1-3:アヤツとアヤツの夢 儂がしてやれる事
「もう来よったんか。もう少しゆっくりしてもええのにの」
ダンジョン内に増設した監視装置、それに映るのは探索者の群れを率いるルカの姿。
なんやかんやと能力の付加はしたが・・・リーダー的なポジションで来るとは想定しておらなんだ。てっきり4人ぐらいの探索者チームになるかと。
「・・・空間魔術があるから荷物持ちはいらんし、魔術で遠距離攻撃も出来るようにしたし・・・そこまで人数はいらん気がするんじゃけどな?」
そもそもクリアされる事を前提にした今の王都ダンジョンは、そんなに厳しい場所じゃないんよな。それこそ時間さえかければ中堅どころのギルドマンでもクリア出来る程に。
「せっかく楽しく冒険・探索出来るようにこさえたのに40層目までは分業で、最後の10層も集団戦でこられてしまうと、なんか肩透かしな感じじゃ。流石に効率重視過ぎるじゃろ?
な?お主もそう思わんか?」
返事があるわけもないのに、儂はいつものように「ソヤツ」に話しかける。
「こんなんで十分に未練は晴らせるんかの?
それとも、そこまで良いもんでも無かったんかの?思ってたのと違う、みたいなんはどんな分野でも起こり得る事じゃし」
他人の心の中なんて分からんもんじゃからの。そじゃからこそプレゼントってのは頭を悩ます価値があるわけじゃが。
「ま、分からん事を悩んでても仕方が無いわな。まだ少し早いが、そろそろ次の用意をしようかの?・・・なぁ、オヌシは何かしたい事とか、やりたかった事とか・・・儂にして欲しい事とか・・・無いんかの?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
当然の事ながら返事は無い。そりゃ、そうじゃ。コヤツはもう終わってしまっておる。今ここにこうしておるのも、何かの因果で偶々発生したロスタイムに過ぎんのじゃろう。
じゃが・・・
「オヌシがしゃべってくれたら儂も随分と楽なんじゃがの。
んじゃ、何か思いついたら教えてくれ。儂は向こうで作業に入るでな」
それでも儂は話しかける事を止めはしない。今の儂にはコヤツを無視する事なんて出来はしないのじゃから。
「・・・にしても準備はするが、ルカはどうするんじゃろうなぁ」
たかが10階層。ルカがこの真っ白な『未設定領域』に辿り着くまで時間は大してかからないはずじゃ。
じゃが、その後・・・その後は・・・
「ルカはルカで何がしたいのか、それもいまいち分かっておらんからのぅ」
ルカのためにやれる事も残ってはおるが、それをアヤツが望んでおるかは・・・よく分からんでな。
今週も読んでくれてありがとう!ちょっと時間に余裕が無いので一話だけの更新です!ちなみに、そんなに引っ張らないから安心して下さい。




