そんなんコリンズ家中の問題ですやん?

ボクらが口を挟むのは不敬罪でっせ。」



『あ、いや、法律上はそうなんだけどさぁ。』



「ここにトイチ君の楽しい楽しい地球生活を記録した映像があります。

スイッチオン。」



  「ハアハア!

  ルナァ!!!」



  「無駄です❤」



  「ルナルナルナァ!!!!!!」



  「あらあらあら❤」



  「どうした、ビビってんのか?

  打って来いよ。」



  「やれやれ。

  仕方ありませんね。

  冥途の土産に見せて差し上げましょう。

  真の拳打というものを。」



『あ、それは駄目だって。

マジでヤバいって。』



「いやあ、掛け替えのないクラスメートが地球生活を満喫していたみたいで、ボクも我が事のように嬉しいですわ。

見て下さいよ、トイチ君のこの笑顔。

いやあ、一刻も早く摂政殿下にこの映像を献上したいわぁ。 (ニコニコ)」



あー、リン君殺されるなー。

なーんで、よりにもよってヒルダ・コリンズとじゃれ合ってるのかな…



  「ハアハア…

  あのレインボーブリッジをテメーの墓場にしてやるよ。」


  「面白い。

  その台詞、そっくりそのまま返してあげましょう。」


  「ルナぁああああああああ!!!!!」


  「甘いッ!!!!!」


  「ガハッ!!」


  「あらあら❤

  大変♪

  死体が呻いてる♪

  もしもーし❤ 大丈夫ですかー❤」



それにしても遺伝って怖いよなぁ。

母から娘に好戦性が見事に受け継がれてるじゃねーか。



「じゃ公王様。

ウェイン卿と打ち合わせして来ます。」



『えー。

ヤバいよヤバいよ。

リン君死んじゃうよ。』



「はっはっは。

ボクが掛け替えのないクラスメートにそんな酷い事する訳ないやないですか。

王太后と楽しく暮らしてるトイチ君の近況を数年放置されてる奥さんに近況を報告するだけ♪(ニカッ)」



  「ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!

  ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!

  ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!

  ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!

  ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!

  ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!

  ルナルナルナルナルナルナルナルナ!!!!!」



  「アラアラアラアラアラアラアラ!!!!!

  アラアラアラアラアラアラアラ!!!!!

  アラアラアラアラアラアラアラ!!!!!

  アラアラアラアラアラアラアラ!!!!!

  アラアラアラアラアラアラアラ!!!!!

  アラアラアラアラアラアラアラ!!!!!

  ALAALALALALALALALALAALAA!!!!!」



『それにしても…

このルナ タカミ。

かなり動ける子だね。』



「ああ、ヤクザもんの娘ですわ。

法律の穴を縫う形でウチの学校におったんです。

保護者会でも相当問題になってたみたいで。」



『耳が痛いねえ。』



「ああ、公王様の実家も…」



『うん、私は父親が反社会的勢力だったからねえ。

なまじ体制派だったから、いい学校に入れられちゃってさ。

子供の頃は社会知識も無かったから、どうして自分が目の敵にされてるか分からなかったよ。』



「まあ、異世界の事情はよく分かりませんけど…

鷹見ってそういうポジションの女です。

王太后様と互角に殴り合えるのも、まああの女やったらあり得るかなと。」



『ふーん。

殺すには惜しいねえ。』



「あ、やっぱり鷹見は殺されるんですね。」



『だって明らかにリン君の愛人か何かでしょ?』



「愛人ねえ。

学校の頃はトイチ君を小突いたりしてたんですけど…

そんな女、愛人にしますかねぇ?」



『それを言ったら、私なんか出征直前まで(ウェインさん)に拷問されてたよ。』



ノーラに指10本折られてるからな、俺。

っていうかあの女が戸籍上の配偶者だってことをたまに思い出して戦慄するんだよな。



「なるほど。

鷹見がトイチ君の愛人でもおかしないと…

じゃあ始末するしかないですね。」



『うん、これ以上お家騒動が広がるのは問題だからね。』



この記録媒体を祖国に持ち帰れるか否かは不明だが、ヒルダ・コリンズと一緒に居る場面を見たら…

摂政は必ず大魔王を殺す。

多分、楽には殺して貰えない気がする。



『…うーん。

やっぱりなあ…

俺はリン君には恩義があるからねえ。』



他の連中は魔王ダンとその摂政であるコレット・コリンズの臣下だが、俺はリン・コリンズの系列の人間だからなあ。

BARも持たせて貰ったし。



清掃(クリーンアップ)



「あ!」



『…えへへ。』



「えー、公王様。

そういう事します?

USB消えてまいましたやん。

あんまり厳しいこと言いたないですけど、軍法会議モノですよ!」



『ぴろぴ~(すっとぼけ口笛)』



「いやいやいや。

子供やないんやから…」



『リン君には借りがあるんだよぉ。

夢も叶えて貰ったしさぁ。

見逃してやってよお。』



「どのみち王太后様の発見は、すぐに摂政に届きますよ?」



『いや、それは別にいんだけどさ。

流石に大魔王のあの笑顔はマズい。』



「ああ、嫁同士を戦わせて満面の笑みでしたものね。」



『流石にアレは気でも狂ったのかと。』



「アイツ元からあんな奴ですよ?」



『俺くらいは弁護させてよぉ。』



「はい、準叛逆罪(笑)」



『やめてー(笑)』



まあ、これで全部判明したな。

やはり大魔王はヒルダ・コリンズを伴っている。

(最悪の想定ではあったが。)


そして現在のパーティーメンバーは、ズンダモン・カネモトにルナ・タカミ。

ふむ、なら後は作業だな。

【魔王軍遠征部隊】



『ポール・ポールソン』 


大魔王救出作戦総責任者/魔王軍総司令官・公王。

ポールソン大公国の元首として永劫砂漠0万石を支配している。

万物を消滅させる異能に加えて、アイテムボックス∞を隠し持っている。



『ノーラ・ウェイン』


軍監/四天王・憲兵総監。

ポールソン及び後任者のカロッゾの監視が主任務。

レジスタンス掃討の功績が認められ、旧連邦首都フライハイト66万石が所領として与えられた。



『カロッゾ・コリンズ』


地球クリーン作戦総責任者/四天王・前軍務長官。

本領は自らが大虐殺の上に征服した南ジェリコ81万石。

旧名カロリーヌ。



『レ・ガン』


元四天王・ポールソン大公国相談役。

市井のゴブリン女性であったが、親族が魔王職に就任したことを切っ掛けに駐ソドムタウン全権に任命された。

魔界の権益保護の為、統一政府に様々な協力を行っている。



『出原信之』


地球人。

捕虜兼現地徴用兵。

塹壕内ではノーラ・ウェイン、カロッゾ・コリンズの2名の将校部屋にて生活する事を強いられている。



『ジミー・ブラウン』


大魔王救出作戦副将/ポールソン大公国宰相。

ポール・ポールソンの無名時代から扈従し続けてきた腹心。



『ケイン・D・グランツ』


前四天王であるカイン・D・グランツの長男にして、摂政コレット・コリンズのクラスメート。

父親から長身と端正極まりない顔立ちを受け継いだ正統派の美少年。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



魔王軍創設譚については別巻にて。

https://ncode.syosetu.com/n1559ik/

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― 新着の感想 ―
ポ「まあ、これで全部判明したな。」 ?「常に最悪のケースを想定しろ 奴は必ずその少し斜め上を行く!!」
あー、クリーンナップ… 清掃屋か…
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