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【降臨96日目】 所持金26億2687万0283円 「淑女たるものオーガニックに生きましょう♪」

太平洋戦争で我が国に勝利したアメリカ合衆国が進駐して最初に狙ったのが諜報機関である。

特に最精鋭として知られた陸軍中野学校はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による厳しい追跡調査を受けた。

中野学校は敗戦と同時に閉校し、職員・学生は思い思いに散って個々の裁量で祖国を守る為の闘争を開始した。

80年間、彼らは誰からも認められない孤独な戦いを国内外で繰り広げた。

小牧晃はその誇り高き系譜を継ぐ内閣国際連絡局のエースである。



『あらあ、本当に小牧は凄いですのね。

ワタクシ、オマエには驚かされるばかりですわ。

(ナデナデポンポン)』



「…あ、いや。

猊下は単体で中野学校の歴史を超越しておられる気がするのですが…

ちなみに弊局全員が猊下に怯えておりますよ?」



時刻は深夜1時。

俺は小牧の腕枕でくつろいでいた。



『あらあらまあまあ。

恐ろしいなんて滅相も無い。

ワタクシはか弱い小娘に過ぎませんわ。』



「…えっと。

最初にお目に掛かった時は男性だった気もするのですが…

猊下の性自認は結局どちらなのですか?」



『ん?

その場その場で日本国の国益に寄与する性別ですけど。』



「…この人こわい。」



英国大使館事件の後、旧内閣国際連絡局は公安調査庁・警備局・別班らの容赦無い追撃から逃れながら俺を探していたらしい。

公的な拠点は全て差し押さえられてしまったので、私的な名義で準備していたセーフハウスに逃れていたとのこと。



『あらあら、オマエ達に助けて貰おうとアテにしておりましたのに。』



「申し訳御座いません。

寧ろ、猊下に庇護をお願いしようと考えておりました。」



『庇護?』



「いえ、同志を匿って下さればと。」



『承知しました。

連絡局はワタクシに忠勤を申し出て下さりましたし、匿って差し上げます。』



「ありがとうございます。

猊下のお心遣いには常々…」



『アネモネ。

異世界に帰る時は、この小牧達も連れて行きなさい。

オーラロードでも多分死なないと思います。』



  「はーい♪」



「え!? 異世か……!?

おッ! オーラロード!?

え!? え!? え!?」



『小牧達は軍事的な訓練を受けているのかしら?』



「え!? あ!? 

…は、はい。

防諜要員ですので一通りは。」



『アネモネ。

向こうの戦局が厳しければ小牧達も部隊に編入なさい。』



  「いやー、助かります。

  ダークエルフ師団が欠員多くて困ってたんです。

  ゴブリンやリャチリャチより少ないですから。」



「え!? え!? え!?

部隊!? 編入!? ダークエルフ!?

え、ちょ!? え、待っ!! ちょ!!!」



『小牧達に匿い先を提供出来て喜ばしいですわ。』



「猊下ぁああああああああッ!!!!!」



結局、小牧が号泣しながら地球での働き先を乞うて来たので、国内で使ってやることにする。



『…そんなに泣かれても困りますわ。』



「ひぐっ、ひぐっ、この人怖い。」



『ゴメンなさいね。

ワタクシなりに死花を飾って差し上げようと思っただけですのよ。』



「せめて日本の為に死なせて下さい!」



『はいはい、わかったわかった。

前向きに善処しておきますわね♪

(ナデナデポンポン)』



船室と違って狭いキャンピングカーの車内なので、皆で肩を寄せ合って息を押し殺している。

船のドライバー区画には風呂もあるらしいが、念のため車外には出ない。

毛内翁や寒河江は運転席で仮眠を取っている。

福田や江本は無言で車外を警戒し続けている。



『オマエ達には不自由を掛けております。

上陸の暁にはより良い居住環境を提供することを約束致します!

何かおねだりがあれば気軽に言って頂戴ね♪』



  「え!?

  おねだりアリッスか!?

  それじゃあアタシはねえ。」



  「うぇひひひ、さっすが大魔王様♪

  えっとぉ、私の欲しいものわぁ♪」



『殿方に言ったのよ!

貴女達はもう好き放題してるでしょ!』



  「けっ、男に媚びるしか能のないケツ穴野郎が。

  ペッ(唾吐)」



  「あーやだやだ。

  チ●ポ狂いのケチンボ大魔王やってらんない!」



『…どうやらお2人は大麻が要らないようね。』



  「えッ!? 

  やだなあ♪

  アタシはりんこりんの素直な下僕ッスよ♥」



  「あッ!?

  うぇひひひ、冗談キツいですよぉ♥

  私、大魔王様の為に忠烈仕ります♪」



『遊んでる暇があれば、ちゃんと殿方を労って回りなさい!』



  「「へーい、チ●ポでもしゃぶっときまーす。」」



早く帰ってくれないかな、コイツら。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



小牧曰く、どうやら我が国を取り巻く国際情勢はとんでもないことになっているらしい。

昨日、アネモネが暗黒魔法を展開してしまったのだが、そのタイミングが本当に悪かった。



「いや!

前からずっとニュースになってたじゃないですか!

我が国がレールガンの実用化に成功したことに中露朝韓が猛反発していると。」



『申し訳ありません。

奥州を転々としておりましたので…

報道を追う余裕もなく…』



「それで昨日の日米合同レールガン試射演習の直前にロシアの戦略爆撃機が10機編隊で我が国の領空を侵犯し、実験時刻に合わせてテポドンも発射されました。

北京市内では大規模な反日デモが開催され、本当に異様な雰囲気だったんです。

既に準交戦状態に突入していると認識していて下さい!」



『あらあら、昨日は大変でしたのね。』



「そんな東アジア史のターニングポイントみたいな日に…

暗黒魔法(?)が日本海に発生してしまったので…

とんでもない事になってます。」



『はあ。

そうは仰いましても、領海内で一時的に暗闇が広がっただけでしょう?

騒ぐほどの事でしょうか?』



「いやいや、全世界の監視衛星が日本海に集まっていたタイミングでですよ?

急に確認不能水域が出現したら、我が国が戦闘態勢に入ったとしか解釈されないでしょう!」



『少なくとも新型のジャミング技術か衛星干渉装置を使用したと見做されるでしょうね。』



「中露は米国が何らかの技術を使って監視衛星破りを行い、そのタイミングで日本艦隊に核兵器を積み込んだと疑ってます。

丁度、両軍の艦隊が付近の海域を並行航行しておりましたから。

客観的にそう看做されても仕方ないとは思います…

それに今の日米は艦隊司令官同士が非常に懇意なことでも有名ですし。

ほら、このニュースを見て下さい。

日本時間で未明の報道ですが、プーチン大統領がIAEAに対して日本への核査察を要求する声明を出しました。

これにイラン・シリア・中国・北朝鮮・ベラルーシ・パキスタン・ブルガリア・ハンガリーの8か国が賛同する模様です。」



『…あらぁ、剣呑な情勢になって参りましたね。』



「ロシア国営放送や公式Twitterが【二正面作戦】というキーワードを連発しております。

これは相当危険な兆候なんです!

日ソ中立条約が破られる直前に酷似しているんですよ。

これは本当にマズい!!」



『落ち着きなさい、小牧。

取り敢えずこれを吸って♥』



「え?

いや、これ大麻ですよね?

我が国では違法薬物ですので…」



『違う違う♪

これはオーガニックなノンニコチン煙草よ♥』



「なるほど。

ノンニコチン煙草なら…

では少しだけ頂戴致します。

スパー、スパー。

ふー、流石はオーガニックですね。

何だか精神が落ち着いて来ました。


…まあ、そういう訳で暗黒魔法は第三次世界大戦の引き金となりかねません。」



『アネモネさん。

貴女、取り敢えず軍法会議ね。』



  「えー、悪いの私ですかぁ?

  種族の懲罰会議を控えてて忙しいんですけどね。

  参ったなぁ。」



『ワタクシが人事権を掌握したら、即座に降格。

四等兵になりなさいな。』



  「えー、レニー姐さんより下ですかー。

  やだなー。

  上級大将くらいで勘弁して下さいよぉ。」



その後、新華社通信等の東側メディアを見せて貰うが、確かに一触即発ムードである。


《日本が撃ってくる前に先制しなければ致命傷になる!》

《米国が日本を使嗾して核戦争を画策している!》


そんな風に世論を煽動するコラムが大量に投下されていた。

一方欧州諸国の論調は、どこか昏い期待が混じっている。


《日本が後ろから刺してくれればウクライナ戦争で勝てるのではないか?》

《日本人をウラジオストックあたりに上陸させればロシアが降参するのではないか?》

《日露を戦わせて我々は中立貿易の利だけを獲得出来ないか?》


こちらの都合に特に斟酌することもなく、維新前からの一貫した本音を無遠慮に垂れ流していた。



「猊下…

昨日だけでもこういう状況です。」



『あらあら、小牧も大変ねえ。』



「…非常に大変な局面です。

弊局がどうこうではなく、我が国全体が本当にもう…

何とかして頂く事は出来ませんか?」



『ええ、構いませんわよ。

皆さんがワタクシに助力して下されば、どれも大した問題ではありませんし。』



「…そ、その。

猊下を疑う訳ではないのですが、解決への具体的な筋道というか。」



小牧もなあ、最初に会った時は得体の知れない怖いオジサンだったのだが…

オマエが怯えてどうする。

まあ、防諜の最前線にいる人間にしか持ちえない危機感はあるのだろうな。

俺は小牧の腕枕の中でゆっくりと耳打ちする。



『日利26%♥ (ヒソヒソ)』



「え!?」



『オマエは賢いので、この意味が理解出来ると思います。』



「そ、それは1日当りに…(ゴクリ)」



『皆さんがワタクシの邪魔さえしなければ、幾らでも救って差し上げますのに。』



「26…  

えッ!? それはッ!?

ニジュウロク…

26ぅッ!?」



『少しは落ち着きなさい、ほら♥』



「あ、はい。

スパスパ。

…ふー。」



俺にとって日利26%は大した数字ではないのだが、一介の官吏である小牧にとっては異次元の数字なのだろう。

冷や汗を流して黙り込んでしまった。



『小牧。

オマエには雑念が多過ぎます。

ワタクシを守ることにだけ心血を注ぎなさい。

ロシアもウクライナも放っておいて宜しい。

ワタクシ以外の全ては誤差です。』



そう断言してやることで、ようやくこの男も直感に従う踏ん切りがついたらしい。

思えばこの男は最初から俺の本質と本音を看破していた。

あのまま扈従してくれれば俺も無駄な遠回りをせずに済んだのだが、この男が組織人である以上そうも行かなかったのだろう。



「どのみち連絡局は解体されておりますし、予算を出して下さった猊下に従うのが筋合い…

いえ! 参陣をお許し頂ければ幸いです。」



『それはワタクシの敵を撃つということですか?』



「…はい、勿論です。」



『公安委員長の宇崎紘子がワタクシに敵対すれば、小牧はどうしますか?』



「あ、いや、それは。」



『日本国がワタクシに敵対すればどうしますか?』



「…。」



『では、日本国が日本に対して敵対するこ…』



「日本国と戦います。」



『GOOD♪

小牧の参陣を認めます。

もっとも、ポリティカルスペクトラムが近かったからこそ、オマエは最初から私に肩入れしていたのでしょうけど。』



俺は小牧を腕枕の刑から解放すると、皆に挨拶に回らせた。

本音を言えば、現職の課長クラスを抱き込みたい。

だが、ヒルダが霞が関に深く侵食している以上、現役官僚との接触は非常に危険である。

なので、まずは体制内から弾き出された連中を一本釣りで取り込むべきであろう。

迂遠だが、今の俺にはこれしかない。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【リン子パーティー編成】


パーティー名 「大魔王親衛隊」



遠市・コリンズ・リン子・厘  (お嬢様)

石賀一博           (執事) 


福田魁            (護衛兵)

毛内敏文           (狙撃兵)

寒河江尚元          (運転兵)

江本昴流           (伝令兵)

レニー・アリルヴァルギャ   (補充兵)

アネモネ・I・ギャラルホルン  (補充兵)

竹内遊馬           (徴募兵) 

小牧晃            (偵察兵) ←new



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



午前3時。

着座体勢にあった者を横臥させる。

福田を呼んで九州での潜伏スケジュールを相談する。

当面は竹内名義で借りた博多区の大型ヴィラを拠点に西上態勢を整えることに専念すると決めた。

早急に英国大使館事件の頃の勢いを取り戻したいのだが…

手元に20億強しかない以上、大胆な行動は取れない。

やはりカネが無いと何も出来ないな…

無意識に後部座席のスーツケースをチラ見してしまい歯噛みする。

あの頃は5000億まで増やし、西日本に基盤を築き掛けていたのに。

…ヒルダめ。



「リン子お嬢様。

少し宜しいでしょうか?」



『あら、江本には横臥休憩を命じた筈だけど?』



「お耳に入れておきたいことが。」



『?』



「全世界でビットコインのマイニングが不可能になりました!」



『はぁ。』



「いやいや! これは大変なことなんですよ!

発行上限の2100万枚をはるかに超えるビットコインが存在することが天才数学者のイサーン・ジャギ博士によって証明されてしまったのです。

各機関も博士の説に概ね賛同するコメントを出しています!

何者かが不正な手段を使ってビットコインを偽造しているんです!」



『まあ怖い。』



「大手金融機関や幾つかの挑戦的な政権が暗号通貨をポートフォリオに組み込み始めた矢先ですからね。」



『???

…持ち株が下がったということ?』



「いやいやいや!!

そういう次元の話ではないんです!!

暗号通貨ってIT概念に対する信用そのものなんですよ!

ポスト中央銀行になるという前提で皆が動いていたんです。

だから、どの国の政府も口では暗号通貨に反対しながらも、水面下で相当な予算をつぎ込んで確保に努めていた訳で…

ちょっとこれはヤバいかも知れないです!

特に国家として大量保有していた英米中。

ワシントンや北京では既にデジタル官僚が複数名拘束されてます。

ちょっとこれはホンマにヤバい流れなんですよ!」



『ほーらね、だからワタクシ言ったじゃない。

おカネは紙が一番なのよ。』



「…俺は、世界経済はそれこそ紙の段階まで戻ってしまう可能性はあると思います。

ウクライナ戦争の推移を鑑みれば、ブロック経済化の流れが急加速することでしょう。」



『??

ゴメンね。

前も言ったと思うけど、ワタクシ英語と数学とITが苦手なの。

難しいことは全部江本に任せますわ。』



「いやいや、真面目に聞いて下さい!

世界経済全体が崩壊するかも知れないんです!

リン子お嬢様ももっと危機感を持って頂かないと困ります!」



『ごめんなさい、そんなに怒らないで。

ワタクシ男の人に怒鳴られると怖いの。』



「あ! 

申し訳ありません!」



『ほら、江本。

これを吸って気分を落ち着かせなさい♥』



「え?

いや、我が国では大麻は違法薬物ですので…」



『違う違う♪

これはオーガニックなノンニコチン煙草よ♥』



「なるほど。

ノンニコチン煙草なら…

少しだけ頂きますね。

スパー、スパー。

ふー、流石はオーガニックなだけあって、何だか精神が落ち着いて来ました。」



『ごめんね。

ワタクシももう少しITを勉強しなければならないのですけれど。

パソコンやスマホに触った経験が少な過ぎるのかしら…

どれだけ話を聞いても、ピンと来ないのよ。

本当にゴメンナサイね。』



「あ、いえいえ。

大声出して申し訳ありませんでした。

兎に角、暗号通貨の話題で持ちきりです。

投げ売りする者もいれば、それを拾い集める者も居て。

なまじ匿名で取引できますから、各国のポジションが読めずに疑心暗鬼なんですよ。

それだけは覚えておいて下さい。」



『承知しました。』



「あのぉ…

一応、念の為聞いておきますけど。

リン子お嬢様は暗号通貨はお持ちではないんですよね?」



『ええ、ビタ1ビットたりとも持っておりませんわ♪』



「そ、そうですよね。

機械が苦手っていつも仰っておられますものね。」



うん、それは断言出来る。

ハッキリとは覚えてないが千葉で俺が貰ったのは仮想通貨だった筈だ。

暗号通貨なんて絶対に持ってない。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



さて、本題。

今はよく分からないITの話なんかよりも、目先のカネに集中したい。

金欠状態の俺が世界経済を語った所で意味がないからな。


この船は18時に博多港に到着する。

という事は、昨日に引き続いて17時の複利は船内で射出されるということである。

しかも船室ではなく車内で出さなくてはならない。


…失敗は出来ないので、今から17時の段取りを決めておく。

どの車両のどこに出すか?

見張りはどう配置するか?

予め決めておかないと、時間になって慌てる羽目になるからな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



正午。

俺は大きい方のキャンピングカーに移り、ソファーに腰を掛けて時間の経過を待っている。

皆の疲労も溜まっているようなので、順番にシャワーを浴びさせ身体を拭いてやった。



「お嬢様も少しお休みになって下さい。」



『うふふ。

石賀が眠ったらワタクシも寝るわ。』



「無茶を仰りますな。」



『オマエにもオーガニックを勧めたい所だけど。

1人は緊張感を保ってもらわなくては困るから。

上陸するまでは我慢して頂戴。』



「お気遣いは不要です。

日々を楽しめてますから。」



『あら、そうなの?

オマエには苦労ばかり掛けていると少し悩んでいたのよ。』



「…猊下が拾って下さるまで、ずっとルーチンワークに従事しておりました。

公証役場なんて、誰でも出来る仕事です。

我慢と生活を引き換えるだけの無為の日々でした。」



『我慢なら今も十分しているでしょう。』



「いえ、自分の仕事が未来に繋がる実感があるのです。」



『…良い未来を作りたいですわねぇ』



「お嬢様は人類に10億円ずつ配るとのことですが…

それでどんな世の中になるのでしょうか?」



『想像も付きませんわ。

オマエには前も言ったと思うけど、ワタクシは貧困家庭の出身ですから。

お父様も、銀行口座に2桁万円以上入ったことがないと申しておりました。』



「もしも世界が酷くなってしまったら…

どうされますか?」



『世界におカネが撒かれることで不幸になる者は必ず現れます。

だってそうですわよね、優位性が崩れるのですから。

現在の貧民の溜飲が下がるのであればそれも幸い。

落ちぶれた富裕層を見ても幸福感が湧かず同情の心が湧いたなら、その場合は世界が酷くなっただけと言えますわね。

もっとも人類の高潔さの勝利とも言えますけれど。』



「お嬢様にとって富の分配はあくまで手段に過ぎず、目的は経済格差のリセットにあるということですね?」



『ええ、そうなりますわね。』



「世界的に見て日本は比較的豊かな国家だと思います。

一番割を食うと思いますが…」



『ああ、安心して頂戴。

何人かと我が国を滅ぼさない約束をしているから。

存続を保証します。


…心配?』



「人間はみな、お嬢様ほど強くないので。」



『あら、ワタクシはおカネを出せるだけよ。

他には何の取り柄もないわ。』



「お嬢様だけですよ。

配ることだけに専心されておられるのは。

他の誰がそのスキルを持ったとしても、リン子お嬢様の様には振舞えなかったと確信しております。

貴女は、その地位に相応しいお方です。」



『ありがとう。

オマエの期待を裏切らないように精進するわ。』



「出過ぎた発言をお許し下さいませ。」



今日は石賀だったが、1人1人とこういう問答を交わす事を意識している。

郎党ですら納得させられないなら、世論と向き合うことなど不可能に決まっているからだ。


異世界に居た頃、もっと多くの人の意見を汲み取るべきだった。

確かにあの時は車椅子を手放せない境遇だったが、それでも何らかの方法はあったと思う。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



16時。

俺が指示するまでもなく、全員がシフトに付く。

呼んだ覚えはないが、レニーとアネモネが犬の様に尻尾を振りながら俺に媚びている。



『貴女達って本当に卑しいわね。

ほら、大麻でも吸って落ち着きなさい。』



「「はーい、スパスパ♥」」



アネモネの暗黒魔法で車窓の屈折率を調節する。

一度降車して確認してみたが、窓が反射して外から車内を伺う事はほぼ不可能となっている。



『暗黒魔法、かなり便利ね。』



「あざす♥ あざす♥

ボーナスと勲章を期待してます♪」



『ええ、軍法会議が終わったらね(ニッコリ)。』



「あー!

さては私を始末する気ですね!

大魔王様ひどーい!」



『大丈夫大丈夫、利用価値がある間は殺さないから♪』



「あー!

さては他のダークエルフと交代させるつもりですね!

大魔王様ひどーい!!」



アネモネは心底下らない女だが、猜疑心由来の勘の鋭さを俺は買っている。

後、功名心が強く積極的に技を売り込んで来る点も好感度は高い。

すぐにつけ上がるので褒める事が困難なのが欠点だが、掘り出し物ではあるのだ。



『ほーら、むくれないの。

折角の美人が台無しよ。

ほら、テキーラもう一杯♥』



「その手には騙されないですよー、クピクピ。

ぷはあ、地球の酒は最高ですね!」



『はーい、ストロベリークリームたっぷりのチョコレートも食べましょうねー♪

ワタクシ、本当にアネモネさんを一番のお友達と思っておりますのよ♥』



「うっそだー。

前はポーラBBAにそんなこと言ってじゃないですかー。

ヒョイパクッ。

旨ぇ!! 旨ぇ!!

クリームの中にジャリジャリとしたザラメが混じっていて、その食感が咀嚼ごとにチョコのまろやかな甘味に微妙な変化を与えているゥ!!!

更には口内の空気の微妙な流れによってストロベリーの風味が鼻孔を通り抜ける!!!

ハッ!

このザラメっ、僅かにスモークされている!?

そうか!!

僅かに燻された苦みがチョコの甘味とベリーの酸味を引き立てているんだあッ!!!!」



『はい、食レポを頑張った御褒美にもう一口♪

江本、シェリー酒を口移しで呑ませてあげなさい♥

ちゃんと決め顔しなくちゃ駄目よ。』



  「あ、はい。」



「ほにょほにょほにょッーーーーーー!!!!

脳がッ!!  脳が蕩けるゥうううううう!!!!

大魔王しゃまに永遠の忠誠を誓いましゅうううう!!!!」



コイツの忠誠宣言ほど信用出来ないものはないが、オンリーワンの技能をもっている以上、俺も励まざるを得ない。

男は切れる限りの手札を切って戦わなくてはならないのだ。

この女には享楽が特に効く。

だから目一杯与えてみる。

与え続けているうちに、俺の手口もきっと洗練されてくるだろう。

トライ&エラーを繰り返して、もっとスマートにならなくては…


大丈夫、俺はヒルダ・コリンズという最高の師を真近で見ている。

あの女の才器には到底及ばないが、それでも劣化コピーくらいには成れる筈なのだ。


少なくとも婦人兵の統率はあの女に倣うべきであろう。

女姿になるまで気にも留めてなかったが、ヒルダ・コリンズは娼婦師団に対して常に甘味を提供していた。

些細な事だが、あれも女を統率する為のコツの1つだったのだろう。

目を閉じて、当時のヒルダの振舞を思い出す。

…甘味、安全、縁談を部下に提供することに必死だった印象がある。


そうやって手元に大量の女をストックすることが、同時に男性陣への交渉カードになってもいたのは当時の俺にも何となく理解出来ていた。

あの女の強さの源泉は、そういうほんの些細なホスピタリティーなのだ。

そして軍隊の装飾を施すことにより、掴んだ人心に何億倍ものレバレッジを掛けた。

きっとそれこそがヒルダ流権力術の奥義だったのだろう。

真摯に学ばなくてはな。



《5億8126万円の配当が支払われました。》



考え事の最中に配当が射出されるが思考は極めてクリア、何の問題も無い。



「あれ?

りんこりん、今日はカネは出さないんスか?」



俺の顔色を伺うようにレニーが覗き込んで来る。



『出したわよ。

レニーさんにもお小遣いをあげるから、ゆっくりしてなさい。』



「やったぜ!

今日は1千万円でいいっすよ♪」



俺はベッドから起き上がり、直下の収納場所を指さした。



『寒河江。

集計はオマエ達に任せるわ。

小牧にも最近の流れを教えてやりなさい。


石賀、上陸前にさっぱりしたいわ。

汗を拭きなさい。』



「畏まりました。

リン子お嬢様。」



収納を開けた寒河江と江本が随分と驚いている。

どうやら整然と並べる事にも成功したらしいな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】


22億3561万0283円

  ↓

28億1687万0283円

  ↓

27億2687万0283円

  ↓

26億2687万0283円


※配当5億8126万円を取得

※臣下に日当として計9000万円を支給

※苫小牧市に義援金として1億円を匿名寄付


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



ソファーの上で全裸になって石賀に身体を拭かせる。

何も言わずともエルメスのボディローションを丹念に塗る辺り、俺の嗜好を把握してくれていて嬉しかった。

俺は同社の製品の中では、この【ナイルの庭】なるローションの香りをかなり気に入っている。



「それにしても大魔王様って昔は男だったんですよね?」



『ええ、女姿になったのは先月くらいからですわね。』



「先月!?

割と謎なんですけど、なんで一ヶ月でメスになれるんですか?

そういうスキル?」



『アネモネさんは何か誤解しているみたいですけど。

ワタクシの性自認は基本的に殿方ですわよ?』



「またまたーww

なーんかお胸もぷっくりエロエロになってるじゃないですかぁww

本当は心までメスになってんじゃないですかーw?」



『そうなのかしら。

自分では生粋の殿方であると自覚しているのですけれど。』



「じゃあ、もっと私に欲情して下さいよ♪

こう見えてオアシスでは結構モテるんですよ?」



『あらあ、それきっと膣モテよ?』



「ッ!?

いやッ! 違う!

ちちち違わい!!!!」



『うふふ、ひょっとして貴女。

それが女としての実力だとか思ってらしたの?

くすくす、随分滑稽なお話ね♪』



「ギャオーーーーン!!!!

取り消せ! 取り消せ!

膣モテではない!!

私の魅力!!!

断じて膣モテではない!!!」



『あらあらうふふ♪

まあまあ、淑女たるものオーガニックに生きましょう♪』



「スパー、スパー!!!

まったく、大魔王様は私にだけ辛辣なんだから!!

スパー、スパー!!!」



『それだけ貴女に気を許している証拠よ。

はい、コニャック♪』



「グピグピグピ!!!

そんな嗜好品では誤魔化されませんからね!!!

グピグピグピ!!」



『竹内。

アネモネの耳元でその魅力を囁いておやりなさい。

細長い蝋燭の前で歌うよりも優しくね♪』



  「あ、はい。

  こんなので日給1000万貰っている事実に戦慄してますけど

  はい、やります!」



「大魔王しゃまには絶対に騙されましぇんからね!!!」



『竹内、やれ♪』



  「あ、はい。」



(2分経過。)



「ま、まいりましたあああああ!!!!!

オーーーガニックゥうううううう!!!!!」



やれやれ、ヒルダの域はまだまだ遠いな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



18時博多港の箱崎埠頭に到着。

超視力のレニーに観測させるが上空にドローンは見当たらないそうだ。

事前に九州入りしている久我も、「警戒網は確認出来ない。」と言っていた。

無論、油断していい状況ではないので俺はキャンピングカーの奥に隠れて、顔を窓に近づけることすらしない。



「お嬢様、今から福岡空港を跨いでヴィラに向かいます。

1時間強で到着する模様です。」



『よしなに。』



「もしも博多の街で見たいものがありましたら。」



『いえ、ワタクシは結構です。

オマエ達は遊びに行っても構わないのよ?

殿方が喜ぶような色街があると聞いているわ。』



「あ、いえ!

我々はお嬢様が全てですので!」



『うふふ、ありがとう。

でも、落ち着いたら息抜きに行ってらっしゃい。

旅先を知るのも仕事のうちよ。』



「は!

恐縮です!」



移動の間、タブレットを開きニュース収集。

皆に詳細を解説させる。



やはり小牧達が今朝説明してくれた通りであった。

プーチン大統領や習主席の日米に対する非難声明がトップに来ている。

次に扱いが大きいのはビットコイン関連のニュース。

一番詳しい江本が解説役。

俺がITに疎い事もあり、説明を理解するのが困難である。

大暴落と大高騰のニュースが同じ欄に並んでおり混乱させられる。



「いえ、午後に中国政府が買い支えを示唆する声明を出したんです。

先週はロシアが国家備蓄に暗号通貨を組み入れる声明を出しましたし。」



『?

中露はビットコイン賛成派なのですか?』



「ウクライナ戦争でアメリカが経済制裁したじゃないですか?

ロシアがSWIFTから締め出されてますし。

ドルに代わる決済手段が東側の連中には必要なんです。」



『ああ、なるほど。

ドルが使えないからビットコインということね。』



「ええ。

SWIFT締め出しの直後に、アルハンゲリスク郊外の油田跡を丸々マイニング施設に転換したんですよ。

国力を誇示する必要があったんでしょうね。

一時は大々的に親東側のメディアが提灯記事を濫発してましたよ。

暗号通貨界隈では有名な話ですね。」



『へえ、凄いですわね。』



「それが全てパーになる寸前なんですわ。

彼らも必死で守るでしょう。」



『?』



「いや、何せ世界最大の国営マイニング施設ですからね。

建造にも膨大なリソースを注いでますから。

確か正式稼働してから半年経ってないんとちゃいますか?

まだまだ全然回収出来てないでしょう。


それに、必需品の輸入にビットコインを用いると発表した矢先ですからね…

これ、ひょっとしたら彼らは継戦出来ないかも知れませんよ。」



『あら、じゃあウクライナ戦争が終わるということ?

良かったじゃない。』



「…いや、ロシア以上にビットコインに入れ込んでるのがイギリスなんですよ。

確か年金基金にかなり比率を組み込んだニュースを聞いたような…

だからビットコインの暴落でロシアの国力が下がる時は、支援側のイギリスの国力は更に下がっている計算になります。」



『あらあ、ビットコインって怖いのね。

やっぱりおカネには形がなくちゃ駄目よ。

ゴメンね、古臭いことを言ってしまって。』



「…あ、いえ。

現在の世論がまさしくそうなっているんです。

フィンティックに対する不信感が世界的に広がっていて、実際多くのオンラインショップが暗号通貨での取引を休止してますから。

ほら、ビットコインブームが始まった時に、透明性や公平性が声高に喧伝されていたでしょう?

それが全部裏目に出てます。


…いや、これは人類の金融観を再転換したかもです。

擁護派も頑張ってますけど、単なるポジショントークですからね。

うーーん、最低でも誰がビットコインを独占しているかが明らかにならない限りは、相場は落ちる一方ですね。

大量保有国の英米ロ中にとっては、かなりの痛手になるんちゃいますかね?

あ、我が国の政府は暗号通貨に否定的なので御安心下さい。」



『江本は詳しいわねえ。』



「あ、その表情は思考を放棄しましたね。

俺に丸投げするつもりでしょ!」



『もう金と暗号通貨は江本に一任しますわ。』



「いやいや、だから。

特定の人間が富を独占するのに反対なんでしょ、リン子様は。」



『でも江本なら面白い解答を天下に示しそうですわ。』



「ハードル上げんとって下さいよー。」



そうは言いつつ色々考えていたようで、金本位証券の発行案や不法滞在外国人の追放に金地金を利用する案を俺にプレゼンしてきた。



『あら、懐が痛まないのがいいわね。』



「でしょ?

リン子様の理念に即して行けば、この辺が落とし所かな、と。

後は監督省庁に話さえ通せば意外に実現するかな、と。」



小牧に尋ねると、監督しているのがまさしく公安の宇崎紘子だったので、この話は無期限先送りとなった。



「他のニュースも読みあげましょうか?」



『何かめぼしい記事はある?』



「えっとずれ込んでた岩手の知事選が終わりました。

野党4党推薦の現職を破って、自民・公明・胡桃推薦の新人候補が当選ですね。」



『ああ、確か岩手を走っていた頃、選挙のポスターが多かったわねえ。

他に何かめぼしいニュースは?』



「護送中の犯罪者が逃げた事件とかその程度ですね。

リンクを開きましょうか?」



『いえ、もう到着しますし、そういうミクロの話題は不要です。

石賀、もう着くの?

ええ、わかったわ。


さあ、江本。

今夜はゆっくり休憩しましょう。』



「はい、お嬢様!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【護送中の容疑者逃亡、検察事務官3名が死傷】


本日正午。

神奈川県横浜市の路上で、大麻取締法違反罪で起訴され横浜地検が収容していた女が護送中の車から逃走し、職員2名が死亡、1名が意識不明となった。

女は松村奈々被告(29)。

捜査関係者らによると、先日大麻取締法違反罪で逮捕された被告を検察事務官4人とともに、ワゴン車で同署から仮留置先となる同県警横浜北署に護送中だった。

被告は車の3列シートの最後尾に乗っていたが、走行中に「ウンコが漏れそうニャ」と伝え、事務官が左手の手錠を外したところ暴れ出した。

ドアが半開き状態になったため、事務官が車を止めた際、2列目のドアから逃走した。女性事務官が運転し、2列目に2名の女性事務官、3列目に男性事務官がいた。

事務官らが追跡しようとした所、後方から接近した4㌧トラックが衝突。

女性事務官と男性事務官が全身を強く打ち死亡、運転席の事務官が頭を強く打ち重体となった。

松村容疑者はトラックの運転手と共に現場から逃走した。

なお、トラックは近隣の運送会社から盗まれたもので同社が被害届を出したばかりであった。


松村被告は身長約175センチで猫耳。

グレーのスエット上下で、逃走時は裸足だったという。

神奈川県警は松村容疑者を指名手配し近隣住民に情報提供を呼びかけ中とのこと。

【名前】


大魔王りんこりん

(俗名) 遠市・コリンズ・リン子・厘



【職業】


お嬢様


便所紙

ホステス

パチンコ台

神聖教団 大主教

東横キッズ

詐欺師



【称号】


淫売

賞金首



【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)


《LV》 26

《HP》 疲れましたわ

《MP》 心労ばかり増えますわ

《力》  深窓の令嬢

《速度》 神出鬼没

《器用》 変幻自在(♀限定)

《魔力》 悪の王器

《知性》 脳味噌エルデフリダ

《精神》 絶対悪

《幸運》 天佑


《経験》 6億0165万5485


本日取得  0

本日利息 1億2415万1132

次のレベルまでの必要経験値 6943万3145


※レベル27到達まで合計6億7108万8630ポイント必要

※キョンの経験値を1と断定

※イノシシの経験値を40と断定

※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定

※クジラの経験値を13000と断定

※経験値計算は全て仮説




【スキル】


「複利」 


※日利26%

下4桁切り上げ 




【所持金】


26億2687万0283円



1203万BTC  (下4桁切り上げ)

  ↓

1516万BTC



512万XRP (下4桁切り上げ)

 ↓

646万XRP



512万SOL (下4桁切り上げ)

 ↓

646万SOL



※ユーロ・ポンド・ルーブル・バーツ・ペソ・ドルも保有。

※ユーロ・ポンド・ルーブル・ドルの保管権を孝文・j・Gに付与。

※仮想通貨の運用権を孝文・j・Gに付与。

※米国債・タイバーツ・フィリピンペソの保管権を児玉繭子に付与。



【残り寿命】


851万8500日 (下4桁切り上げ)

  ↓

1073万8500日



【所持品】


Maison Margiela ショルダーバッグ 白

Archi Diorリング ホワイトゴールド×ダイヤモンド

ティファニー ビクトリア  グラジュエイテッド ネックレス

カルティエ Juste un Clou ブレスレット




【約束】


〇古屋正興     「異世界に飛ばして欲しい。」

 飯田清麿     「結婚式へ出席して欲しい。」

〇         「同年代の友達を作って欲しい。」

          『100倍デーの開催!』

×         「一般回線で異世界の話をするな。」

          『世襲政権の誕生阻止。』

〇後藤響      「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」

          「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」

          「空飛ぶ車を運転します!」

 江本昴流     「後藤響を護って下さい。」

          『遠市王朝の建国阻止。』

×弓長真姫     「二度と女性を殴らないこと!」

×         「女性を大切にして!」   

〇寺之庄煕規    「今度都内でメシでも行きましょう。」

×森芙美香     「我ら三人、生まれ(拒否)」

×中矢遼介     「ホストになったら遼介派に加入してよ。」

          「今度、焼肉でも行こうぜ!」

〇藤田勇作     『日当3万円。』

〇堀田源      「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」

〇山田典弘     「一緒にイケてる動画を撮ろう。」

〇         「お土産を郵送してくれ。」

          「月刊東京の編集長に就任する。」

 楢崎龍虎     「いつかまた、上で会おう!」

×警視庁有志一同  「オマエだけは絶対に逃さん!」

          「オマエだけは絶対に守る!」

×国連人権委員会  「全ての女性が安全で健(以下略)」

〇安宅一冬     「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」

 水岡一郎     「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」

×平原猛人     「殺す。」

          「鹿児島旅行に一緒に行く。」

          「一緒にかすうどんを食べる」

 車坂聖夜Mk-II   「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」

×今井透      「原油価格の引き下げたのんます。」

          「小麦価格の引き下げをお願いします」

〇荒木鉄男     「伊藤教諭の墓参りに行く。」

 鈴木翔      「配信に出演して。」 

×遠藤恭平     「ハーレム製造装置を下さい。」

〇         『子ども食堂を起ち上げます。』

          「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」

〇田名部淳     「全財産を預けさせて下さい!」

          「共に地獄に堕ちましょう。」

 三橋真也     「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」 

〇DJ斬馬      『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』

 金本宇宙     「異世界に飛ばして欲しい。」

 金本聖衣     「同上。」

 金本七感     「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」

〇天空院翔真    「ポンジ勝負で再戦しろ!」

          「再戦するまで勝手に死ぬな。」

〇小牧某      「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」

 阿閉圭祐     「日本国の赤化防止を希望します。」

〇坊門万太郎    「天空院写真集を献納します!」

 宋鳳国      「全人類救済計画に協力します!」

 堀内信彦     『和牛盗難事件を解決します。』

〇内閣国際連絡局  『予算1000億円の確保します』

〇毛内敏文     『青森に行きます!』

 神聖LB血盟団   「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」

 Top Girls     「招待ホモ枠の仲間として色々便宜を図ってあげマース♥」

〇大西竜志     「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」

          『貴方の遺族に篤く報います。』

 坂東信弘     「四国内でのイベント協力」

 国重辰馬     「四国内でのイベント協力」

 涌嶋武彦     「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」

 斑鳩太郎     『処刑免除を保証します。』

 志倉しぃ     「カッコいいホモの人を紹介して下さい。」

〇孝文・j・G   「英国大使館パーティーにて利息支払い」

          「永遠の忠誠と信仰を(以下略)」

〇グランツ(英)  「perape-ra!!!!!!!!」

 E・ギャロ     「農政助言」

          「王都で星を見る。」

 福永史奈     「出産すれば1億円支給」

 野上絵麻     「以下同文」

 桂川風香     「以下同文」

 久能木瀬里奈   「ジャンジャンバリバリ!!」

 児玉繭子     「ウチの旦那に色目を使うな。」

          「アメリカ経済を破綻させないように努力する。」

 古河槐      「jetの救済をお願い。」

 カミーラ・B   「perape-ra♪」

 故バーゼル卿   「perape-ra!」

〇有村拓我     「福田魁との連絡を取る。」

×福田魁      「男らしゅうせー!」 

  竹内遊馬     『異世界に飛ばしてあげますわ♪』

 ポーラ・P    「いつか一緒にお茶しましょう。」

×アネモネ・I・G  「元帥で我慢してあげます♪」

          「上級大将で勘弁してあげます♪」




 金本光戦士    「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」



 古河槐      「シンママで産む」



◎木下樹理奈    「一緒に住ませて」



×松村奈々     「二度と靴は舐めないにゃ♥」

〇         「仲間を売るから私は許して♥」

×         「ウンコは便器の中にするニャ♪」

          「未来永劫ずっと一緒♥

          ずっとずっとずっとずーーと×∞

          厘を守ってあげるね♥」



◎鷹見夜色     「ウ↑チ↓を護って。」

〇         「カノジョさんに挨拶させて。」

〇         「責任をもって養ってくれるんスよね?」



×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」

          「王国の酒…。」

          「表参道のスイーツ…。」 

×         「ポン酢で寿司を喰いに行く。」



 土佐の局     「生まれた子が男子であればリイチ。

          女子であればリコと命名する。」


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― 新着の感想 ―
松村ァァァァァ! 最後で全て持っていかれたわ 松村、お前は生きていてはならねー生き物だ 前から知ってたけど そしてそれを言ったらキャラの多くが当てはまるけど
膣モテという学びを得た
上から下まできな臭さ満載w
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