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子供向けのお話シリーズ

ヒトカタと共に幸せを 〜雛祭異聞〜

作者: 日浦海里

ひな祭りは五節句のひとつです。

五節句とは、人日、上巳、端午、七夕、重陽を指し、

ひな祭りはこのうちの上巳の節句にあたります。


上巳の節句は古来中国で行われていた行事で

「川で身を清め厄を洗い流す」行事が日本に伝った後、

平安貴族の幼子の遊び「ひいな遊び」と

川に人形ひとがたを流す「人形流し」という

厄払いの風習と混ざって、

今のような形になったといわれています。


人形は古来より、

人の「身代わり」としての役割を持っていました。

子供が産まれると、

その子に降りかかるはずの「厄」を代わりに受けてくれるよう、

子供の無事を願い、人形を作ります。

そして、子供が無事に成長すると、成長を祝うと共に

幼子の代わりに厄を引き受けてくれていた人形を

川に流した風習が「人形流し」です。

これが、上巳の節句の「川で身を清め厄を洗い流す」と

結びついたようです。


その時代に合わせながら

少しずつ形を変えていった「ひな祭り」。

そのため、ひな祭りの語源については所説あります。

先の「ひいな遊び」を語源とする説の他にも

火無ひなし祀り」

「姫成る(ひいなる)祭り」

といった呼び名から転じたとする説です。


「火無祀り」は、

川で身を清める厄を流す、火(災厄)を無くす意味から

「姫成る祭り」は、

我が子が健やかに姫のように育つことを願う意味から

こうした呼び名が転じてやがて「ひな祭り」と呼ばれるようになったとする説です。


「ひな」は「雛」。

幼子を示す言葉です。

もしかすると、それぞれの言葉は

いずれも同じ願いが込められていて

ただ呼び名や当てた字が異なっただけなのかもしれません。

いずれにしてもそうした言葉が

時代と共に祭りの意味合いが変わるのに合わせて

今の「雛祭り」と言葉が変わっていったようです。


幼い子が健やかに育つようになり、

飾る雛も人々の暮らし向上と共に豪華になっていくことで、

今では人形と共に厄を流す風習はなくなりましたが、

今も昔も子供たちが健やかに幸せに育つことを

願う親の気持ちが込められている

その思いは変わらないですね。


温もりのある灯火と

厄を払う桃の花と共に

良い節句をお迎えください。

節分とは異なり、

本作の半分から6割ぐらいは

実際に「そのように言われている」説です。


火無祀り

姫成祭りの下りがフィクションですので

他の方に話をする際には

取り扱いにご注意ください。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  やっぱりもっともらしいところ。 [気になる点]  やっぱりなところ。 [一言]  今回は構えて読みました。  探せば本当にありそうな逸話、ですね。  子どもの健やかな成長を願う。  こ…
[良い点]  火無祀り、姫成祭り。  また、あとがきを読んで、「!?」と。  ふう、危なかったです。(*`艸´)      いや、でも。もしかしたら。  そうかもしれませんね?
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