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儂とアヤツと何処ぞの世界  作者: シマタロウ
2章:儂とアヤツと世界の仕組み
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1-2:儂と混乱する王都 3時間も寝れば十分じゃろ?



「魔術封じで一旦はどうにかなっておるが、あれもいつまで持つかは分からんぞ。なにせ柱の機能に無理矢理に割り込ませとるだけじゃからな。

 それこそ柱に自己修復機能でもあれば、いつ機能を停止してもおかしくはないんじゃ」


 アリスちゃんが苦い顔をして役所の人達に語っています。

 前に来た時、役人の皆さんはカッチリした服装で少し偉そうな態度でしたが、今日はなんだか駄目な感じです。なんだかヨレッとしています。


「あぁ、分かった。それで停止した場合に備えての代替手段はあるのか?」


「用意出来ん事は無いが、流石にそれぐらいは役所の方で対応出来んのか?

 儂が対処療法にかかりきりになれば、本質的な対応が後回しになってしまうじゃろ?それとも、お主らがやってくれるんか?」


 珍しい事にアリスちゃんが少し露悪的。でも私もその気持ちは分かります。既に王都の災害が起きてから半日、彼らは未だに何も出来ていないのですから。

 いえ、何も出来ていないどころか最初は『魔術が使えないと困る』みたいな苦情さえ言っていました。そりゃ、清浄化の魔術も使えないんじゃ住民から非難されたりもするでしょうが、今はそんな事に気を取られている場合では無いはずなのに。


「・・・分かった。魔術を妨害する手段については我々で用意する。いま動いている術式の仕組みは共有してもらっても?」


「あぁ、それぐらいはええ。すまんが頑張ってもらうぞ」


 役所の人を連れてアリスちゃんが部屋の隅に置いてある大きな作業机へテクテクと。

 あら、置いて行かれないように私もついて行かないと・・・


「ねぇ、そこの貴方、貴方にも話を聞かせて頂けないかしら?」


 いえ、結構です。そう断って逃げてしまいたいですが・・・私に話かけているのは役人の中でも相当に偉いポジションに就いているっぽい女性。これは無下に断れません。


「・・・はい、アリスちゃんと違って私に分かる事はあまり無いですけど」


 あまりどころか、実際にはほぼ無いです。


「でも、あなたもアリスさんが使っている特殊な魔術の使い手なのよね?」


「ええ、強化魔術だけですが。私は普通の魔術がほとんど使えなかったから」


「習得にはそれなりの下地が必要になるものなのかしら?」


「下地?よく分からないですけど、私でも2週間程度で使えるようになったんで、元々魔術に詳しい方なら、そんなに時間はかからないと思います」


 多分・・・ギルドの人達は誰も使えなかったけど。


「そう、そうなのね。今回は実際に術式を扱うわけでは無く、道具に刻まれた物の稼働を考えるだけだし・・・塔に弾かれた場合も考えて槍を量産した方がいいわね。数で対応するのなら私達でも難しくは・・・」


 はぁ、何かよく分からないですけど、私は行っても良いですかね?


 いえ、ここはチャンスです。


 考え込んでるみたいだし、コッソリ離れてアリスちゃんの方に行ってしまいましょう。


「ねぇ、ルカさん」


「はい、なんでしょうか?!」 


 名前知ってるじゃないですか!


「たぶん、あなたの小さな師匠にはダンジョンの調査に行ってもらう事になると思うの。

 私達の不手際でこんな事態になっているとは言え、転送装置が動かない状態では私達に50層まで到達するだけの力は無いの。だから、あなたの師匠に頼らしてちょうだい。私達以上に魔術に詳しくて、しかも戦闘能力もある人なんて他にいないの。

 そしてね、私達は貴方の事も頼りにしているの。新進気鋭の若手のギルドマン、新しい魔術の使い手。ルカさん、貴方にも手伝って欲しいの、貴方の小さな師匠を」


「そ、それはもちろん当然ですよ!

 依頼が無くても私がアリスちゃんを独りで行かせるわけないじゃないですか・・・あれ、でも転送装置が動かないって事は50階層を自力で下らないといけないって事ですか?」


「申し訳ないけど、その通りよ」


 マジっすかぁ。普通に考えたら何か月もかかる道程ですよね。アリスちゃんの機転に期待するとしても、そこまで極端に短縮する事は・・・え?ダンジョン内で自給自足しろって事になりますよね?無理ですよ、そんなの?!


「これこれ、ビビるな、ルカよ。この緊急時に真面に階段を下りて行くわけが無かろうて。外側から干渉出来る方法を調べるところから始めるに決まっとろうが。

 そもそも魔術と言うインフラを無くした王都なんて一か月も持たんと思うぞ。スピード勝負じゃスピード勝負」


 首をグルグルと回しながらアリスちゃんは疲れた様子でそんな事を言っています。よく分からないけど、なるほどです。


「槍の量産と自動展開の目途が付いたら儂とルカでダンジョン攻略開始じゃ。

 取り急ぎは、ちと仮眠してから転送装置とやらの解析じゃな。流石の儂でも旅帰りからの徹夜は少し堪えとるでな」


「はい、了解です・・・って仮眠してすぐにですか?!」


「ん?あぁ、ダンジョン前で作業するだけじゃから大丈夫じゃって」


 分かります。事情は分かりますけど、流石にキツくないですか?

 せめて一日ぐらい休憩とか・・・え?無理ですか、はい、分かりました・・・




今日も読んでくれてありがとう!GWの9連続投稿でした!少しでも楽しい時間を過ごすのに貢献出来ていたら幸いですね。では、また次の土日にお会いしましょう!

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