【降臨51日目】 所持金1727億2523万0000円 「俺の後塵を拝す栄誉を与えよう。」
朝の気配に目が覚める。
鳴き声こそ聞こえないが、上空で鳥が力強く羽ばたいていた。
物音を立てないように、ゆっくりとテントの中を見渡す。
今朝も後藤の姿はなかった。
傍らの光戦士を起こさないように、気配を殺して外に出て数歩だけ歩く。
「もう少しゆっくり休んで下さいよ。」
背後から声を掛けられる。
相変わらず気配は無い。
『後藤さんこそ、たまには休憩して下さい。
貴方、ずっと動きっ放しでしょ。』
「ゲーム好きな奴って朝から晩までゲームやっとるでしょ?
それと一緒ですよ。」
『楽しんでくれてます?』
「野球よりオモロイです。」
『それはそれは。』
木立の影に2人で座り、後藤の報告を聞く。
どうやら世界的な電子障害が発生していて皆が困っているらしい。
『え!?
ど、どうして犯人が私なんですか!?』
「あ、いやトイチさんに落ち度がある訳やなくてですね…
トイチさんを敵性ホモだと誤認したLBGT勢が一斉に怒りのSNSお気持ち表明を行ったことで、Twitterのサーバーが完全に落ちてしまったらしいのです。
なので、昨夜は世界的にTwitterが使えなかったんですよ。」
『え? え?
申し訳ありません。
仰る意味がわかりません。』
「トイチさんが謝ることないですよ。
貴方は悪くないです。
ただ世論が勝手に不満のぶつけ先をトイチさんに向けただけです。
ちなみにサーバー復旧後もトイチさんを肴にLGBT勢が盛り上がってますね。」
『…Twitterが使えなくなって、やっぱりみんな困りましたか?』
「ええ、皆さん困ったそうですよ。
仕事や勉強に集中出来たり、家族や恋人と団欒出来たり、悪意やポルノから距離を取れましたね。」
『…それっていい事じゃないですか?』
「さあ、その善悪を決めるのは個々ですからね。
悪意やポルノの中毒者からしたら迷惑以外の何者でもないですよ。」
『なるほど。
それは申し訳ない事をしてしまいました。』
「大丈夫大丈夫。
Twitterなんかよりトイチさんの方がオモロイですから。
今日も世界に一笑を授けて下さるんでしょ?」
『本日皆様に授けるのは単なる幸福なので。
まあ、笑いたい方は笑って下さればいいと思いますよ。』
「幸福になったら笑うでしょ?」
『ところが難しい事に、他人の幸福が苦痛で仕方ない人が世の中にはいっぱい居るんですよ。
その精神の在り方を変えるだけで、幾らでも幸福になれるというのに。』
「強く自戒します。」
2人で朝のキャンプ場を散歩する。
後藤響は茫洋とした表情で俺のペースに歩調を合わせていたが、背後10mの距離に居た蛇を一度だけ射殺した。
死骸を振り返りもせずに、ひたすら虚空を油断なく監視し続けていた。
『ドローン盗撮はあり得ますか?』
「…爆殺も覚悟しておいて下さい。
もうそういうステージである事は理解してますよね?」
『そうですね。
もう洒落で済ませて貰える段階は終わってしまいました。』
「トイチさんが異世界に行かれている間、地球ではドローン技術が飛躍的に向上しました。
乗用車程度なら簡単に爆破出来ますし、今回のウクライナ戦争では装甲車やヘリコプターも撃破されてます。
その制御の為のAI技術も相当進歩しました。
精度、かなり高いですよ。
ロシア周辺のみではなく中東でも多くの命がAIドローンに殺されてます。」
『まるで魔法ですね。』
「ええ、極めてコストの低い殺人魔法です。
5万円前後の激安ドローンが戦闘車両ごと訓練された兵士を殺害しておりますので。」
『安すぎないですか?』
「ドローンが? 命が?」
『…。』
「良いも悪いもないんです。
トイチさんが帰って来た地球では、ここまで殺人技術が発達してるんです。
これが現実。
そして暗殺特化のガジェットである以上、矛先がトイチさんに向く可能性も十分考えられます。
それだけは頭に入れておいて下さい。」
『…。』
何のことはない。
俺が異世界でスキルの運用法を試行錯誤していた間、地球人もドローンやAIを使った戦争技術を練磨していたのだ。
自分だけが成長出来るほど世界は甘くはない。
AIを駆使してなろう小説を商業化してしまったヒルダ。
ドローンとトレイルカメラを悪用して俺を監視していた鷹見。
アイツら令和に適応してるよなぁ。
俺もアップデートしなきゃ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺達がテントに戻るとメンバー全員が起床しており、出発も含めた全ての準備が完了していた。
今日の【複利】は寺之庄の指示に従い射出する。
そんなに申し訳の無さそうな顔をしなくて構わない。
どうせ貴方の思慮が正しいのだから。
『本日は特に私の我儘が反映される日です。
皆さんの負担は大きいと思いますが、それ以上に社会へ還元する事を約束します。
出発!』
今朝は七感がキャンピングカーのキッチンで腹持ちの良いミートピラフを作ってくれた。
複利の射出までは存分に走り回れることだろう。
まず湖山池に浮かぶ青島に戻る。
もう、この時点で側道にまで人が溢れていた。
叱責を賜る事を承知で言わせてくれ。
鳥取にこんなに人が居るとは知らなかった。
恋辻占の残数は699個。
俺は車窓から何度も群衆を数えるが…
『計画変更。
全員配布は断念します!
…恋辻占の配布対象は男性のみに絞ります。』
「リン兄ちゃん!
流石にそれはマズいのだ!
雌鶏争鳴する昨今!
男性優遇なんてしちゃったら大炎上間違いなしっすよ!」
『但し男性参加者に配るのは女性参加者のみとする。』
一同が黙る。
この中に馬鹿は一人も居ない。
皆が各々の知力の限りを振り絞ってシミュレートしてくれる。
俺はビジョンを示すだけで良いのだ。
『勿論、無理に使役するつもりはありません。
理念に賛同する女性だけを集めて男性参加者に配らせます。
女性のとりまとめ、七感さんにお願いしていいですか?』
「ええよ。
今、簡単に呼び掛けの台本を書くから、齟齬が無いかだけチェック頼むわ。」
堀内堅造が挙手。
「女性は配るだけ配って、お菓子を食べられないのですか?」
『食べれますよ。
女が《私も食べてみたい》と言えばいいだけなんです。
男が《君も食べてみるか》と呼び掛ければいいだけなんです。』
一同が黙り込んで考え込む。
皆が必死に各々のルートで計算している。
『合コンという単語は使わないように注意して下さい。
あくまで神聖教の神事です。』
金本聖衣が挙手。
「その心は?」
『どうせ合コンを開くんだから…
カップル成立率は少しでも上げたいじゃないですか?』
「君とは10代の頃に逢いたかったわ。」
どうやら合格らしかった。
合コン巧者の浦上も無事に合流したので、早速状況を開始する。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
七感が《女性ボランティア募集》と大書したスケッチブックを持って、手当たり次第に女性参加者へ打診している。
俺は湖山池の東湖畔のオアシスパークに陣取る。
日よけのあるベンチを勧められたが謝絶し、今日も段ボールに座り込む。
俺がベンチに座った場合、面談者は立ったまま応対させられる羽目になる。
その絵面だけは絶対に避けなければならない。
鳥取人が俺の中に羽柴秀吉を見出してしまったら、その時点で一連のイベント構想は破綻するからである。
俺は収奪者であってはならない。
白装束もいい加減薄汚れて来た。
太陽もちゃんと容赦がない。
何の心得も無かったが、気が付くと座禅の様なポーズを取っていた。
異世界で何度か見た肖像画の中の御開祖様は、全てその体勢だったからであろう。
「合コンはせんのか?」
初老の男に声を掛けられる。
信じ難い事にタキシードを着用していた。
生真面目そうな顔つきをしているので、恐らくは真面目にやっているのだろう。
『希望者が居ればしますが。
皆さん素敵な男性ばかりなので、その必要はないと思います。
あれって魅力のない男女がやるものでしょ?』
「ワシは恥を忍んで来た。」
『じゃあ、尚更です。
来て下さった方に恥をかかせたくない。』
「…出会いのない職場でな。」
『職場は労働空間ですので、色恋沙汰が無いのは当たり前です。
最近はセクハラとかも厳しいですからね。
ですが、本日は神事です。
神は愛や恋を肯定するそうですから、縁も多いのではないでしょうか?』
「神事…?」
『経家公及び戦没者の慰霊の為にここに参りました。
供養は終わりましたので、今から丁度直会です。』
「何だ? 結局は宗教の話か?」
『どちらかと言えば祭礼ですね。』
男は釈然としない表情で10秒ほど黙り込んでいたが、「わかった。」と言って去って行った。
この様な遣り取りを何度か繰り返しているうちに、徐々に暗黙の趣旨が伝わり始める。
ナンパのコツはナンパという単語を使わないこと。
コンパのコツはコンパという単語を使わないこと。
徐々に徐々に場の空気が練り上げられていく。
浦上は男性の輪を素早く回りながら、さりげなく本旨を伝えて行く。
七感に着いて来た女は10名。
「能動性の高い人間だけを連れて来た。」
すれ違いざまにそう囁かれる。
この女は受動者が嫌いだ。
きっと自らを助く者のみが救われるべきと考えているのだろう。
神聖教の教義とはやや異なるが、日頃世話になっているこの女の顔を立てたいと思ったので好きにさせる。
恋辻占の残数は700弱。
これだけの人手では、まず行き渡らない。
なので、行き渡らない旨を口上に加えさせる。
10人の女が恋辻占の起原をもっともらしく語りながら、愛想良く男のグループに説明していく。
配布ではなく説明。
勿論、乞われれば惜しげなく恋辻占は配られる。
湖畔に談笑の渦が沸き起こり始めた。
その声色がやや下卑てきた事を確認した瞬間に俺は確信した。
勝利した、と。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
数十人ほどの女が七感に何事かを訴えていた。
ここからでは話の内容は分からないが、「私もクッキーを配らせて欲しい。」とでもせがんでいるのだろう。
当然、2匹目のドジョウが残っている筈もなかった。
配布していた10名の女は満足そうに笑っている。
それぞれが男性グループに囲まれ、仲良く冗談を飛ばし合っていた。
そりゃあね、チヤホヤされて当然だろう。
物を配りに来てくれる女の子なんて男からしたら神様みたいなものだからね。
積極的にボランティアをする子は気立てが良くてオープンに決まってるし、男からすればこんなに話しかけやすい存在はない。
他の女性との対比もあるのか、10名は際立って尊重されていた。
俺が座禅の集中を途切れさせてしまった時には、そんな光景が広がっていた。
安心して瞑目する。
そして2度目の集中断絶。
側には寺之庄が控えていた。
『何か問題が発生しましたか?』
「既にカップルが誕生し始めたよ。」
『直会で結ばれた男女には祝福の儀が授けられる。
そう伝えて下さい。』
「了解。
そんな熱心な宗教活動の最中に恐縮だけど。
近隣の議員さん達が挨拶に来ている。
左側の列。
9人全員議員さん。
下関から疾走して来た人も居るから温かく迎えてあげて。」
『彼らに憲法20条の存在を教えてあげておいて下さい。』
「改正派なんだってさ。」
ああ言えばこう言う奴らだ。
顔を立てる意味でも、寺之庄に名刺を受け取らせる。
俺が名刺を持たない事は既に周知となっているらしく、その点には感謝する。
1人だけ図々しい議員が居た。
最初からカメラマンを同伴しており、挨拶もそこそこに「握手している写真を撮らせて欲しい。」と言いながら手を出して来たのだ。
当然強く拒絶し「猟官者と結ぶ手など無い。」と宣言する。
議員は不思議そうな顔でしばらくこちらを眺めていたが、俺の意志に気づくとモゴモゴ言いながら長州に去った。
丁度良い機会なので残りの8人に踏み絵を迫る。
『今の遣り取り、どちらに非があると思いますか?』
皆が去った議員の非を鳴らす。
『ではその旨を手元のSNSで発信して下さい。
当然相手の実名も出して頂きます。』
個別の挨拶を許すか否かは、文面を見てこちらが判断する。
8人のうちの3人が、如何にも俺に責任転嫁するような「書けと言われたから書きました」というニュアンスの文面で投稿をしたので、5名に命じて追い出させた。
残った5名に自主的にその過程を投稿させてから個別の挨拶を交わしてやる。
この期に及んで「握手の写真」をせがんで来たので、当然挨拶以上は許さず帰らせた。
1人だけ馬鹿ではない者が残ったので、その者とだけ話をした。
「忌憚なく申し上げますと勝馬に乗りたいだけです。
猊下の因幡入りを聞いて本能的に来てしまいました。」
『どちらが馬で、どちらが人でしょうか?』
そう尋ねると、ようやく理解したのか平身低頭して失言を詫びて来た。
俺は生まれてこのかた税金泥棒を人間だと思った事はない。
「何か私でお役に立てる事はありませんか?」
慌ててそう申し出て来たので、浦上に倣うように指示をした。
さっきから浦上は輪に入れない男に積極的に話しかけて、まずは男の輪に入れていた。
『カップルを多く成立させて欲しい。』との俺の願いを聞いて、そう振舞い始めたのだ。
きっとあれは何らかの最適解。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
再び肩を強く揺すられて目覚める。
「トイチ君、時間だ。」
14時55分。
周囲を見渡すと、皆がそれなりに楽しんでいるように見えた。
聞けば幾つかのカップルが成立して、その中の何組かは既に帰宅したそうだ。
成立した14組のカップル達に祝福の儀を授ける。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
1095億0160万0000円
↓
1095億0020万0000円
※良縁祝福御守として神聖札140体を14組に授与。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『カネカネカネカネナンマイダー!!』
俺が叫ぶと、スタッフとカネを受け取った14組が同調し、お調子者や追従者が真似をした。
『カネカネカネカネナンマイダー!!
カネカネカネカネナンマイダー!!
カネカネカネカネナンマイダー!!
カネカネカネカネナンマイダー!!
カネカネカネカネナンマイダー!!』
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
「カネカネカネカネナンマイダー!!」
『カネカネカネカネナンマイダァーッ!!』
「「「「「「「カネカネカネカネナンマイダァーッ!!」」」」」」
よし群衆心理の操作方法は異世界も地球も大して変わらないな。
さあ、作業に向かおう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
堀内信彦に伴われて静かにキャンプに戻る。
既に全車が帰還の上に複利シフトを組み終わっており、俺は田名部達を労いながら4㌧車の荷台に寝転んだ。
心なしか背中に筋肉痛を覚える。
これは身体が俺に送る疲労のシグナル。
流石に走り回り過ぎたか…
元々、大阪以西に顔を出すつもりは無かったのだがな。
気が付くと飛び回っていた。
さあ、吉と出るかな? 凶と出るかな?
大衆には辻占などと嘯きながら、自分の事は何一つ分からない。
正真正銘の詐欺宗教である。
己の卑劣さを自嘲していると、詐欺の本尊が高らかに宣言した。
《704億2503万0000円の配当が支払われました。》
預金も伸びているが、元本が十分貯まったな。
どうしよう、そろそろ預金を打ち切るか。
この資金の規模になってくると、もう一般預金者ではなく、財務当局と調整しなければならないからな。
今から財務省とのパイプ作りを開始して、実際に局長級と面談している頃には、手持ちは数十兆円に達している気がする。
流石にそんな質量を紙幣で保管するのも大変なので、きっと味方の名義で預金していることとなるだろう。
来月は地銀とか買ってそうな気がする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
1095億0020万0000円
↓
4695億0020万0000円
↓
5399億2523万0000円
↓
1799億2523万0000円
↓
1727億2523万0000円
※合計3600億円を預託との報告
※配当704億2503万0000円
※元本3600億円の確認。
※配当用の72億円を別途保管
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
7㌧追加。
もう限界だな。
カネが重すぎて動けない。
「ぷぷぷw
リン兄ちゃん昔話の悪い金持ちに一歩ずつ近づいているのだw
現代の湖山長者ww」
『否定はしない。
人類は自らの欲望に押し潰されて滅ぶだろう。』
「…他人事みたいに言うななのだ。」
まずは4㌧車の伊地知、2㌧車の沢下を先行させる。
そして残りを坊門総業のキャンピングカーと田名部のハイエースに積む。
『田名部さん。
運送費に1億払いましょうか?』
「報酬は嬉しいのですが、もっとコアな活躍をさせて下さい!
猊下に単なる運び屋とは思われたくないんです!」
『そうですね。
大変失礼しました。』
「とは言え、現時点の私に出来る事って少ないんですよね。
元々節税スキームを売っていた人間ですので。
猊下は節税に興味ないでしょ?」
『基本的に言い値で払うつもりでおりますので。
財務省さんに全額寄越せと言われたら、普通に有り金を全て渡すんじゃないですか?』
「何か私に出来る事はありませんか?」
『そう仰って頂けている時点で、既に助かってますよ。
忌憚なく申し上げますが…
私には味方が少ないんです。
なので、ずっと私の側に寄り添って下さる方が居られるだけでもありがたい。
現に田名部さんには大阪との連絡を一任しているでしょう?
貴方が居なければ、私は西日本を回れませんでした。
これからも私の味方で居て下さると嬉しいです。』
田名部は照れたような表情で頭をかく。
出逢ったその日に妻子を捨てて全ベットしてきた男。
粗略に出来る筈がない、つもりも毛頭ない。
アルファード大西が近隣でウロウロしていたので招集する。
到着までの間、湖山池に戻りイベントの事後処理。
青島に渡り管理棟のお兄さんに礼を述べる。
大量の野次馬が押し寄せて大変だったらしい。
「元々、鳥取の商工会が県内各地で勉強会を開いていたんです。
色々な場所で開催して、その中で湖山池を本当に気に入ったから…
頑張って自然公園の青島にこのグランピング施設を起ち上げたんです。
賭けてもいいですが、ここが最高の特等席ですよ。」
詫びる俺に微笑んでからお兄さんは池に目線を向けて眺めていた。
何せ日本一の池である。
良い思い出になった。
『私に下る天罰は湖山長者の比ではないと思います。
結果として日本一の座を奪ってしまう事でしょう。
その点だけ申し訳なく感じております。』
何がおかしいのかお兄さんはずっと笑い転げていた。
さらば湖山長者。
君には俺の後塵を拝す栄誉を与えよう。
一礼して去る。
青島から掛かる橋を渡っていると、今日の参加者が何人か待ち構えていて礼を述べられる。
特に成立したカップルは本当に楽しそうな表情をしていた。
大西のアルファードが到着したので、乗り込もうとすると背後から呼び止められた。
朝のタキシードおじさんである。
「結局、誰からも相手にされなんだ!」
『それは残念です。』
「でも、そりゃあ当然の結果だ!
君の振舞を今日1日見学させて貰ーて…
如何に自分本位な人間だったかを思い知らされた。
ええ年をして、自分のことしか見えとらなんだんだ!
51年生きてきて…
ほんに何も分かっとらなんだ。」
『…今から帰りますが、一緒に来られますか?
貴方の為に宿を割り当てますよ?』
タキシードおじさんは数秒目を見開いていたが、「その車両を追走する。」と言ってアルトを回して来た。
車両の性能が違い過ぎるので大西と連絡先を交換させる。
『あの人も遊びに連れて行ってあげて下さいよ。』
「いや、トイチ君にやれ言われたら従うけど。
あの人、何者なん?」
『さあ。
お堅い仕事に就いている人なんじゃないですか?
真面目そうな雰囲気でしたし。
じゃあ、行きましょうか。』
「ん?
トイチ君。
向こうから必死で走って来る人達がおるけど…
あの人達はどうするの?」
振り返ると昨日の公安っぽい男がアルファードに駆け寄って来る。
一緒に走って来ているのが近隣に潜伏していた上司なのだろう。
予想通り、典型的なパワハラ顔をしている。
「あの…
上司を連れて来たのですが…」
「初めまして、遠市猊下。
私はこの者の上司で…」
『申し訳ありませんが、今から大阪まで走ります。
用件があれば追走して来て下さい。』
言い終わる前に上司氏が凄いパワハラ顔で部下を睨み付ける。
俺の世代の前でそういう素振りはやめた方がいいと思うんだがなあ。
大西に頼んでアルファードの窓を味方車列に向けて貰った。
『それでは帰還します!
中継地の大阪で数日の補給を行った後、東海道経由で関東に戻ります。
…全車発進!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【遠市キャラバン】 大阪帰還チーム
遠市厘 (宗教家)
大西竜志 (DQN)
後藤響 (配達員)
寺之庄煕規 (大学生)
金本光戦士 (配信者)
金本七感 (漫画家)
金本聖衣 (製菓業)
室野哲也 (パテシエ)
堀内堅造 (元猟師)
浦上衛 (工務店経営)
国重辰馬 (TV局経営)
タキシードおじ (不明)
※公安っぽい人達が車列の最後尾を追走。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アルファードの中で大西と猥談で盛り上がる。
昨日は境港まで遊びに行って来たらしい。
「米子はソープがいっぱいあって良かった!」
『それはそれは。』
「パネマジがそんなに酷くないのが良かった!」
『それはそれは。』
俺があまり風俗用語を理解していなかったので、大西がアレコレ教えてくれる。
この男なりに俺を気遣っているつもりらしい。
「トイチ君はホモなのか?
噂になっとるぞ。」
『ホモも何も、そもそも妻帯者ですしね。』
「ルナルナの話?」
『アイツはあくまで妾なので。
本妻ではないですね。』
「ルナルナ頑張っとるんやけん、もっと大切にしたれよ!」
『アイツの頑張りって、全て私を苦しめる方向ですからね。
あそこまで私を苦しめる存在って、妻と母と木下とアイツくらいですよ。』
「結構、敵が多いね。」
『上手く潰し合ってくれると助かるんですけどね。』
そんな話をしながら、21時30分に箕面の拠点に到着。
塩崎夫妻と再会を喜び合ってから宿割を行う。
金本一族は千林に帰還。
後藤にも実家への帰宅を勧めたが、無言で公安車両を見つめ続けている。
俺には愛想良く返答してくれるが、目線は一切切らない。
そして掌中にはゴルフボール。
こういう男なのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「トイチ君。
猫先生から通話申請来てるけどどうする?」
俺がベッドで休んでいると寺之庄に声を掛けられる。
『今日くらいはゆっくりしたいのですがね。』
「何か大事な話があるそうだよ。」
『…じゃあ、5分だけ。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【嘘じゃボケww】 イーロン・マスク様大変申し訳御座いませんでした [雑談]
※この配信では「たぬきの葉っぱ」で匿名コメントができます
「どうもー。
夜猫@の夜更かし担当!
相模の獅子ッ!!
ルナルナ@貫通済でーーす!!!
この配信は日本語onlyです!
japanese onry!!
ok!?
ガイジンはコメント禁止ね。
せめて翻訳アプリで日本語訳してから投稿する可愛げを見せろ❤」
「こニャニャちニャー♪
夜猫@の百合猫営業担当!
仰げば尊と恩師ッ!
奈々ちゃんでーーす!!!
はい!
本日は謝罪会見でーーす!!
全身全霊謝りますニャ―♪」
「はい!
という訳で。
イーロン見てるぅー↑?
死ねカス!!」
「今日は謝罪ニャ!!!」
「いやー、これ全世界が知ってることだけどさ。
発狂して全世界にレスバ仕掛けまくってるイーロンの奴がウ↑チ↓のアカウントにも粘着して来やがったからさ。
売り言葉に買い言葉っていうの?
思わずエスカレートしちゃったね。」
「あれはお姉様に粘着というより、トイチを出せってニュアンスだったニャ。」
「うん、それっぽい事言ってたな。
要はダーリン様に謝罪会見を開かせたいんだろ?
アイツ、ブチ切れモードでこっちの言い分聞きやしない。」
「半日サーバーを落とされた訳だからニャ。
それで自分達が排除されたと誤解したLBGT勢が一斉にイーロンを攻撃したから…
まあ仕方ないニャ。」
「何?
結局、イーロンはダーリン様がホモ軍団のトップだと誤認してるの?
どう見ても違うだろうが。」
「あの慇懃無礼な物腰はアメリカ人から見てホモっぽく見えるらしいニャ。」
「ウ↑チ↓に言わせるとダーリン様のあの受け答えは煽ってるようにしか見えないのだがな。」
「流石にそこまで英訳不可能ニャンじゃない?
それにあのタイミング。
見ようによってはトイチがサーバー攻撃させたようにも見えるニャ。
イルベの屑共が便乗してF5アタックマニュアルを全世界に配布するし。」
「はい次の病身。」
「ああ、まーたイーロンが糞リプ付けてきたニャ。
《トイチが謝罪しなければTwitterに重大な仕様変更を行う!》
だってニャ。
どうするニャ―?」
「いやあ、そうは言われてもな。
まあいいや。
一応ダーリン様に連絡してくれ。
一旦作戦会議しよう。」
「アイツ素直に出るかニャー。
駄目元で通話申請をメッセで送って…
アポを取った体で、追い打ちコールするニャ。
あ、出たニャ。
もしもし、糞トイチとは対照的なイケメンの寺之庄君♪
うーん、イケメンちゅきちゅき♥
奈々ちゃんのアンダー門戸はいつでも開かれてるニャ!」
「ご無沙汰しております。
寺之庄です。」
「ああ、寺之庄君♡
久し振りぃ~♡
ねえ♪ 今度、お姉さんと飲みに行かない?」
「何か御用でしょうか?」
「くーーーーーー♪
デュフフフ♥
イケメンの塩対応ゾクゾクするニャ❤
本日は重大な話があるニャ!!
では、イケメン君♪
選ばせてやるニャ❤
チンポかトイチ、好きな方を出せニャ!」
「猊下に確認を取ります。」
「やったぜニャ!」
「奈々、アンタさっきまで散々ウ↑チ↓だけだって言ってた癖に。」
「うるせえ!
チ●ポも付いてねえ分際で彼氏面するニャ!!」
「…この女、毎秒掌返しするからな。」
『あ、あ、あ。
ヒロノリさん、これもう繋がってるんですか?』
「おうトイチーーー!!!!
ニャンニャンニャニャ―――ン!!!!」
『うわキッショ。
急に大声出さないで下さいよ。』
「恩師に向かってキショいとは何事ニャーーー!!!
そう言えばオマエ、今週の恩師料金が未払いニャーーー!!!
延滞金払えニャーーー!!!!
後、寺之庄君とサシ飲みのセッティングオニャシャス!
ちょとチンポに飢えてるのニャ!
奈々ちゃんのニャンニャン攻撃でイケメン君をモノにしたいニャ!!!」
『…いや、ヒロノリさんは私のものですし。』
「え?
オマっ…
え? ヤッタの?
ホモ?」
『いや、そういうのではなく。
親御さんに許可を取っただけですよ。』
「うおおおお!!!!!
親公認ホモ!!!!!
お、オマエ凄いニャ!!!!
悪い意味で凄いニャ!!!」
『いや、ホモセクシャル的な意味ではなく。
単にずっと一緒に居ると決めただけですよ。』
「オマ、オマ、オマ!
空気読めニャーーーーーーー!!!
このホモ騒動の最中に…
そんニャテンプレホモ台詞言っていいと思ってんのニャ?
何でオマエは空気読めニャいの?
馬鹿なの?アホなの?何で我が校にはひまわり学級が無かったの?」
『何故か騒動になってるみたいで恐縮です。』
「何故かじゃニャーーーーー!!!!」
『あの、用事が終わったなら切りますよ?
先生と違って私は忙しいので。』
「オマエの所為で奈々ちゃんは大変だったニャーー!!!!
イーロン・マスク宛てに謝罪文50ツイートさせられたニャーー!!!」
『へー。
じゃ、私はこれで。』
「オマエには人の心が無いニャーーーー!!!!
ルナお姉様、何とか言ってやって!!!」
「ウ↑チ↓が言いたいこと、奈々が全部言っちゃったからな。
ずっと逢えない恨み言しか残ってないぞ?」
「Lesson2!
鬱を悟られるニャ!」
「はいはい。
明るく振舞えばいいんだろ。
…ダーリン様、どもっス。」
『おう鷹見、昨日は大変だったみたいだな。』
「…そっスね。」
『なあ、ひょっとして怒ってる?』
「全然逢えないから辛いだけっスよ。」
『毎回通話してるからいいじゃないか。』
「厳密に言えば通話ではなく公開配信なんスけどね。
奈々のメッセージに書いてなかったっスか?」
『えー、また配信かよ。
オマエ、そういう事は最初に言えよな。』
「うっかり忘れてたニャ♪
トイチが恩師料金を払い忘れたお仕置きニャ!」
『先生、本当に勘弁して下さい。
例によってこの会話…
日本中に聞かれてる訳ですね?』
「世界中っス。」
「世界中ニャ♪」
『マジかー。』
「マジっス。」
「マジだニャ!」
『まあいいや。
何の用ですか?』
「今、イーロンが怒り狂ってて。
その矛先がダーリン様に向いてるんスよ。」
『は?
いーろ…? 誰?』
「イーロン・マスクだニャ。」
『え? 電気自動車の人が何で私に?』
「オメーが異世界に行ってた間に奴はTwitterを買収したニャ。」
『へー。』
「で、昨日オメーの所為で自社のサーバーが落とされたと思い込んで怒り狂ってるニャ。
トイチが謝罪会見を開かなければ、Twitterに重大な仕様変更を行う、って宣言してるニャ。」
『いやー、私に言われても。
変えたければ勝手に変えればいいんじゃないですか?
彼の会社になったんですよね?』
「テック企業の仕様変更って、得てしてユーザーにとっての改悪ニャ。
キモオタエンジニアのキモキモセンスを押し付ける改悪祭ニャ!
WindowsはXPに戻せニャーーーー!!!!」
『はあ。』
「形式的でもいいから謝罪会見開けニャ!!!」
『そうは仰られましても…
謝る筋合いがないですからね。
それはちょっと納得出来ないかな?
…謝罪は拒否すると皆様にお伝え下さい。』
「ダーリン様の毅然とした態度素敵♥」
「Lesson1、男に期待はするニャ。」
『じゃあ二人共、忙しいから切るぞ?』
「話はこれからニャー!」
『えー、まだ続くんですか?』
「ダーリン様、問題の根本はダーリン様がホモだと誤解されてる点だと思うんです。」
『なるほど。』
「誤解なんスよね!?」
『俺はヘテロだよ。
さっきも夜遊びの話、聞かせて貰ってたし。』
「はい、ギルティ。」
「はい、死刑ニャ。」
『ええ!?』
「正規の妾であるウチの前で夜遊びとは何事っスか!」
『そういうの好きなオジサンが居るんだよ。』
「…ダーリン様の性欲は男ではなく女に向かうんスね!?」
「ここ、重要だニャー!」
『だから、普通に女の事しか考えてないって。』
「本当かニャー?
隠れホモシタンは全員そういうニャ!」
『ホントホント。
学校行ってた時も
先生の話題で盛り上がってましたし。』
「え、どんニャ?」
『いや、松村先生は腰が軽そうだから。
頼めばヤラせてくれるんじゃないかなと。』
「テメーら恩師様をそんな目で見てたのニャー!」
「ダーリン様! ウ↑チ↓は! ? ウ↑チ↓は!?」
『…怖かった。』
「答えになってねー!」
『今だから言えるけど。
俺、校門でオマエに肩パンされた事あるしな。』
「ええ!?
ウ↑チ↓、そんな酷い事しないっスよー。」
『いや、オマエ結構してるぞ。』
「してるニャ。」
「えー。 そんな事あったかなあ?」
「Lesson3。
記憶を信じろニャ」
『じゃあ、オチが付いたので私はこれで。』
「ホモ論争はどうするニャ!?」
『論争も何も、私はヘテロですからね。
コメントや謝罪のしようがないです。』
「ダーリン様!
ウ↑チ↓、脱ぎまーす!!
これで生配信セックスすればホモじゃないって証明出来ます!」
「垢BANされるからやめろニャー!」
『え?え?え?
カメラ、もう切ったの!?
え?え?え?』
「全裸ぁーー!!!!」
「三橋!!
アレをやれニャ!!」
「了解ッ!
オートエイム・モザイク・システム起動ッ!!」
「冷静に考えたらAVでも全裸はやった事なかったわ。」
「冷静な女は脱がないのでは?(名推理)」
『えっと、ゴメン。
俺、話の流れについていけなくて。
え? 何?
どういうリアクションが求められてるの?』
「ダーリン様がウ↑チ↓を愛しているのなら、この全裸を見て発情出来る筈です!」
「例えモザイク越しと言えど、ノンケ反応が発動する筈ニャ。」
『えー、参ったなあ。
いや、まさかカメラの前で全裸になる人が居るなんて…
そもそも想定してない訳じゃない。
えー、いやー、何て言ったらいいんだろう。
先生、貴方からも何とか言って下さいよ。』
「…オマエのLGBTスタンスを宣言しない限り収拾はつかないニャ?」
『ああ、まあ、そうなんですかね。
えー、この配信を御覧の皆さん。
色々と物議を醸しているそうですが…
私は同性愛者ではありません。
そもそも妻子ある身です。
なので、LGBT的な運動には加盟しません。
そして特に賛同をする予定もありません。
鷹見が不躾な発言をしたのだと推察します。
その点について本人に代わり深く謝罪します。
先生、こんなもので宜しいですか?』
「今、英訳拡散してるから待ってろニャ。」
『あ、ども。』
「《妻子が居るという証拠を見せろ》
ってコメントが殺到してるけどどうするニャ?」
『ああ、それは捨てました。』
「え?」
「え?」
『じゃあ、私は忙しいのでこれで。』
「ま、待てニャー!!!!
今の発言はマズいニャー!!!」
「うおっ!
再炎上来たッス!!」
『え? え? え?』
「妻子捨てたはコンプラ的に…
うわあ、早速各界の論客がお気持ち表明を開始してるニャ!!」
『え? え? え?』
「ダーリン様、Twitter荒らすのはマズいッスよ。
今やイーロンは世界一の大富豪ッスからね。
流石に刺激するのはヤバいです。」
『結果として俺が世界一の座を奪ってしまうだろう。
その点だけオマエから詫びておいてくれ。』
「え? ダーリン様、それはどういう?」
『俺の後塵を拝す栄誉をくれてやる。
それだけの話だ。』
「え? え? え?」
『あ、ここから個人的に1ついいか?』
「え? あ、はい。」
『四国・中国を回ってる時にな?
オマエやヒルダの分の土産を買ったんだ。
送りたいから住所をヒロノリさんのDMに頼む。』
「え? ダーリン様ってそういう気遣いするんですか?」
「オメー、たまに健常入るニャ。」
『じゃあ、女達で仲良く分配しておいてくれ。
おやすみ、あんまり夜更かしするなよ。』
(ガチャッ)
「ダーリン様…
女同士が仲良く分配する訳ねーっつーの。」
「っていうかアイツ、奈々ちゃん達のユニット名知らない可能性あるニャ。」
「ウ↑チ↓は夜更かし担当だっつーの!」
「それにしても奴は年々キチガイ指数が上昇していくニャ。
昔はもうちょっと…
いや、昔から脳味噌ひまわり学級だったけど。」
「えっと、じゃあ改めて告知しておく?」
「何がニャ?」
「いや、ダーリン様が非ホモを宣言した訳じゃない。」
「志倉ぁ、まだTwitterアカウントは凍結されてないニャ?」
「はい、全アカウントがグリーンです!」
「さっきのトイチのLGBT関連発言、要約してtweetしていおいてやれニャ。」
「了解!」
「これで少しはダーリン様へのヘイトがマシになるかなあ?」
「…妻子を捨てた奴へのヘイトが収まる訳ないニャ。
あの何の後ろめたさも無い表情。
アイツ、ヤバ過ぎニャ。」
「だから別れろって話?」
「でも、カネは持ってるんだよニャー。
そこがお姉様に強く言えない点なんだよニャー。」
「ウ↑チ↓ねえ。
ダーリン様が無一文でも惚れたままだと思う。」
「Lesson5、冷却期間こそが最短の恋路ニャ。」
「うーーーん。
樹理奈も言ってたけどさあ。
最高の価値があるって確信のあるモノは手放せないなぁ。」
「アイツは難ありすぎニャ。」
「現に、ウ↑チ↓は多少の難があっても最高の女を手放してない訳だからなぁ。」
「トゥンク♥」
「まあいいや。
ダーリン様は関東に帰って来るみたいだし。
イベントスケジュールこなしながら待とう。
Twitter、ようつべは極力温存したいから、今後は穏健路線で。」
「全裸で配信しといてコイツ何言ってるニャ?」
「モザイク掛かってるからいいじゃん。
同接伸びてるしさぁ。」
「やっぱりポルノは強いニャ。
アラビア語での応援書き込みも増えてきたし。」
「だな。
後、歌コンテンツの充実が地味に効いてきたわ。
楽曲提供のボトムズさんからお中元来てたしな。」
「ああ、再生数爆伸したから。
歌は地味にカネになるニャ。」
「えっと。
歌唱枠、もう今の配信と繋げちゃう?」
「ふーーーむ、確かにわざわざ配信枠を取り直すのはロスだニャ。」
「今日って、何の歌だったっけ。」
「メスガキ太鼓。」
「アレのダンス難しすぎだろ。」
「じゃあ、《オマエの旦那は私でシコった!》で。」
「うん、あっちの振り付けは全部マスターしてる。」
「じゃあ、モザイク掛かってるし、奈々ちゃんもここで着替えるニャ。」
「これでBANされたら爆笑だな。」
「余生はトイチにたかって静かに暮らすニャ。」
「おお、奈々人気凄いな。
オマエが着替えだしたら、一気にコメント増えたぞ。」
「ナイスバディニャ♥」
「ふー。
じゃあ、今日も派手に歌いますか。
おう、オマエラ。
ハケたら全員で飲みに行くぞ!」
「「「「「「はい!!」」」」」」
「お着替え完了~♡」
「よーし、じゃあ歌いますか。」
「それでは今夜のナンバーは!
作詞作曲・蒼き流星ボトムズ様!
《オマエの旦那は私でシコった! 原詩ver》
秋野かえで様の歌唱をカバーさせて頂きますニャ!
ミュージックスタートニャ!!」
(前奏)
夜 「おやおや先輩、なんですかその菩薩のような笑顔は
もしかして効いてないアピールのつもりですか?
状況を理解出来てないようなのでもう一度一から説明しますね。
実は今わたし、恥ずかしながら人気声優になっちゃってるんです。」
猫 「いやいやマジです、これに関しては嘘松ではありません
まあエロ限定とは言え、私はガチのマジで人気声優なんです
いやいやマジです、ストーカーとかキモリプとか毎日です
DMにチ〇コ画像がしょっちゅう送られてきます。」
鷹 「おわかりですか先輩。
まず大前提として私は今人気声優なんです。」
猫 「それを踏まえて、この自分語りなのです
積年の恩讐を越えて、今高らかに宣言しましょう。」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!
らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」」
夜 「セイヤッ!」
猫 「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!」」
猫 「おやおやおバカさんですか?
この事態の深刻さが理解出来てないようですね
先輩貴女が自慢し続けて来たイケメン旦那が
私のエロ配信でシコってることが判明したのです。」
夜 「何かの間違いではありませんよ
私、貴女の住所もIPもwifiも全部暗記してますから
旦那さんが私の欲しいもの乞食に応えてくれた瞬間
直ちに本人特定しちゃいました。」
猫 「思えば苦節数十年。
幼い頃から貴女は散々私を護ってくれましたね
嫌われ者の私に優しくしてくれたのは貴女だけでした
給食費が盗まれた時、一人で私を庇ってくれましたね。」
夜 「親すら祝ってくれない誕生日に焼いてくれたケーキは
止まらない涙で味がわかりませんでした。
誰からも誘われない夏休み、連れていってくれた市民プール
私にとって唯一楽しい夏の思い出です。」
猫 「歳も大して離れてないのに、母より強く抱きしめてくれて
クズしか居ない田舎の中で、一人私にも話しかけてくれて
いつもいつもそうやって私を照らし続けて…
そんな貴女が堪らなく憎かった。」
夜 「美人を鼻に掛けてないことを鼻に掛けてますよね?
その態度がどれだけ私の心を叩き続けてきたことか!
私がキモメンに告られた時、「おに」って言いかけましたよね?
それが貴女の本音なんですよね? お似合いって思ったんですよね?」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!」」
夜 「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」
猫 「セイヤッ!」
両 「「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!」」
夜 「大体先輩貴女はずるいんです。
みんなで劇をする時、貴女が必ずお姫様役に選ばれますよね?
困った表情で俯く貴女はまるで本物のお姫様でしたよ
ああ、地元の特産が林檎だったら継母役をやってあげたのに!」
猫 「この歳になって流石に貴女の魂胆は読めるようになりましたよ!
お姫様にとって最下層女はさぞかし便利な免罪符だったでしょうね
情けを掛けて私を篭絡すれば
ポリコレカードバトルを有利に戦えるとか思ってましたか?」
両 「「甘い、あまりにも甘いですね
貴女の魂胆は全てお見通しです。
真実を信じて救われるくらいなら
被害妄想を前提に破滅する所存です。」」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!」」
夜 「リア充陽キャの貴女には一生わからんでしょうが
今や私は声優の称号を手に入れました。
現代チー牛文明における最高峰身分と言っても過言ではないでしょう!
刮目せよっ もはや昨日までの私じゃない!」
猫 「声優がどれくらい凄いか説明してやろう
まず私より不人気の下位互換ちゃんにもストーカーが付く!
リアルイベントに出演しようものなら地獄だ
白いジャムとか電波を発するヌイグルミが贈られる」
両 「「思い知ったか、いつまでもあの頃の私じゃないんだ!
毎週チンポ画像がDMで送られてくる
月に一回Twitterが炎上して2ちゃんねるではいつも叩かれる
先輩、私はようやくここまで辿り着きました!」」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!」」
猫 「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」
夜 「「セイヤッ! 」」
両 「「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!
オマエの旦那は私でシコった!
オマエの旦那は私でシコった!
オマエの旦那は私でシコった!」」
夜 「ようやく貴女の背中が見えました!
私はこの修羅道をこれからも邁進します!
そこらのバカ女のシコらせたい欲とは違うのです
私はただ貴女と同じ場所に立ちたかった!」
猫 「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」
夜 「セイヤッ!」
両 「「らら らんらら らんらら らいらーい!
らら らんらら らんらら らいらーい!」」
両 「「オマエの旦那は私でシコった!
オマエの旦那は私でシコった!
オマエの旦那は私でシコった!
オマエの旦那は私でシコった!」」
両 「「オマエの旦那は私でシコったッああああああ!!!!!」」
【この配信は終了しました】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ようやく女共の無駄話から解放されたので、公安っぽい人達の挨拶を改めて受ける事が出来た。
『大変お待たせしました。
まさかここまで長引くとは。』
「いえいえ!
奥様(?)との時間は大切になさって下さい。
では、早速我々についてですね。」
『ああ、失礼。
その前にスタッフを同席させて下さい。』
「え? はい。」
『ヒロノリさん、同意頂けました。
入って貰って下さい。』
「…。」
「え? こちらは?」
『紹介します。
防諜関連のアドバイザーをお願いしている小牧氏です。』
「…小牧です。
内閣国際連絡局から出向している形になります。」
「…あ!」
『では、早速。
話を進めて行きましょう。』
「あ、いや!
ちょっと待って下さい!
他局の同席は想定しておらず!
…私の一存では。
大至急上司に確認を取らせて頂いて宜しいでしょうか!?」
『ええ、急かしませんので、会議は明日でも構いませんよ。
お2人の宿所には食料を運ばせておきました。
ご自由にお使い下さい。』
公安っぽい2人は小牧を睨みつけてから足早に立ち去る。
『小牧さん。
都合の良い時だけ呼び出して申し訳ありません。』
「気にしなくていいよ。
財務省さんよりかは配慮してくれてるから。」
『私には官歴も軍歴もないので、行政とはこの様に接していくつもりです。』
「コスパはいいけど、恨みを買うぞ?」
『どのみち短期決戦のつもりでありますからね。
今の霞が関は《注視》してくれているんですよね?』
「流石だね。
いい読みをしている。」
『さっきの2人は公安庁さんですか?』
「ああ、それも経済安全保障担当。
あの2人とはね、以前に外国資本等による重要施設等周辺での不動産取得への対策会議でチームを組んだ事があるんだ。
かなり優秀だよ。
君には随分振り回されてるみたいだけど。」
『だってアポなしで来るんですもの。』
「仕方ないだろう。
君には住所もスマホも無いんだから。」
『…はい、まあ私の落ち度(?)ですね。
それにしても、どうして彼らが私に?』
「君が英国を滅ぼそうとしているからだ。」
『?
英国って、イギリスの英国?』
「そのキョトンとした表情、彼らの前で絶対にしちゃ駄目だよ。
これ以上刺激したくないから。」
『え? え? え?』
「ビッグベンの鐘の声 諸行無常の響きあり。
ユニオンジャックの旗の色、盛者必衰の理をあらはす。
ブリかす人も久からず、ただ霧の夜の夢のごとし。
狡き者も遂には滅びぬ、偏にカネの前の人におなじ。」
『え? え? え?』
「イギリス、破綻するよ。」
『へー。』
「勿論、君の所為でね。」
…なんでもかんでも俺の所為にするのはやめて欲しいなあ。
まあ、きっと俺の所為なんだろうけどさ。
【名前】
遠市・コリンズ・厘
【職業】
神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師
【称号】
女の敵
【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)
《LV》 15
《HP》 左頬骨亀裂骨折
《MP》 万全
《力》 女と小動物なら殴れる
《速度》 小走り不可
《器用》 ライジング・カード!
《魔力》 悪の王器
《知性》 悪魔
《精神》 吐き気を催す邪悪
《幸運》 的盧
《経験》 179550
本日取得 0
本日利息 22050
次のレベルまでの必要経験値148120
※レベル16到達まで合計327670ポイント必要
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説
【スキル】
「複利」
※日利15%
下4桁切り上げ
【所持金】
1727億2523万0000円
【所持品】
jet病みパーカー
エモやんシャツ
エモやんデニム
エモやんシューズ
エモやんリュック
エモやんアンダーシャツ
寺之庄コインケース
奇跡箱
コンサル看板
荒木のカバン
天空院翔真写真集vol.4
白装束
【約束】
古屋正興 「異世界に飛ばして欲しい。」
飯田清麿 「結婚式へ出席して欲しい。」
〇 「同年代の友達を作って欲しい。」
『100倍デーの開催!』
× 「一般回線で異世界の話をするな。」
『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響 「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
「空飛ぶ車を運転します!」
江本昴流 「後藤響を護って下さい。」
『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫 「二度と女性を殴らないこと!」
× 「女性を大切にして!」
〇寺之庄煕規 「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香 「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介 「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作 『日当3万円。』
〇堀田源 「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘 「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇 「お土産を郵送してくれ。」
「月刊東京の編集長に就任する。」
楢崎龍虎 「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同 「オマエだけは絶対に逃さん!」
「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会 「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬 「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
水岡一郎 「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人 「殺す。」
「鹿児島旅行に一緒に行く。」
「一緒にかすうどんを食べる」
車坂聖夜Mk-II 「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
今井透 「原油価格の引き下げたのんます。」
〇荒木鉄男 「伊藤教諭の墓参りに行く。」
鈴木翔 「配信に出演して。」
×遠藤恭平 「ハーレム製造装置を下さい。」
〇 『子ども食堂を起ち上げます。』
〇田名部淳 「全財産を預けさせて下さい!」
三橋真也 「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」
〇DJ斬馬 『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
金本宇宙 「異世界に飛ばして欲しい。」
金本聖衣 「同上。」
金本七感 「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
天空院翔真 「ポンジ勝負で再戦しろ!」
〇小牧某 「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
阿閉圭祐 「日本国の赤化防止を希望します。」
坊門万太郎 「天空院写真集を献納します!」
宋鳳国 「全人類救済計画に協力します!」
堀内信彦 『和牛盗難事件を解決します。』
〇内閣国際連絡局 『予算1000億円の確保します』
毛内敏文 『青森に行きます!』
神聖LB血盟団 「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」
〇大西竜志 「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」
坂東信弘 「四国内でのイベント協力」
国重辰馬 「四国内でのイベント協力」
涌嶋武彦 「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」
〇木下樹理奈 「一緒に住ませて」
×松村奈々 「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇 「仲間を売るから私は許して♥」
◎鷹見夜色 「ウ↑チ↓を護って。」
〇 「カノジョさんに挨拶させて。」
〇 「責任をもって養ってくれるんスよね?」
×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
「王国の酒…。」
「表参道のスイーツ…。」
× 「ポン酢で寿司を喰いに行く。」
土佐の局 「生まれた子が男子であればリイチ。
女子であればリコと命名する。」