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【降臨95日目】 所持金22億3561万0283円 「キーキー、ギャオーン!!」

昨夜23時30分に出港した船は徐々に速度を上げている。

振り返ると苫小牧の夜景と樽前山の残り火が見えた。

俺とレニーはスイート船室で相部屋。

レニーがベッドの上でピョンピョンうるさかったので、コニャックと大麻を与えて黙らせる。

史上最悪の麻薬王に教わった手法だけあって効果は抜群だった。



「ふにゃ〜ん♪

チルチルダウナーっス♪

いやあ、流石は大魔王生誕地。

地球は快適っスねぇ♪」



『この快適な地球に危害を加えないで下さいましね。』



「わかったっスー♪」



わかってない人間特有の反応に頭が痛くなる。

何だよ魔王軍先遣隊って。

ただの侵略軍じゃねーか。

そしてタチの悪いことに総大将はどうやら俺らしい。

ポールソン大公国(何度聞いても笑ってしまう)に届いた任命書には指揮系統図が添付されており、当然の様に俺の名前が1番上に記載されていたとのこと。

勝手に人の名前使うなら、せめて解任権を寄越せよ。



「あ!

さてはアタシを解任するつもりっスね!

どうして《りんこりん》はアタシばっかり苛めるんスか!」



『あら、泣かされているのはワタクシの方だと思っておりましたけど。』



「手柄立てるから置いて下さいよ。

階級は元帥でいいっスよ。」



『レニーさんの場合は、まずは刑期を満了してからですわね。』



「BBAになっちまうじゃないっスか!」



『はいはい、興奮しないの。

ほら、大麻のお代わりありますわよ♥』



「ぐぬぬ!

薬漬けにして誤魔化そうとしても、その手には乗らないっスよ!」



『あら、そう。

じゃあ大麻はいりませんわね?』



「ちょ!

ちょっと待つっス!

大麻欲しいっス!

なんか病みつきになっちゃってるんスよ!」



『あらあら、嗜好品は程々にしておきなさいね。

何事も摂り過ぎは身体に毒ですからね、くすくす♪

ワタクシの言いつけ、ちゃんと守れる?』



「守れるっスー♪」



『本当に?』



「本当っスー♪」



『仕方ないわねえ♪

はい、大麻♥』



「やったぜ、スパスパ!」



『あらあら、グラスが空ね。

はい、コニャック♥』



「しゃあッ、グビグビ!」



『エスコンフィールドで買い溜めた鮭とばも好きなだけ食べていいのよ♥』



「うひょー、ムシャムシャ!」



『はい、デザートのチョコレート。

業務用2キロを一気食いすることを許すわ♥』



「オヒョヒョ、ガツガツガツ!」



『ところでワタクシの命令は何でも…』



「従うっスー!!」



船旅は他にやることもないからな。

動物の調教でもするしかないだろ。

腹が膨れたレニーは当然の権利のような顔で俺の身体を求めて来る。

厚かましいにも程があるが、獣畜生が相手と思って我慢する。



『じゃあ、これで満足したわね。

ワタクシそろそろ眠るから。』



「セックスしたら腹減ったっスー!」



『あらそう。

お腹が膨れたから劣情が抑制出来ないと言ったのは、どこのどなただったかしら?』



「自然の摂理だから仕方ないっスー!」



レニーは満面の笑顔で鮭とばの残りを飲み干した。

熊の方がまだ慎みがある。



「ぶっへえ♪

おっかわりー♪」



なろう主人公でも、ここまで異世界を堪能しないぞ…



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



結局、寝付けない。

このスイートは豪華だが、相部屋が獣なら畜舎勤務と変わらない。

食欲と性欲を満たしたレニーは腹を出して気持ちよさげに眠っている。

人間って知性や品性が無い方が幸せになれるよな…


時計を見ると深夜1時30分。

やはり嫌な相手と一緒だと時間の流れは遅いらしい。

体内時計から計算するに厄介指数は1レニー=20ニャガ程度のレートであろうか。

そんな事を考えながら、ようやく眠れそうになった頃である。



ドスン!



『キャッ!』



痛っ。

寝転ぶ俺の上に何かが落ちて来た。

半分パニックになりながら目を開くと。

銀の髪、褐色の肌、翠の瞳、尖った耳、破廉恥極まりない衣装…



『あ、貴女は!』



「えへへ、どもども。

援軍のアネモネでーす♪

大魔王様って身体の感触も女ですね(笑)」



『や、やめなさい!

気安く身体を触らないで!』



「うひひ、反応までメスじゃないですかぁ(笑)」



『ちょ、やめ!

誰が! 誰か来て!

狼藉者!』



「えー、そんなに嫌がらなくてもいいじゃないですかぁ。」



『突然寝込みを襲われたら誰でも慌てますわ!』



何とかアネモネを跳ね除けようと頑張っているとノックが響く。



  「リン子お嬢様!

  何かありましたか!?」



『江本♪

やはり頼りになるわね♪』



「!?

江本さんがおられるんですか♪

来てよかったー♥」



『駄目よ!

江本はワタクシのお気に入りなんだから!』



ワチャワチャと騒ぎながら部屋の鍵を開ける。



「ちょ!?

リン子お嬢様!?

ひょっとしてこの人!」



「わあ、生江本さんだぁ♥

改めてましてはじめまして♪

魔王軍先遣隊のアネモネ伍長でーす♪」



『貴女!

ワタクシには敬礼しなかった癖に!

殿方に色目ばかり使ってふしだらな子!』



「えー(笑)

色目とか使ってないですよぉ♡

被害妄想やめてくれますぅw?」



『はぁ!?

だったらその露出度の高い服は何!?』



「いや、こういう民族衣装なんですよぉ(笑)」



『ワタクシは認めないわ!

このバスローブを羽織りなさい!』



「(ちっ、るっせーな。) はーい。」



アネモネは心底嫌そうな表情で卑猥な衣装の上にバスローブを羽織った。

聞けばコイツも俺と同年代の17歳。

地球人と異世界人の感性差はあるとしても、何となくパーソナリティが見えて来る。

クラスにこの女がいたら絶対に敵対関係になってたと思う。



『で?

何の御用かしら?』



「援軍でーす♥」



『で? その実態は?』



「レニー姐さんが楽しそうだったので、来ちゃいましたー♪」



『チェンジ!』



「え、えー!?

今来たばっかりー!」



『ワタクシ、レニーさんを送り返す為にオーラロードを開けと申しましたわよね?』



「えへへ、そうだったかなー?

違うんですよー、私の言い分を聞いて下さいよー。」



『手短にね。』



「大体、このオーラロード自体がダークエルフの秘術を応用して開いた訳じゃないですかぁ?

私にもある程度旨い目を見る権利あると思いますよぉ?

エミリー姐さんが、自分も地球に送れって五月蝿くて…

それでレニー姐さんのオーラロードをリユースしたんですけど、あの人のパスが通ってなくて…」



『エミリーさんは合体奥義を地球で使いたがっていたので、ワタクシは《来るな》と思っておりました。』



「ああ、それですね。

到着座標の大魔王様から名指しで嫌がられたからエミリー姐さんは来れなかったんだww

英断だと思いますよ、あの人キチガイだしw」



『ワタクシ、エミリーさん以上に貴女が嫌なのだけど?』



「えー、仲良くしましょうよー。

ポーラBBAとは楽し気にやってたじゃないですかぁ。」



『あの方とはお喋りしていて楽しいんですの。』



「えー、私はぁ?」



『プイっ!』



「キャハハハwww

メスだww

大魔王様、マジモンのメスだwww」



『ワタクシの性自認は貴女には関係ないでしょう。』



「えー、関係ありますよー。

私、大魔王様にエロテクで取り入って、妃の座を射止める気満々でしたもの。」



『ふしだらな女!

不潔!

身体を使って殿方を篭絡するなんて許せないわ!


あ、江本にはプリキュアの恰好でHな御褒美あげますからね♪』



 「え?

 この話の流れで矛先俺ですか?」



「大魔王様だって身体使ってるじゃないですかー!

エロー! ドエロー! 淫売大魔王!」



『何ですってキー!!!』



「だってそうじゃないですかキー!!」



  「まあまあ、お2人共!

  ここは穏便に!!

  何卒穏便に!!」



『キーキー、ギャオーン!!』



「キーキー、ギャオーン!」



  「今は深夜ですし!

  ここは船内!!!

  何卒! 何卒!!」



『「キーキーキー♪」』



  「いや、仲良くしてくれるのはいいんですが…」



『「ギャオ―ン♪」』



  「男を困らせる時だけ結託しないで下さいね?」



無論、いつまでも茶番を繰り広げる訳には行かないので、とっとと本題に入る。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【第一回地球異世界間外交予備交渉】


「出席者」


大魔王りんこりん

江本昴流

レニー・アリルヴァルギャ

アネモネ・イル・ギャラルホルン



「傍聴人」


エミリー・ポー

テオドラ・フォン・ロブスキー



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「はーい、第一回大公国地球間の親善会議を行いまーす。

司会は大魔王様にハブられたエミリーちゃんでーす。

ムカつくので地球に行けたらフレイムタイフーンを乱射しまーす♪」



『だから、貴女のそういう所を危険視しているのでしょう。

刑期が終わったら、また改めてこの話をしましょう。』



「27年後じゃないですかー。

大魔王様をハメハメして恩赦をゲットする計画だったのに酷いですぞー。」



こんな悪質な犯罪者は絶対にシャバに出すまい、と改めて誓う。



「あ、リン子お嬢様。

まず俺から発言いいですか?」



「「「エモトさーん♥」」」



一斉に黄色い声援が上がる。



『ちょ!

江本はワタクシの物ですからね!

横取りは許しませんことよ!!』



「…りんこりん、脳味噌までメスなんスね。」



「えっと皆さん。

ちょっと真面目な話するので静かに聞いて下さいね?」



「「「はーい♥」」」



くっそ、このメス豚共、江本に色目を使いやがって。



「まずですね。

現在航行中の当船舶は日本船籍である上に、この海域も日本国の排他的経済水域内です。

つまり、ここは我々の祖国である日本国の主権下となります。

ここまではOK?」



「「「おっけーでーす♥」」」



「そして、日本国の法律では外国勢力の軍隊を国内に誘致することが死刑相当の犯罪として定義されております。

ここまでが大前提です。

以上を踏まえた上でですが!

我が国政府との合意なく派兵されるのは迷惑なんですよ。

我が国に既に損害か生じています!

そちらも軍隊が存在する以上、似たようなルールで社会運営されておられると思うんですけど…

これ、無警告で撃たれても文句言えない状況ですよ。」



「「「はーい、反省してまーす♥」」」



「ギャラルホルン伍長及びアリルヴァルギャ三等兵は、ポールソン大公国の軍属ですよね?

魔王軍先遣隊というのが、異世界全体に所属しているのか大公国の軍隊なのかは不明ですが、話を聞く限りその中間的な存在として解釈しております。

じゃあね?

どうしても派兵を希望されるなら、まずは貴国政府が日本国政府に対して外交交渉を打診することが筋ではありませんか?」



「「「さんせー♥」」」



「まずは無条件撤兵!

そして再発防止の徹底!

この2点を要求します!」



「「「要求を呑みまーす♥」」」



やっぱり江本は使えるなあ。

野球ガチって奴って一般生徒とはそもそもの気迫が違うよな。



『…ん?

これで問題解決ですの?』



「いや、りんこりんもその方がいいっスよね?」



『ワタクシが帰れと言ってもヘラヘラ笑ってたでしょ、貴女。』



「だって、エモト君可愛いし。

可愛い男の子が必死で頑張ってたら、ついつい応援しちゃうじゃないッスか?」



『否めないわね。

え? これで解決?

アネモネさんもそれでいいの?』



「だってエモトさんカッコいいし♥」



『あのねえ。

一応外交交渉なんだから、もっと論理的に進めましょうよ。』



「いや、私ら女ですし、雑兵ですし。

馬鹿正直にお仕事するのはアホでしょう?

別に報酬が出る訳じゃないんですよね?」



『恩赦も含めて特には…』



「でしょ?

そういうことですよ。

レニー姐さんもそれでいいですか?」



「飽きたら帰ってやらないこともないッス♪」



「私も飽きたら帰ってあげます♪」



「素直な素直なエミリーちゃんも地球で遊びたいですぞ♪」



『エミリーさんは、まず刑期を満了なさって。』



「えーー!!!

ひっどーい!!」



結局、江本の女受けの良さが功を奏し、雑兵女共は我儘な主張を引っ込めた。

いつの間にかギャラリーも増え、オーラロードを挟んで両世界の人間が互いの情報を探り合う状況となった。

俺の船室には福田達が並び、恐竜墓場にはポールの取り巻き女共がお行儀よく座っている。



『じゃあ、魔王軍先遣隊の増派は禁止!

それで宜しいですわね?』



「「「プイッ」」」



「えっと皆さん。

リン子お嬢様の提案に賛同して頂けますね?」



「「「はーい♥」」」



『そういう趣味の悪いリアクションはやめなさーーーい!!!』



「「「ギャハハハハwww」」」



『キーーーーッ!!!』



無論、コイツラに帰る気はさらさらないし、俺だってコイツラを軍事利用するつもりだ。

ただ、今は軍事力を行使するフェイズではない。

武力をチラつかせるのは、ある程度国際社会で地位や影響力を高めてから。

(例えば、海外首脳の最大支援者になったり、世界的大企業を買収したりである。)

俺もそういう順番がわからないほど馬鹿じゃない。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



ワチャワチャとした通話会議も終わり、皆が自分の部屋に引き上げていった。

必然、レニー&アネモネと相部屋になる。



「異世界ハーレムじゃないですか。

男の夢ですよ!」



寒河江は熱く語るが、正直辛い。

相対評価でコリンズ母娘の評価が上がり続けているのを実感する。

これも奴らの策ではないかと苦笑しながら勘繰るほどである。



「大魔王様!

私もチキューを堪能したいです!」



『はあ?

貴女、軍務で来たのしょ?

おとなしく待機してなさい。』



「えー、やだー。

レニー姐さんにはチ●ポを支給したそうじゃないですか。

姐さんは三等兵! 私は伍長なんだから!

2本多めに支給される権利がある筈です!」



『はあ?

嫌よ、貴女変な性病持ってそう。』



「ダークエルフ差別はやめて下さい!

私は進歩的なだけです!

大魔王様に進歩的エロテクを披露する為にやって来たんですよ!

少しは御褒美下さいよ!」



『はあ? 褒美?

呼んでもいないのに押し掛けて来ただけでしょ?

別に何か仕事した訳でもない癖に。』



「地球で使えそうな闇魔法を村から盗んで来たんですよ!

見て下さい全身に刻み込んだルーンの数々!

私、世界一闇魔法のバリエーションのある女ですよ。

何でも暗く出来ます! 例えば世相とか!」



『うん、今は世界的に不景気だからその魔法は禁止ね。』



「大魔王様の命令で発動しますんで、何かご褒美下さいよ~♪

おねがい、身体で払いまーす❤

夜の身辺警護しまーす♪

うっふーん、擦り擦り媚び媚び❤」



うっざ、何この女。

俺のダークエルフへの好感度が逆カンストしたわ。



『はあ(糞デカ溜息)

じゃあ、アネモネには恩賞として、この大麻を支給しますわ。

今、部屋の隅で虚ろな目をしたレニーがスパスパやってるでしょ?

貴女も好きなだけ楽しみなさい。』



「あーーーーっ♪

それ、知ってますよー♪

伝承のルーンで見たーw

私達の先祖がドワーフをシャブ漬けにしてボロ儲けしてた時期がありますからね!

その手には乗りませんよー♪

さっすが大魔王様、初手極悪じゃないですかー。

…本気で好きになっちゃうかも❤」



『あら、人聞きが悪いわね。

ワタクシの大麻は良い大麻よ?』



「あはははwww

レニー姐さんの豚みたいなトロ顔見てれば分かりますってww

どう見ても危険な常習薬物じゃないですかーww

中毒にした相手からリピートでカネを毟るスキームでしょ?

私の先祖が王国利権を掠め取る為に使った手口ーーwww」



ダークエルフはロクなことしないな。

異世界におけるブリカス的なポジションなのだろうか?

まあいい、人事権を掌握次第アネモネの軍籍は剥奪しよう。



『違うのよアネモネさん♪

地球では大麻は合法、これは安全で健康的な嗜好品なの(ニッコリ)

ほら、一服だけどう?

貴女が折角地球に来てくれたんだから、ワタクシも歓迎してあげたいの♪』



「えー、安全?

レニー姐さんが空中を見ながらヘラヘラしてて怖いんですけどw」



『大丈夫大丈夫♪

茂木健一郎・堀江貴文・高樹沙耶・トランプ前大統領といった錚々たるメンバーが大麻解禁に理解的なコメントを出してるから❤』



「じゃあ、きっとそいつらロクな奴じゃないですよw

っていうか解禁というワードが出て来たということは、実はこれ違法なんじゃないですかぁー?」



『うふふふ。

世界的に合法化の流れが進んでるから安心して❤

ワタクシ、大切なお友達のアネモネさんに少しでも地球を楽しんでいって欲しいの。

それにね?

都会のイケてる大人の女はみんな大麻を吸ってるわよ♪』



「え? 都会!?

えへへ、仕方ないですねー。

じゃあまあ、大魔王様がそこまで勧めてくれるなら

一晩だけ付き合ってあげますか。

あ、勿論チ●ポもセットですよね?

ご先祖様がその手でドワーフ社会を潰したんですよー❤」



アネモネは一見能天気そうだが、過酷な砂漠で生まれ育ったせいか猜疑心が強い。

なのでセックスの途中でも大麻の安全性について抜き打ちで質問してきた。

幸い、俺は各種のデータを暗記していたので大麻の安全性や社会性をスラスラと解説する事が出来た。

まだ未熟なのだろう、大麻推進論文や推進政治家の名前を挙げているうちに、躊躇いなく喫するようになった。

そりゃあね、俺は世界で唯一の大麻英才教育を受けた2年B組松村学級の生き残りだからね。

大麻に関してなら幾らでも語れるよ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



早朝5時30分。

異世界コンビの無力化に成功。

大麻の効能に改めて驚き、後に軍隊運用が必要な場面が来たらその中毒性を利用することを決める。


…仕方ないだろ。

軍隊経験がない俺でも可能な統率方法を考えなきゃならないんだよ。


幸せそうな顔でアウアウ呟いていることを確認して、廊下に出て起床しているメンバーを探す。

全員が毛内翁のデラックスA和室に集まっていたので、俺もお邪魔させて頂く。



『誠に申し訳御座いませんでした!!』



全員が何かを言いたそうな表情だったので、部屋に入るなり玄関部分で土下座。

皆の脱ぎ捨てたスリッパの上に額を擦りつける。



「リン子お嬢様!」

「どうか!どうか!」

「顔をお上げ下さい!」

「お嬢様を責めている訳ではありません!」



土下座の体勢のまま、皆の声を分析する。

俺に対して怒っているのは江本と寒河江。

異世界人に対して怒っているのが毛内翁と石賀。

新参の竹内は明らかに状況を楽しんでいる。

そして形式的に怒っているのが福田か…

なるほどな。



『皆様申し訳御座いません(号泣)!

ワタクシ、ワタクシ(嗚咽)!

まさか勝手に押し掛けられるなんて夢にも思わず(号泣)!

う、う、う、ごめんなさーーい(慟哭)!』



一応、皆が形式的に許してくれる。

これは謝罪を受け入れてもらえたのではなく、女姿の俺が土下座し続けているビジュアルを見たくなかったからである。

そもそもやってる事が外患誘致である。

俺が男だったら、この場で殴り殺されても文句は言えない場面なのだ。



『それでは皆さん(ケロッ)

ワタクシに言いたい事もあると思いますので、一問一答コーナーに致します♪

さあ、厳しい意見をどうぞ♪』



福田魁の質問。

「キサンが呼んだ訳じゃなかことは理解した。

アイツらはいつ帰る?」



俺の回答。

『先方の要求はワタクシを異世界に招致することです。

複利という奇跡を持ち帰れば、社会的評価が大いに向上しますので彼女達も必死です。

なので、私を招致するまでは居座る魂胆でしょう。』



毛内敏文の質問。

「樽前山のような事件を何度も起こされては困ります!

ちゃんと手綱は取って頂けるのでしょうか!?

死者は確認されただけで70名を越えてるんですよ!」



俺の回答。

『誠に申し訳御座いません。

苫小牧市、並びにご遺族の皆様には引き続き補償を続けていく所存です。

異世界兵統制の具体策として、酒類と大麻を大量支給し鎮静化させる手法を用います。

先程、実験したところ精神抑制作用を引き起こす事に成功しました。

地球で定義されている致死量まで摂取させてみたのですが、残念ながら殺害には至っておりません。』



江本昴流の質問。

「アリルヴァルギャ三等兵はまだ地球人に酷似した容貌ですが、ギャラルホルン伍長は完全に別種族の容貌です。

現在の潜伏行動に著しい支障を来たす可能性が高いですが、その点如何お考えでしょうか?」



俺の回答。

『御心労、御迷惑をお掛けして誠に申し訳御座いません。

上陸次第、ギャラルホルン伍長の髪と耳が隠れる衣装を調達して下さい。

その着用を義務付けます。

また伍長は闇魔法なる隠形に特化した技術を多数保有しておりますので、安全性を検証した上でそれらを使用させることを考えております。』



竹内遊馬の質問。

「アネモネさんに恋愛感情を抱いてしまいました。

どうすれば良いでしょうか?」



俺の回答。

『あの年頃の小娘はすぐに増長するので、その感情は隠蔽するように。

伍長が劣情を催したタイミングで竹内を呼んで差し上げます。

くれぐれも調子付かせないように堂々と振舞いなさい。』



寒河江尚元の質問。

「異世界と地球が対立関係に陥った場合、リン子お嬢様はどちらに味方されますか?」



俺の回答。

『力関係的にワタクシに対してどの勢力が味方するか否かとなるでしょう。

異世界は必ずワタクシに味方します。

後は地球の皆さんがワタクシをどう扱うかが全てだと思います。』



続けて寒河江尚元の質問。

「地球がリン子お嬢様を害するような展開になれば異世界側の宣戦布告もあり得るということでしょうか?」



俺の回答。

『100%そうなります。』



再度、江本昴流の質問。

「可能であれば異世界側の軍事力を教えて下さい。」



俺の回答。

『銃器らしきものは見当たりませんでした。

ただ各種戦争技術が発達していますので、第一次世界大戦当時の地球よりは軍事力に優れております。

帰り際の目撃なので詳細はわかりませんが、サラマンダーなる大量破壊兵器の存在も確認致しました。

戦術核と同等の破壊力であると認識しております。

また、それに加えてアリルヴァルギャ三等兵が用いたようなスキルという特殊技術を保有しております。

彼女は火炎操作ですが、水を発生させる能力や雷光を発する能力も存在します。

他の目撃事例ですと、グリーブなる私の護衛官は身体能力を飛躍的に向上させるスキルを保有しており、100メートルを2秒ほどで駆け抜けることが可能でした。』



江本は中空を睨み付けながら何事かを計算している。

大使任命を抜きにしても、一番真面目に国益を考えてるのはコイツだよな。

俺は江本のそういう部分が堪らなく好きなのだ。



『石賀。

オマエから何かあるかしら?』



「…リン子お嬢様は最終的にどうしたいのですか?」



『ワタクシの公約は変わりません。

地球人類に平等に富を分配し、公平な社会を築くことです。』



「…それは素晴らしいお志だと思います。」



『但し!』



「…。」



『地球内で協力者・理解者をどうしても獲得出来ない場合は魔王軍に対して増派を命じます。』



「…。」



『でも安心だわ。

ワタクシには石賀がいるから。

そんな大袈裟な話にする必要もないでしょう。』



「…いっそうの忠勤を誓います。」



『頼りにしているわ。

オマエだけよ。』



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



午前9時45分。

アネモネが復活する。



「ねえ、大魔王様。

絶対大麻は有害ですって。

レベル3相当の闇魔法を使ったのと同等の倦怠感ありますよ?」



『あらあ、そうなの?

ワタクシ気づかなかったわ(すっとぼけ)。』



「本当、酷い女ですね大魔王様は。

惚れちゃうかもです!」



『あらまあ、ゴメンなさいね。

じゃあアネモネさんには、もう大麻を支給するのやめるわね?』



「え!?」



『だってそうでしょう。

アネモネさんはワタクシの一番大切なお友達ですもの。

お友達が嫌がることなんて出来っこないですわ。』



「あ、いや!

くれるモンなら貰いますよ!

有害性にしてもドワーフや人間種にはヤバいって話なんで。

ダークエルフは魔法修練の関係で中毒耐性は強いんです!

だから、大麻も吸ってあげていいかなー、なんて。」



『無理をなさらなくていいのよ?』



「いえ、下さい!

私、こういう小洒落た嗜好品に溺れる生活が夢だったんです!」



『あらあらうふふ。

そうだったの。

気が利かなくてゴメンさいね♪

はい、大麻 (ニッコリ)❤』



「いやあ、えへへ。

何から何までスミマセンねw」



『ほら、これはテキーラというお酒なの♪

ワタクシの恩師が大麻と一番合うって教えてくれたのよ?

秘蔵品だけど、アネモネさんに特別にプレゼントするわ❤』



「いやあ、ははは。

大魔王様には敵いませんねえ。

よっ! 天下人!

じゃあ、遠慮なくクピクピ❤

ぷっはあ、効くゥ!!!

いやあ、ドラッグ、アルコールと来たら。

ここらでちょっくらチ●ポが怖い♪

ぶへへ。」



『そう思って男を連れて来たわ。

ほら、竹内。

アネモネさんの汗をバスルームで流して差し上げて。』



  「畏まりましたお嬢様。」



「ふひひ、いやあ何から何まで悪いですねえ。

不肖アネモネ伍長!!

この命を大魔王様に捧げるでアリマス!! ヒック!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



午前10時30分。

レニー復活。



「いやあ、アタシりんこりんの事舐めてましたわ。」



『あら、今は違うの?』



「そりゃあ、この人天下獲るだろって話っスよ。

ぶっちゃけ、今まではカネ配って人気取りした財布野郎程度にしか思ってなかったっス。」



『当たらずも遠からずだと思うけど?』



「…ポールさんみたい。

在り方とか生き方とか。」



『あらそう。』



「あの人、最後はあの糞みたいな世界を滅ぼしてくれそうだったから好きになったんスよ。」



『もうちょっと健全な理由で好きになってあげなさい。

顔とか。』



「あはは、顔はフツーww」



『あらあら、うふふ。』



「だから、いいんスよ。

普通の仮面をしれっと被ってる。

その擬態の上手さが気に入ったんです。

エミリーと2人でポールさんを追っかけて砂漠まで来ましたから。


それにしても驚きです。

人間の皮を被ったバケモノが2匹もいるんですから。」



『うふふ。』



「ねえ、1つ教えて下さいよ。」



『なぁに?』



「お2人はどこまで結託してるんスか?」



『うふふふ。』



所詮、女の発想だな。

取り決めがないからこそ男は動けるんだよ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



正午ジャスト。

流石に皆が落ち着く。

部屋の端ではアネモネと寒河江が普通に地球生活の打ち合わせをしていた。

そりゃあね、何だかんだで仕事だからね。

夜のテンションだけじゃ生きて行けないよ。



『竹内、体調はどう?』



「うっ、うっ、うっ(涙)」



『あら、どうしたの?

アネモネに酷い事をされたならワタクシから叱っておくけど。』



「俺は感動してまーーーす!!!!」



『あらあら、急に大声を出しちゃ駄目よ。』



「だってそうじゃないですか!!

まさか人生でダークエルフとヤレる日が来るなんて思ってもいませんでしたよ!

生きてて良かった!!!

自殺なんかしなくて良かった!!!

この御恩は必ず返します!!!

俺、リン子様の為に死にます!!!」



『あらあら、それも広義の自殺だと思うけれど。

忠誠は麻薬よ?

程ほどにね。』



「こんな可愛い男の娘の為に死ねるのなら、それこそまさに男子の本懐です!」



『あらあら、可愛いだなんて。

もう、竹内ったら、やだぁ❤

ワタクシなんて全然だからね♪』



その後も竹内は感動と感謝を語り「捨て駒にして下さい」と懇願して来る。

あまりに表情が真摯だったので、俺も本音で応対した。

【捨て駒志願者はその意志が前面に出てしまうので逆に捨て駒として機能しにくいのではないか】

そう告げると竹内は手を叩いて爆笑してから男の顔に戻り、今後の行動案を淡々と擦り合わせてくれた。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



午後1時50分。

全員の前でレニー・アネモネに戦闘能力・スキルを申告させる。


レニーはシンプル。

その圧倒的な身体スペックに加えて野獣のような戦闘勘、何より幼児以下の倫理感。

その時点で洒落にならない。

生物として絶対強者である上に、火炎系のスキルを使える。

細かい操作は出来ない、ひたすら大出力で拡散性の高い火炎弾を撃つだけ。

本人の粗雑な性格を鑑みると、これほど悪質な組み合わせはない。


アネモネは身体能力的には普通の砂漠の遊牧民。

流石に俺以下ではないが、見た目通り非力な少女である。

但しダークエルフの種族特性として寒暖への耐性が非常に強い。

また闇魔法なる珍妙なスキルを器用に使いこなす。



「えへへ、こんなことも出来ますよ!

奥義・大麻の臭い消し!」



そう言って手をかざすと本当に大麻特有の臭気が消えてしまったのだ。

本職の反社である福田が絶賛していたので、完璧な成果だったのだろう。



「いやあ、それほどでもありますよ♪

えへっ❤

まあ、こう見えて公王様にも褒められるくらいの実力ですからね。

な、な、ななーんと、公王様が無事に砂漠を移動出来ているのは!

このアネモネちゃんのおかげなんです❤

うふふ、まあね、ポールソン大公国を支えているのはね!

私と言っても過言ではないですね(フンス)!


え? 見たい?

私が大公国を支えている超魔法を見たい?

えっへっへ、参ったなあ。

これ軍事機密なんですけどねー。

見たい? 見たくないですか?

でも本当は見たいですよね?

うぇひひひ。

仕方ないですねえ。

いやあ、これはバレたら軍法会議モノですよー♪

内緒にしておいて下さいね?

皆さんが見たそうな顔をしてるから披露してあげるだけですからね?

いやいや、遠慮しなくていいですって❤

これも何かの縁じゃないですか、見せてあげます!


いやあ、まーた私の評価爆上がりしちゃいますね。

あ、大魔王様。

私の階級は元帥あたりで妥協してあげますからね♪


じゃあ行きますよーー!!!!!

ハッ! ホッ! トヤッ! テイッ! (変なポーズで印を結ぶ)

アネモネ流奥義ィィィーーー!!!!!!


ホアアアアアアアアッ!!!

来たれ、暗黒ぅッ!!!

ギャラルホルン式暗黒魔法ッ!!!

ダ―――――――――――ックネスッ!!!!」



…やっぱりコイツ駄目だわ。

叱ると拗ねる癖に褒めるとすぐに調子に乗る。



アネモネの裏返った絶叫と共に船窓の外が闇に包まれる。

文字通りの真っ暗闇である。



『すぐに調子に乗るわね貴女。』



「えへへ、どもども♪」



『褒めてはなくってよ。』



「?」



『で?

これは何の魔法なの?』



「ふっふっふ、聞いて下さい。

この、暗黒魔法ダークネスは辺り一面を漆黒の闇に包むんです!」



『…それは何の役に立つのかしら?』



「え?

いや、砂漠とかで便利なんですよ!

太陽を遮ってくれるし!

ヒントをくれたのは公王様ですけど、考えたのは私ですからね!

私の手柄です!」



『あら、そう。

いつか砂漠に遊びに行く機会があれば活用して頂戴。』



「はい!」



『でもね、アネモネさん。

ここは砂漠ではないの。

船舶の航行にも支障がありそうだし、早く元に戻して下さる?』



「あ、はい。

まあ、1時間くらいすれば自然に消えるんじゃないですか?

知らんけど。」



聞けば、暗黒魔法ダークネスはアネモネを中心に半径300キロほど展開しているらしい。

魔力さえ追加注入しなければ数時間で闇は消滅するとのこと。

俺は溜息混じりに軽率を叱責したが、どうも通じてないらしいので再び大麻テキーラを摂取させて黙らせた。



まあな。

はしゃぐ気持ちは理解出来る。

俺もそうだったもの。

他人の世界なんてどうだっていいよな。

日常生活で散々抑制されてるんだから、異世界くらいじゃ好き勝手したいよな。


俺は異世界でカネをバラ撒き続けた。

無論それによる弊害は甚大だったが、そこまで心が痛まなかった。

与えた爪痕を心地良くさえ感じた。

だって俺の世界じゃなかったし。


だからこそ、俺はレニーとアネモネが怖い。

彼女達にとっても、地球は暴れてもいい玩具に過ぎないのだ。

山火事で人が死のうが闇を突然展開しようが、彼女達にとっては他人事である。

俺がそうであるように、コイツらは世界の敵なのである。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



午後4時。

ようやく闇が薄れる。

その間、何度も船内放送からは船長の真摯な声で現状解説が流れて、心から申し訳ない気分になる。

幸い、自動航行機能のおかげで到着時間に変更は殆どないとのこと。

さて、【複利】に備えるか。



「今日は100万円で妥協してやるっスー♪」

「どうせならミスリル下さいよー♪」



ちっ、もっと濃度の高い大麻はないのかよ。

すぐに効能切れるじゃねーか。

あー、誰か大麻に詳しい人材いないかな。

出来れば量産能力を備えた逸材を確保したいのだが、俺の知り合いにそんな奴居たかなぁ?



俺達は時間を少しずつずらしてキャンピングカーに移動。

車両に籠り射出に備える。

アネモネの暗黒魔法で車の窓をフルスモークに変更。

中古車をシノギにしている福田が珍しく上機嫌になって、アネモネに菓子を与えた。



「ポリポリ、いやあ幸せ❤

地球っていい所ですねえ。

暗黒魔法の使い道、もっともっと考えて下さいね♪

地球を漆黒の闇で沈めて御覧にいれますから❤」



「りんこりん!

アタシも! アタシも!

折角覚えた火炎スキルを有効活用したいっス!

何か使い道考えて下さい!」



『はあ、まあ。

いつかBBQする時に豚の丸焼きでも作って貰いましょうか。』



「お!!!

いいっスね!!!

アタシ、肉が大好きっス!!!

実は肉食系女子なんスよ!!」



何が《実は》なのか理解出来なかったが、時間も押していたので微笑と共に頭を撫でてやる。

オマエラと違って俺は忙しい。



「お嬢様、2分前になりました。」



『石賀。

今日もスーツケースへの直接射出を試します。

オマエは反対側から観察しておいて頂戴。』



「畏まりました、お嬢様。」



金額も膨れて来た。

すぐにスーツケースでは間に合わなくなる。

やはり倉庫は必要だな。

いっそのこと、山にでも埋めてしまおうか。



「30秒前!」



『ええ、承知しております。

寒河江、外の監視をお願い。』



「畏まりました。」



「20秒前!」



『では、ワタクシは集中するわね。』



静かに座禅を組んで一度瞑目。

すぐに目を開きスーツケースを眺める。

そして自分でも確信する。



『ああ、これは問題なく…』



《4億9475万円の配当が支払われました。》



確信した通りだった。

紙幣は全てスーツケース内に整然と収められていた。

皆が驚き、俺は訝しむ。


不思議だ、どうして今までこんな簡単なコントロールが出来なかったのだろう?

俺のカネを俺がどこに仕舞おうが俺の勝手じゃないか。

大体、この世界自体が俺にとって●●●●じゃないか。

別に何をしようが俺の勝手だろ?



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【所持金】


19億0286万0283円

  ↓

23億9761万0283円

  ↓

23億1761万0283円

  ↓

23億2661万0283円

  ↓

23億3561万0283円

  ↓

22億3561万0283円



※配当4億9475万円を取得

※臣下に日当として計8000万円を支給

※レニー・アリルヴァルギャの日当から900万円を天引き

※アネモネ・イル・ギャラルホルンの日当から900万円を天引き

※苫小牧市に義援金として1億円を匿名寄付



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「それにしても流石ですね、お嬢様。

まさか一日でスーツケースに全ての紙幣を…」



『寒河江さん、少しいいですか?』



「は、はい?」



『そろそろ私がカネを管理するフェイズではないと思うんです。

落ち着いたら皆さんにお任せさせて貰えせんか?』



「お、お任せとお申しますと?」



『数えたり配ったり、自分でやるのは負担なんです。

好きなだけ抜いて貰っていいので、政治に専念させて欲しいです。』



「…お、お言葉ですが!」



『?』



「私は長い社会人経験で多くの事業者を見て参りました!

経理のチェックを放棄した多くの企業が傾いたのを目の当たりにしております!

丸投げは必ずガバナンスを乱します!

遠市さんはまだまだ義務を果たすべきです!!!」



『…。』



「申し訳ありません。

出過ぎた発言です。」



『…寒河江さん。』



「はい!」



『貴方が居てくれて良かった。』



「!」



『イレギュラーの連続で貴方に心労を掛けていると思いますが…

これからも俺を支えて頂ければ幸いです。』



「はい!!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



レニーがチラチラとこちらを見ていたので船内のレストランに連れて行ってやる。



「え!?

どうしてわかったっスか!?」



『いやあねえ。

ワタクシとレニーさんの仲じゃない。

さあ、好きなだけお食べなさい♪』



「うおーーーー!!!

感動っスーーー!!!!!

アタシ! りんこりんに永遠の忠誠を誓うっス!!」



『…その忠誠には時限を持たせて欲しいですわね。』



「北海道名物ラムジンギスカン丼(1800円×3)、うめえうめえ!!

復刻海老味噌ラーメン(1200円×2)、うめえうめえ!!

かき揚げそば(800円×2)、うめえうめえ!!!

お刺身盛り合わせ(1600円×5)、たまらねえ!!!

〆の盛り過ぎチャーシュー麺(1500円×3)、ぎんも゛じい゛い゛!!」



「ったく、相変わらずレニー姐さんは遠慮がないんだから。

その点私は淑女ですから、姐さんの半分しか食べてません♪」



『えっと、ワタクシがローストビーフサラダしか食べてないのを見て、お2人は何も思いませんこと?』



「「??」」



まあ、満足してくれて何よりだ。

問題は部隊を増派した時の兵站なんだよな。

今、俺は異世界兵の腹具合を実験している訳だが…

これが中隊大隊と規模を増して行けば賄う自信がない。

自衛隊とかどうやって部隊を維持しているんだろう?

…アネモネの奴、5個師団とか言ってたな。

じゃあ、5万人?

どうやって養えばいいのだろう?

もしも地球に召喚した場合、当然俺に食わせる義務が生じる。

…早めに規模に慣れておかなくてはな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



19時30分。

着岸まで残り1時間ということで、俺達は車内に待機する。



「お嬢、少しいいか?」



『はい、何か?』



「敦賀港ん様子がおかしか。

県外ナンバーん黒塗り車両が大量に集まっとる。」



『…ワタクシへの追手ですか?』



「羽黒衆がLINEで画像ば送ってくれた。

ドローンも飛び回っとる。」



このドローンの形状、貼ってあるステッカー。

見覚えがある。

…鷹見のドローン部隊!?

以前アイツが自慢気に見せて来たものと似ている。

偶然の一致?

ないな、もうアイツの息の掛かった人間が来ているくらいの心構えでいるべきだろう。



『どうして、こんなに…』



呟いてから思い当たる。

アネモネの暗黒魔法だ…

いや、それ以外考えられないだろう。

海上であんなに巨大な非科学的な現象が起こったら?

嫌でも人が集まってくるだろう。



「追加報告が入った。

敦賀港に通ずる国道で検問が行われとる。

飲酒検問んタテマエではあるらしいが、大阪ナンバーん車両が何台か混じっとる。

こら何らかん緊急配備!」



引き続き羽黒衆が現地画像を送って来る。

どうやらドローン同士の衝突が発生したらしい。

偶発的なものではなく、明らかに異なる勢力同士による体当たり合戦が行われているとのこと。

おいおい、ここは日本だぞ。

暗黒魔法とかドローンアタックは禁止カードにしようぜ。



「お嬢、提案する。

敦賀港内で博多行きん便が出とる。

但しフェリーじゃなか。

RORO船ちゅう貨物船や。

客室はなか。」



『貨物船なんて気軽に乗れるものなんですか?』



「うんにゃ、鉄道やバスも含めて各種チケットは一通り抑えとる。

RORO船に関しては最悪ん手段としてキープしとった。

2手に別れざるば得らん場合、囮部隊ば入京させてキサンば九州に落ち延びさする段取りやった。」



『皆様の御忠勤に感激しております。』



「今、決断せぇ。

陸路か海路か?」



『一旦、九州に落ち延びます。』



「…決断の根拠は?」



『どうせ日本全国に恩恵を与えるつもりでおりましたから。

いずれ九州にも足を運ぶつもりでした。

それだけの話ですわ。』



「よか目ばするごつなったな。

戦う男ん目ばしとる。」



『ありがとうございます。

福田や平原の指導の賜物ですわ。』



敦賀、福井県。

ヒルダの腹心・渋川薫子の地盤である。

渋川の如才ない笑顔をを思い出して恐怖心が沸く。

特異極まりない暗黒騒動。

あの女なら激務の合間を縫ってでも、何らかのアクションを起こしているだろう。

敦賀港の県外車両…

渋川や同じヒルダ派の公安委員長・宇崎紘子が噛んでいると想定しておくべきだろうな。


…どいつもこいつも邪魔しやがって。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



フェリーから降車。

俺はベッドの二重底にいつでも隠れられる態勢で静かに報告を聞く。



「寒河江さんからです。

港湾内には警察車両なし。

但し、敦賀市街方面に大量の赤色灯が回ってます。

通常の警察業務形態ではありません。」



『毛内。

港の中は安全なのね?

寧ろ、ここの方が捜査対象になりそうですけど。』



「…あくまで推測ですが。

管轄省庁が異なる為に、警察・公安が港湾内に入れないのではないでしょうか?

…すみません、素人意見です。」



『いえ、多分それだわ。

役人が不可解な動きを取る時は必ず役所の都合だから。

…動き始めたわね。』



「江本君がルートチェックを済ませてくれました!

金ヶ崎城を越えて敦賀新港に向かいます!

少し揺れるのでご注意下さい!」



なるほど、この小山が金ヶ崎城か…

歴史小説とか読んでると毎回落城しているイメージがあるのだが…

まあいい、俺が吉例となれるように励もう。



「リン子様!

念の為に二重底にお隠れ下さい!

不審ドローンが旋回を続けております!」



『ねえ、毛内はどう思う?

そのドローンを飛ばしているのは体制側かしら反体制側かしら?』



「逆賊です!

機体の動きに微塵の配慮も感じません!」



…やはり鷹見だろうな。

困った女だ。



「このまま船内に搭乗します!

決してお顔を出さぬよう!」



『承知しました。

皆に任せます。』



ガタン、ガタンと大きく車体が揺れる。

周囲にはトラックの排気音。

どうやら俺達は販売用中古車両の運搬名目で乗り込んだらしい。

毛内がコーヒーを勧めてくれたが、俺は快適な二重底で安眠を貪る。

ここは狭いからアネモネやレニーが入れなくて助かる。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



22時。

博多行きのRORO船。

ゆっくりと汽笛を鳴らして動き始める。



『ワタクシ、船旅ってもっとのんびりしたものかと思ってましたわ。』



俺が思わずこぼした呟きを聞いた毛内翁が苦笑する。

無論、笑い事ではないのは皆が理解している。

レニーにアネモネ。

危険分子を2匹も抱え込んでしまった。

当面は麻薬漬けにして鎮静化させるしかないのが辛い。

まあ、雑兵の統率も指揮官の仕事だからな。

世界の革新を目指すなら、当然俺が身に付けておくべきなのだろう。

まあ、大麻を配ることしか思い浮かばない辺りが、如何にも俺だが。



『毛内にも迷惑を掛けてしまったわ。

疲れたでしょう?

さあ、ゆっくり休みましょう。』



「お気遣いありがとうございます。

流石に暗黒魔法は肝が冷えました。」



2人で笑いながら1日の総括に入ろうとしたところだった。

コココ、コン、コン。

事前に決めていた仲間符丁で車体が叩かれたので、ドアをスライドさせる。



「俺です、江本です。」



『さっきはご苦労様。

何かあったの?』



「…結論から申し上げます。

連絡局の小牧さんが面会を希望されてますが。」



『面会?

博多で?』



「いえ、俺らの車両にさっき来られたんです。

一応、密航の形になるので。

この車両に行かせて良いのか判断が付かず。」



『あらあら、相変わらず忙しないわね。

いいわ、面会を許可します。』



「ありがとうございます。

発光信号送ります。」



小牧かぁ。

アイツと最後に会ったのいつ頃だったか。

英国大使館事件の頃だったかなあ。



「…失礼。」



車内に入って来たのが誰か最初分からなかった。

小牧?

こんなに頬が削げていただろうか?



『あら、小牧。

久しぶりね。

毛内、彼に何か温かい飲み物を。』



「畏まりました、お嬢様。」



小牧は俺と目が合い硬直する。



「え?」



『久しぶりね。

髪型変えた?』



「と、遠市猊下…

なのですか?」



『猊下、懐かしい響きだわあ。

神聖教団も大変なことになってるみたいだし。

信者にケアが出来てませんのよね。』



「あ、いや。

え? 貴女は遠市猊下なのですか?

あ、いや、あまりにお変りなられたので。」



『そう?

小牧も雰囲気変わったわよ。

少し痩せたのじゃなくて?』



「誰の所為だとッ!!!!」



『キャッ!』



「ハアハア!!」



『ご、ゴメンなさいゴメンなさい。

怖いから怒らないで。』



「…え?

貴女は遠市厘さんなんですよね?」



『あ、はい。

見れば分かるでしょう。』



「わかるかああ!!!!」



『キャッ!』



あまりの剣幕に思わず転んでしまう。



「わかるわけないでしょお!!!!」



余程、腹を立てているのだろう。

狂気の瞳で睨み付けられる。



『はわわ。

オマエ達は調査のプロなのだから、いつか勝手に見つけてくれると信じていたのよ。』



「…流石に、そこまで変貌されたら。

いや、幾らなんでも…


わかるかあああああ!!!!!!」



『キャッ!』



皆が何とか小牧を宥めてくれる。

この男のやつれ切った風貌を見れば分かる事だが、俺をロストしてから相当苦労したらしい。

現在、血尿と胃液嘔吐がデフォルトとのこと。



「中野学校の後継者たる我々が総勢を挙げて世界各地を探して見つかりませんでした!」



『あ、はあ。』



「性別も風貌も全然違うじゃないですか!」



『避難の一環ですわ。』



「逃げすぎいい!!!

しかも、可憐です。」



『うふふ。

可憐だなんて、いやだわあ♥

ワタクシなんか全然ですのに♪』



「え?

もしかしてメンタルまで転換されてるんですか?」



『ワタクシの心は永久不変ですわ。』



「…あの、現在の性自認は?」



『え?

性自に…

えっと、えっと。

ワタクシはれっきとした殿方ですわよ。』



「おいたわしや猊下。」



その後、場の空気を和ませる為に八甲田山で遭難した話をしたら、小牧が号泣しながら俺の胸倉を締め上げて来る。



『げほっげほっ。』



「捕捉出来る訳ないでしょ!!!」



『ちなみに、ここに居る毛内が現地の猟師さんでーす♪』



「わかるか!!!」



俺は幼稚な人間なので諜報部万能信仰を持っていたのだが、今回の潜伏ルートは追跡難易度SSSだったらしい。

自分では結構ガバガバだと思っていたのだが、現地で支援人員を補充しながらの逃亡は追う側にとって最も辛い展開らしい。

寒河江がたまたま乗り合わせたタクシーの運転手だと教えると小牧は頭を抱えて黙り込んでしまう。



「大体、執事って何ですか!!!」



『何と言われても、執事は執事ですわよ。』



「そ、それに異世界人ってどういうことですか!」



『どういうと言われましても、異世界から来ちゃったの。』



「いや! それより!

ダークエルフって何ですか! ダークエルフって!!!」



『ダークなエルフですわ。

昔、ドワーフや人間をシャブ漬けにして支配してたみたい。』



「怖!!!

ヤバすぎでしょ!!!!」



テンポの良いツッコミに感心しつつ、昔の余裕があった小牧を懐かしむ。

まあ、それでも能力的には磨きが掛かっているようにさえ見えるけどな。



『でも、小牧はやはり優秀ですわね。

そんな困難な追跡を成功させるなんて。』



「…日本海であんな大事件が起こったでしょう?

それで一縷の望みに賭けて北陸に来ました。

これは博打でしたが、超高級キャンピングカーが見えたので…

天に祈りながらコンテナ車の天井に張り付き密航を敢行した次第です。

江本君と一瞬目が合って銃器を互いに向けあってしまったのですが、何やかんやで今に至ります。

というか、江本君のトカレフ、既に何人か射殺してますね。」



『あらあ、スパイ映画みたいで格好いいですわ。』



「好きでやってるんじゃない!!!!」



『キャッ!』



「ハアハア。

兎に角、ちょっと洒落にならない事態になってます!!」



『あらそう。

ワタクシ眠いのだけれど、その話長くなる?』



「なります!」



『じゃあ、悪いけど隣でシャワー浴びるから。

続きは明日ね。』



「待って下さい!

緊急事態なんです!」



『あらあら、じゃあ浴びながら伺うわ。

オマエも随分汗をかいているようですし、一緒に浴びましょう。

毛内。

小牧の着替えを用意しておきなさい。』



「畏まりました、お嬢様。」



俺も疲れていたので、隣で騒ぐ小牧をナデナデポンポンしてから眠りについた。

いやあ、男のヒステリーってホント見苦しいよね。

【名前】


大魔王りんこりん

(俗名) 遠市・コリンズ・リン子・厘



【職業】


お嬢様


便所紙

ホステス

パチンコ台

神聖教団 大主教

東横キッズ

詐欺師



【称号】


淫売

賞金首



【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)


《LV》 26

《HP》 疲れましたわ

《MP》 心労ばかり増えますわ

《力》  深窓の令嬢

《速度》 神出鬼没

《器用》 変幻自在(♀限定)

《魔力》 悪の王器

《知性》 脳味噌エルデフリダ

《精神》 絶対悪

《幸運》 天佑


《経験》 4億7750万4353


本日取得  0

本日利息 9853万2644

次のレベルまでの必要経験値 1億9358万4277


※レベル27到達まで合計6億7108万8630ポイント必要

※キョンの経験値を1と断定

※イノシシの経験値を40と断定

※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定

※クジラの経験値を13000と断定

※経験値計算は全て仮説




【スキル】


「複利」 


※日利26%

下4桁切り上げ 




【所持金】


22億3561万0283円



954万BTC  (下4桁切り上げ)

  ↓

1203万BTC



406万XRP (下4桁切り上げ)

 ↓

512万XRP



406万SOL (下4桁切り上げ)

 ↓

512万SOL



※ユーロ・ポンド・ルーブル・バーツ・ペソ・ドルも保有。

※ユーロ・ポンド・ルーブル・ドルの保管権を孝文・j・Gに付与。

※仮想通貨の運用権を孝文・j・Gに付与。

※米国債・タイバーツ・フィリピンペソの保管権を児玉繭子に付与。



【残り寿命】


675万8500日 (下4桁切り上げ)

  ↓

851万8500日




【所持品】


Maison Margiela ショルダーバッグ 白

Archi Diorリング ホワイトゴールド×ダイヤモンド

ティファニー ビクトリア  グラジュエイテッド ネックレス

カルティエ Juste un Clou ブレスレット




【約束】


〇古屋正興     「異世界に飛ばして欲しい。」

 飯田清麿     「結婚式へ出席して欲しい。」

〇         「同年代の友達を作って欲しい。」

          『100倍デーの開催!』

×         「一般回線で異世界の話をするな。」

          『世襲政権の誕生阻止。』

〇後藤響      「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」

          「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」

          「空飛ぶ車を運転します!」

 江本昴流     「後藤響を護って下さい。」

          『遠市王朝の建国阻止。』

×弓長真姫     「二度と女性を殴らないこと!」

×         「女性を大切にして!」   

〇寺之庄煕規    「今度都内でメシでも行きましょう。」

×森芙美香     「我ら三人、生まれ(拒否)」

×中矢遼介     「ホストになったら遼介派に加入してよ。」

          「今度、焼肉でも行こうぜ!」

〇藤田勇作     『日当3万円。』

〇堀田源      「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」

〇山田典弘     「一緒にイケてる動画を撮ろう。」

〇         「お土産を郵送してくれ。」

          「月刊東京の編集長に就任する。」

 楢崎龍虎     「いつかまた、上で会おう!」

×警視庁有志一同  「オマエだけは絶対に逃さん!」

          「オマエだけは絶対に守る!」

×国連人権委員会  「全ての女性が安全で健(以下略)」

〇安宅一冬     「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」

 水岡一郎     「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」

×平原猛人     「殺す。」

          「鹿児島旅行に一緒に行く。」

          「一緒にかすうどんを食べる」

 車坂聖夜Mk-II   「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」

×今井透      「原油価格の引き下げたのんます。」

          「小麦価格の引き下げをお願いします」

〇荒木鉄男     「伊藤教諭の墓参りに行く。」

 鈴木翔      「配信に出演して。」 

×遠藤恭平     「ハーレム製造装置を下さい。」

〇         『子ども食堂を起ち上げます。』

          「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」

〇田名部淳     「全財産を預けさせて下さい!」

          「共に地獄に堕ちましょう。」

 三橋真也     「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」 

〇DJ斬馬      『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』

 金本宇宙     「異世界に飛ばして欲しい。」

 金本聖衣     「同上。」

 金本七感     「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」

〇天空院翔真    「ポンジ勝負で再戦しろ!」

          「再戦するまで勝手に死ぬな。」

〇小牧某      「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」

 阿閉圭祐     「日本国の赤化防止を希望します。」

〇坊門万太郎    「天空院写真集を献納します!」

 宋鳳国      「全人類救済計画に協力します!」

 堀内信彦     『和牛盗難事件を解決します。』

〇内閣国際連絡局  『予算1000億円の確保します』

〇毛内敏文     『青森に行きます!』

 神聖LB血盟団   「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」

 Top Girls     「招待ホモ枠の仲間として色々便宜を図ってあげマース♥」

〇大西竜志     「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」

          『貴方の遺族に篤く報います。』

 坂東信弘     「四国内でのイベント協力」

 国重辰馬     「四国内でのイベント協力」

 涌嶋武彦     「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」

 斑鳩太郎     『処刑免除を保証します。』

 志倉しぃ     「カッコいいホモの人を紹介して下さい。」

〇孝文・j・G   「英国大使館パーティーにて利息支払い」

          「永遠の忠誠と信仰を(以下略)」

〇グランツ(英)  「perape-ra!!!!!!!!」

 E・ギャロ     「農政助言」

          「王都で星を見る。」

 福永史奈     「出産すれば1億円支給」

 野上絵麻     「以下同文」

 桂川風香     「以下同文」

 久能木瀬里奈   「ジャンジャンバリバリ!!」

 児玉繭子     「ウチの旦那に色目を使うな。」

          「アメリカ経済を破綻させないように努力する。」

 古河槐      「jetの救済をお願い。」

 カミーラ・B   「perape-ra♪」

 故バーゼル卿   「perape-ra!」

〇有村拓我     「福田魁との連絡を取る。」

×福田魁      「男らしゅうせー!」 

  竹内遊馬     『異世界に飛ばしてあげますわ♪』

 ポーラ・P    「いつか一緒にお茶しましょう。」

 アネモネ・I・G  「元帥で我慢してあげます♪」




 金本光戦士    「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」



 古河槐      「シンママで産む」



◎木下樹理奈    「一緒に住ませて」



×松村奈々     「二度と靴は舐めないにゃ♥」

〇         「仲間を売るから私は許して♥」

×         「ウンコは便器の中にするニャ♪」

          「未来永劫ずっと一緒♥

          ずっとずっとずっとずーーと×∞

          厘を守ってあげるね♥」



◎鷹見夜色     「ウ↑チ↓を護って。」

〇         「カノジョさんに挨拶させて。」

〇         「責任をもって養ってくれるんスよね?」



×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」

          「王国の酒…。」

          「表参道のスイーツ…。」 

×         「ポン酢で寿司を喰いに行く。」



 土佐の局     「生まれた子が男子であればリイチ。

          女子であればリコと命名する。」


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― 新着の感想 ―
本人視点ですら心中とガワが乖離してたまに混乱するのに、 他の人から見たらね…
一歩一歩追いかければ、何となく足跡が追えて、断定できる可能性が微レ存。 が、足跡を追う為のピースがボロボロで、そりゃ負いきれませんわw
補足できるか! ってキレる気持ちはよくわかる まさか性別変わってるとか思わんて
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