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【転移16日目】 所持金9560万ウェン 「絶対この世界滅ぶだろ。可哀想に、同情するよ。」

朝。

コレットに起こされカウンターに向かう。



『ふわぁああ。

おはようございます。

早朝から起こすのやめて下さいよ。』



「君、女房子供を朝から働かせて…

自分はのんびり朝寝かね…

それはよくないと思うぞ。」



どうやら行商人のキーン氏が俺を呼びつけたらしい。

接客業って、客の都合で動かされるから辛いよな。



『わかります。

男として最低ですよね。』



時計を見ると早朝8時。

おいおいおい。

アンタには常識ってものがないのか?

幾ら宿屋でも早朝に叩き起こすなんて酷いぞ。



「朝食は無理なのかい?

前に出張に来た時は旨い飯を食わせて貰った記憶があるのだが。」



ゴメン。

その旨い飯とやらは、俺が独占させて貰うことにしたよ。



『スイマセン。

食堂もあったんですけど。

ポーション置き場に指定されちゃって。』



「ああ、ここは王都だから。

城壁の内側だと特に拒否とか難しいんだろうねえ。」



『ええ。

有無を言わさず設置されちゃいました。』



「ご愁傷様。

この辺でおススメの飯屋ある?」



『あ、じゃあ。

御一緒しますよ。』



俺は近所の朝粥カフェにキーンを連れて行く。

特に会話が思いつかないので、2人で目に付いた物を順に注文していく。

恐らくカネ回りが良い男なのだろう。

俺同様、そんなに値札を見ていない。



「聞いたよ~。

コリンズ君、かなりの猛者なんだって?」



『猛者?

俺がですか?』



「はははw

誤魔化さなくていいって。

1日に100匹以上を駆除した豪傑が王都に居るって聞いてさ。

会ってみたいと思ってたんだ。

まさか自分が泊まる宿屋のカウンターに立ってるなんて夢にも思わないじゃないw」



『ああ、そういう話がもう回っちゃってるんですね。』



「農協じゃ、その噂で持ちきりだったよ。

炸裂少年リンww

君の影響で炸裂弾の売上が何倍にもなったって評判だよw」



『いやあ、お恥ずかしい限りです。』



「あのね、頼みがあるんだけど。

護衛を依頼出来ないかな?」



護衛?

俺が?

オイオイオイ。

ああいうのって、冒険者とか傭兵とか、そういう強い男に頼むもんだろ?



『いやいやいや。

見ての通り、昔から俺は腕が全然で。

自分の身を護ることすら必死なんで、とてもじゃありませんが人様を護るなんて…』



「えー、でも。

レッドウルフを一突きで殺したって聞いたよ?

顔の傷とか手首のテーピングとか、如何にも戦い慣れてるみたいだし。」



『いやいやいや。

あれはあくまでトドメを譲って貰っただけですよ。

それに顔の傷だって兎相手に一方的にボコられただけです。』



「ふふふふw

手練れは全員そうやって謙遜するんだ。

思い出した、君が特別個体の巨大なホーンラビットを仕留めた話!

流血を意に介さず、首ごと農協に持ち帰ったそうじゃないか。

カッコいいねぇ♪

私も男子だからね、そういう武勇伝を聞くのは大好きなんだよ!」



『そのホーンラビットも偶然倒せただけです。

流石にあの時は死ぬかと思いました。』



「一緒に来てくれるだけでいいんです。

勿論、移動は馬車!

私が商談している時は休憩しててくれて構わないし、馬車の中で居眠りしてくれてもいい。

勿論、仕事は全部日帰り!

今回は商談の殆どが売掛金の回収だけだから、すぐに終わります。」



『いやいや。

だったら尚更、ちゃんとした護衛を雇いましょうよ。

冒険者ギルドとか。』



「冒険者ギルドねぇ…

あそこも今は教団寄りでしょ?

そう思いません?」



『冒険者っていうより…

警察業務や傭兵業務に近い印象はありますね。』



「昔は風通しの良い組織だったんですけど。

ここ数年は…

すっかり変わってしまいましたなぁ。

まあ神聖教団に財布を握られてしまった以上、仕方無いと言えば仕方ないんでしょうけど。

嫌ですねぇ…

どこの組織もぜーんぶ教団の天下りがトップになって…

息苦しいったらありゃしない。」



『キーンさんも…

教団はあまりお好きではない?』



「全然お好きじゃないですよw

向こうもこっちを嫌いだろうし。」



『え?

嫌われてるんですか?』



「ふふふw

言いませんでした?

私、不動産屋なんです。」



『不動産!?』



「ええ、家やテナントを扱ってます。」



『それが…

何故教団に嫌われるんですか?』



「うふふー。

何故か教団の影響力が弱い地域の家が売れちゃうんですよねw」



『あ! なるほど!!』



「元々は大工の家系なんです。

祖父が晩年に不動産業を始めて、実質は父が初代ですね。

父の代に帝国から自由都市に本社を移転登記しまして…

それでまあ、私の代で商いを広げましてな。

王国・共和国・帝国・公国・合州国・連邦・首長国・自由都市。

気が付けば世界中で商う羽目になりました。」



『凄いですねぇ。』



成程、不動産屋か。

そりゃあ、2000万ウェン強のキャッシュを普通に持つよな。

実際はもっと多額のカネを持ってるんだろうな。



「うーん、別に意識している訳ではないんですけど。

王国さんや帝国さん、最近は連邦さん。

神聖教団と緊密な国の方が、どういう訳か自由都市や首長国の不動産を買って下さって…

まあ、教団の方にとってはそれが不快らしいのですw」



『くれぐれも身辺に気を付けて下さい。』



「逆ですね。

長男も成長しましたし、後は死ぬまで稼ぎ切りますよ。

王国の方は特に不動産需要が髙くてね♪」



『一般的な戸建て住宅で幾らしますか?』



「高いですよー。

庶民向け戸建で1億ウェン。

富裕層向け物件だと最低でも5億ウェンしますからね。」



『買います。

今度、具体的な話を聞かせて下さい。』



「はははw

即断即決だw

流石は炸裂少年の異名を取るだけのことはある。」



『まずは1億前後の普通の物件を抑えたいです。

引っ越し費用も込みで2億あれば足りますか?

向こうでの物価も知りたい。

こちらは3名。』



「…3億5000万ウェンが一般的な知的労働者の生涯賃金とされております。

肉体労働者なら2億ウェン切るかな?」



『OK。

まずは3億5千万を早急に貯めます。

当然貴方にも手数料を払うので、それまで色々教えて下さい。』



「ははははw

今日の商談を全部すっぽかして貴方ともっと語り合いたいですww」



それにしても、商人向けの宿屋という職業は、立ち回り次第でかなり面白い成果が出せるな。

ヒルダの父が創業したと聞いたが、かなりの切れ者だったのだろう。

まあ現に娘も異常に頭の回転が早いしな。



==========================



結局、朝食代はキーンが支払った。

返礼という訳では無いが、昨日のポーション水筒を無言で渡してやる。



「いや、お茶はもう持ってますし…

って薬剤?

え?

これポーションですか?

どうして正規瓶に入っていない?」



『中の成分は市場に出回っているものと寸分かわりません。

御内密にして下さるのでしたら差し上げます。』



「この国じゃ1本5万でしか買えないと聞きましたけど…」



『それも、いずれは改善したいですね』



「…はい。」



今日の予定だが。

護衛ではなく、あくまで見学という体で営業回りに同行する事に決める。

高速馬車で1時間圏内を3件だけ訪問、スムーズに話が進めば夕方には帰れるとの事。


俺は一応、武器屋に準備に行くことに決めた。



==========================



「おう炸裂ゥ。

何の用だ?」



『いや、ちょっと郊外に行くので

護身用に何かないっすか?』



「護身って?

また討伐?

オマエ、安静期間だろ?」



『俺も当面おとなしくしてるつもりだったんですけど。

なんか流れで馬車護衛する事になって。』



「護衛?

オマエが?

弱い癖に?」



『多分、話し相手が欲しかったんだと思います。

ただまあ、俺も無事に帰りたいし。』



「じゃあ炸裂弾にしとくか?」



『あ、はい。』



「凍結弾も買うか?

高いけど。」



『凍結弾?』



「読んで字の如く、敵を凍らせる薬剤弾だ。

実際は凍らせている訳じゃなく、モンスターの体表の温度を急速に奪う事で

まるで凍り付かせたように見えるだけなんだが。

爬虫類系にはかなり効くな。


数年前に、帝国が発明した技術なんだが…

元々は食品加工用の薬剤を軍用に転換したものだ。

最近のドンパチでも相手に使われちまって、かなりの戦死者が出たんだ。

で、休戦云々で大量に凍結弾がだぶついちまったそうで…

敵国の首都にまで流れて来たって訳だ。」



『戦争に使われるほどの兵器なら…

威力は信用出来そうですね。』



「威力もあるし、形状もかなり投擲し易いんだが…

欠点もあってな…」



『欠点?』



「アホみたいに高いんだよ。

1発2万もするんだ。」



『炸裂弾と併せて10発ずつ貰います。』



「…何?

そんなにマジにレベリングするの?」



『ジャイアントタートルが出るって聞いたんで。』



「何?

大亀退治を狙ってるのか?

オイオイオイ、死ぬぞオマエ。」



『あ、いえ。

鉢合わせた時に身を護りたいだけです。』



「わかった。

無理すんなよ。」



==========================


【所持金】


3862万ウェン

  ↓

3837万ウェン


※ゴードン武器店にて25万ウェン分購入

炸裂弾5万ウェン  (1個5000ウェンを10個)

凍結弾20万ウェン (1個2万ウェンを10個)


==========================



コレットの機嫌は当然悪い。

顔に出してないだけでヒルダの機嫌は更に悪い。



『ゴメン。』



「サービスの宜しい宿屋ですね。」



『金持ち用期間限定サービス。』



「…どうか御無事で。」



まあ、金庫を借りたがる時点でキーンの懐が豊かな事は明白だ。

その金持ちと親交を深める行為はヒルダのビジネス戦略と見事に合している。



「貴方が丁稚なら褒めておりました。」



『言いたいことは解かるよ。

早めに元手を貯めて、その後は手を汚すつもりはない。』



「…。」



ヒルダもコレットも返事をしてくれない。

あー、これ信用されてないな。


《どうせ男の人なんて幾ら稼ごうが

外でリスキーな行動を楽しみ続けるんでしょ?》


そんな冷たい表情だ。

俺はキーンが不動産を扱っていること。

自由都市に本店を構えている事を説明し、彼と同道するメリットを説明する。

そこまで掘り下げて、ようやく半分納得してくれた。


この負債、重いよなあ。



==========================



城門外の厩舎区画に着くと、結構な大型馬車の前にキーンが立っている。

使用人らしき者も数名居り、馬車の中も立派で軽食を取ったり執務を行う為の机も据えられていた。



『おお!

凄く立派な馬車じゃないですか!

車輪とかもピカピカですし!

頼もしいです。』



「いや、逆なんです。

この馬車は失敗。」



『?』



「王国がここまで窮乏化しているとは予想外でした。

首都ですらこのレベルだとは…

この馬車は目立ちすぎです。

従業員用のランクを落とした馬車で来るべきだったのです。」



『目立ちすぎるということは?』



「そう。

強盗に遭ったり、因縁を付けられて強請られたり…

そういうリスクが上がります…

護衛一騎は不足かも知れない。」



馬車の側に居たマッチョマンが無言で会釈をする。

傭兵グリーブ。

王都周辺では中々の有名人だそうだ。

軍に在籍していた頃は特殊部隊に所属、各地で功績を挙げている。

先年退役して家族と共に小さな牧場を運営し、依頼があれば傭兵業も行っているとのこと。



向こうは俺を知っているようで、キーンが「ほら、炸裂の。」と紹介すると



「ああ、君かぁ!

思ってたより更に若いじゃないか!?」



と驚かれた。

好かれている訳ではないが、嫌われてもいなさそうだ。



==========================



王城を出て、小一時間ほど馬車に揺られる。

俺は護衛というよりお客様扱い。

(まあ買い付けを希望している以上、見込み客とも言えなくはないか。)

不動産売買に掛かる税額の話で盛り上がる。


索敵はグリーブが全て行ってくれる。

途中、一度だけウルフ系の魔物の群れを見つけたらしく

軽々と数匹を血祭りにあげて、すぐに馬車脇に戻った。

狼は賢いので、このレベルの手練れには絶対に攻撃して来ないそうだ。


道中、騎士の小隊が常に街道を巡回していて、魔物を見つけては退治していた。

街道脇に積み上げられた魔物の死体は近隣の農家が処理(勿論無給で)をさせられるらしい。

職務質問をされるが、軍歴の長いグリーブが応対すると何の問題もなく通してくれた。

成程、軍隊上がりの傭兵はこうやって使うのか。



==========================



一時間後、王都をやや小さくしたような城壁都市に到着。

ここは代々王族が封じられる習慣らしく、今は王様の異母弟が城主として統治を行っている。

到着するなりキーンは富豪の家を2軒回って集金を終えた。



『スムーズですね!?

もう終わりですか?』



「顧客にしても、不動産屋が出入りしている場面は近所に見られたくないからね。

手早く帰らせたがるんです。

わかるでしょう?」



『その…

国を出るから?』



「打ち合わせは既に終わっています。

事前に手紙や伝令を駆使して、かなり入念に予定を擦り合わせているので。

本当に今日は後金の回収と権利証の提出だけです。

さあ、一旦ここを離れましょう。

客からクレームが出ます!」



御者もグリーブも迅速に出発準備を整えると、2分もせずに馬車は動きだした。

(特にグリーブは休憩の許可を与えられていたが、馬車に張り付いて一度も警戒を怠らなかった。)



『まるで夜逃げですねw』



場の雰囲気を和ませようと俺は冗談を飛ばすがキーンは笑わない。

だよなあ。

《まるで》な訳ないよなあ。



帰路、街道から離れて大きな農場地帯に入る。

どうやらここの農場主の長男夫婦が首長国に移住するらしい。

名目は事業拡大の為の視察旅行。

但し帰りの切符は用意していない。

農場主は最後の最後までここに残り、法に抵触しない範囲で息子夫婦に財産を移し続ける。

キーンの使命は各種書類の体裁を整え、農場主の逮捕リスクを極限まで減らすこと。



「捕まる時は捕まるし、殺される時は殺されるよ。

若い頃は役人をしとったからね。

そこら辺の理屈はワシが一番分かっとる。」



「御安心下さい、社長。

一年でも長く時間を稼いで御覧に入れます!

この王国でどこまで有効か解りませんが、首長国の留学許可証です。」



「よし、いい仕事をしてくれた。

これで孫の出国に違法性はなくなった。

留学支援は年間2000万ウェンまで認められとるからね。

まあ、ワシが5年生きれば1億ウェンは移せる訳だ。

まさか、職務で培った知識をこんな風に活かす日が来るなんてなあ。

ワシだって好きでこんな事をしとる訳ではないんだが…」



「お察しします。」



その後、キーンが馬車内で書類確認を行い始めたので、自然農場主と雑談になる。



「君はキーン君の…

身内の人?」



『あ、いえ。

キーン社長が泊まって下さっている宿屋の人間です。』



「宿屋!?

何で宿屋が?」



『いや…

何というか、キーン社長に護衛を頼まれまして。』



「ん?

護衛なら、あそこに強そうな御仁がおられるじゃない?

彼は護衛じゃないの?」



『彼、グリーブ氏が正式な護衛です。

軍隊時代は中佐まで昇進されたそうで。

道中もウルフの群れを軽々と追い払ってました。』



「おお!

如何にも頼もしい男だな!!

ワシも雇いたいくらいだよ!


…で、君は道中どんな活躍をしたの?」



『いえ、俺は馬車に乗せて貰って…

税金とか法制を教わってました。』



「???

護衛してないじゃん?」



『心苦しく思います。』



「君、強いの?

そうは見えんけど。」



『いえ、滅茶苦茶弱いです。

弱すぎて追放されたくらい弱いです。』



「言っちゃ悪いけど…

君、何か役に立つわけ?」



『いえ、自分もお役に立てないとは思っているのですが…

まあ何もしないのは申し訳ないので、武器を買いそろえて来ました。』



「その細腕でどんな武器が使えるんだ?」



『あー、武器も重くて持てないので

炸裂弾とか凍結弾とか…』



「炸裂弾!?

アレ、高いでしょ!?

ワシも害獣駆除に使おうか迷ってるんだが。

業者に聞いたら一発3000ウェンって言ってたよ!?」



『今は値上がりして5000ウェンですね。』



「ボッタクリだなあ…

それを一発持って来てくれた訳だね?」



『あ、いえ。

10発。』



「おお…

やる気はある訳だ。


ん?

待てよ?

最近炸裂弾の話…

聞いた覚えあるぞ?」



早く帰りたいので俺は俯いて黙る事にした。

いつの間にか戻って来たキーンが農場主に耳打ちする。



「おおお!!!!

炸裂少年!!!

君かぁ!!

1日に100匹仕留めた若き猛者!!」



『いえ、あくまで俺は皆さんに助けられただけですので。』



「はははw

キーン君はやり手だねえ。

こんな逸材と面識を得るなんて。

うん!

やはり君が一番信用できる!

他社の営業とは格が違うわ。

OK!

この農場の証券化の話、それも君に一任する事に決めた!」



「ありがとうございます。

誠心誠意努めます。」



「ふふふw

それにしても炸裂少年などと言うから、もっと荒々しい聞かん坊を想像しとったが…

逆に弱そうなヒョロガリだなwww」



あ、それコンプレックスなんで触れないで下さい。



「へえ。

なるほどねえ。

ねえ、キーン君。

彼を少しだけ借りていい?」



キーンが申し訳なさそうにこちらを見たので、仕方なく頷く。



「ちょっと炸裂弾持ってこっちに来てよ。」



『は、はぁ…』



どうせロクな事じゃない。



「ほらほら、この崖の下を見て?

古池があるじゃろ?」



『ありますねー。』



「アレ、元は農業用の溜池なんじゃよ。

じゃが、今はアイツらに占領されてしまった。」



あー、あれかー。

ジャイアントタートル。

普通に乗用車位のサイズあるぞ?

今年はあんなのが大繁殖してるのか?

…王国終わったな。



「アイツらの所為で作付計画が滅茶苦茶になっちゃってさ。

依頼は出したのに、冒険者ギルドも農協も全然来てくれないんだよ。

割に合わないとか言われて…」



俺が怯えながら崖下を覗くと、一斉にジャイアントタートルがこちらを睨んで歯をカチカチならしながら威嚇して来た。

如何にも狂暴そうな顔つきで、とてもじゃないが俺がどうこう出来る相手では無さそうだ。



「炸裂しちゃってよww」



いきなり農場主が馴れ馴れしく俺の肩を抱いて来る。



『さ、炸裂ですか?』



「本当はそのつもりで来たんでしょ?

ワシもあの糞亀どもには去年から散々泣かされたしさ…

少しくらいは仕返しをしなきゃ気が済まないんだよね。」



『い、いや。

やれと言われればやりますが。

あんな巨大な魔物に効くものでしょうか?』



確かに威力は大きいと思うが。

兎もロクに殺せないんだぞ?



「炸っ裂♪炸っ裂♪炸っ裂♪」



突如始まる農場主の炸裂コール、もはや断れる雰囲気ではない。



『じゃ、じゃあ投げます。』



そう言って俺はジャイアントタートルが一番密集する地点に炸裂弾を投げ下ろした。



ドッバーーーーーーーーーーーン!!!



相変わらず景気の良い爆発音が鳴り、血まみれの水柱が上がる。



「うはははははwwww

マジかーwwwww」



ビジュアル的に派手なのが気に入ったのか、農場主は手を叩いて笑う。

無表情なグリーブも頬を緩めて感嘆している。



『じゃあ、折角ですし後何発か投げますね?』



ドッギャーーーーーーーーーーーーン!!!



2投目。

角度が良かったのか、さっきより派手に鮮血が舞う。

空中から何かが落ちて来たと思ったら、ジャイアントタートルの肉片(手先?)だったので、牧場主の興奮がピークに達する。


「ウホホホー――――イ!!!!」


等と叫んでいるので、相当嬉しいのだろう。



3投目。



ボムっ!!!



「ん?

不発?

外した?

音が小さくない?」



『いえ…

敵が即死しました!!』



角度的に着弾は確認出来なかったが、口内に入った炸裂弾で一匹が即死したようだ。

状況的にそうとしか考えられない。

俺は慌ててステータス画面を開く。



==========================


《経験》 2840


次のレベルまで残り2270ポイント。


==========================



確か…

昨日寝る前は《経験》は2000強しか溜まってなかった筈だ。

800ポイント位の経験値がある?

ホーンラビットは5しかないのに?

いやいや、あの糞亀の質量を考えれば不思議ではないか。



『あの…

もっと殺していいですか?』



「おお!

どんどんやってくれよ!

アイツらどれだけ殺しても許せないよ!」



4投目。

口内を狙う。



ドッギャーーーーーーーーーーーーン!!!



派手に鮮血が吹き上がり、タートル共が悲鳴を挙げる。

俺の中では失投。

肉を削いだだけ。

だが、すっかり農場主は大はしゃぎだ、母屋に戻って俺にお菓子を差し入れてくれる。



5投目。

手が滑って緩い軌道になってしまう。


『みんな、ゴメ…』


思わず謝ろうとした時。


ドチュッ!


という籠った音が聞こえる。

農場主は少し残念そうな顔をしたが、逆である。

口内で爆発してくれたのだ。

勢いが無かったので、食べ物か何かと誤認してくれた?



==========================



【ステータス】


《LV》  9


《HP》  (3/3)

《MP》  (1/1)


《腕力》 1

《速度》 2

《器用》 2

《魔力》 1

《知性》 3

《精神》 1

《幸運》 1


《経験》 3640

次のレベルまで残り1470ポイント。



【スキル】


「複利」


※日利9%  

 下4桁切上



==========================



やっぱりレベルが上がってる!

まさかこんなにスムーズに上がるとは!


当面、レベル据え置きを想定して生活設計をしていたので、思わぬ誤算に身を震わす。

日利9%もさることながら、下4桁切上の大雑把な恩恵に思わず吹き出してしまうw


よーし御祝儀だ。

今の俺はとても機嫌がいい。



『皆さん、記念に炸裂弾を投げてみませんか?

結構、気分がいいですよ!』



「「「おおお!!!!」」」



農場主・キーン・グリーブの3人が頬を紅潮させ擦り寄って来る。

わかるよ。

オマエラさっきから羨ましそうにこっちを見てたものな。

俺も男だから気持ちわかるよ。



農場主は投擲に自信が持てないのか「まあまあ、若い方から先に投げなさい」と自分を後回しにする。

話の流れ的にキーンが次弾を担当する。



6投目。

投擲手キーン。



「いきますよー、ほっ!」



結構綺麗なフォームでキーンが炸裂弾を崖下に投げ込む。



ッズガーーーーーーン!!!!



反響音からして、甲羅の上で爆発したらしい。

鮮血が古池を赤く染める。


しばらくしても亀の悲鳴が収まらない。

4人で崖下を覗くと、顔が半分吹き飛ばされた亀が苦悶に痙攣していた。

農場主が満足気に笑う。



「ふはははw

キーン君、良くやったww

どうだ! 思い知ったか!」



7投目。

投擲手グリーブ。


農場主の指示で顔半分の亀にトドメを刺しにいく。

流石は歴戦の戦士である、力強いフォームで目的にピンポイントで投げ入れた。



グバーーーーーーーーーーーーーン!!!



明らかに肉が吹き飛ぶ音。

血煙が巻き起こる。

俺達4人は興奮で手を堅く握りしめる。



「今、経験値が800ポイント入りました。

先程の亀が死亡したものと推測します!」



俺達は顔を見合わせて笑う。

ふふっ、結構楽しい。



最後は農場主。

「いやあ、ワシは自信ないなあ。」

等と言いつつ念入りにストレッチ運動を行っている。



8投目。

投擲手農場主。



ドッギャーーーーーーーーーーーーン!!!



歳の割に力強いフォームである。

群れのど真ん中を直撃し、勢いよく鮮血が飛び散る!



「っしゃあああ!!!」



農場主が満面の笑みでガッツポーズ!



「おおお!!!

経験値入った!

経験値入ったよぉ!!!

800ポイント!?

800ポイントも入ったよぉ!!!」



3人で拍手し彼を祝福していると、《ボトっ》という鈍い音が聞こえる。

何だろうと思い、振り返るとジャイアントタートルの顔面部が無造作に転がっていた。

四散した肉片が吹き上げられた時に、こちらに飛んできたのだろうか?



「うおおおお!!!!!!」



農場主が雄叫びを挙げて飛び上がる。



「おめでとうございます。」

「お見事です!」

「こんな立派な戦利品は初めて見ました!」



3人で追従しておく。

農場主は興奮冷めやらぬのか、タートルの顔面を高々と持ち上げ



「討ち取ったりーー!!!!」



と叫んだ。

俺達はニコニコしながら拍手をする。



農場主があまりに嬉しそうなので9投目も譲る。

勿論、経験値は喉から手が出るほど欲しいが、金持ちの機嫌を取る方が重要に決まっている。



「んーーーーーー、せいりゃあ!!!」



9投目。

投擲手農場主。



ズッギャーーーーーーーーーーーーン!!!



岩か何かを吹き飛ばしたらしく、岩石の礫が巻き起こる。

流石にグリーブは本職の傭兵だけあって、すかさず身を挺し俺達を庇った。



「お怪我はありませんか?」



頼もしい限りである。



一方、岩石の破片が刺さったのか多くのジャイアントタートルが悲鳴を挙げてモゾモゾ這いまわっている。

完全に怯えてしまったのか、俺達が覗き込むとそれだけで逃げ腰になっていた。



「うわははははwww

愉快だなーーーw


いやあ、君ぃ。

コリンズ君と言ったか。

貴重な体験をありがとうね。


いやあ、実に爽快な気分だ。

鬱憤が晴れたよ!」



『お役に立てたようで何よりです。』



「もうねー。

君に正式に依頼させてくれんか?

農協も冒険者ギルドも視察にすら来てくれんのだ。

礼は弾むぞ。

炸裂少年の雄姿をもっと見せてくれ!」



『承知しました。

他ならぬキーン社長のお得意様です。

日帰りで良ければ、近く来させて下さい。』



「キーン君。

いいかね?

そこの彼、グリーブ君だったが?

彼にも声を掛けていい?」



「当然で御座います。

少しでもお役に立てれば幸いです。」



「うむ!

さっきの証券化の件。

あれは口約束ではなく、正式な発注だから。

後でそちらの契約書にもサインをしよう。」



「ありがとうございます!」



その後、俺は残りを投擲する許可を貰い、最後の炸裂弾を投げる。



10投目。

投擲手は俺。



バギャー―――――――――ン!!!



これまでの連投でダメージを受けた亀が多い箇所を狙った。

最低でも一匹殺す自信はあった。



==========================



【ステータス】


《LV》  9


《HP》  (3/3)

《MP》  (1/1)


《腕力》 1

《速度》 2

《器用》 2

《魔力》 1

《知性》 3

《精神》 1

《幸運》 1


《経験》 4440

次のレベルまで残り670ポイント。 



==========================



しゃあ!!

1匹殺害!!

さっきは、《次のレベルまで残り1470ポイント》だったが、残りはたったの670ポイントとなった。

今日の配当でだけでレベルアップ可能だが…

ここは凍結弾も試しておくか。

折角なら配当などではなく、俺の手でレベルアップを勝ち取りたい!



『皆さん。

今日、武器屋でこれも購入したのです。

グリーブさん、凍結弾ってわかります?』



「おお!

あれって王国にも売ってるのですか?」



『はい、王都内のゴードン武器店という俺の行きつけがあるのですが

そこで昨日から取り扱いを始めてま

す。

一発2万ウェン。』



「2万?

それ、ボッタクリじゃないか?」



農場主が首を捻る。

だがグリーブの反応は真逆だった。



「いえ。

もしもこれが先の合戦で帝国側が使用した凍結兵器の応用だとしたら…

寧ろ2万は良心的価格かも知れません。」



「そうなのかね?」



「ええ。

我々王国軍人が最も恐れたのが帝国の凍結兵器なんです。

私も4名の部下を失いました。」



おお、軍人さんが言うと説得力あるな。

そうか、少なくとも軍人を殺すくらいの威力は見込めるのだな。



「コリンズ社長、これは自分の経験則ですが

口元を狙って下さい。

弾速は遅い方がいいです。

世間一般では《凍らせる兵器》とされていますが…

呼吸器官を潰す攻撃と認識した方が適切と自分は考えます。」



『な、なるほど。

口元ですね。』



喉を凍らせて呼吸困難にして殺すのだろうか?

まあいい、投げてみればわかることだ。



凍結弾1投目。

投擲手、続いて俺。



ガン!



亀の頭部に凍結弾が当たり、何の反応も無いまま地上に転がる。



…無音。

ん?

使用方法を間違えた?

それとも不発?



と思った瞬間、白い霧が球状に広がる。

霧は5匹の亀を覆い、頭部が霧内にあった3匹が急激に暴れ出し、ひっくり返ってもんどり打つ。



「コリンズ社長、成功です。

あの3匹は10秒持たずに絶命します。」



グリーブが俺の耳元で解説してくれる。



《経験値800ポイント取得。 レベルアップしました。》



突如、頭の中でアナウンスが聞こえる。

初の経験に俺が戸惑っていると


《経験値800ポイント取得。》

《経験値800ポイント取得。》


と2度同様の告知があった。




==========================



【ステータス】


《LV》  10


《HP》  (3/3)

《MP》  (2/2)


《腕力》 1

《速度》 2

《器用》 2

《魔力》 1

《知性》 3

《精神》 1

《幸運》 1


《経験》 6840


次のレベルまで残り3390ポイント。 



【スキル】


「複利」


※日利10%  

 下4桁切上


==========================



しゃあ!!!

日利1割!!

これは正真正銘の反則スキル!!


これ…

絶対この世界滅ぶだろ。

可哀想に、同情するよ。



『残り、全部投げさせて貰っていいですか?

今度、凍結弾プレゼントしますので。』



「お、おう。

そんなに気を遣わなくても…

大体、元々君の私物だからね。」



『ですが使わせて頂いている狩場です。

我儘言って申し訳ありません。』



俺は丁寧に頭を下げて

狩場を独占させて貰う。



==========================



凍結弾2投目。

殺害数1

《経験値800ポイント取得。》



凍結弾3投目。

殺害数1

《経験値800ポイント取得。》



凍結弾4投目。

殺害数5

《経験値4000ポイント取得。》



凍結弾5投目。

殺害数1

《経験値800ポイント取得。》



凍結弾6投目。

殺害数0  (池ポチャ)



凍結弾7投目。

殺害数1

《経験値800ポイント取得。》



凍結弾8投目。

殺害数1

《経験値800ポイント取得。》



凍結弾9投目。

殺害数7

《経験値5600ポイント取得。》


凍結弾10投目。

殺害数0  (池ポチャ)



計17匹のジャイアントタートルを仕留めた。

道具の力だが、まるで自分が強くなった錯覚に陥る。

得た経験値は13600ポイント。

一気に2レベルも上がったぞ!!


==========================



【ステータス】


《LV》  12


《HP》  (3/3)

《MP》  (2/2)


《腕力》 1

《速度》 2

《器用》 2

《魔力》 1

《知性》 3

《精神》 2

《幸運》 1


《経験》 20440


次のレベルまで残り20510ポイント。 



【スキル】


「複利」


※日利12%  

 下4桁切上



==========================



日利12%?

想像が付かない。

悪徳金融にも程がある…


なあ、君。

この文章を見ている君。


日利12%って想像が出来るか?

俺にはよくわからない。



眼前には大量の亀の死骸。

生き残った者も悲鳴を挙げ、苦悶に呻き、激痛に咽び泣いている。



「勝った!

これは人類の勝利なのじゃ!」



農場者がガッツポーズと共に勝利宣言を行い、俺達3人は力の限り拍手をした。



「ああ。

コリンズ君、グリーブ君。

これ、少ないけど取っておきなさい。」



「「ありがとうございます!」」



俺とグリーブは最敬礼して贈答用革袋を頂戴した。



==========================


【所持金】


3837万ウェン

  ↓

3937万ウェン


※ブライアン農場から寸志100万ウェン受領。



==========================



「2人共、是非また遊びに来なさい。

瀕死の亀ならこの付近の冒険者でも狩れるじゃろう。

タートル粛清祭を楽しもうじゃないか♪

王都の農協にも声を掛けておくから♪

それとキーン君。

君は最高のビジネスマンじゃな!

これからも是非弊社との取引を継続して頂きたい!

どうか存分に儲けてくれ!」



「ありがとうございます!

誠心誠意務めます!」



こんな遣り取りがあって馬車で帰った。

お土産もいっぱい貰った。

結構時間を取られたので、配当は街に着くより先に発動してしまう。



《473万ウェンの配当が支払われました。》



==========================


【所持金】


3937万ウェン

  ↓

4410万ウェン


※473万ウェンの配当受取



==========================



うーーーん。

今度という今度こそは…

完全に軌道に乗ったな。

これ、ニコニコ金融無しでも勝てるレベルになったかも知れん…


城門でグリーブと熱い抱擁を交わして別れ、キーンと共に胡桃亭に戻る。

途中、カインと出会う。



『カインさん、こんな所でどうしたんですか?』



「いや、君が来ないから、気になって…」



『スミマセン。

ちょっと遠征してました。』



「君、怪我人だろ!?」



『まあ、炸裂しただけなので…

言われてみれば、手首が少し痛いです。』



「絶対安静って自分で言ってたじゃない。」



『明日からおとなしくしときます。』



「あの…

今日はおカネ借りないの?」



『スミマセン!

ニコニコ金融に顔を出したかったんですけど。

思ったより遠くて。』



「遠い?」



『いや、ブライアン農場さんまで遠征してたんです。』



「え?

駆除依頼受けたの?」



『いや、依頼というほどのものじゃないんですけど。

ジャイアントタートルが増えて困ってらしたので…

何匹か駆除を手伝いました。』



「…何匹くらい殺したの?」



『ああ、ちゃんと数えてませんでした。

経験値から逆算したら…

20匹チョイ討伐出来たみたいですね。』



「おおお…

随分気軽に言ってくれるなぁ…」



『炸裂弾ですよ。

後、新製品の凍結弾も有効でした。』



「いや、凍結弾って

アレ高いんだろ?

また自腹?」



『確かに自腹ですけど…

まあそれで困ってる人が助かるなら十分じゃないですか。』



日利も12%まで引き上がったしね♪




==========================



帰宅してコレットに泣かれる。

《無傷だからいいじゃねーか。》

喉まで出そうになったが、押し殺す。

ヒルダがコレットを宥めてバックヤードに下がらせた。


その後、キーンに何度も礼を述べられた。

どうやら農場の証券化権というのは相当旨味があるらしい。

仲介者が得るオコボレが洒落にならないので、普通は他国の業者には簡単に任せられない。



「コリンズ君に逢えたのは、私の人生で最高の僥倖だよ。

…移住、狙ってるんだよね?

便宜図るから。

住みたい所のリクエストあったら、何でも言ってね。」



そう言いながらキーンは貸金庫に入金する。



==========================


【所持金】


4410万ウェン

 ↓

9560万ウェン


※ドナルド・キーンから5150万ウェンを預入


預り金、計7850万9000ウェン


==========================



ふーむ。

1700万ウェン強が俺の個人資産か。

実感が沸かないな。

仮に今後、誰からも借り入れが出来なくなったとしても…

最低204万ウェンの日利を得続ける事が出来るのか…

それにしても…

このスキルは異常だろう。



「ポーション…

12本でした。」



不意に背後からヒルダに囁かれる。

あ、この目は俺のスキルを完全に解析しているな。



『ゴメン。

ポーション10本以内って言ったのにね』



「いえ、素晴らしい御武勇です。」



あ、そこまで推察されちゃってるのね。

そりゃあ、見る人が見てればわかるものか…


この夜のセックスは特に念入りだった。

育ち盛りの男子の俺がドン引きするくらいには念入りだった。

【名前】


リン・トイチ・コリンズ



【職業】


宿屋の婿養子



【ステータス】


《LV》  12


《HP》  (3/3)

《MP》  (2/2)


《腕力》 1

《速度》 2

《器用》 2

《魔力》 1

《知性》 3

《精神》 2

《幸運》 1


《経験》 22893


本日利息 2453

次のレベルまで残り18057ポイント。 


※レベル13到達まで合計40950ポイント必要




【スキル】


「複利」


※日利12%  

 下4桁切上



【所持金】


9560万ウェン


※ドナルド・キーンからの預り金7850万9000ウェン





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― 新着の感想 ―
農場イベントくっそわろたw 皆楽しそうでなによりw
[良い点] そんなに亀殺しちゃうと血やら腐肉やらで、しばらく溜池使えないのでは [気になる点] 弱いと自覚してるのに初見の魔物に向かって行くのはどうなんだ [一言] 一割はいいねえ9%とは大違いだ
[気になる点] ポーション一度分けた水筒のほうも翌日以降あふれそう…所有権移転しないとまずいのでは
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