4-1:私とアナタの世界 私の最後の願い
ルカになる前の事をぼんやりと思い出した。
ずっと何も良い事なんて無くて、せっかく持っていた力も全然うまく使えなくて、ただ利用されるだけだった日々の記憶。
どうしようも無くなって最後は夢の中で過ごそうとして・・・
でも、その時、何故か目の前にいた人と目があった。汚れた金髪で全てを諦めたような暗い目をした女の人。ボロボロで先なんて無い哀れな加害者。
あぁ、この人はきっと私と同じなんだ。
理由はよく分からないけど、一目見た時にそう感じた。
だから、私は手を伸ばした。
その金髪の人が「私に何をしたか」なんてどうでも良い。
どうせ誰かにやらされたんだ。この人の意思じゃない。
この人なら・・・きっと私と一緒に死んでくれる。
そう思いながら私は手を伸ばした。
もちろん、そう思っただけで私の身体はピクリとも動いていなかったはず。もうとっくに身体の感覚さえ随分と曖昧になってたから。
普通に考えれば私も、目の前の彼女も、そのまま順当に死に向かうのが当たり前。
魔法擬きを身に抱えた出来損ないの魔術師が、使い捨ての鉄砲玉と相打ちになった。
これは、ただそれだけの下らない話。
続きなんてあるはずも無かった。
でも、奇跡が起きた。
いえ、奇跡が与えられた。
私とあの人は、私の願いのままに新しい世界へと降り立つ事になった。
私の死までの一瞬の時間、それを引き延ばして実現した夢の世界。それがここ。
そして、今も彼女たちは夢の続きを・・・
今日も読んでくれてありがとう。小さめだった風呂敷を畳みつつ、テーマの御開帳。実は本編とは真逆だったりします。




