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儂とアヤツと何処ぞの世界  作者: シマタロウ
2章:儂とアヤツと世界の仕組み
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2-3:儂とアヤツと地下迷宮 ホント何しに来たんでしょうね、私達


「快適ですねぇ・・・いったい何処からアイディアが出て来たんです?」


「何処からって言うか、儂って元々はコッチ系の魔術が専門じゃったんじゃよ、使役系みたいなの。過去のトラウマ的思い出のせいで、思考の端っこに追いやってしまっておったが」


「へぇ、そうだったんですね。だから、こんなに見事なわけですか」


 関心しながらも私は外の様子に目を向ける。


 小さな覗き窓からの景色は結構なスピードで流れている。その一方で座っている私達に伝わる振動はかなり小さい。それこそ少しガタゴトする程度。


 本当にアリスちゃんの技能の高さには驚かされてばかりです。


 私達が今いるのは湿地帯を走る神輿の上。もちろん、実際には神輿ではなく、壁と天井が付いた立派な馬車のような代物です。・・・アリスちゃんは凝り性ですから。


「私、思うのですけど、ゴーレムを馬代わりにしてる人って初めてかと」


「んなわけなかろ?こんなん誰だって思い付くぞ。儂らは偶々足場の悪いところを移動する機会が無かったが、交易者はそんなんこそが日常じゃぞ?

 そら王都周辺では見かけんが地方にいけば普通にあるじゃろ?この程度の物は」


 そうでしょうか?馬代わりとは言ったものの、実際には荷台を三体のゴーレムが持ち上げて移動しているわけで・・・こんなの考え付いたところで、普通の人では制御出来ないんじゃないかと私は思ったりしています。


「にしても久しぶりではあるが、自分は座ったままで眷属を働らかせる感覚、やっぱりシックリ来るのぅ。直接殴ったり斬ったりするのって魔術師の戦い方じゃないんよのぅ」


「・・・何を今更」


「あー、やっぱルカもそう思っておったか。儂も昔はそうじゃったんだが、主殿の印象がどうにも強くての」


「なるほど。眷属の魔術に嫌な思い出があるし、強い魔術師と言えば主さんの印象があるから、どうしても使う魔術の傾向が偏ってしまっていたと」


 そんな私の言葉にアリスちゃんは何故かキョトンとしたお顔。


「言ってなかったかの?全盛期の儂をコテンパンにしたのは主殿なんじゃ。今の文脈で言えばトラウマの発生源こそが、クソ強くて変な魔術師である主殿じゃったってわけじゃ」


「は?」


「いやの。儂がまだ悪い吸血鬼をやっておった頃の。討伐部隊として派遣されて来たのが主殿と奥方じゃったんじゃ」


 なんて?吸血鬼?討伐??


「で、事前に察知した儂は工房にしておった城に結界を張って、稼働しておる数百もの僕を並べて迎撃にあたったわけじゃ」


 は?城??


「じゃがなぁ、奥方の初撃で結界は破られ、侵入して来た主殿がドンドコ僕を削っていっての。

 えらいこっちゃ逃げんと!って戸惑っておったら隠れておった部屋のドアがスルリと開いて主殿がグサーっての」


「え?待って。全然話に付いていけてないんですけど、最後はどうなったんです?」


「・・・記憶が曖昧じゃが胸を短刀で一突きじゃったそうな。儂はそこで一回死んで、それから何かに存在を籠め直されて、主殿の使い魔になったわけじゃな」


「え?アリスちゃんって死んでるんですか?」


 どういう事?


「二回死んどるの、そう言えば。人から吸血鬼の時と吸血鬼から使い魔の時と。・・・そう考えると儂って随分と意味の分からん存在じゃな。気が付かんかったわ!」


 ハッハッハー!と高らかに笑うアリスちゃん。まぁ、私の師匠がよく分からない存在なのは今更の話なのでサラッと流しておくのが吉ですね。


「アリスちゃんの身の上話は置いておくとして、この神輿に乗ったままでボスに近寄っても大丈夫なんですかね?遠距離攻撃とかされたら不味くないですか?」


 20層のボスもゴーレムタイプなら投石とかして来そうじゃないですか。


「大丈夫じゃよ。ボスは湿地帯らしくデカいニョロじゃったから」


「知ってたんですか?」 


「観測器が捉えた情報は儂に共有されとるからの。ついでに言えば、既に遠隔で攻撃も開始しとる。上空からの攻撃に弱いみたいなんで、うまく行けば到着するまでに封印まで終わっとるやも知れん」


「・・・いつの間に」


「ゴーレム神輿は安定性はあるが足が遅いからの。ちんたら走っておる間に作業を進めておいたんじゃ」


 作業・・・攻略って意識は本当に無いんですね。


「おっ、噂をすれば影って感じかの。デカい蛇の封印が終わったぞ。現地に着いたらハッキング作業スタートじゃな。

 と言っても、まだ到着まで時間もかかるし先に飯にしとくか。揺れるから調理は出来んが惣菜パンなら十分食えるからの」


 アリスちゃんは楽しそうに謎の空間収納に手を突っ込んでランチメニューを探索しています。空間魔術って言ってましたけど、かなり意味不明ですね。傍から見てると宙に浮く黒いモヤモヤ(厚み無し)って感じで欠片も理解出来ませんし。


「何がええかのぅ。昨日までは中華風のメニューが続いておったし、今日は欧風で行くかの?とは言え、味が濃いものばかり続くと飽きてしまうで・・・そじゃの、オムレツサンドじゃ!今日の昼はオムレツサンドに決めたぞ!!」


 まぁ、楽しそうで何よりです。


 10層目のボスは突入初日の早いうちに封印済み。20層目のボスも到達した日に封印が完了。

 

 時間がかかったのはハッキングと神輿作り・・・ホント何しに来たんでしょうね、私達。神輿作るのなんて丸一日かかってますからね。



今週も読んでくれてありがとう!あんま時間が無いから今週は一話だけだよ!また来週もよろしく!

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