【降臨26日目】 所持金8370万0857円 「…そりゃあコイツ強い訳だわ。」
暗闇の向こうから江本昴流が無言で監視している。
近くも遠くもない絶妙の間合い。
恐らくあの男なら一歩で来れるのだろう。
俺と平原猛人は屋外のロングチェアに寝転んで、ただ真夜中の曇天を眺めていた。
あの果てのどこかには、我が最愛の異世界がきっとあるのだろう。
平原猛人は先程の会話から直感的に全てを理解出来てしまったらしい。
俺達が本当に異世界に行った事も。
俺が経済系のスキルを使って生き延びた事も。
それが平原隼人の死を招いた事も。
数日の付き合いであるが、俺はこの野蛮人をすっかり好きになっていたから、望めば首くらいはくれてやる気持ちすら芽生えていた。
それを仄めかした時だけ一喝された。
日付が変わって2時間ほどであろうか?
俺と平原猛人は静かに天を睨み続けていた。
「あの星のどこかに、隼人は眠っているのかな。」
『向こうで一風変わった男と仲良くなったのですが。
その男が言うんですよ。
極星の果てに地球がある、と。』
「北極星のこと?」
『俺は一応そういう事で納得しています。
あ、雲が流れましたね。』
「リン、見えるか?
丁度オマエの真正面。
ポラリスだ。」
『ええ、
子供の頃、父が教えてくれました。』
「飯田君から注意されたよ。
オマエのお父さん、あの時期に亡くなってたんだってな。
知らない事とは言え色々余計なこと言ってゴメンな。」
『いえ。』
「なあ、宅建取った奴って
オマエのことか?」
『え?
あ、はい。
合格通知、父に報告したかったんですが。
入れ違いになってしまいまして。』
「そっか、やっぱりオマエか。
全部納得したわ。
普段学校の話なんか全然しない隼人がな?
珍しくクラスの奴を褒めるんだよ。
《ウチのクラスにも宅建合格した奴が居る》
って。
《だから、学校の事を悪く言わないでくれ》
って。
そっか。
やっぱりオマエだったか。」
『…。』
「…そっか。」
平原猛人がまた言葉を詰まらせた。
「リン。」
『はい。』
「それでも。
それでもな?
オマエだけでも生きて帰って来てくれたこと、俺は嬉しい。」
『…俺は隼人には何もしてやれませんでした。』
「今こうして息子の為に泣いてくれている。
それが、ありがたいよ。
…家内は嫌がるだろうが葬式も挙げざるを得まいか。」
『…勝手な事をしてしまって申し訳ないのですが
向こうでは葬儀を挙げました。
残念ながら合同葬儀ではあったのですが。』
「合同?」
『大きな戦争が幾つかあったので。』
「隼人は戦場で死んだのか?」
『はい。
遺骸は確認しておりませんが
複数の報告を聞きました。』
「そっか。
転移した人間同士で抗争でもあったのか?」
『いえ、我々は現地の戦争に駆り出される為に拉致されたので。』
「リンも戦場に出た?」
『恥ずかしい話なんですが
俺は初日に追放されました。
役立たずだって。』
「…そっか。
見る目無いな。」
『隼人は。
クラスの中でもリーダー的な役目を務めていたようです。
だから、魔界戦争でも、きっと勇戦したのではないか、と。』
「魔界?」
『ほら、猛人さんもアニメ見たって言ってたじゃないですか。
ゴブリンとかコボルトとか。
出て来ませんでした?』
「ああ、漫画のやられ役な。」
『ええ、向こうでも彼らはそういうポジションでした。
滅亡寸前の少数種族連合が魔界って呼ばれてたんですけど。
その代表をゴブリンが…、 彼らは魔王職と呼称していたのですが。
俺達は彼を討って領土を奪う為に呼ばれたらしいです。』
「隼人は、魔王に殺されたのか?」
『どうでしょう。
その戦争で先代魔王も討ち死にしましたし。
案外、アイツも一太刀浴びせたのかも知れませんね。』
「先代?」
『…俺の前任者です。』
「…おれ の?」
『言葉の通りです。』
「…。」
『先代は生真面目で気高い男でした。
隼人がそうであったように。』
「アレは母親に似たからな。」
『…荒唐無稽な話でしょ。
貴方にだけは伝えたかったのですが
こんな話をするのも失礼かな、と。』
「まあな。
荒唐無稽ではあるよな。
異世界だのゴブリンだの
真に受ける奴が居たら馬鹿だろ。」
『はい、そう思います。
ただ、警察や公安が妙に異世界を掘り下げて来たので
もしかすると政府は何らかの情報を掴んでるのかも知れません。』
「俺はSF染みた話は頭から拒否するタイプなんだけど…
オマエが役職に就いてたという話は腑に落ちる。
だから信じてしまうよ。」
『そこですか?』
「そこだよ。
なあ、魔王って何?
悪いの?」
『単なる王号ですよ。
色々あって最終的には向こう全体の代表というか…
複数の役職を兼任した意味合いになってしまいましたけど。』
「…オマエなら務まるだろうよ。」
『義理は果たしたと自負しています。』
「…だから帰って来たんだな。」
『はい。
俺の故郷は地球です。
地球で義務を果たす為に俺はここに居ます。』
「死ぬなよ?」
『…善処します。』
「まだそんな歳じゃないだろ、オマエ。」
『…。』
「リン。
こんな世界に、若い奴が身を捧げる価値はない。」
『…俺の命は、平原隼人からの預かり物でもあります。
だから、アイツに恥じない振舞をするだけです。』
「…頼む。
二度も息子を失いたくない。」
『…。』
言葉に出したのはそこまで。
朝日が浜名湖を照らしても、俺達はずっと天を睨み続けていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
いつからそこにいたのだろう?
枕元にはヒルダと仲間が全員立っていた。
表情に緊張感が漂っている。
「話し込んでいただけだ。
迷惑掛けたな。」
平原猛人が機先を制する。
俺も大きく頷いた。
『夜中に大声出してゴメンな。
以後、気を付けるよ。』
ヒルダが無表情で俺と湖の間に回り込む。
「荒唐無稽な話はお控え下さい!
真に受ける者が居ると、世の乱れに繋がります!」
何かを言い返そうとしたが、その場に居た全員がヒルダに賛同したので、頭を深く下げて謝罪した。
『そうだな。
人心を乱すような発言をしてしまった。
全ては俺の幼稚な夢想だ。
以後、自粛を心掛けます。』
いや、無駄だろう。
俺が黙っていた所で、地球人はすぐに真実に到達するよ。
だって証拠がないだけで、俺が異世界帰りである事を皆が確信しているのだから。
《異世界ではなく、ロシアに潜伏してました。》
と証言した所で、今更誰も信じないだろう。
この戦争、ロシアもかなり苦しいと聞く。
ラブロフ外相の我が国に対するコメントも今まで以上に激しさを増している。
北方領土返還と核攻撃の硬軟両面をチラつかせて我が国に何とか中立の立場を取らせようとしている。
親露派の議員がモスクワ参りの頻度を増やしている。
冷戦が終わって息を潜めていた主義者達も再び蠢動し、幾人かが逮捕されたそうだ。
こんな状況であるにも関わらず人々は。
俺達の行き先がロシアではなく異世界であったことを確信している。
自粛した所で無意味だ。
鷹見夜色が転移戒名・ガルパン・寿司ペロのバズり動画3連発で世界的有名人になった以上。
3-B転移説は支持者を増やし続ける事が決まっているのだから。
俺はステルスを許されない。
異世界帰りの遠市厘として衆目に晒されながら戦わざるを得ないのだ。
仕方ないさ、今はもう令和なのだから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふわああ♪
トイチ君、おっはろー♥」
『ども、おはようございます。』
「ルナちゃんがシャワー浴びてるから
サプライズしてやりにゃよ♥」
『前向きに検討しておきます。』
「ひでえw
ねえ♪
恩師ちゃん、うな重の次はマグロを食べたーい♥
大トロぱくぱくニャンニャンニャン♥
駄目かにゃ♥?」
『いいっすよ。
今日か明日にでも、駿河湾の方に行ってみましょう。』
「…。」
『何すか?』
「にゃにゃにゃ!?
にゃにを企んでるにゃ!?」
『は?
いや、別に企むとか
そんなのは?』
「怪しいにゃー。
トイチ君が恩師ちゃんの言う事を素直に聞くなんて…
陰謀の匂いがするにゃ!
はっ!?
さては、また何かやらかすつもりにゃ?」
『やらかす?
はて、何のことやら。』
「まーた小峠粛清事件みたいな事をやらかす気にゃ!」
『んーー?
俺は何も録音してませんが?』
「やっぱりあれはオマエの仕業だったのにゃー!!!」
『まあまあ。
過ぎた事じゃないですか。』
「…まったく、生徒は選べないにゃ。」
『そこはお互い様って事で勘弁して下さいよ。』
「大トロあーんしてくれたら勘弁してやるにゃ♥」
『…前向きに検討しておきます。』
…日本の教育システム糞過ぎだろ。
せめて担任選べるようにしてくんないかな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「え?
マグロ?
このタイミングでですか?」
安宅が驚いたような表情で聞き返す。
だよな。
朝の遣り取りを鑑みれば、そういう雰囲気じゃないよな。
『あ、いえ。
担任に喰わせろと粘着されていて。』
「せ、生徒想いの良い先生と捉えてみては如何でしょう?」
…その解釈、苦し過ぎだろ。
『朝の言動は軽率でした。
申し訳ありません。』
「あ、いえ。
…ひょっとしてこの先。
異世界路線で行くんですか?」
『あーいやいや。
これ以上エスタブリッシュメントを刺激したくないので。
なので。
《異世界帰りを必死に否定しない。》
位のスタンスが一番無難かなと。』
「私としては
もう少し強めに否定して頂けるとありがたいのですが。
トイチ先生に万が一の事があってはならないので。
せめて、異世界用語を口にするのは…
控えて頂けませんでしょうか?
…その、申し上げにくいのですが
向こうで魔王をされておられたのですよね?」
『あ、はい。
短期間だけですけど。』
「お願いします!
形だけでも否定して下さい!」
『あ、すみません。
いやあ、魔王とか何のことだかわからないですねぇ(棒)』
「以後はそういう答弁を心掛けて下さると助かります。
トイチさんは、地球で改革運動をされるんですよね?
異世界ではなく。」
『はい。
地球にリソースを注ぐ所存です。』
「では尚更、異世界云々は口外しない方がスムーズに事が進むと思うんです。
さっきヒルダさんも仰っておられましたよね?」
『あ、はい。』
「私如きが先生に指図をするのはおこがましいのですが。
次に異世界関連の質問を受けたら、公式に否定して頂けませんか?
それもやや強い言葉で。」
『あ、いえ。
私も安宅さんを最優先したいので。
おこがましいとか、そんなむしろ逆ですよ。
では。
《私、遠市厘は地球生まれの地球人であり。
他の如何なる世界に赴いた事も御座いません。
世間では理解不能な風説も流れているようですが
その全ては事実無根で御座います。》
これでよろしいでしょうか?』
「はい。
申し訳ありませんが、その声明をお願い致します。
やはりどれほどグレーでも、世論を相手にする場合は
公式声明でしっかりと否定する事が重要ですからね。」
『安宅さんには多くを教わります。』
「いえいえ!
私如きが!
出過ぎたことを申し上げております!」
全betしてくれているこの男を無下にはしない。
安宅のタワマン。
無事に売却が決まったとのこと。
逆に言えば、こんな短期間に買主が手付を入れるくらいの捨て値を市場に提示したのだ。
買値との差額だけでも5000万を越えている。
急な退去なら家具の処分も大変だろう。
そうだな。
せめてそのマイナスを補填するまでは、世論を刺激せずに配当支払に励まねば義理が果たせまい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
もっとも、今日は忙しい。
大井川どころか天竜川の向こうへすら…
いや、このグランピング場から出る暇もないかも知れない。
昨日出した罠具見積もりへの返信がもう届いている。
素人目に見ても好意的な見積もり金額である。
兵庫の宇田川・福井の谷口・大分の浦上・岐阜の松永がそれぞれにオンライン通話を希望している。
更なる経験値獲得の為にも、そろそろ彼らの顔を立てねばならない。
もうすぐ鈴木が箱罠を運搬して来る予定なのだ。
水窪なる山村、武田信玄の徳川領侵攻拠点だったそうなので、かなり信州寄りまで回収に赴いてくれているのだろう。
それを仕留めて、オンライン通話に応じ、配当に備える。
加えて、夜には後藤家・山岸家が今夜浜松に到着する予定もある。
まあマグロは無理だな。
さて、鈴木の話である。
一匹しか確保出来ていない事をしきりに詫びられるが
『狩猟と畜産の違いはちゃんと理解しております』
と回答すると、大いに安堵してくれた。
あの男にも焦りはある。
当初、誘致段階では「浜松は山が広がっているのでイノシシなんて1日10匹は罠に掛かってます。」と豪語していたからだ。
確かにそういう時期もあるそうだが、俺の来た今はそのタイミングではないらしい。
鈴木の奔走に感謝している俺だが、数量面においては内心アテは外れている。
そんな折に兵庫の宇田川が猛アピールして来たのだ。
「猪狩りなら兵庫県が一番ですよ!
ほら、送った資料を見て下さい!
猪の県別解体実績!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【都道府県別のイノシシの解体数】 (2020年集計資料)
全国計 34,769頭
1位 5,293頭 (兵庫県)
2位 3,136頭 (長崎県)
3位 2,552頭 (福岡県)
22位 491頭 (静岡県)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
たまたま、この資料は鈴木と一緒に居る時に閲覧した。
彼は必死で平静を装っていたが、やはり相当な焦りがあるらしい。
俺が西日本に拠点を移すことを恐れているのだ。
後藤達と大阪観光の話題で頻繁に盛り上がっているのも、鈴木の危機感を煽ってしまったフシがある。
『あくまで私のホームは首都圏なんです。
だから新幹線一本ですぐに来れる浜松は最高の立地だと思ってます!』
このフォローも空虚だ。
東京駅から浜松まで新幹線で1時間30分。
大阪までの2時間30分とそこまで変わらない。
それに今回のように長期滞在なら、浜松も兵庫も似たようなものだ。
想定外だったのが、静岡県人の「のぞみコンプレックス」。
遠州人は割と陽気な連中だと思ったのだが、新幹線の話題になると露骨に空気が変わる。
のぞみ号が自県に停車しないことへの恨みが極めて深く、思考に強い負のバイアスが掛かる。
俺が関西方面に興味を持っているのは新大阪にのぞみが停まる所為だとまで邪推されているのだ。
打ち消すのも一苦労である。
『いやあ、私は海が好きで。
内陸は少し不安になるんですよ。』
これはそこそこ本音。
魔王城を港湾に設置していた程だからね。
結局、どこにも出かけずグランピング場で猪を確実に殺すことにする。
作業着に着替えて到着を待つ。
皆には兵庫に惹かれている旨を伝えつつ、その意思を鈴木に悟られないように頼む。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
早朝から飯田は愛知・滋賀のグランピング場・コテージを下見に行ってくれた。
俺の西進構想を受けての事だ。
やはりどのデータを見てもイノシシは西日本に多い。
特に中国・九州地方。
岡山くらいまでなら西進しても良いというのが俺達の総意。
まあ、どこまで内緒にしても鈴木には伝わってしまうよな。
現に、到着した時から彼の表情は少し暗かった。
「遠市さんのお心遣い、ありがたいです…」
俺がフォローしようとすればするほど、鈴木のトーンが下がっていく。
『あ! そうだ!
配信出演しますよ!
鈴木さんのチャンネル凄く有意義じゃないですか!
私で良ければ是非!』
ここでやや鈴木のテンションが上がる。
どうやらこちらの出演承諾を社交辞令と思っていたようである。
「え!?
遠市さんが直々に出演して下さるのですか!?」
『ははっ
そういう約束じゃないですか。』
「いえ、まだ全然お役に立てて無いのに。」
『そんなことないですよお。
感謝の気持ちも込めて、是非出させて下さいよ。』
「あ、あの。
実は親父から
《弊社の三ケ日みかんジェリービーンズを宣伝して貰えないか?》
って相談されてるんですよ…
流石に図々しいですよね…」
『いやいやいや!
あれ美味しかったですよ!
個人的に大好物です。
鷹見も暇さえあればクチャクチャ食べてるし。
アイツも宣伝手伝ってくれるんじゃないですかね?』
「え!? 本当ですか!?」
『ホントホント。
あ、松村せんせーい!!!
そっち鷹見居ますーー!?
ちょっと呼んで下さーーい!!』
「恩師をパシリにするとはいい度胸にゃーーー!!」
何だかんだ言って3分後に鷹見到着。
「…何の用っスか?」
『あのさあ。
鈴木さんの実家が道の駅に土産物卸してるじゃん?』
「…。」
『その宣伝引き受けることになってさ。
鷹見も手伝ってよ。』
「…。」
『鷹見?』
「…オマエってさあ。
何か、都合の良い時だけ声掛けて来るよね?」
『ん?』
「…。」
『…。』
「…ザケンナぁああ!!!!」
突然、腹を蹴飛ばされる。
『ごぶおほっ!!!!』
「…ホント、サイテー。」
振り返りもせずに、どこかに消える鷹見。
『ごほおお。
がはっ
げぼお。』
「トイチさん!
大丈夫ですか!?」
『…だ、だいじょばないです。』
あまりの激痛に30分程地面で呻く。
何なんだあのキチガイ、全くもって意味がわからん。
俺、異世界でもここまでの暴力は受けなかったぞ?
鈴木が何か語り掛けているが、痛みのあまり聞き取れない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【プレゼント企画アリ】 病み注意 [雑談]
※この配信では「たぬきの葉っぱ」で匿名コメントができます
「憐れな憐れなカオナシの皆さーん♡
みんなのアイドル、奈々ちゃんニャンニャン♥」
「…っス。」
「もー、ルナお姉ちゃん
元気出すにゃーーー♥
あ、《ドカ食いゴリラ》さん
風船ありがとにゃー♥」
「うーーーん。
ウ↑チ↓、かなり病んでます。」
「だーかーらー。
あんな男とは別れなよ。
ルナちゃん可愛いんだから
もっとちゃんとした彼氏作りなよ。
…にゃん。」
「ヤ!
別れない!!」
「まだ20歳でしょ?
これから人生経験積んで、自分と合うオトコを探せばいいんだって。」
「…グスっ。」
「よしよし。
ルナちゃん頑張ってるもんね。
不器用だから伝わらないだけだよ。
アイツが悪い。
ルナちゃん、全然悪くないよ。
《たぬき2号》さん。
うん。そうだね、女を泣かす男って最低だよね。」
「スンッ スンッ…」
「ん? 話聞こか?」
「っぐ。 っぐ。
あのね…」
「うん。」
「今、浜名湖に居るでしょ?」
「居るね。」
「それでずっとほったらかしにされてて
グスっ
テントにも入れて貰えなくて!!」
「うん、酷いね。」
「さっき、やっと呼ばれたと思ったら!!!
いきなり仕事先の商品宣伝手伝えって…
う、う、うわああああああああん!!!!」
「ホント、アイツ最低だよね。
まあ、悪気はないんだろうけどさ。
そこが逆に性質が悪いっていうか。
自覚無く女を道具扱いするタイプだよね。」
「グスッ そりゃね。
ダーリン様の頼みだったら
大抵のお手伝いはするよ?」
「うん。」
「でも!!
必要な時だけ呼び出すって酷くない!!!
ウ↑チ↓はあの人の何なの!!!????」
「うん、ホント終わってるよね
アイツ。
《焼酎仙人》さん、コメントありがと。
うん、男の風上にも置けないよね。
《たぬき鍋》さん
薔薇ありがとうね。」
「サイアク。
人生で一番鬱です。」
「大丈夫。
ルナちゃんは悪くないよ。
リスナーさんも奈々ちゃんも
みんなルナちゃんの味方。
ほら、コメント欄見て?
みんなトイチが悪いって書いてるよ?
ルナちゃん何も悪く無いって。」
「…。」
「どうする?
配信中止して一旦泣く?
駅の方のカフェでも行こうか?」
「…がんばる。」
「そっか。
ルナちゃんは偉いね。」
「みんな、格好悪いトコ見せてゴメンねww
折角来てくれたのに、本当にごめんさない!
《ポン吉》さん。
金のハート、感謝です。
後、貢ぎマゾプランも入ってくれてありがとね。
《ゆう君のママ》さん!
最近コラボ出来てなくてゴメンねー。
はい、元気出たッス!!
《脳味噌家康》さん!
花火ありがとーーーー。
うん! 頑張る! 負けない!!
《地卍蔵》さん!
シャンパンありがとーーーーーー。
おカネ無い時は無理しないでね!
物じゃないから! カネじゃないから!
皆が見守ってくれるから、ウ↑チ↓耐えれます!!
哀しいこと、辛いこと、苦しいことばっかりだけど!!!
みんなが居るから頑張れまああす!!!!」
「同接950を突破したにゃーー!!!
じゃあ1000越えたら企画始める?
企画始めるー!?」
「企画するーーー!!!」
「956ゥ---!!!!
いいペースで増えてるよ!!!
みんな、この配信のURLを大至急拡散するにゃーーーー!!!!」
「《へっぽこ大明神》さん。
うん、そうだね。
今度、お店顔出してみるよ。
錦糸町だった?
OK、オフ会配信イベントしよ。
《よっぴー星人》さん!
そんなにアイテム投げまくらなくていいから!
コロナでリストラされたって言ってたよね?
ちゃんとコメント読んでるから。
今は貯金、しよ?」
「979ゥーーーーー!!!!!
うおおおおお!!!!
皆の力がこのアカウントに流れ込んで来るにゃあああ!!」
「コメント読めてない人ゴメン!!!!
ああ、凄い勢いで流れて行く!!
《たぬき6号》さん!
《ルナルナ命》さん!
《おち〇ぽ騎士団長》さん!
《痴漢冤罪で全てを失った》さん!
《たぬき鍋》さん!
《人生初ラスサバ取ったぞーい》さん!
ありがとね!!!
ありがとね!!!
はいッ!!!
これからもルナルナ@貫通済みは立ち止まりません!!!
害悪系の頂点極めまーーーーす!!!!」
「っしゃああああ!!!!!!
同接1000突破ぁあああああ!!!!」
「うおおおおおお!!!!!」
「うにゃああああ!!!!!」
「はい!
という訳で!!!!
ルナルナちゃんねる!!!
プレゼント企画を始めまーーーーす!!!!」
「イエーーーイ♥
どんどんニャフニャフー♪
ぱちぱちぱちーーーーーーー!!!!!」
「えっと、以前の配信で
カポエラ鈴木さんがゲストとして登場して下さったの覚えてますか?」
「TikTokに切り抜き上げてるんでリンク貼っとくにゃ!
ルナちゃんのファンティアに入会すると!
切り抜き動画、文字コラ画像、ルナちゃんカポエラダンス初挑戦動画が見れるニャ!」
「御自身でも飲食店を経営されておられる方なんで
配信の外では鈴木社長って呼ばせて頂いているんスけど。
ご実家が、規模の大きいみかん農園されておられるんですね?
そこで取れた三ケ日みかんでジェリービーンズを作っておられるんスよ。
うん、ステマ抜きでハマってます。
口が寂しい時に。
いや、フェラとかそういう意味ではなくww
ほら、みかんの形してるでしょ?
最初見たときね、おっ!? って思った。
このデカい袋、税別5063円。
何でこのサイズなのかは謎なんだけど。」
「多分これアメリカの規格にゃ。
2ポンド袋って向こうじゃ結構ポピュラーだにゃ。」
「おお!
初めて奈々の教師っぽいトコ見たw」
「恩師ちゃんは社会科教師にゃー♥
《公共》と《倫理》なら任せるにゃー♥」
「えっと。
プレ企画だけど。
送料こっち持ちで送るわ。」
「え?
わりと無造作にゃ?」
「応募を複雑にしちゃうとねー。
企画が成立しなくなるからねえ。」
「にゃるほど。」
「ウ↑チ↓からのプレゼントが欲しい人は
TikTok…
いや、ファンティアの方が確実だな。
無料プランで構わないので
入会した上でDM。
住所とプレゼント企画応募の旨を御記載下さい。
あ!
本当に大丈夫だから。
無理して有料プラン入らなくていいからね!
それで、実家に住んでる人は家族バレのリスクとかある訳じゃん?
差出人名指定してくれたら、その名前で送ります。
ウ↑チ↓、たまに使用済み下着とかをプレ企画で送ったりするんですけど。
それが困る人はちゃんとその旨記載しておいてね。」
「食卓冷え冷えだにゃ!」
「それで到着したら
SNSで三ケ日みかんジェリービーンズを食べた感想をアップして欲しいッス。
うん、宣伝だからね。
ウ↑チ↓としては浜松名物に持っていきたい。
浜松土産とか浜名湖土産で検索した時にね?
三ケ日みかんジェリービーンズがサジェストに上がるのが目標。
鈴木社長がどこまで想定されておられるかはわからないけど。
最終的にはアメリカ輸出狙ってもいいと思うのね?
デカいシノギにはなると思う。」
「それ賛成にゃ。
まずはジェトロに相談推奨にゃ。」
「一斉に同じ投稿が投下されたら、ステマ批判あるからさ。
プレゼント企画で当たりましたって書き添えてくれれば嬉しい。
あ、同接1300越えたねー。
《よっぴー星人》さん花火連発し過ぎww」
「はい、ルナルナのファンティアには
プロフィール欄から飛べるにゃ!
コンテンツ充実してるので、まずは無料プランへの登録お願いしますにゃ!」
「ん?
プレゼント企画の期限?
えっとねえ。
配信終わったら、その足でダーリン様に報告しにいくつもりなのね?
いや事後承諾なんだけど。
ははっ、その場合自腹切りまーす!!
だから、もう今応募しちゃって。
あ、もうファンティアの通知凄いことになっちゃってる。
ふふっ、ウ↑チ↓配信やってて良かった♪
あ、言い忘れてたけど。
ゴールデンランキング (10日 プラチナ C) 2位獲れました。
うん、皆のお陰。
ははっ寿司ペロ効果だけどさw
ス●ローさーん、見ってるゥーーー↑ww
あー、絶対ここだけ切り抜かれるなぁww」
「まさしく無敵の人にゃ♪
あ、同接1450。」
「やっぱりプレゼント系は伸びるねー。」
「多分、そのうち規制されるニャ。」
「ウ↑チ↓の所為で規制厳しくなったらゴメンね♪」
「あー、延長出来るけどどうするにゃ?」
「いや、鈴木社長にも謝らなきゃだから。
一旦区切らせて。」
「ま、妥当な判断にゃ。
《天草四郎童貞》さん、金のバラありがとにゃー♪」
「結局同接1500越えたね。
いや1550?
やっぱペース早いわ。
じゃあ、リスナーのみんな!
今日はありがと!
最初泣いちゃってごめんね!
うん、もう大丈夫。
ウ↑チ↓は… 1人じゃないから!
皆との絆があれば、戦えます!!」
「はーい、プレゼント希望の人はファンティア入会急ぐにゃ♪」
「それじゃあ皆!
突発ですが、1700近い同接来てくれたこと
感謝してまあッす!!!
今日は! 今日は!
本当にありがとうございましたーーー!!!!」
「バイバイにゃー♪」
【この配信は終了しました】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺が電気槍の説明を受けながら箱罠に近づいていると、鈴木に着信。
「井伊谷です!
ククリ罠にイノシシ掛かったそうです!
コイツを殺し終わったら1時間以内に持って来れます!」
この男も必死である。
気持ちはわかる。
1日にサラリーマンの月収以上のギャラを払う上客を見つけたら、誰だってそうなる。
現に俺だって大口預金者の安宅に滅茶苦茶気を遣ってるしな。
『鈴木社長、本当に感謝しております!
浜松は第二の故郷ですよー。』
「いやあ、ははは。
仲間も頑張ってくれてますので!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
6937万0600円
↓
6887万0600円
※鈴木翔グループに50万円を支払い
(日当10万円×2+イノシシ殺害歩合10万円+長距離走行手当20万円×1)
【推定経験値】
イノシシ1匹
40×1=40
《経験》 522→562
本日取得 40
本日利息 未取得
※次のレベルまでの必要経験値68
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鈴木は不安そうな顔をしているが、本当に不満はない。
異世界でホーンラビットに苦労した俺は殺生の困難さを身をもって思い知らされている。
なので、安全圏で一方的に獲得出来る40ポイントは本当にありがたいのだ。
『鈴木社長。
実感は湧かないかも知れませんが
こちらは本当に助かってます。』
「いえいえ、こちらの台詞ですよ。
それじゃ!
早速次の箱罠を!」
『ええ、感謝します!』
俺は何度も脳内で経験値を計算する。
17時までに鈴木がもう1匹を殺させてくれれば、日利でレベルアップ出来る。
ふふっ、これこそ【複利】の真骨頂。
俺は自動的に、そして指数関数的に成長する。
軌道に乗った時のレベルアップ速度を思い出して、ほくそ笑む。
「あ、あの…
ダーリン様。」
『ん?
鷹見か。
何?』
「さ、さっきは…
ゴメンナサイっていうか…」
『ああ、別に気にしてないよ。
まだ脇腹は痛むけどな。
で、何?
俺、ちょっと立て込んでるんだけど。』
「あ、あの鈴木社長の宣伝…」
『おお、あの話な。
鈴木さん、1時間くらいしたら戻って来るから。』
「み、みかんの…」
『ん?
ゴメン、鈴木社長と直接話してくれる?
俺、後藤さんのテントに呼ばれてるから。
探してる人にはその旨伝えておいて。』
…鷹見にも困ったものだ。
随分、関係者増えて来たからな。
アイツに構ってる時間、本当に無いんだよな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今夜、後藤一家・山岸一家が到着する。
俺も歓待の準備をしていたのだが、その前にエモやんが内々で話したいという。
「トイチさん、忙しいタイミングでお呼び立てして申し訳ありません。」
『いえいえ、予定の合間で退屈しておりましたので。』
「あ、良かったぁ。」
『「はははは。」』
「聞いて下さい。
例によって江本が作戦を考えたんです。」
『お! エモやんさんの作戦!
興味あります。』
「ふふふ、俺の事は天才軍師と呼んで下さい!」
珍しくテンションが高い。
必死で笑いを堪えるエモやん。
コイツも人生楽しんでるなあ。
「トイチさん。
俺が用意したのはコレです!」
勢いよくエモやんが突きだして来たのは…
『え? これ!?』
「はい!
金地金100グラムです!」
『おおおお!!!!』
エモやんが、ニヤリと笑いながら芝居がかったポーズをとる。
「カネカネカネカネナンマイダーww」
『あ! いいんですか!?』
「もうねー。
最初から試したいって思ってたんですよw
響さんに相談したら
《最初から飛ばしたらキモがられるぞ》
って怒られてw」
「トイチさん、スミマセン。
コイツ、昔から無駄にアグレッシブなんですよ。
そういう所、俺は好きなんですけど。
トイチさんの御迷惑になったらアカンと思って
セーブはさせてたんです。」
『あーいえいえ。
オフレコですが、換金性の高い物質にも
神様は恩寵を授けて下さりますので。』
「え!?
そうなんですか?
…あっちで?」
『ええ、あっちで実験済です。』
「おおお!!
じゃ、じゃあ。
この金もお預けして問題ないですか?」
『勿論、配当を支払います
それもドバっと!』
「あはは-。
ドバっと頂けますかwww」
『あの、金って幾ら位するんですか?』
「㌘9,399円です。
100㌘なので、93万9900円。
これに手数料として16,500円が掛かります。
田中貴金属で買いました。」
『へえ、やっぱり金はどこの世界でも価値がありますね。』
「あ、今の発言は異世界帰りっぽかったですよー。」
「トイチさーん、気を付けて下さい。
今やエモやんは異世界警察ですからw」
『うわー、毎日逮捕されそうwww』
3人で爆笑する。
そして、本日の恩寵の儀に江本の金地金も加える事を約束。
「ちなみにトイチさん。
向こうでは、何を増やされてはったんですかw?」
『エリクサーでーすw』
「コラ―、異世界警察だーww
逮捕するーww」
『「「あははははははwwwwww」」』
面白え。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「リン、少し時間を宜しいでしょうか?」
テントを出た途端にヒルダに捕まる。
参ったな。
時間、押してるんだけどな。
『俺、忙しいんだけどな。
うん、でもまあ、いいよ。
歩きながらでいい?』
「…はい。」
ヒルダの話はシンプル。
鷹見が知り合いに例のジェリービーンズを配送する約束をしたらしいので、許可を欲しいとのこと。
『え?
ああ、まあいいんじゃない?
で?
どれくらい配送するの?』
「現在集計中なのですが、先程の時点で300は越えてました。」
『へー、アイツ知り合い多いんだな。
いいんじゃない?
鈴木さんにも顔が立つし。』
「…。」
『いや、わかってるよ。
カネは俺が負担するつもり。
だって鷹見に頼んだの俺だし。』
「…。」
『ん?』
「褒めてやって下さい。」
『え?
ああ。
感謝してるよ。
鈴木家も喜んでくれるだろう。』
「リン。
その言葉をどうしてルナに掛けてやらないのですか。」
『え? え? 何で怒ってるの?』
「言葉だけではありません。
もっとルナに時間を掛けてやって下さい。」
『え?
いや、ヒルダは側室反対派だろ?
何でそんなに怒ってるの?』
「…私のテントにルナが居ります。
訪ねてやって下さい。」
『わかった。
駐車場で鈴木社長を待つから、アイツも来させろ。』
「調度を整えさせております。
たまにはゆっくりお茶でも。」
『外でなら飲むよ。』
「…。」
『オマエらを避けてる訳ではないんだ。
今は奥に渡る時期ではない。』
「…では、いつ?」
『うーーーん。
厳密には考えて無かったな。
ただ、身内に女が行き渡るまでは…
渡らない。』
ヒルダは表情を変えずに溜息を吐く。
「ルナを遣ります。
ボア退治でも見せてやって下さい。」
『ヒルダは来ないのか?』
「宜しいのですか?」
『面白いものではないけどな。
鈴木社長を労ってやってくれ。』
…コイツらの所為で稼働時間が削られる。
本当に辛い。
女にはわからないかも知れないが、俺だってギリギリの時間配分で動いているのだ。
頼むからこれ以上時間を奪わないで欲しい。
平原猛人や安宅と軽い打ち合わせをする算段だったのだが。
無理だな、もう駐車場に向かわなければ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鈴木が感激して鷹見に礼を述べている。
よくわからないが、この女の配信が役に立ったらしい。
へえ、てっきり犯罪実況道具かと思ってたよ。
少し見直す。
「いやあ、遠市さんにもルナルナさんにも
何とお礼を申し上げればいいのか?」
『あ、いや。
私は鷹見に頼んだだけですので。』
「それにしてもルナルナさんの人気は凄いですね。
私のインスタ、ここ数日でフォロワーが大量に増えました!
仲間の娘さんが尊敬の眼差しで見てくれるようになりましたし!」
『へえ、鷹見って結構凄いんですね。』
「いやいや!
凄いなんてもんじゃないですよ!
日本を代表するインフルエンサーですから!」
流石にこれはリップサービスだろうな。
でもまあ、喜んでくれて助かった。
これで兵庫に行っても、そこまで恨みを買わずに済みそうだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
6887万0600円
↓
6837万0600円
※鈴木翔グループに50万円を支払い
(日当10万円×2+イノシシ殺害歩合10万円+長距離走行手当20万円×1)
【推定経験値】
イノシシ1匹
40×1=40
《経験》 562→602
本日取得 80
本日利息 未取得
※次のレベルまでの必要経験値28
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お見事で御座います。」
俺が電気槍でイノシシを殺すと、ヒルダが上品な微笑(女将モード)で拍手をする。
それを横目で見ていた鷹見が慌てて真似をする。
「あ、すごいです。
お疲れッス。」
『どういたしまして。
でも、これは全て鈴木社長のおかげだよ。』
「鈴木社長。
いつも主人をありがとうございます。」
鷹見が再度ヒルダを横目で見ながら頭を下げる。
「あ、ありがとうござい… ます。」
その後、関羽が持って来た集計表を見ながら、鈴木に商品代を支払った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
6837万0600円
↓
6654万2857円
※鈴木農園に182万7743円を支払い
(三ケ日みかんジェリービーンズ5063円×361個)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「いやいやいや!
え?
これ、遠市さんが出して下さるという意味だったんですか?
えっと、キャッシュバックとか…」
『ああ、いえお構いなく。
在庫ありますか?』
「はい!
在庫は大丈夫です。」
『後、送料。
かさむ様なら後日総額を教えて下さい。』
「あー、いえいえ!
本当に本当に!」
「ダーリン様。」
『ん?』
「発送作業では個別に包装するんスよ。」
『え?
ああ、確かに。
そうなるよね。』
「ウ↑チ↓が宛名書きから梱包まで全部やるんスすけど。
その様子、見ます?」
『え? いや。
どうなんだろ。
鈴木さんのご実家に迷惑じゃない?』
ヒルダが目線で《そうしろ》と言ったので、従う事にする。
ただ、【複利】の発動まで時間もないので、後から鈴木農園に合流する約束をした。
毎日17時にキャンピングカーに入るのは本当にマズい。
ここが真の策源地であると自白しているようなものである。
あの手この手で誤魔化しているが、世間は俺ほど馬鹿ではあるまい。
早々にリズムを変えなくては。
「トイチ君。
さっきルナちゃんと喧嘩したって聞いたけど。」
『いえ、例によって一方的にボコられただけです。
情けない話ですが、俺はワンパンで沈みました。』
「あはは。
やんちゃな女の子って可愛いよねw」
…寺之庄よ。
迂闊な発言をすると弓長が真に受けるぞ。
「じゃあ、早速で悪いけど。
おカネのチェックお願いするね。
安宅さんの追加はなしなので、昨日と同額で。
明日、ちょっと増やさせて欲しい。」
『はい、承知しました。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
6654万2857円
↓
3億1654万2857円
※出資金2億5000万円を預かり
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【複利】が発動するまでの間。
寺之庄に、再度子供食堂の相談をする。
お互い知識に乏しかったので、面倒見の良いjetに丸投げする話の流れに。
勤務する歌舞伎町の居酒屋にいっぱい食料を送って様子を見る事に決定。
彼からのメッセージには[ウナギ、楽しみにしてるな]と記載してあったので、まずは彼らに鰻丼祭りを頼んで貰う事に決める。
[民業圧迫は調べておく。
配給ってダンピングと紙一重なので
受給資格を決めた方がいいかもな]
jetからのメッセージは最後にそう締め括られていた。
アイツ、ポールと同じで確か経済学部だったけ。
色々持論ありそうだよな。
「トイチ君、そろそろ時間。
ベッドに戻って!」
『はい!』
「真姫から合図も来た。
周囲に人影ないって!」
『あざっす!』
《2215万8000円の配当が支払われました。》
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
3億1654万2857円
↓
3億3870万0857円
↓
3億3370万0857円
↓
8370万0857円
※配当2215万8000円を取得
※配当金500万円を出資者に支払い
※出資金2億5000万円を別に保管
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
頭の中で何度も計算。
間違いない。
想定通り7%。
経験値配当でレベル7になったということだ。
今日のレベルアップに関しては、17時前に駆け込みでイノシシを殺させてくれた鈴木の功。
どれだけ兵庫が豊穣の地でも静岡は捨てない事を改めて決意する。
「恩寵、増えちゃったねw」
『ヒロノリさんのお陰ですよw』
「僕、何もしてないよおw」
何もしてないどころではない。
逆。
そもそもこの男と出逢わなければ、グランピング場を拠点とする案自体を思いつかなかった。
加えて、彼のスマホで皆と連絡し、彼のイケメンインスタアカウントで告知をさせて貰ってる。
(この圧倒的イケメン補正の恩恵を俺も享受出来ている。)
人当たりの良さで人間関係の円滑化に多大な貢献してくれている。
何より、今こうやって金庫代わりに使っているキャンピングカーも寺之庄家の所有物だ。
寺之庄煕規には足すら向けられない恩義がある。
「トイチ君!
枕元!」
『え?
ああっ!
金?』
「な、7枚。
…刻印は田中貴金属だね。
へえ、1gインゴットなんて初めて見たよ。」
『江本さんが側に居られたら呼んで貰えませんか?』
「OK
メッセージを送ってみる。」
恐らく周囲で息を潜めていたのだろう。
エモやんは一瞬で到着する。
『天才軍師w』
「天才軍師w」
「え? 成功ですか?」
『どうぞ。
お返しします。』
「うおーー!!!
うおーーー!!!」
「江本君でも、そんな表情するんだねw」
エモやんが拳を天に突き出した。
やっぱり純金って一種独特の魅力があるよね。
「と、トイチさん。
この場合。
2枚貰ってええんですかね?」
『あーいやいや。
ドバっと払うって言ったじゃないですか!
金地金の配当は勿論7枚全てです!』
「うおーー!!!
うおーーー!!!」
3人で肩を抱き合って笑い合う。
やっぱり富が増えるのって気持ちいいよな。
本日のエモやんの功績はデカい。
通貨ではない地金も増える事が証明された。
シリアルナンバーすら打たれている。
紙幣と同法則が適用されるなら…
このシリアルナンバーは恐らく有効。
…この分だと他の稀少資源でも応用が利くな。
銀? プラチナ? レアメタル全般?
今井君よ。
君との約束、多分果たせるよ。
可愛い後輩からのお願いだもんな。
高過ぎるガソリン代は許せんよなあ。
「トイチさん、明日早速
この1グラムを普通に売れるか実験してきます。」
『はい、お願いします!』
よし。
俺1人ではカバー出来ない範囲に皆が進んでくれている。
本当に助かる。
俺の手持ちは8000万円を越えた。
正直、日本銀行券の形態で持ち歩くのは辛い。
金地金も重いのだが、それでも別の形が提示されたのは非常に嬉しい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
…さて。
後藤家・山岸家が浜松西ICにもうすぐ到着とのこと。
常道であれば、場を清めて出迎えるべきなのだが、後藤の意見は違う。
「いや、逆ですね。
ここは鈴木農園一択でしょう。
俺と江本は残らざるを得ませんが、トイチさんは鈴木社長を最優先して下さい。」
『良いのですか?』
「えっとですね。
ルナさんだけを向かわせて、トイチさんが先方に顔を出さなかった場合。
鈴木家の心証が悪化すると思うんですよ。
《挨拶に来るのが億劫だから女を出向かせてお茶を濁した》
という具合に。
なまじ、大金を投じたのが裏目に出るんです。
《東京から来た金持ちがカネにあかせて地方民を酷使する》
そう解釈されたら、今後に支障をきたしますよ?」
『確かに。
私も、そういう構図は嫌いです。』
「トイチさん。
本音で言えば、態勢が整い次第兵庫に行きたいんですよね?」
『ええ、まあ。
向こうの方が纏まった数を確保出来るようなので。』
「だからこそ、まずは鈴木家の心証を大切にしましょう。
えっと、ヒロノリさんから伺いましたが
歌舞伎町に鰻を送りはるんですよね?」
『あ、はい。
jet達には色々動いて貰ってるので。』
「だったら。
その鰻も鈴木さんの伝手から購入するべきです。
それさえしておけば、向こうの顔も立ちます。」
『ああ、そこは気が付きませんでした。
後藤さんには教わりっぱなしです。』
「それはお互い様ですよ。
じゃあ、早速。
ウチはええんです。
身内ですから。
トイチさんが遅くまで仕事してるのは
我が家にとっても心証がええんです。
だってそうでしょ?
俺らまだ二十歳ですやん。
そんな若造がね?
こんなに立派な金持ち向け施設でBBQ三昧というのは…
俺も親父からは色々言われてますんで。」
『言いにくい事を言ってくださってありがとうございます。
ヒルダに送迎して貰います。
遅くなる可能性もありますので、先にご就寝なさっておいて下さい。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鈴木農園までは30分程の距離。
昼間なら20分で着いていたかも知れない。
「トイチさん。
両親が、是非お礼を述べたいと。」
車から降りた途端に駆け寄って来た鈴木に声を掛けられる。
母屋に向かい、鈴木の両親と改めて挨拶を交わす。
「翔がね?
東京から遠市さんを招きたいと言ってきた時は…
強く反対したんです。
丁度、遠市さんの事件が世界中で報道されてましたし。
あの子は昔から問題ばかり起こして…
母親の私がいつもご近所さんに謝って回っていたので。
それで遠市さんと一緒に、お寿司を舐めた事件で逮捕?
されたルナちゃんが来ちゃった訳でしょ?
もうねー。
最近はずっと翔を怒ってばかりだったんです。」
『…ご迷惑をお掛けします。』
「でもね?」
『はい。』
「…あの子、それを差し引いても大切にされる事をお勧めするわ。」
鈴木の母親は無言でヒルダを見る。
「承知しました。」
どこまで本音かは不明だが、ヒルダがそう答えて話は終わり。
鈴木の父親が戻って来て、地域の地酒を贈ってくれた。
折角だったので、jetを介した歌舞伎町への食材送付の相談も行う。
商工会仲間の紹介を快諾してくれた。
そして作業場に案内される。
鷹見と恩師がたったの2人でテキパキと手を動かしている。
『松村先生も来られてたんですね!?』
「誰かさんの義務を肩代わりしてあげているだけよー?」
やや疲労があるせいか、語尾に《ニャ》は付いてない。
或いは、猫耳を装着しないとあの珍妙な喋り方は出来ないのかも知れない。
『あの…
鷹見、俺が手伝えること
何かある?』
「説明をしておきたかっただけッス。
そこで見てて。」
『あ、はい。』
鷹見はノートPCに繋いだ小型プリンターから何かを印刷している。
「宛名シールです。
ついさっき鈴木社長の奥様に買って来て貰ったッス。」
「ルナちゃん。
梱包OK!
太客向けは緑のカゴに入れておくから。」
「サンキュ。
奈々も休憩してきな。」
「カウント終わったら、一服させて貰うわ。」
『…。』
改めて鷹見から説明を受ける。
俺が居ない間、配信でプレゼント企画を行ったとのこと。
何でも住所を送って来た者に鈴木農園の商品を発送する企画らしい。
『気前の良い事だ』と呟いてから。
その商品代を払ったのが俺だと気付き、思わず苦笑する。
「ダーリン様。
このプレゼント企画って、今凄く流行してるんスよ。
殆どが詐欺なんですけどね?」
『詐欺?』
「ええ。
SNS上で《現金配付》《高額商品プレゼント》を謳って個人情報を収集して
その名簿を売るスキームってあるんです。
名簿の主要顧客は反社組織ッスね。
そこから闇バイトの勧誘をされた奴も多いです。」
『酷いな。』
「でしょ?
だから、本当に送ると結構驚かれるんスよ。」
『へえ!』
「最初は破れたストッキングでした。」
『え?』
「ウ↑チ↓のプレゼント企画ッス。
捨てるのが面倒で箱に溜めていたんスよ。
配信中に《メルカリで売る》って言ったら
《チャンネルを宣伝するから送って欲しい》
ってコメントが幾つかあって。
それで住所をDMで送らせて、10人くらいに送ってやりました。」
『結構マメなんだな。』
「ウ↑チ↓、配信以外に何もないんスよ。
親もダチもいねーし。
だから、マメって言うか…
こういう形の依存ッスね。」
『そっか。
でも、担任に恵まれて良かったな。』
「…はい!」
これは皮肉ではない。
俺にとっては兎も角、鷹見にとってはきっと大切な存在なのだろうから。
「それでね?
ここからが本題。
ストッキングを送った連中がファンとして定着したんです。
ウ↑チ↓の配信がある度に、高額の投げ銭。
ファンクラブサイトでも、毎月1万円のコースに入会してくれたり。」
『1万円!?
え?
そんなに払って、どうなるの?』
「寿司ペロ動画をプレゼントしたりします!」
『え? え? え?』
「ダーリン様、もう令和ッスよ?
アップデートして行きましょう。」
ん?
これ、俺が悪いのか?
時代遅れなのか?
「まあ、他にも個別エロボイスをプレゼントしたり
ウ↑チ↓も結構ホスピタリティ気を遣ってるんです。」
『へえ。
鷹見って商才あるのかもな。」
「ええ、そこら辺。
漠然とした自信はあったんスけど。
ヒルダが褒めてくれて、確信になりましたね。
《ウ↑チ↓のこれまでの路線は無意味じゃなかったんだ》
なって。」
『ふーん。
あの人が太鼓判を押したのなら、かなりのものだよ。』
「で、コレひょっとしたらダーリン様の活動の参考になるかもって思って
今夜来て貰ったんスよ。
勿論、ヒルダに話は通してます。」
『なんか、色々気を遣わせてゴメンな。
俺はこれからもこんなだろうけど。』
「いーえ。
あまりに旦那が糞過ぎると嫁姑問題が起こりにくいそうッスよー。」
思わず吹き出してしまう。
ヤバいな、コイツラに情を移さないように頑張っているのが無駄になりそうだ。
「全員の住所、名簿化してます。」
『え?』
「当たり前でしょ。
この中には当然敵も居るだろうし
逆にウ↑チ↓への熱烈な狂信者も居るんですから。」
『…確かにな。』
「ウ↑チ↓が浜松に居る事が知られてる所為か…
静岡・愛知勢の比率が今回は非常に多かったです。
浜松市の宛先が一番多くて39名。
プレゼント対象者が361名ですから、全体の1割強になります。」
『あ!』
「そうです。
オンラインコンテンツと言っても
やっぱり地域性はあるんですよ。
…ダーリン様には、こういった生の統計に触れて欲しかったんです。」
『…。』
「勝つんスよねッ!?
アンタはッ!!」
『…ああ、勝つ。』
「こういう絡め手もちゃんと覚えておいて下さい。
知っていて損にはなりませんから。」
『…まずは礼を言わせてくれ。
鷹見のおかげで色々見えて来た。』
「異世界ボケは治ったッスか?」
「…もっと真剣に切り替えるよ。」
「向こうに奥さんが居られる事は知ってるッス。
ダーリンは律儀な方ですから、きっと先着順の原則は崩さないでしょ?」
『崩さない。』
不意に鷹見が俺を引き寄せ、優しく唇を重ねて来る。
「でも、ここは地球です。
ウ↑チ↓、絶対誰にも負けませんから。」
あまりに強い意志を宿した瞳に何も答えられなかった。
わからない。
オマエは何故そこまでするんだ?
その後、鷹見は送り先の住所を1件1件慎重に検索し、恩師と共にその中に含まれていた税務署寮や警察官舎を暴いていった。
田舎の豪農、県庁所在地のタワマン、法人登記地、全てが分析対象。
大手電機メーカーや財閥系鉱山会社の地方寮も幾つか発見した。
「ダーリン様、レアメタル関連で質問したい事柄はありますか?
あー、コイツは造船技師ッスね。」
『あ、いや。
月並みだけど、今後の日本のシェアとか…
何か困ってることないかとか?』
「了解ッス。」
ここまで徹底しているとは思わなかった。
本当に住所と名前・ハンドルネームと一言メッセージから、個々の個人情報に辿り着き、精度の高いプロファイリングまで済ませてしまったのだから。
…そりゃあコイツ強い訳だわ。
鷹見と恩師は1人1人に手書きのメッセージを書き添え、便箋にキスマークを擦り付けたり毛髪を挟んだり、考え得る限りのサービスを尽くした。
2人が太客への包みに下着を同梱し終わった頃には、もう日付が変わろうとしていた。
いつしか物音は消え、蛙の鳴き声の中を2人が名簿を読み合わせる事務的な声色だけが響き続けていた。
【名前】
遠市 †まぢ闇† 厘
【職業】
東横キッズ
詐欺師
自称コンサルタント
祈り手
【称号】
GIRLS und PUNCHER
【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)
《LV》 7
《HP》 今日も殴られた
《MP》 満タン
《力》 女と小動物なら殴れる
《速度》 小走り不可
《器用》 使えない先輩
《魔力》 ?
《知性》 悪魔
《精神》 女しか殴れない屑
《幸運》 的盧
《経験》 638
本日取得 80
本日利息 36
次のレベルまでの必要経験値632
※レベル8到達まで合計1270ポイント必要
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※経験値計算は全て仮説
【スキル】
「複利」
※日利7%
下2桁切り上げ
【所持金】
8370万0857円
【所持品】
jet病みパーカー
エモやんシャツ
エモやんデニム
エモやんシューズ
エモやんリュック
エモやんアンダーシャツ
寺之庄コインケース
奇跡箱
コンサル看板
【約束】
古屋正興 「異世界に飛ばして欲しい。」
飯田清麿 「結婚式へ出席して欲しい。」
〇 「同年代の友達を作って欲しい。」
「100倍デーの開催!」
「一般回線で異世界の話をするな。」
〇後藤響 「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
江本昴流 「後藤響を護って下さい。」
×弓長真姫 「二度と女性を殴らないこと!」
× 「女性を大切にして!」
〇寺之庄煕規 「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香 「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介 「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
「今度、焼肉でも行こうぜ!」
藤田勇作 「日当3万円。」
〇堀田源 「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘 「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
「お土産を郵送してくれ。」
楢崎龍虎 「いつかまた、上で会おう!」
警視庁有志一同 「オマエだけは絶対に逃さん!」
×国連人権委員会 「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬 「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
水岡一郎 「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人 「殺す。」
「鹿児島旅行に一緒に行く。」
車坂聖夜Mk-II 「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
今井透 「原油価格の引き下げ。」
荒木鉄男 「伊藤教諭の墓参りに行く。」
鈴木翔 「配信に出演して。」
×遠藤恭平 「ハーレム製造装置を下さい。」
「子ども食堂を起ち上げる。」
木下樹理奈 「一緒に住ませて」
松村奈々 「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇鷹見夜色 「ウ↑チ↓を護って。」
〇 「カノジョさんに挨拶させて。」
〇 「責任をもって養ってくれるんスよね?」
×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
「王国の酒…。」
「表参道のスイーツ…。」
「ポン酢で寿司を喰いに行く。」