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【降臨103日目】 所持金72億5656万0283円 「魂ぱんち!!」

俺の名は遠市厘!!

能力名は【複利】!!

言わずと知れた宇宙最強の男だ!!!


10垓ウェンに勝てる奴おりゅぅ~↑?


俺の目的は悪しき独占資本を打倒し、全ての人民が平等に暮らす理想郷を建国すること!!

多くの艱難(その9割以上は宿屋のツケだが)に襲われているが、断じて俺は歩みを止めない!!

何故なら俺が背負っているものこそが絶対の正義であるからだ!!!

このッ! 遠市厘こそが人類の存続を保証する救世主なのだ!!!



##はいストッープ。##



何ですかぁ、エルデフリダさん。

人が決意表明をしている時にお邪魔ですぅ。



##ねえ、アナタ正気?

自分が正義とか本気で言ってるわけ?

身重のコレットちゃんを捨てた癖に。

あの歳の子を孕ませて捨てるって人として許されない行為だからね?

なーにが救世主よ。

アナタって最低の屑ね。##



…おカネをあげたんだから、もういいじゃないですかぁ。



##は!?

アナタ、今自分が何を言ったか分かってるの?

女の敵よ!!##



異世界の事はコレットさんに全部任せましたし、もう好きにして下さいよ。

…別に私の世界じゃないし。



##…ホント最低ね。

性根から腐ってるわ、アナタ。

妻子を捨てて逃げ回る外道!

恥を知りなさい!!##



ぐぬぬ。

コ、コレットさんは強い子だからなんとかしてくれるんですぅ。



##馬鹿じゃないの?

女が強く生きざるを得ない状況に追い込む男は最低だって話をしてるのだけど?##



ぐぬぬ。

で、でも! 

でもでもでも!!

私は人類全員に10億円ずつ配るんですぅ!!

そうすれば皆が豊かで幸せな人生を送る事が出来て!!

回り回ってコレットさんもハッピーハッピーなんですぅ!!



##…あのねぇ。

アナタ、そうやってソドムタウンを壊滅させた訳じゃない?##



壊滅なんてさせてませんよ!!

皆さんに富を分配しただけですぅ!!



##だーかーらー。

あんな馬鹿みたいな配り方したら経済バランス崩れるに決まってるでしょ?

あの騒動を鎮める為にワタクシやコレットちゃんがどれだけ苦労したと思ってるの!?##



うーーー!!  

うーーーーー!!!

でも!!  

でもでもでも!!!!

みんな幸せそうな顔してたじゃないですかぁ!



##そうね。

愚民共は幸せに死んでいったわね。

貴族と資本家は絶望して死んだけど。

結局、アナタのバラ撒き政策って自己満足の経済テロよ?

おわかり?##



うーーー!!

うーーー!!

でもっ!

社会に富が満ち溢れれば、貧困層にも富が行き渡るんですぅ!!

皆が幸せになれるんですぅーーーーッ!!!!



##勿論行き渡りませんでしたわ。##



ふえ?



##当たり前でしょう。

皆が大金を持つと言う事は、通貨の価値が大幅に下落するということなの。

アナタがオーラロードに飛び込んだ後は、ほぼ全ての商取引が停止して、暴力と血縁だけが支配する無政府状態に陥ったわ。

貧困層は軍事的・血縁的にも大した力を持ってないから、殆どの者が貰ったカネも上手く生かせずに窮乏したわ。

愚民共が得た物は貴族や富豪の破滅だけよ。

まあ、それが余程嬉しかったのか、愚民共は全員アナタの狂信者だけどね。

兎に角、コレットちゃんが自ら弓矢を取って東奔西走して、何とか辻褄を合わせてるのだからね!##



はえーー。



##あーーーーっ!!!

アナタ理解出来ないから思考停止しようとしたでしょ!!

恥を知れ、このド低能ッ!!!##



し、し、し、していないですぅ!!



##誤魔化しても無駄よ!!

アナタの考えなんて全部お見通しなのだから!!!##



ぐぬぬぬ。

この状態では言い逃れが出来ないですぅ。



##『そう!!!

何故なら今は魂が同居

状態だから!!!!』##



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「ボクの名前は光戦士ずんだもん

ただでさえ毒親に強化人間改造されて人生ベリーハードモードだったのに、犯罪者集団に取り込まれてハイパーナイトメアモードに突入した煉獄に焼かれるこんがり枝豆なのだ。」



  「えーーー!!?

  犯罪者集団に取り込まれた!!??

  それは大変ニャ!!!

  よし金本弟!

  この恩師様が守ってやるからニャ!!

  まずはチ〇ポ出せニャ!!」



  「うおーーー!!?

  犯罪者集団に取り込まれた!!??

  それは大変っス!!!

  よし少年!

  この歌姫が守ってあげるっス!!

  まずはチ〇ポを出すっス!!!」



「少し黙っとけ犯罪者共。

それにしても古来より朱に交われば何とやらと言うんすけど。

やっぱり周りに犯罪者がいるのは発育上良くないのだ。

自分の倫理観がガリガリ削られていくのを実感するのだ。」



  「わかる!! わかるでズン!!!

  若いうちからこんな生活しとったらアカン!!

  ちゃんと家業を手伝いながら更生せな!!」



「えっと家業が犯罪の場合はどうすればいいんすかね?」



  「コラ、ズン!!

  実家を犯罪者集団扱いするとは何事や!!!

  カネモト洋菓子店はカタギのシノギやで!!」



「えっと、カタギはこんなに訴訟されないと思うのだ。

今回のディズニーが一段落したら、vs堀江貴文、vs創価学会、vsファイザー製薬、vs河野太郎、vs国際オリンピック委員会、vsケネディ一族…

そしてvsドナルド・トランプ前大統領と最高裁ラッシュが続くんすよね?」



  「おいおい、ズン。

  最高裁はコミュニケーションの場やぞ?

  串太郎で寄り合いするのと一緒やんけ。

  別に争ってる訳やないからな?

  故に金本家は何も悪ない。」



「うーーん。

オズワルド容疑者より憎まれてる時点でもはやコミニュケーションは成立しないような…

…youtubeでバズってしまったJ・F・ケネディ暗殺ケーキ(ラズベリーソースver)は明らかにマズかったのだ。

内も外も犯罪者。

ボクはこの先どうなるんでしょうか?」



『…あ、あ、あ。』



「リン兄ちゃん!

意識が戻ったのだ!?」



『う、う、う。

こ、ここ… は…?』



「関門海峡なのだ。

今から海路で本州に渡るのだ。

猫BBAと偽BBAがヒルダさんに居場所をチクったから、もう一刻の猶予も許されないのだ。」



『あ、あ、あ、あ。

お、おではしょうきにもどった。

おではしょうきにもどった。』



「うん、そうっすね。

正気に戻ったのだ。

大丈夫、リン兄ちゃんはボクが何とかしてあげるのだ。」



『あ、あ、あ、あ…』



「ん?

お腹すいた?

それともおしっこ?」



『せ…』



「せ?」



『せ、せかい…

じ、じんる…』



「大丈夫なのだ!!!

世界も人類も何とかしてやるのだ!!

ボク達が必ずやリン兄ちゃんの想いを叶えてあげるのだ!」



『あ、あ、あ、あうあう… (落涙)』



「じゃあ、もうすぐ関門海峡を渡る船に着くから、もう少しだけ寝ているのだ。」



『あーーー、うーーーー。』



「ほーら、今ジュースを持って来てあげるのだ。

いい子で待ってなきゃ駄目っすよ。」



『あ、あ、あ…』



  「(ヒソヒソ) おい大BBA聞こえるニャ?

  もうすぐ関門海峡を渡るみたいニャ。

  アイツら船を用意したみたいニャ。

  おい、約束のカネを忘れるニャガよ。

  じゃあ通信切るニャ。」



『あー、うー。』



  「しかしトイチも世界も壊れちまうニャんて…」































  「ニャガハハハハハハハwwwww

  たんのしぃーーーッ♪

  人間の死に顔って笑えるニャww

  特にTikTokのドローン爆殺表情集ww

  現代の打ち首晒し首ショーだニャーーwww

  いやー、世界各国で順調に日常が破綻♪

  暴力の連鎖が始まっておりますニャアw

  奈々ちゃん暴力が、だぁーーーいちゅき❤

  戦争でゴミ共が死ぬ度に!!

  ただでさえ高い世界ランクが更に高まるニャ♪

  結局、世界はゼロサムなんニャガよ。

  んっんッーーー♪

  他人の不幸は奈々ちゃんの相対的利益っ♪

  今とーーーても幸せ❤」



『あ、あ、あ、あ…』



  「おい木偶野郎♪

  オメーは最高の生奴だったニャガよwww

  教室じゃあ毎日オマエを殴って楽しめたし♪

  ドゴォッ! (楽し気に強めのキック)

  今は全世界で爆笑ショーだからニャww

  オメーはホント恩師想いの生奴だったよww

  ンッンッーーー♪

  他人の破滅は大麻よりもッ!!!

  ンぎんもぢい゛い゛ーーーーーッ❤」



『あう、あう、あう…』



  「後は虎の子の偽造パスポートだニャ。

  シンガポールでの実験も成功したから…

  多分パタヤには入れる筈ニャ。

  いや、この国際情勢ニャら…

  国内に留まる方が得か… (ブツブツ)」



「リン兄ちゃんただいま。

一応お粥も温め直したのだ。

少しは食べないと身体を壊すっすよ。」



『う、あ。』



「ん?

食べる?

じゃあ、身体を起こそっか?

よいしょっと。

さあ、お口をア~ンなのだ。

ふーふー。

はい、あーん♪」



『うーあー。』



「まったく…

フランクフルトでは銀行の総裁夫婦が自宅前で射殺されるわ、上海では自殺が多過ぎて当局が自殺禁止令を出すわ、日経平均4000円台に突入したわー国が世界からは羨ましがられてるわ…

救いはないんすかね?

うーん、リン兄ちゃんからカネを託されたのはいいんすけど…

この金額で人類の救済とか出来るんすかね?

そもそもボクは一介のネグレクト枝豆に過ぎないのだ。

うーん、ある程度マクロでの政経実務経験者に相談出来ればいいんすけど。

都合良く政治家や経済学者と話せないもんすかね。」



『ガッガッガガガッ!!』



「リン兄ちゃん!?」



『##ハァハァ!

本当にいいのね、大魔王。##』



「え?

その喋り方。」

 


『##ハァハァ!

枝豆坊や、少し話させて頂戴。##』



「あー!

さては偽物BBA!

懲りずにまた兄ちゃんの身体を乗っ取ったのだ!」



『##ハァハァ…

違う違う。

今度は大魔王から正式に委任されたのよ。

地球経済を支援してくれって。##』



「アンタ、確かお姫様がどうこうって言ってたのだ。

経済立て直しなんか、それも異なる世界の経済回復なんて出来っこないのだ!」



『##ハァハァ

ワタクシは帝政と共和制、両方の教育を受けているわ。

ゼェゼェ…

学部は法学部だったけど、卒論で最優秀賞を受賞している。

大魔王よりは地球に貢献出来る筈よ。##』



「リン兄ちゃんは高校中退。

猫BBAから聞く限り、成績も相当悪かったのだ。

何より数字に弱かったとか…。」



『##ハァハァ…

それにワタクシは学生時代からアチェコフ流の資産を運用していたし、今では100万石を越える所領も治めているわ。

ゼェゼェ…

大魔王はその点を加味してワタクシにボディの操縦権を預けた。##」



「分かったのだ。

その前にリン兄ちゃんから権限を預かったという証拠を見せろなのだ。」



『##チョコ干し柿。##』



「…。」



『##ハァハァ。

言っておくけど、この確認に意味ないわよ。

ワタクシ、断片的だけど大魔王の記憶が見えてるから。

岡山県でチョコ干し柿を2人で食べたのよね?##』



「ボクにとっては掛け替えのない思い出なのだ。

アンタなんかに口にして欲しくない。」



『##ハァハァ…

奇遇ねぇ。

ワタクシにとっても掛け替えのない思い出なの。##』



「?」



『##ハァハァ…

まあ、いいわ。


隣のゲルに経済の専門家が居るから、尋ねてみるわね。

世界一嫌な女だけど、手腕は確かよ。##』



「え?

ゲルって?」



『ガッガッガガガッ!!』



「うわっ、びっくりした。」



『帝国式召喚術奥義!

順風耳ッ!!

本体が取得した音声情報を金本光戦士に共有!!』



「え? え? え?

何やらボクの脳内から変な会話が聞こえて来たのだー!!!!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



『ハァハァ!

そこの衛兵。

ドライン卿との面会を希望するわ。

取り次いで。』



  「チェルネンコ四天王!?

  失礼ですが、アポイントメントは?」



『ハァハァ。


…お、お馬ぁ鹿さん。

このワタクシがあんな女の都合なんて斟酌する訳ないでしょう。』



  「あの!

  かなりお顔色が優れないようですが…

  呂律も回っておられませんし。」



『そうよ!

遺言になる可能性もあるから大至急ドライン卿を呼びなさい!

ゴホッゴホッ。』



「あーら、チェルネンコ卿。

珍しいですわね。

何か御用?」



『ハァハァ。

あら、ドライン卿。

大至急、話がしたいの。

人払いをお願い。』



「…ゲルの周囲を見張りなさい。

誰も近づけないで。」



  「あ、いえ、しかし!」



「早くなさい。」



  「し、失礼しました!

  チェルネンコ四天王、お通り下さい!」



『ハァハァ!!

お邪魔するわ。』



「ねぇ、貴女大丈夫?

老人みたいな死相が出てるわよ?

ちなみに、そういう隈が浮き出たお父様はその月に死んだわ。」



『ハァハァ!

安心して。

魂が半分削れただけ。』



「なーんだ、残念。

その程度じゃ貴女は死なないじゃない。」



『ゼェゼェ…

ええ、ご生憎様。』



「で?

ご用件は?

言っておくけど私のゲルで死なないでね、臭いが伝染るから。」



『フーフー。

安心なさい、アナタの死体を確認してからじゃないと死なないと決めているから。』



「それは奇遇ね。」



『ハァハァ…

早速、本題よ。

偽札で崩壊した経済を立て直す方法を教えて!』



「ちょっと待ちなさい!

貴女の領内の話!?

散々、監査を拒絶しておいて!」



『ゼェゼェ…

早とちりしないで。

ワタクシの領内は盤石。

監査承諾書にもサインしてあげるから話を聞かせて。

ハァハァ…

安心して、ただの雑談よ。

もしもの質問をしているだけ。』



「分かった。

雑談とやらに付き合ってあげる。

但し、貴領への監査は断行するわ。

こっちも仕事だし。」



『フーフー。

…お好きに。

それで?

何か解決案はある?

ソドム経済指数が700ポイントを下回った想定で。』



「えー?

ちょっと待ちなさいよ。

それって実質的に経済破綻してるじゃない。」



『ハァハァ…

だから、破綻するくらいマーケットが崩れた場合に立て直す方法を教えなさい。』



「700なんて大魔王級の経済テロね。

ソドム経済指数かぁ、今は昔の物語よね。」



『…ふふふ、そう言えばアナタのお父上は指標分析の第一人者だったわね。

著書に無難なことしか書いてくれなかったから、学び損なったけど。

ゴホッケホッ!』



「奥義が市販本なんかに書かれてる訳がないでしょう。

真実はスペシャルVIPのみを集めた内輪のパーティーのみで明かされるのよ。

まあ、いいわ。

読者サービスとしてお父様の手法を教えてあげる。」



『ハァハァ…

お願い。』



「恐慌の兆候が見えたらまずマスコミを買収。

これは鉄則。」



『フーフー。』



「で、パニックを煽るようなタイプの記者は処分。

昔はかなり徹底していたのだけど、知ってる?」



『アナタのお祖父様がそうだったと聞いているわ。

ゴホッゴホッ。』



「そうね、お祖父様は真の正義を貫く方だったから。

世論形成に非協力的なジャーナリストには裁きの鉄槌を与えておられたわ。」



『フーフー。

流石は《死の商人》ね。』



「違うわ。

お祖父様は社会全体を生かす為に手を汚すことを恐れなかった。

それだけよ。」



『フゥフゥ。

あらそう。

物は言い様ね。』



「で、次にリカバリーに必要なセクターに投資。

順番としては金融、建設、運輸。」



『ハア、ハア、ハア…

待ちなさい!

それって全部モローの傘下じゃない。』



「当然でしょ。

買い支えなんだから。

結果として支援側の資本は入っちゃうわよ。」



『ゲホゲホッ。

そんな事でテコ入れが出来るとは思わないけど。』



「出来るわ。

マスコミさえ押さえていればね。

コツは《以前から練られていた新インフラの建設》を発表すること。

大々的に華々しくね。

《株価の落ち込みは、一時的な景気と景気の谷間の減少に過ぎない。

次のプロジェクトが本格始動すれば回復する。

雇用も全て新事業が吸収する。》

そう書かせるのよ。

買い取ったアナリストに。」



『ケホッケホッ…

ねぇ、それって月並みな手口じゃない?』



「理論は知られているけど、実践する人間が殆ど居ないのよ。

皆、理屈は知ってる癖に完遂する胆力が無いの。」



『フゥフゥ。

要はマスコミを抑えた上で大規模新プロジェクトを発表し、その宣伝をさせると。』



「まずは豪華な社員寮を建てること。

失業率の1番酷い地域で派手に求人をすること。」



『…見えて来たわ。

確かに民心は盛り上がりそうだけど、抜本的な解決にはならなさそうね。』



「お父様は発明や文筆のコンクールを濫発したわ。

賞金も大盤振る舞いでね。

受賞者は大袈裟に称賛して、気の利く者なら会社も持たせてやってた。」



『ゴホッ

それを御用マスコミに賛美させると。』



「景気テコ入れはスタミナ勝負よ。

そういう大小のプロジェクトを同時進行で立ち上げ続けるの。

繰り返しているうちに、必ず他の資本が模倣で便乗する。

そのサイクルは必ずや次の好景気を呼び込むわ。

それがソドムタウンが豊かであり続けた理由よ。」



『フぅーー。

子供でも思いつきそうな地味なやり口ね。』



「あのねえ。

経済に特効薬はないの。

歯を食いしばってセオリーを地道に積み重ねるだけ。

それが出来る人間に対しては、それが幾つであろうが大人として認めるわ。

貴女や私がコレット・コリンズを認めたようにね。」



『勉強になったわ。


もう一声。

奇策を教えて頂戴。』



「…。」



『ゴホッゴホッ。

監査は受け入れると言った筈よ。

承諾書があるのなら、今この場でサインするわ。』



「奇跡を大衆に見せなさい。

それも飛び切り奇妙で血が流れない奇跡をね。」



『…それ、ワタクシのポールのことを言ってるの?』



「残念、全然違うわ。

私のポールソンの話をしているのよ。」



『あっそ。

まあいいわ。

大体の筋道は見えて来たから。』



「お役に立てて光栄ね。


それと、承諾書は今は手元に無いの。

ミルトン部長をそちらに派遣するから、サインだけお願い。」



『ええ、快く記させて貰うわ。

ケホッケホッ。』



「…エルデフリダ。」



『?』



「お大事に。」



『ええ、今日のお礼としてアナタの次に死んであげる。』




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




『##順風耳解除ッ!!

ハアハアーーッ!!

ゲホッゲホッ!!##』



「だ、大丈夫なのだ?」



『##ゲホッゲホッ!!

ハァハァ…

ワタクシは誇り高き帝室の女よ。

この程度何ともないわ。

…そんな事より坊や。

さっきの会話、ちゃんと聞こえてた?##』



「えっと。

異世界の同僚さんとの会話?

随分殺伐としてたけど。」



『あの女は昔から誰にでもあんな感じよ。

四天王クレア・V・ドライン。

自分の父親を苛め殺した最低の女。

行き過ぎた資本主義が産んだ真性サイコパス。

人格面では褒める箇所はないけれど、財務責任者としてはこの上ない逸材。

財務長官として大魔王の遺した莫大な富を管理しているのが彼女よ。

才覚は皆が信頼している。

ワタクシも含めてね。』



「アンタもそうだけど、四天王のキャラ濃いっすね。」



『安心なさい。

残りの2人は単なる武弁よ。

殺した数だけで今の地位を掴んだ、論ずるにも足らない存在。』



「…財務長官と同格になる為にはどれだけ殺す必要があるんすかね。」



『ねえ。

彼女の説明、理解出来た?

あの女は自分だけが智者と思い込んでるから、説明は噛み砕かれていたと思うけど。』



「思ったより常道のアイデアだったのだ。

荒唐無稽ではないのだ、地球にもニュディール政策という前例があるし、リン兄ちゃんの能力があれば実践可能なのだ。」



『##後はアナタ達で実践してみなさい。##』



「分かった。

一応礼を言っておくのだ。」



『##ねえ、ワタクシ達は血と剣で完璧な言論統制をしろと言ってるのよ?

本当に理解している?##』



「…。」



『##覚悟なき統治は万死に値する罪よ。

覚えておきなさい。##』



「人殺しをせずに解決する方法は…」



『##どこかにあるんじゃない?

節食せずにダイエットする方法とどちらが先に発見されるかしら?##』



「…それでも!

ボクは誰も死なない道を探すのだ!」



『##その道はいつ見つかるの?

ベネズエラだったかしら、昨日だけで500人以上の死者が出たそうね。

アナタがもっと早くその道を見つけていれば死なずに済んだ命でしょ?##』



「いや!

それはっ!!」



『##ねえ光戦士君。

アナタならいつか気付くわ。

全ての人間は見えないナイフを両手に握り締めて人ごみの中に生まれて来るの。

誰かを刺さないように避けた時、ナイフは見知らぬ誰かに刺さっている。

そしてナイフは権力や富や名声に比例して巨大化する。

アナタが誰かを救おうとする時、反対側の誰かを殺しているのよ。

もしも誰かではなく誰もを守りたいのなら、世の中のルールに一刻も早く気付きなさい。##』



「…ボクは。」



『##本国にね。

自分に刃先を突き立て続けた馬鹿が居たわ。

アナタはそうならないで頂戴。##』



「前向きに善処するのだ。」



『##…。##』



「…りがとう。」



『##!?##』



「一応礼を言っておくのだ。

アンタが地球の為に何かをしてくれるとは思ってもいなかったのだ。」



『勘違いしないで、大魔王に頼まれたからそうしてやっただけ。

フーーーー。

大魔王、操縦権を一旦返すわ。』



「ちょっ!

エルデ…」



『ガガガ…』



「兄ちゃん!?」



『プシュ~ ()』



「ちょっ!」



『ガガガッ


##安心なさい。

大魔王の魂はギリギリ生存可能なレベルで残ってるから。

私が喋れているのは、単に召喚術師として傑出しているからよ。##


ガガガ…


ず、光戦士くん…

し、しんぱいかけて… ごめん…』



「え!?

リン兄ちゃん!?」



『あ、あ、あ、あ…

もう落ちるけど…

ガガガッピピーッ

じ、自我は無事…

み、みんなに謝っておいて…』



「兄ちゃん!?

無事なのだ!?

もう少し話を!!!」



『##あ、あ、あ…##』



「リン兄ちゃん!!」



『##ゴメンね。

大魔王は一旦休憩。

自動的にボディの管理権はワタクシに回ってきたわ。##』



「あ…」



『##伝言を伝えておくわね。##』



「伝ご!

…いや、信用出来ない!

アンタが情報を改竄する可能性があるのだ。」



『##伝えるわね?

《ワタクシとヒルダの接触を阻止しろ》だって。##』



「…どうして正直に言ったのだ?

アンタはヒルダさんと接触したいんすよね?」



『##したいなら勝手に妨害すればいいのではなくて?

ワタクシはワタクシであの女との接触手段を模索するだけだから。##』



「…アンタ。

いや、エルデフリダ。

何か希望や目的があるのなら聞いてやるのだ。」



『##GOOD。

話が早くて助かるわ。

ワタクシの望みは1つだけ。

ハロルド・キーンの血統に永遠の帝位を与えること。##』



「ハロルド…

自慢していた息子さんなのだ。

確かボクと同じ年。

いや、待つのだ。

もうハロルド君は皇帝になったって言ってたのだ。」



『##その皇帝本人が帝政の解体を進めているのよ。

本人が封建制度を昔から嫌っているの。

ワタクシが何度か矯正しようとしたのだけれど、夫に邪魔をされてしまって…

アナタが説得して何とか翻意させて頂戴。

ハロルドにはワタクシが然るべき家柄の正室を迎えるわ。

そして生まれた子を次代皇帝として指名させたいの。

あの子…  

最終皇帝なんて名乗ってるから…

このままじゃ帝国が消滅してしまう!!!##』



「取引をしようなのだ。」



『##?##』



「ボクがハロルド君を説得するのだ。

成功した場合、報酬として消え失せて欲しいのだ。」



『##ええ、それは勿論!##』



「ヒルダさんも一緒に連れ帰れなのだ。

その条件を飲めないのならボクも協力は出来ない。」



『##昔、同じ台詞をお祖父様に吐き捨てた少年が居たわ。##』



「その子はどうなったのだ?」



『##残念ながら勝ち取ってしまった。

そして大き過ぎる戦果は彼から日常を奪った。##』



「…。」



『##アナタにもいずれこの代償の意味が分かるわ。##』



「…ハロルド君と交渉の機会を作る方法を急いで考えるのだ。」



『##期待しているわ。

社交辞令抜きでね。##』



「…帰り支度を急げなのだ。」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



さて、この段階まで来ると俺に出来る事は少ないな。

関門海峡は電車で簡単に越えれると聞いていたが、海路を取るのか?

平家物語曰く、壇ノ浦は荒れるようだが大丈夫なのだろうか。

まさかヒルダが八艘飛びで襲撃してこないだろうな。



##ねぇ。##



何ですか?

エルデフリダさん。



##ちゃんと光戦士君に伝えたわよ。

恩に着なさい。##



はぁ?

松村容疑者みたいな事を言いますね、貴女は。

私の身体なのだから、私の思い通りに喋って当然ですぅ。

早く出ていって下さいね。



##ちょっと待ちなさい!

呼んだのはアナタでしょ!

こっちは迷惑しているのだけど!##



全然呼んでないですぅ!

エルデフリダさんが勝手に押し掛けただけですぅ!

貴女なんて所詮悪霊じゃないですか!



##はぁ!?

言うに事欠いて、このワタクシを悪霊呼ばわり!?

発言を撤回しなさい!!##



あっかんべーwww

悪霊悪霊悪霊www!!



##キーッ!!

黙れ下郎!!##



あはははは!

黙らせたかったら腕づくでどうぞぉww

出来たらの話ですけどぉwww

ほらほらぁww

出来るものならやってみて下さいよぉw

悪霊オバサン♪



##舐めるな、オスブタァッ!##



ブグェッ!!



##見たか!

魂を練り固めて魂を撃ち抜くッ!

帝国式召喚術究極奥義、ソウルクラッシュ!!

ワタクシ程の術者なら例え思念だけでも殴打可能!!

ほら、もう一撃ィッ!!##



ゴッブエエエッ!!

ハァハァ、ドナルドさんの身内だと思って今まで大目に見ていてあげましたが、そっちがその気なら容赦しませんよぉ!!

魂ぱんち!!



##グワッ!!

くっ、大魔王!

いつの間にこの技を!##



ふっふっふ。

忘れたんですかぁ↑?

ここは私の器の中ですよぉ↑?

ホームの利があるんですぅ↑?

ほーら、魂ぱんち!魂ぱんち!魂ぱんち!



##ウッギャーアアアアッ!!##



あはははははは!!

さっきまでの威勢はどうしたんですかぁ↑w!?

チュニドラより弱いですねぇ↑www!!

ゴミはゴミ箱に!

悪霊は地獄にぃッwwww

ほーらっ、りんこりんのぉ♪ 魂ぱんちぃ♪



##ドッゲェエエエエエエッ!!##



あはははは♪

正義は勝つんですぅ、ぶい♥



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



『ガガガ!

ビビビ!!

アビバベボギガッ!』



「えっ!?

リン兄ちゃん!?」



『ソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッソウルクラッシュゴッブエエエッタマシイパンチドッゲェエエエエエエッ!!!!』



「こんなん頭おかしなるでなのだ…」



『オレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタ!!』



「くッ!

リン兄ちゃんが完全に壊れたなのだ!

誰か! 誰かヘルプなのだ!」



「ニャガーシュ!!呼んだニャ?」

「ウェヒヒヒ、お困りのようですね♪ (1秒)」

「ジャンジャンバリバリー!!」

「いよいよ暗黒魔法の出番ですね♪」

「いや、ここは出羽修験の秘術で!」

「アタシ参上っス♪」

「ズン、オバチャンもおるで!」



「…やっぱり大丈夫だからあっち行けなのだ。」



「「「「「「「はーい。」」」」」」」



「はぁ (ため息)。

響兄さんやヒロノリさんが居た頃が懐かしいのだ…」



『キーキーキー!!

##キーキーキー!!##

ギャオーン!!

##ギャオーン!!##』



「くっ!

それでも!

それでもボクは諦めないのだ!!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「光戦士君!

船の準備が出来たぞ!」



「寒河江さん!

了解なのだ!」



「…関門海峡が完全に封鎖されたぞ。

陸自のヘリがずっとホバリングしている。

後、今日から山陽新幹線にも警官が常駐するようになった。

もう鉄道は使えないと思う。

生憎の荒天だが、包囲網が狭まる前に出航しよう!!」



「…どんどん追い詰められてるのだ。


さぁ、リン兄ちゃん!

車から出るのだ!」



『ガガビビ!

オレハショウキニモドッタ!

オレハショウキニモドッタ!

ガガガビビババ!』



「ぐっ!

やはり完全に正気を失ってるのだ!」



「俺が担ぐ!

船まで走れ!」



「福田さん!

お願いなのだ!」



「光戦士君!

車の処分はあの手でいいんだね!?」



「はい、小牧さん!

今は痕跡を消す事に専念するのだ!

レニーオバチャン、アネモネオバチャン、カモンなのだ!!」



「うぃーっす。

アタシ参上っス♪

(大麻スパスパ)」



「いやっほー♥

暗黒大元帥(自称)アネモネ見参!!

(大麻スパスパ)」



「時間が無いから短刀直入に!

2人の実力が見たいのだ!」



「お?

初めてレニーちゃんの喜ぶ展開来たっスよ♪

やっぱりねぇ、戦士はパワー見せつけてナンボでしょ♥」



「ウェヒヒヒ♪

久し振りに出しますか、本気って奴をね♪

(首コキコキ)」



「このキャンピングカー3台。

跡形もなく消滅させる事は出来るかなのだ?」



「ハッハッハ!

出来るかだなんて愚問っスねぇ。

この程度、*コブラの皮を剥ぐより簡単なことっス!」


*帝国慣用句で「極めて簡単な作業」の意。


「たまにはお姉さんの格好いいとこ見せてあげるね、キャハッ♪」



「行くぜ相棒!」



「望みは肉棒!」



「レニーファイヤー!!」



「アネモネダークネス!!」



「「合体奥義!!」」



「「ダークフレイムッ!!」」



「おお!

車両が大爆発するも何故か無音無光なのだ!」



「闇の炎に抱かれて眠るっス。」



「ウェヒヒヒ♪」



「おー、大型車両3台が一瞬で圧縮されて消え去ったのだ。」



「少しは見直したっスか?」



「これが暗黒魔法よ♥ (色気を強調した決めポーズ)」



「うむ、ありがとなのだ。

ボーナスにプラス査定したから、前期に3億、後期に4億支払ってやるのだ。」



「そんな空手形には引っ掛からないスよ!」



「あー、さてはうやむやにするつもりですね!」



「仕方ないっすね。

お姉ちゃんたちには期待しているしボクが少し色を付けとくのだ。

ボーナスは前期に4億、後期に3億に増額!!」



「「ウッキーーーーッ♪」」



「光戦士君!

1番大きなプレジャボートにはリン子お嬢様を乗せる!

君も同乗しろ!」



「石賀さんは!?」



「私はこちらの小型船に乗る!」



「そんな漁船に毛が生えた船で海を渡れるのだ!?

さっきより海が荒れて来たのだ!」



「お嬢様の安全が最優先だ!

私より君の方がお嬢様との付き合いが長いし、機転も利く!!

頼んだぞ!!」



「全員で大きい船に乗るのだ!」



「いや!

それ以上の重量は危険だ!

船団を組んで渡海するぞ!

これ以上荒れる前に渡り切ってしまおう!!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【リン子船団 旗艦クルー】


福田魁   (船長・操舵手)

小牧晃   (甲板員/戦闘)

金本光戦士 (甲板員/介護) 



※要警護対象


遠市・コリンズ・エルデフリダ・リン子・厘



※監視対象(非常時につき殺害可)


松村奈々



※貨物


現金20億円 (残金46億2524万0283円は僚船に積載)

大麻88キロ



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



  「ちょっと待つっスーーーー!!!」


  「置き去りにしようなんて、そうはエルフが卸さないわよ。」



「何なのだ?

レニモネさん。」



  「アタシもりんこりんと同じ船に乗るっス!!」


  「ワンセットにすなーーーっ!!!」



「あ、いや。

見ての通り、この船は重量制限あるし…

もう乗れないのだ。」



  「オヒョヒョ♪

  分かってないっスね、光戦士君は。」

 

 「くすくす♪

  お姉さんのレクチャーが必要かな?」



「何がなのだ?」



  「さっきのアタシらの腕前を見たっスよね?

  りんこりんを本気で守りたいなら。」


  「アネモネちゃん達は側に置いておくべきだよーん♪」



「た、確かに…

一応、万が一を考えて手元に置いておくべきかも知れないのだ。

(というより、この糞異世界人共から目を離したくないのだ。)」



  「「うっふっふー♪

  どうする少年?」」



「福田さん!!

重量がヤバいけど、コイツらも載せるのだ!!」



「うーーーーん。

重量はもうギリギリだが…

腕は確かだしな。

隠密行動ばしよごたる今、暗黒魔法は喉から手が出るほど欲しか!

わかった!

一部ん食料ば寒河江しゃんの船に積み替ゆる!!

こん2人ば同乗させよう!!」



  「オヒョヒョヒョwww

  フクダさんは見る目があるっスねえ!!

  異世界最強の戦士(割とマジ)のレニーちゃんを選ぶとは!!

  安心するっス!!

  勾配60度の崖を走破する山の民のパワー見せてやるっス!!」



  「ウェヒヒヒヒ♪

  皆さん運がいいですねぇ♪

  究極ダークエルフのアネモネちゃんに護って貰えるなんて❤

  ご覧あれ!

  最高気温85℃最低気温ー28℃まで素肌で耐えうる優生学の集大成を♪」



  「ニャガハハハハハハハwww

  奈々ちゃんもーーー!! 奈々ちゃんもーーー!!!

  もはや説明は不要だニャーーーーー!!!!!

  人間を超越した超パワー・超頭脳・超美貌ッ!!

  大船に乗ったつもりでいることを許すニャ!!!」



「わかったのだ!!

コイツラも積むのだ!

寒河江さん! 昴流兄ちゃん!!」



「OK!!

積み替えは俺らがするから、光戦士君はリン子様を安静に!!」



「了解なのだ!!」



「かなり海が荒れてきとる!!

旗信号ん距離が理想だか、こん視界じゃやおいかんやろう!

海峡ば越えたら、予定合流ポイントに集合!!

後は打ち合わせ通りに!!」



『オレハショウキニモドッタ。

ワタクシエルデフリダ。

オレハショウキニモドッタ。

ワタクシエルデフリダ。』



「リン兄ちゃん!

もうすぐだからね。

もうすぐ皆と会わせてあげるのだ!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



ドザッパッーーーーーーーン!!!



「グッ!

凄い揺れなのだ!!」



「光戦士!!

嵐が来るぞ!!

全員ん身体ば縄で括れ!!」



「わかったのだ!!

さあBBA×3!!

早速出番なのだ!!」



  「「「…ぐでぇ」」」



「オマエら出航前のビックマウスは何だったのだ!!!」



  「…山の民が海で役に立つわけないっス。」



  「…砂漠の民が海で役に立つわけないでしょ?」



  「…猫の弱点は水だニャ。」



「光戦士君!!

このロープを使いなさい!!

私は反対側に張って来る!!」



「小牧さん、お願いしますのだ!!

ほら!!!

とっととロープ身体に括り付けろBBA共!!」



  「「「…へーい。」」」



「リン兄ちゃん!!!

ボクから絶対に離れないで!!!」



『オレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタ。

##本体へのダメージフィードバックが限界!!##

オレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタ。

##大魔王! 感覚接続を遮断するわよ!!##

オレハショウキニモドッタオレハショウキニモドッタ。

##ホント使えないわねコイツ!!!##』



「くっ!!!

こんな所で死んでたまるかなのだーーー!!!」



「光戦士!!!

やはりバランスが安定せん!!!

重量物ば捨ててくれ!!」



「わかったのだ!!!


…よし、まずは大麻から。」



  「(ガシッ) ちょ、ちょっと待つニャ。」



「何すか?

アンタに構ってる暇はないのだ。」



  「大麻は人類の宝ニャ!!

  こんな上物㌔5万は固いニャ!!

  一生のお願い!!

  二度と悪い事しニャいから大麻だけは!!

  大麻だけは捨てニャいで!!」



「チッ!

じゃあカネを捨てるのだ!!!」



  「あひゃあああああ!!?

  オメーそれでも金本一族ニャガか!!!

  それを捨てるなんてとんでもニャい!!!」



「本当はこのBBA共を捨てたいんだけど…

遺体が陸に上がった時に話がややこしくなるのだ。


という訳で!!

まずは大麻ドーン!!!!

小牧さん! そっちの箱も捨てて!!」



「了解!!!

光戦士君は海面に近づくな!!」



  「ギャーーーーーー!!!!!

  馬鹿ーー!!!  馬鹿ーーー!!!

  この馬鹿枝豆ーーー!!!!!

  ニャンて酷い事しやがるニャ!!」



「福田さん!!

後、何㌔削ればいいのだ!?」



「100㌔ほど削ってくれ!!」



「了解なのだ!!!

はい、偽札ド――――――ン!!!」



  「ニャーーーーーーーーッ!!(号泣)

  カネを捨てる馬鹿が居るか!!!」



「麻薬や贋金がなくなるのはいいことなのだ!!!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【積載物】


大麻88キロ→0キロ

現金20億円→10億円 



【所持金】


56億2524万0283円



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「光戦士君!!

大きな波が来るぞ!!

全員の姿勢を下げなさい!!」



『みんな伏せろなのだーーー!!』



「あ、あ、あ、あ…

奈々ちゃんが盗む予定だった大麻とカネが海の藻屑と消えたニャ。

ぐにゅにゅにゅにゅ。

ニャンとかして回収出来ニャいか。


よし、大BBAに連絡ニャ。

アイツ都合よく潜水艦で近くをうろついてないかニャあ。

ん? アレ?

このスマホ?

あ、トイチのスマホだったニャ。

ニャハハ失敗失敗ww


まあね、人間誰にだってミスはあるニャ♪

ミスだからトイチの口座やウォレットをうっかり誤操作しても仕方ないニャ♪

はい、トイチくーん♪

恩師様に指紋認証を献上ちまちょうねぇ♪

ニャハハハハwww

奈々ちゃんにも運が向いて…


ん?

おかしいニャ。

起動画面が表示されない…



  「ポール殿!!

  大魔王様から…  通信…?」



「え? 雑音?

海上だから混線してるニャ?」



  『ジミー!!!

  今は操縦に集中しろ!!』



「あーーーーーッ!!!

猫BBA!!!

オマエ、何勝手にリン兄ちゃんのスマホ触ってるのだ!!」



  「いや!!!

  今確かに通信機が反応してたでゴザル!!」



「ギクッ!!

えーーー、触ってないニャガよぉ。

ぴろぴー♪ (すっとぽげ口笛)

口座アプリなんて開く気はなかったニャガよ?」



  『確認は後だ!!

  敵トルーパー隊が熱源一斉射出!!

  ランダム回避走行ッ!!!!』



「寄越せ、泥棒!!!」



  「うわああああああ!!!!

  避けきれないでゴザルーーー!!!!」



「ハアハア!

この非常事態に油断も隙もないのだ。」


  

  『クリ――――――ンアップゥアアアアアア!!!!』



「ん? 雑音?

やっぱり猫BBAが勝手に電源入れてやがったのだ!!!」


  

  「ポール殿!

  スキルを使い過ぎでゴザル!!!」



「声?

日本語?

猫BBAが誰かと通話しようとしたのだ?」



  『ハアハア!!

  惜しめば死ぬぞ。』



「いや、起ち上ってない?

混線?

いや、今はリン兄ちゃんに。」



  「今、リンと聞こえたでゴザル!!!」



「あれ?

やっぱり人の声?

電話が繋がってるのだ?」



  『爆音がそう聞こえたんじゃないのか?』



「波音で殆ど聞こえないのだ。

あーあー、もしもーし。」



  「やっぱり繋がってるでゴザル!!!

  こちらポールソン大公国!!

  大至急、大魔王様に繋いで欲しいでゴザル!!」



「え?

ポールソン?

外人?」



  『止せジミー。

  こっちのゴタゴタにリン君を巻き込みたくない。』



「今、確かにリンって聞こえたのだ。

えっと、音量とか調整出来ないんすかね?」



  「これは大魔王様の問題でもあるでしょうが!!」



「あ、すみませーん。

音量上げてみたんですけど。」



  『うわっ、人の声!?』



「あ、お電話ありがとうなのだ。

でも、リン兄ちゃんは今睡眠中で…」



  「ジミー・ブラウンと申します!!

  大至急、大魔王様と会話させて下さい!!

  救援をお願いしたいのです!」



「うおっビックリした。

えっとジミーさん?

リン兄ちゃんは体調不良で倒れてるのだ。

ちょっと人と話せる状態じゃないのだ。

それにボクらは嵐の中で死にかけてるのだ。

むしろ救援が欲しいくらいっすよ。」



  「緊急事態なんです!!!

  どうか少しだけでも!!!」



「だから!!

こっちは嵐の海で死に掛けてるって言ってるのだ!!

っく、どんどん揺れが激しくッ!!」



  『ジミー!!!!

  第二波来たぞーーーーーッ!!!!』



「うわあああ!!!!

船が滑ってるのだああ!!!」



  「そこを!!

  そこを何とか頼むでゴザル

  大魔王様から停戦の勅令を出して頂きたい!!!」



「ハアハア!!

海を渡るまで少し待ってろなのだ!!

重量は極限までカットしたから…」



  「(爆発音)

   

  ぐわああ!!! 

  左上腕部に被弾!!

  シールド上がらないでゴザル!!」



『(重量音)


ガガガガガガッピーピーッ!!

ジュウロクオクサンゼンヒャクサンジュウニマンエンヲシュトクシマシタ!!

レベルアップシタヨレベルアップシタヨ!!』




  『ジミー!!!

  もう少し速度上げろ!!!

  奴らこちらの座標を感知してやがる!!』



「こ、こんな時に偽札が噴き出したのだ!!!!」



  「ハアハア!!

  機関がもたないでゴザルよぉーー!!!!」



「ハアハア!!!

偽札が船室に溢れて!!

前も陸地が見えないのだぁ!!!」



  『こうなったら一か八か!!

  リミッター解除だああ!!!』



「うおおお!!!!

船体がもたんぞおおお!!!

な、流されるばい!!!」



  「もう機体が持ちません!!!

  爆散しますぞ!!!」



「福田さん!!!

さっきから前に進んでなくない?

早く陸へ向かうのだ!!」



「さっきから舵が効かんばい!!!」



  『ジミーッ、対ショック姿勢ええええ!!!』



  「え!?」



  ドッガ―――――――――ッン!!!!



「光戦士っッ!!!

伏せろぉおおおおお!!!!」



「え?」



バッシャ――――――ッン!!!!



  「グワ――――――ッ!!!!!!」



「グワ――――――ッ!!!」

【名前】


遠市・コリンズ・エルデフリダ・リン子・厘



【ステータス】


《LV》

《HP》  瀕死

《MP》  瀕死

《力》

《速度》 

《器用》

《魔力》

《知性》  ド低能

《精神》  病

《幸運》  


《経験》 32億5656万3098


本日取得  0

本日利息 7億1237万3178

次のレベルまでの必要経験値21億1214万6012


※レベル30到達まで合計ポイント53億6870万9110




【スキル】


「複利」 


※日利29%

下4桁切り上げ 




【所持金】


56億2524万0283円

 ↓

72億5656万0283円



※配当16億3132万円を取得

※緊急事態につき臣下への日当支払いを延期




6521万BTC  (下4桁切り上げ)

  ↓

8413万BTC



2780万XRP (下4桁切り上げ)

 ↓

3587万XRP



2780万SOL (下4桁切り上げ)

 ↓

3587万SOL



☆保有大麻0㌔




【残り寿命】


4616万8500日 (下4桁切り上げ)

  ↓

5955万8500日





【所持品】


??



【約束】


 コレット・コリンズ  「ヒルダ討伐を邪魔しない。」

 ヒルダ・コリンズ   「コレット討伐を邪魔しない」

× ハロルド・キーン   「義絶届にサインしておくように。」

× ドナルド・キーン   「離婚届にサインしておくように。」

 クレア・V・ドライン  「所領監査に応じる」

 金本光戦士      「王朝存続の暁にはヒルダを連れて異世界に帰還すること」

 ウラジミール7世    「全時空永遠帝国の建国を託す!!」


〇ポール・ポールソン   「君のことはボクがずっと守ってあげりゅ!」

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― 新着の感想 ―
大麻がゼロになったの痛いなぁ 勝ち確とはいえ上質な現物は貴重やんね
この物語の世界線が現実世界より良くなりますように。トランプ、プーチン、近平の三頭支配なんざぁ見たくないわ。
おそろしく桁違いな朝三暮四 異世界人でなきゃ見逃しちゃうね
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