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【降臨61日目】 所持金5万円 「貴方を勇者認定します。」

深夜の車内。

俺は額の流血に耐えながら、大西のアルファードに横たわっていた。



「負傷のとこ申し訳ないが、追尾されとらんか見張ってくれ!」



大西はサイドミラーをチラチラ見ながら、アクセルを大胆に踏む。

深夜ということもあり、かなり視界が悪い。



『…ハアハア。

こうぞくがかなりえんぽうにいちだい。

こっちをついせきしているのかはわかりません!』



「ライト消して死角からぶつけて来る可能性もある!

もう、そのつもりでおってくれ!」



『はい!』



頭部の激痛に耐えながら、闇に目を凝らし続ける。



「下道に入る!

降りてくる車両の有無を監視してくれ!」



大西曰く、俺が英国大使館で拉致されて以降は飯田の指揮でメンバーが散開して脱出したとのこと。

何人かはぐれたメンバーも居るものの、全員が地下に潜っているらしい。



「神奈川に入った!」



『…おりるんですか?』



「いや!

本籍地は真っ先に追手が差し向けられる。

すぐに抜けるぞ!」



『あ、はい。』



そうだな。

確かに、この辺は鷹見のホームでもある。

ウロウロしてたらすぐに発見されてしまうだろう。



「寺之庄君からの伝言や!

《完全にマークされていて身動きが取れない。

キャラバンに同行したメンバーは全員監視下にある。

メッセンジャーを送り合うことすら危険。

特に一般回線では絶対に連絡して来るな。》

とのことや。

公衆電話もマズい!

絶対に使うな!」



…マジかよ、公衆電話まで封じられたらどうすればいい?

思わず呼吸が荒くなる。



「リン君!

また傷口が開いとる!

タオルで強う押さえろ!」



『あ、はい。』



車内が暗くて分かりにくいのだが、手のひらを伝う感触は、血。

生温かくて気持ち悪い。



『すみません、まきこんじゃって。』



「喋るな!

回復に専念しろ!」



通りを曲がる度に、大西は前後左右を素早く睨みつける。

あまり良い情勢ではないのだろうな。

意識が何度も飛びそうになったので、腿を掻き毟って耐える。

痛みは生きてる証拠ではあるのだが、耳鳴りが徐々に激しくなってくる。


視界が徐々に霞んで来る。

おかしいな、鷹見なんてボコられ続けても動き回ってたのに。

俺は一撃で死に掛けている。

この差は何だ? 

これが生物としての格の違いなのか?



「リン君!

リン君!」



大西に身体を強く揺すられる。

必死で目を見開いているのに、世界が白み、脳の中からノイズ音が鳴り始める。



『す、すみません。

いしきがとびかけていて。』



「前のトラックに乗り換えるぞ!

このまま安全圏まで送って貰う!」



大西に抱きかかえられ、車外に連れ出される。

少し肌寒い。



『え? え?

あるふぁーどで…

にげるんじゃないんですか?』



「俺は囮として四国に戻る!

時間は稼げるはずや!」



『…え、お、おとり?』



「…。」



『お、おおにしさん?』



「早く荷台に乗れ!」



『…あ、はい。

あ、またいっしょ…』



「君は生きぃ!


…ええ夢見れたぜ、じゃあな。」



『…あ、あ、あ。』



駄目だ、意識がもたない。

起きなきゃ、起きていなければ…


起きる?

何の為に?


心の中の俺が他人事のような顔で首を傾げた。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




がたん。



がたん。



がたん。



がたん。



がたんがたん。



がたんがたん。



ずっと荷台が揺れている。

この辺は道が悪いのだろうか?




  「コリンズ!

  あと少しの辛抱だ!

  中立地帯を抜けて首長国に入れば

  ちゃんとした治療が出来る!」




幌の向こうからダグラスが叫んだ。

よし、目が覚めた。

王国の国境を抜けた所で襲撃されたのか。

この中立地帯は各国の部隊が小競り合いを繰り返しているんだったな。

ここは前線だから仕方ないな。

まだ意識が朦朧とする。




  「コリンズ社長!

  首長国側の街道が封鎖されてます!

  接近できませんッ!!!」



あまりに取り乱した声だったので、声の主がケネス・グリーブだとしばらく気付けなかった。



  「迂回路はないのですか!!」



枕元の声はヒルダか。

この女でもパニックになる事あるんだな。



  「リン! お願い目を覚まして!!」



俺の首の止血をしているのは…

そうかコレットか。

オマエでも泣くんだな。



  「隊長!  ハンスが!」



  「エリクサーでも駄目か!?」



  「はい! 申し訳ありません!

  俺の応急措置さえ間に合えば!」



  「わかった! オマエは持ち場に戻れ!!

  今は自分が生き残る事だけを考えろ!」




そりゃあね、国境越えの一番判断を要する場面で荷主の俺が死に掛けてたらキャラバンも困るよね。

さっきからヒルダとコレットが俺の身体を抱きしめながら泣き叫んでいる。

ああ、そっか。

今って首長国も大変なんだったか。

帝国四諸侯が攻めて来るかも知れないんだってな。



  「奥方!!  もう連邦回りしかないぞ!!」



  「迂回して首長国に入れないのですか!」



  「もう民兵同士の戦闘が始まっている!

  近づけば殺されるぞ!」



馬車の内外で皆が恐慌している。

おいおい、そんな纏まりのない事でどうするんだよ…


って、俺か。

俺が不様に死に掛けてるから意見が纏まらないのか。



  「2時の方向にレッサードラゴン!!

  進路をこちらに向けました!!!!」


  

  「迎撃しますかッ!!!!???」



  「奥方! 迎撃させるぞ!?」



  「これ以上馬車を揺らさないで!!

  リンが死んじゃう!!」



  「隊長!!

  早く凍結弾の予備を下さいよ!!!」



  「兄貴!! 陣形決めてくれ!!!!」



  「退避!? 迎撃!?

  早く決めて下さいよおお!!!!」



あ、やば。

これ俺の所為だ。

決定権を持った俺が昏倒してるから、キャラバンが身動き取れなくなったんだ。

ダグラスやグリーブ程の猛者であれば、指示さえあれば完璧にこなせるのに…


こ、声を上げなきゃ。

みんな死んじゃう。

急がないと、ハンスの蘇生が間に合わない。



『…こ、こひゅ。』



  「リン!

  大丈夫だからね!!

  絶対に自由都市まで辿りつけるから!」



  「リン!

  後少しの辛抱ですよ!

  街に到着次第、正規の治療が出来ます!」



  「コリンズ社長!!

  御安心下さい!

  すぐに街へのルートを確保します!」



  「コリンズ!

  死ぬなよ! オマエは絶対守るからな!!

  コリンズ! 馬鹿野郎!!!

  こんな所でくたばってどうする!!!

  目を覚ませ、コリンズ!! 

  コリンズッ!!!!」



おいおい、みんな大袈裟だな。

大の大人が揃って泣く事ないじゃないか。

それじゃあまるで俺が死…






















死。


























死ぬ?



























「んぱいッ!!!!!!」



再度全身を揺さぶられる。

そうか馬車は首長国ルートに入れなかったか。




「先輩ッ!!!!!!」




『…ああ、連邦ルートだろ?

いいよ、仕方ない。

それより馬車の損傷具合を教えてくれ。』




「何、言ってるんですかアンタはぁ!!!」




『…そんなにデカい声出すなよ。

サンドワームに気付かれるぞ。』




「先輩! 俺です! 今井です!!!」




いまい? 今井?

ああ、学校の後輩だ。

そうだ思い出した。

一緒に転移した中にも今井君って居たから、すぐに名前を覚えられたんだ。


いや待てよ、俺中退してるからなあ。

あんまり先輩面するもよくないか。




「頭は動かさないで!!!!」




『あ、今井君。

君、授業は?』



「そういう状況じゃないでしょ!!」



俺を介抱してくれているのは、高校の後輩の今井君。

前に地元に戻った時、アイスを買ってやった。

そういや2人で松村先生の大麻車両を見て爆笑したなあ。



『何もそんな…

泣くような場面じゃないだろ。』



「じゃあ、心配ばっかり掛けるのやめて下さいよ!!!」



そりゃあ、そうだ。



『大丈夫、目が覚めた。』



「ここがどこだかわかってます?」



『アウグスブルク領を抜けた辺りかな?』



「目ぇ覚ませよ!!!!」



『うおっ、デカい声出すなって。

じゃあ、どこだよ。』



「もうすぐ外房に抜けます!」




頭が働かない。

今、何してんだっけ?




『なあ、今井君。』



「何スか!?」



『アイス奢ってやるから、コンビニ行こうぜ。』



「カメラのある場所は絶対駄目です!」



『そっかあ、駄目か。』



「水、口に含んで下さい!

一気には飲まないで!!」



『今井君。

情けない先輩でゴメンな。』



「…そんなこと無いです。

遠市先輩と話したことあるって、俺の唯一の自慢ですから!」



『君なら、これからもっと自慢が増えるさ。』



「状況を説明します。

寝たままで聞いて下さい。」



『うん。』



英国大使館で拉致された俺を救出する為に、飯田達はヒルダ派・鷹見派に存在を知られている可能性の少ない助っ人を集めた。

そのうちの1人が俺が一度会ったきりの、この今井透だったのだ。


何せコンビニで一緒にアイス食べて、松村先生のマンションを見物しただけの間柄である。

しかも、それっきり連絡を取ってこなかった。

その縁の薄さを見込んだ寺之庄が博打に出たらしい。



「昨日の公道バトル動画。

空前の大バズりですよ。」



『最近は何でも勝手に撮影されるから怖いよな。

どれくらいバズった?』



「インドで行われたガンジス河封鎖メントスコーラ大爆発祭り(死者216人)の再生数を越えました。」



『マジかー。

どうせ俺には一円も入らないだろうけどマジかー。』



今井はずっと俺やその周辺のSNSを追ってくれていたらしい。

それ故に英国大使館での拉致後に寺之庄がフォロワー名義でアップした暗号SOSに気付き、父親の運転するトラックで駆け付けてくれたのだ。

俺を載せたこのトラックはレインボーブリッジを渡り、大胆にも木更津を通過して久留里を越えて外房の海岸沿いを疾走している。



「このまま土浦に抜けます。」



『そっか。

俺、茨城行くの初めてだよ。』



「いえ、行くのは俺と親父だけです。

先輩は次の運転手に運ばれて下さい。」



『あ、うん。

ね、今井君。

俺は結局どこに潜伏するの?』



「わかりません。」



『え?』



「いや、俺が知っちゃったら拷問された時に吐いちゃうでしょ。」



『ッ!』



「言っときますけど!

鷹見先輩はもう動いてますよ。

Twitterで普通に先輩の身柄に賞金掛けてますし。

居場所通報だけで500万貰えるらしいです。」



『アイツ、まだ死んでないの?』



「死ぬ訳ないでしょ、あの人が。」



鷹見の謎生命力って何なんだろうな。

脅威に思う反面、密かに憧れを感じる。



「鷹見先輩が組関係だってご存知ですよね?」



『あ、うん。

アイツって会話の中に何気なくヤクザが出て来るから怖いよね。』



「あの人、普通にヤクザの人脈と情報網使えますから。

そのつもりでいて下さい。」



『え?

いや、流石にそれは大袈裟だろう。

アイツ女だし、まだ20歳だぞ?』



「あの人、実話系列の雑誌でグラビアとかインタビュー掲載されてるんです。

《暴力団員の人権保障》も公約にしてますし。

ヤクザ界の姫くらいのポジションと認識しておいて下さい。」



『姫は… あんなにアクションシーン連発しないだろ?

アイツがヤクザと一緒に居る所、見た事ないし。』



「だから怖いんですよ。

アレだけヤクザと親密なのに、自分の力だけで喧嘩するでしょ、あの人。

どれだけ揉めても組の名前出したことないみたいだし。

そういう所がリスペクトされてるんです。」



『まあ、男の背中に隠れてイキってる女よりは、遥かに高潔でカッコいいと思う。』



「そんな鷹見先輩が賞金掛けてるんです。

協力者は増えますよ。

ほら、賞金tweet。

まだ呟いてから5時間も経過してないのに、もう3500RTを突破してる。」



『何でアイツってあんなに影響力ある訳?』



「いま先輩が自分で言ったでしょ。」



『カッコいいから?』



「ええ、最高にクールです。

少なくとも俺達の代は殆どの奴が鷹見先輩の事リスペクトしてます。」



『…知名度なら別格だよね。』



「遠市先輩と穏便に結ばれてくれれば…

心から祝福出来たんですけど。

そういう雰囲気でも無さそうですよね。」



『ちょっとアイツらからは距離を置きたい。

というか、まずは仲間の安全を確認したい。』



「ですね。

距離を置く事には賛成です。

深夜のテンションもあったんでしょうけど…

tweet見る限り、今の鷹見先輩はかなりハイになってますし…

遠市先輩がノリで殺されてもおかしくはないと思います。」



『…怖い。』



そんな会話をしていると、トラックが停車しサイドブレーキが引かれる。



「あ、合流ポイントですね。

降りますよ!

肩を貸しますんで掴まって下さい。」



『えっと、俺は。』



「さっきも言ったでしょ。

別のトラックに送って貰います。」



『誰が迎えに来てくれたの?

清磨さん?』



「いや、身元は聞かないようにしてます。

拷問対策。

最悪、ダメージ受けるのは俺達父子だけで済ませたいんで。」



『いや、流石にそこまでリスクを負わせる訳には。』



「迎えに来た人はもっとリスクを負ってます。

どうも大型の免許持ってないっぽいから。」



『え? それはヤバいでしょ?』



「みんなそういうヤバい橋渡ってでも…

先輩を助けたいんです。

嫁さんに拉致られて監禁されてたんですよね?」



『うん。

俺はもう自業自得なんだけどさ。

仲間が酷い目に遭わされてたから。

何とか状況を変えたくて。』



「さあ、荷台に乗りますよ。

上がれます!?」



『あ、大丈夫。』



「じゃあ、ハッチ閉めます。

極力気配を殺して下さい!」



『わ、わかった。』



「親父!

周辺警戒は!?

見られてないな!?


じゃ、先輩。

俺達はこれで。」



『お父さんにもお礼言っておいて!

原油価格全然下がらなくてゴメン!

何か君にお礼をさせてくれよ!!!』



「ハハハ。

気長に待ってます。

じゃあ、小麦の値段何とかしといて下さい。

ぶっちゃけ生活かなり苦しいんです。

総菜系のパンが20円も値上がりするなんて、マジ悪夢っスよ。」



『わかった!

必ず!  俺は!』



「先輩。

絶対に負けないで下さいよ!

俺、信じてますから!」



荷台のハッチが閉じられると真っ暗になった。

そしてすぐにトラックが発進する。

ぎこちない運転だ。

きっと大型免許を持ってないというのは本当なのだろう。

誰が運転しているのか?


飯田だろうか?

寺之庄だろうか?

それとも江本が戻って来てくれたのだろうか?


まあいい。

運転席から降りなかったという事は逃走を優先してくれている証拠だ。

その一点で安心出来る。

俺は荷台に敷かれていた毛布に横たわり体力の温存に務めた。


出血は少しマシになった気がする。

いや、もう流れる血が残ってないのか?

いずれにせよ、この暗闇では自らの容体を知る術はない。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




《意識を保たねば!》



とだけ考えていたにも関わらず、暗闇の中で気を失っていたらしい。

既にトラックの荷台からは降ろされたようだ。


気が付くと布団の上に寝かされていた。

慌てて跳ね起きる。

周囲を見渡すと、畳敷きの古い木造家屋。

築年数は、かなり経っているか。

状況が呑み込めない。

誰かが用意してくれたセーフハウスなのだろうか?



『え? トラック!? 

こ、ここは!?』



「落ち着け。

勝手に運び込ませて貰った。」



聞き覚えのある声が背後から響き、慌てて振り返る。




『あ、アンタは!?』




意外な存在に戸惑う。

何故なら、その男の顔は俺にとって誰よりも見慣れた。

























『天空院!?』



部屋の隅で腕を組んで立っていたのは、何度も俺とポンジを競った天空院翔真だった。




『あ、アンタが助けてくれたのか…』



「勘違いするな!」



厳しい表情のままで天空院が一喝する。



「キサマを助けた訳じゃない。

俺との決着をつける前に勝手にくたばられるのは迷惑なんでな。」



天空院は腕を解くと、戸外に歩き出してしまう。



『ま、待ってくれ!

あ、アンタとは色々あったが…

まさか助けてくれるなんて思ってもいなかった。』




「…。」



『ありがとう!』



天空院は背を向けたまま足を止める。



「勘違いするな。

キサマを倒すのは俺だ。

それまでせいぜい首を洗って待っていろ。」



俺が何とか力を振り絞って起き上がり玄関に辿り着いた時には、天空院は既にトラックに搭乗済みだった。

そして、こちらを一瞥すらせずに走り去ってしまう。

アイツの格好良さって、やっぱり外側だけじゃなかったんだな。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




戸外に出た俺は周囲を素早く見渡す。

まばらな家屋、田畑、潮の香り。

ここは郊外なのだろうか?



表通りから人の気配を感じたので慌てて屋内に引っ込む。

…木造家屋、2階建て、庭は意外に広い。

家具は殆ど置かれていない。



飯田達が用意してくれたのだろうか?

しばらく潜伏すれば良いのか?

いつまで?


不安が胸の奥から湧き上がって来る。

やはり勝手の分からない土地に放り出されるのって精神衛生上良くないよな。




『…俺、アウェイで戦えるほど強い男じゃないんだけどな。』




そう何気なく呟いた。




「むしろ逆境に一番強いのが貴方でしょうに。」




突如、部屋の奥から響いた声に後ずさる。

天空院の仲間か!?




『あ、あの。』




さっきは気付かなかったが、俺の寝かされていた布団の反対側にリビングがあり、1人の大柄な男がちゃぶ台の上のカセットコンロの前で鍋をかき混ぜていた。

初老の外国人、伸びた背筋が綺麗なので軍人か何かと見当を付ける。

ゲルマン系? スラブ系?

いや違うな。

また少し異なる。



「粗餐ではありますが、まずは歓待させて下さい。」



男は丁寧に皿に料理を盛りつけていく。

何だこの香りは…

肉じゃが? ポトフ? シチュー?

そのいずれでもない。



『…あの、どうかお構いなく。』



男はちゃぶ台の前に無言で座布団を敷く。

ああ、座れということか。



『それでは、失礼致します。』



男の正面に腰を下ろす。

しばらく無言で向かい合う。


…初対面ではない。

俺はこの男とどこかで…



「大魔王様。

再びお目に掛かれて光栄で御座います。」



『ッ!?』



大魔王、懐かしい呼び名だ。

たったの2か月前の出来事とは思えない。


…この男は異世界人か。

そして丁寧な会釈に漂う威厳を見て、記憶の糸が鮮明に輝いた。



『…陛下。

エドワード国王陛下でありましょうか?』



彼は真摯に頷く。

そしてしばらく無言で見つめ合った。

否が応にも記憶が噴き出す。

そうだ、異世界に転移した日。

最初にこの男と目が合って…

それがあまりにテンプレート的な王であったから…

クラス全員が、それこそラノベを読んだ事のない者すらも、王権の下への転移を確信した。



「大魔王様は既に御存知かも知れませんが、私は廃されました。

今の私は家名すら剥奪された、ただの落人です。」



そうだ。

帰還寸前の異世界事情を思い出す。

内戦状態に突入した王国では、王都を失陥した王が自らの所領まで逃亡し…

そして、その逃亡を手助けした誇り高き英雄こそが…



『大魔王…

それは異郷での話です。

今の私は身寄りも住処もない、ただの小僧ですよ。』



「まずは召喚の件を当時の責任者として謝罪させて下さい。」

             


そうだった。

俺達は王都に召喚されて、その大半が無惨に殺された。

遺骨すら残らず仕舞いである。



『…いえ、あの召喚が王国の主導でなかった事は、存じております。

真に責を問われなければならない者が居るとすれば、それは神聖教団の首脳部でしょう。』



エドワードは端座したまま哀し気に俺を見つめている。

そりゃあね、今や神聖教団の首脳って俺だからね。

仮に遺族から告発がなされたら、結局は被告席に座るのは確実に俺なんだよね。




「そして一言お礼を。」



『お礼ですか!?』



「駆除依頼、かなり熱心にこなしてくれたでしょう?

楽しみにしていたのです。

表彰式で炸裂少年と面会することを。」



『あ!!』



エドワードは懐かしそうに目を細める。

そう、この男は農政・民政に熱心な統治者だった。

敵国である筈の自由都市内でも、この男は《賢王》の尊称で畏敬されていた。



「ダン・ダグラスが実に楽しそうに大魔王様の事を語るんですよ。

落ち武者狩りに遭って死に掛けている最中なのにですよ?」



エドワードは静かに目を閉じ、想い出の中のダグラスに優しく微笑んだ。



『陛下、大魔王はやめて下さい。

今の私はただの遠市厘です。』



「申し訳ありません。

確かに我々の世界の呼称を用い続けるのも礼を失しますな。

では、私も名でお呼び頂けるとありがたいです。」



『エドワード… さんとお呼びしましょうか?』



「現在、日本国政府に対してはエドワード・ギャロの呼称で滞在申請をしております。」



『ああ、じゃあギャロさん? の方が宜しいですか?』



「便宜上、姓としておりますが…

実はギャロというのは地名であり官職名なのです。

即位前はギャロ領に所属していたもので。」



『失礼!』



「周辺の者にはエドと名乗っております。

即位前の名乗りなんです。

そう呼び捨てて頂けると助かります。」



『ええ、ではエドさんと呼ばせて下さい。』



「お気遣い感謝します。

リンさん。」



エドワードが用意してくれた王国風のポトフを掻き込む。

その懐かしい味の組み立てを堪能するうちに、異世界での4か月間が再度フラッシュバックする。

そうか、物語はこの眼前の王から始まったのだ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



2人で壁にもたれ掛かってポツポツと身の上話を交わす。

何故お互いがここに居るのか、優先順位はそちらなのだろうが…

寧ろ、この状況ではもっとパーソナルな部分から打ち解けるべきだと思った。


エドワードも俺より先行して地球に辿り着いていた。

ヒルダや荒木と違って俺がオーラロードで級友を蹴り飛ばした光景は見ていない。

それでも打ち明けておく。

涙ながらに救いを求める級友を蹴り飛ばして自分1人で生還した、と。

どれだけ口先で立派な事を言っても、所詮俺はそんな卑怯者なのだ、と。


エドワードも、ポツポツと身の上を語った。

彼の属するギャロ領家系は、要するに王家の分家筋である。

王国内の最辺境である魔界隣接地帯が所領である事からも明白なように、分家の中でもかなり地位は低い。

その四男、それも側室の子としてエドワードは生誕した。

物心ついた頃には既に正嫡の兄に嫡子が誕生しており、甥の臣下として働く事が定められていた。

当然、王位はおろかギャロ領の継承すら、誰も想定していなかった。

エドワードは多くの貴族社会の次男以下がそうであるように、自らの意思とは無関係に士官学校に放り込まれ、使い捨ての下級将校として各地を転戦し続けた。

帝国・連邦・首長国・共和国・合衆国・公国・魔界・ドワーフ連合・そして自由都市の平和維持軍。

凡そ俺が異世界で名を聞いた全ての国家との交戦を経験をしている。

エドワードが懐かしい目で名を挙げた中には、後に帝国皇帝に即位するアレクセイや、旅団長時代の首長王弟テオドール、全盛期の狂犬ミュラーと言った輝かしき将星達が混じっており、軍人としての彼の苦労が偲ばれた。

通例であれば、将校は休戦期間に溜まった休暇を消化出来るのだが、王族の末席に連なっていたエドワードは平時にも徹底的に使役された。

同僚が休暇を満喫する中、王都周辺のトラブルを一介の役人として処理させられ続けたのだ。

当時失点続きだった宮廷王族たちは何としても世論に対して勤勉な王族像をPRしたかったのだ。

そしてエドワードは事実勤勉だった。

以上のように、政治面でも軍事面でも酷使された訳だが、王族将校というのは軍部にとって余程扱いにくい存在らしく、エドワードは常に昇進を後回しにされた。

誰よりも戦場を駆け、少なくない勲功を上げたにも関わらず、彼は万年中隊長だった。




「当主である甥に進言していたのです。」



『何と?』



「もう王国は終わりです、と。

絶対に王位に就いてはならず誰かに押し付けよ、と。

王都への貢納は先送りにして物資を所領に集積せよ、と。

王宮とのコネは百害あって一利ないので全て切れ、と。」



『随分過激な進言ですね。』




「御当主様は幼少の頃から聡明な方でしたから、私の進言を全部受け入れてくれましたよ。

何せ逃げ込もうとした居城から射掛けられた位ですから。」




軍内の政治力学で大隊長への昇格が決定し、将校研修を受ける為に上官と共に帰還した王都で彼は突然王位を押し付けられた。

ここまで無慈悲な奇襲は戦場ですら受けた事はなかった。

一切自分の意思が反映されない人生だった。

唯一自分の意見が通ったのは、腹いせに同行していた上官を将軍に任命したこの時だけである。

この上官は士官候補生時代の鬼教官でもあり、その軍歴において散々自分を使い倒して来た憎き腐れ縁だったので、地獄への道連れに出来た時は流石に溜飲が下がった。

上官氏がどこぞの異世界小僧に5万ウェンをせびられた時などは、思わず吹き出してしまった程である。




『甥君はどうなっておられるのですか?』



「私が地球に飛ぶ前は何とか領内を固められておりましたが…

どうでしょう、公国軍や共和国軍の動きも怪しかったですから。」



『…貴領の無事を祈ります。』



「…ありがとうございます。」




エドワードが冷蔵庫を開く。

どの酒を飲むかと言う意味であった。

俺はjetとの想い出であるストロングゼロを指さす。




プシュ。



プシュ。




俺達は自然に缶を掲げていた。



「日本国に。」



『王国に。』



『「乾杯。」』



俺同様、そこまで酒を好んでいる訳ではないのだろう。

エドワードは遠い目でただ眼前の壁を眺めていた。

彼が何を見ているのか、俺如き若造には推し量る事は出来ないが…

それでもずっと同じ方向を見つめていた。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




『陛下。』



「はい。」



『私のスキルについて伺われておられますか?』



「いえ。

ある程度の情報は集めましたが、正確には把握出来ず仕舞いでした。

教団はあまりに意地悪でしたし、ダン・ダグラスはあまりに義理固かった。」



『【複利】。

それが私のスキル名です。』



「…初耳です。

フェルナンデス氏は口頭でしか情報を渡してくれなかったので。」



『失礼ですが、陛下は【複利】の概念を御存知ですか?』



「ええ、まあ。

部隊の帳簿を付けるのも任務のうちだったので。

要するに重利ですよね?」



『はい。

今思えば、フェルナンデス司祭が喜びそうなスキルなのですが…

何故かあの時は追放されてしまって。』



「…そこは不思議ですね。

彼、おカネの話しかしないでしょw」



『ええ、ずっと選挙とカネの話しかしないのでw

未だに教団のイメージはフェルナンデス司祭なんですよw』



「風評被害ですねえw」



2人であの珍妙な聖職者の顔を思い浮かべて大笑する。

俺も王国も散々煮え湯を飲まされた筈なのに、不思議と憎めない男だった。



『じゃあ、そろそろスキルの発動時間なので陛下に披露させて下さい。』



「では、謹んで拝見させて頂きます。」



『私のスキル【複利】は自動発動型です。

決まって毎日17時に発動します。』



「あ、もう5分も無いですね。」



『ええ、なのでいつも17時前だけは怠け者の私が勤勉になります。』



2人で腹を抱えて笑う。

笑い終わってから2人で時計を見つめる。



《1万円の配当が支払われました。》



空中に出現した1万円紙幣がゆっくりヒラヒラと舞い落ちる様を俺達は見つめ続けていた。

エドワードは自身の膝上に落ちた紙幣をハンカチに乗せて、無言で俺に差し出す。

軍歴が長かっただけあって、丁寧に折り畳まれた清潔なハンカチだった。




『これが…

私のスキルです。

要は、所持金に利息が付いて、勝手に払い出されるんです。

この能力によって分不相応な身分を得ました。』



「…率直に申し上げます。

スキルには驚きました。

少なくとも私がこれまでの人生で認識していたそれとは全くの別概念です。」



『そうでしたか。

現地でも、近しい者に似たような事を言われました。』



「ただ、貴方の大魔王就任を分不相応とは思いません。」



『…。』



「リンさん。

貴方は置かれた状況でベストを尽くされ…

そして多くの政治的成果を挙げられました。

国を亡くした私だからこそ保証出来ます。

貴方こそが王に相応しい人間だったのです。

どうか胸を張って下さい。

そのスキルは与えられるべくして与えられたものです。」



『…。』



参ったな、俺の政治目標はきっと王権の否定なのに。

率直にそう伝えるとエドワードは身体を揺すって笑っていた。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【所持金】


40000円

 ↓

50000円


※配当1万円を取得。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「さて、次は私の番ですね。」



『え?』



「流石にリンさんにだけ開示させるのは不公平でしょう。

当然、私も自己開示します。」



『あ、いや。

そういう魂胆で打ち明けた訳では。』



「じゃあ、こういう事にしましょう。

スキル自慢で若者の気を惹きたいだけ、ということで。」




茶目っ気のあるウインクに、俺も思わず吹き出してしまう。

エドワードが貸してくれたパーカーを目深に被り外出に付き合う。



「九十九里浜って、地球でも有名なんですか?」



『どうでしょう。

日本国内であれば相当知られてるんじゃないですか?』



「丁度、ここが山武郡の九十九里町なんです。」



『あ、そうだったんですね。

どうりで潮風の匂いがすると思いました。』



「ほら、すぐ裏に回ると。」



『え! 海近!!

一等地ですねえ。』



「私、内陸の生まれなんで最初はそう思ってたんですけどね。

物件痛むの早いですよ。

洗濯も大変ですし。」



『ああ、確かに。』




俺とエドワードは夕暮れの太平洋をぼんやり眺める。

海の広さに、軟禁生活で受けた心の傷が少しだけ癒された。




「私のスキルはねえ。

部下には【弓術】で通していたのですが…

ちょっと珍しいスキルです。」



『おお!

俗に言うレアスキルですね!』



『リンさんの奇跡を見た後じゃ、気恥ずかしいだけなんですけどね。』




言いながらもエドワードは嬉し気に周辺を見渡す。



「あそこの鳥、見えますか?

多分ウミスズメだと思うんですけど。」



『ええ、かなり距離がありますけど。

何かが水面でパチャパチャやってますね。』



「リンさん、私とウミスズメの両方を見ておいて下さいね。」



『あ、はい。』



エドワードは鳥に背を向け、砂浜に落ちている石ころを拾い上げた。

何だろう、投擲関連のスキル?

俺がそう思った瞬間、エドワードは鳥に背中を向けたまま反対側に振りかぶった。



『目標を変えるんで…』



俺が話し掛けようとした瞬間。



「よし! 【自動照準オートエイム】!!」



きっと軍隊時代もこんな感じだったのだろう、短く明瞭にエドワードは叫んだ。

そして鳥と反対側の方向に投げた石は…



『え!?』



エドワードの手を離れた瞬間に遥か真後ろに飛んで…

鳥が悲鳴を上げながら羽ばたいた。

俺が水面を眺めていると、1羽だけぐったりと水に浮いているように見えた。



「はい、ネタばらし終了。

帰りましょう。」



『あ、はい。』



「今のがねー、私のスキルの【自動照準オートエイム】なんです。

視認した目標に攻撃が絶対命中するんですよ。」



『エドさん。

それ地球の男の子がウキウキではしゃぐチートスキルですよ。

召喚なんか必要ないじゃないですか。』



「それ、側近全員から常々指摘されてました。

地球に来てからラノベを読んで驚きましたよ。

ぶっちゃけ王侯よりも死番の方が適正ありますからね、私。」



『エドさん。』



「あ、はい。」



『貴方を勇者認定します。』



「えー、この歳でですか?」



『だって明らかに向いてるじゃないですか。』



「いや。

勇者になって何をすれば?」



『例えば魔王討伐とか。』



「もうちょっと生産的な仕事を割り振って下さいよ。」



『じゃあ我が国の農村振興とか助言してくれません?

地方に現金収入を増やしたいんですよ。』



「ああ、そっちなら私が一番役に立てると思います。」




そんな話をペチャクチャとしながらボロ家に戻って、2人で野球中継を見てから寝た。

【名前】


遠市・コリンズ・厘



【職業】


神聖教団 大主教

東横キッズ

詐欺師



【称号】


賞金首



【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)


《LV》 17

《HP》 瀕死

《MP》 蜘蛛の糸

《力》  女と小動物なら殴れる

《速度》 小走り不可

《器用》 ライジング・カード!

《魔力》 悪の王器

《知性》 悪魔/ド低能

《精神》 吐き気を催す邪悪

《幸運》 的盧


《経験》 758515


本日取得 0

本日利息 104623


次のレベルまでの必要経験値552195


※レベル18到達まで合計1310710ポイント必要

※キョンの経験値を1と断定

※イノシシの経験値を40と断定

※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定

※クジラの経験値を13000と断定

※経験値計算は全て仮説




【スキル】


「複利」 


※日利17%

下4桁切り上げ 




【所持金】


5万円



【所持品】


全没収




【約束】


 古屋正興     「異世界に飛ばして欲しい。」

 飯田清麿     「結婚式へ出席して欲しい。」

〇         「同年代の友達を作って欲しい。」

          『100倍デーの開催!』

×         「一般回線で異世界の話をするな。」

          『世襲政権の誕生阻止。』

〇後藤響      「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」

          「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」

          「空飛ぶ車を運転します!」

 江本昴流     「後藤響を護って下さい。」

          『遠市王朝の建国阻止。』

×弓長真姫     「二度と女性を殴らないこと!」

×         「女性を大切にして!」   

〇寺之庄煕規    「今度都内でメシでも行きましょう。」

×森芙美香     「我ら三人、生まれ(拒否)」

×中矢遼介     「ホストになったら遼介派に加入してよ。」

          「今度、焼肉でも行こうぜ!」

〇藤田勇作     『日当3万円。』

〇堀田源      「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」

〇山田典弘     「一緒にイケてる動画を撮ろう。」

〇         「お土産を郵送してくれ。」

          「月刊東京の編集長に就任する。」

 楢崎龍虎     「いつかまた、上で会おう!」

×警視庁有志一同  「オマエだけは絶対に逃さん!」

          「オマエだけは絶対に守る!」

×国連人権委員会  「全ての女性が安全で健(以下略)」

〇安宅一冬     「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」

 水岡一郎     「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」

×平原猛人     「殺す。」

          「鹿児島旅行に一緒に行く。」

          「一緒にかすうどんを食べる」

 車坂聖夜Mk-II   「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」

×今井透      「原油価格の引き下げたのんます。」

          「小麦価格の引き下げをお願いします」

〇荒木鉄男     「伊藤教諭の墓参りに行く。」

 鈴木翔      「配信に出演して。」 

×遠藤恭平     「ハーレム製造装置を下さい。」

〇         『子ども食堂を起ち上げます。』

          「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」

〇田名部淳     「全財産を預けさせて下さい!」

          「共に地獄に堕ちましょう。」

 三橋真也     「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」 

〇DJ斬馬      『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』

 金本宇宙     「異世界に飛ばして欲しい。」

 金本聖衣     「同上。」

 金本七感     「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」

〇天空院翔真    「ポンジ勝負で再戦しろ!」

          「再戦するまで勝手に死ぬな。」

〇小牧某      「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」

 阿閉圭祐     「日本国の赤化防止を希望します。」

〇坊門万太郎    「天空院写真集を献納します!」

 宋鳳国      「全人類救済計画に協力します!」

 堀内信彦     『和牛盗難事件を解決します。』

〇内閣国際連絡局  『予算1000億円の確保します』

 毛内敏文     『青森に行きます!』

 神聖LB血盟団   「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」

〇大西竜志     「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」

 坂東信弘     「四国内でのイベント協力」

 国重辰馬     「四国内でのイベント協力」

 涌嶋武彦     「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」

 斑鳩太郎     『処刑免除を保証します。』

 志倉しぃ     「カッコいいホモの人を紹介して下さい。」

〇孝文・j・G   「英国大使館パーティーにて利息支払い」

〇グランツ(英)  「perape-ra!!!!!!!!」

 E・ギャロ     「農政助言」





 金本光戦士    「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」



〇木下樹理奈    「一緒に住ませて」



×松村奈々     「二度と靴は舐めないにゃ♥」

〇         「仲間を売るから私は許して♥」



◎鷹見夜色     「ウ↑チ↓を護って。」

〇         「カノジョさんに挨拶させて。」

〇         「責任をもって養ってくれるんスよね?」



×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」

          「王国の酒…。」

          「表参道のスイーツ…。」 

×         「ポン酢で寿司を喰いに行く。」



 土佐の局     「生まれた子が男子であればリイチ。

          女子であればリコと命名する。」

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― 新着の感想 ―
束の間の平和だよなあ…。 何日でどれだけスキルで殖やせるか…
[良い点] いつの間にか鷹見に◎が付いていた。遡って確認してみたが大したことはしてないように思える。何かの伏線か単なるミスリードを誘っているのか。
[一言] リンの負傷って前回運転手に警棒で殴られたせい? それだけでこんなんなったのか? リンが貧弱すぎるのか、それとも向こうがゴリラなのか どっちにしてもあのゴリラはクビで ところで、 >>参った…
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