2-2:儂と王都と違和感と フィクサー気取りの根暗な集団
薄暗い部屋の中に置かれた白く大きな円卓。 それを囲み私達は先の奇妙な来訪者について語り合っている。
「あの二人は何だ?あんなイレギュラーは我々の管理範囲には存在しないはずだぞ?」
「産まれてから一度もサーバーにリクエストを送っていないのなら、彼女たちの存在を私達が知る方法なんて無いんじゃない?」
「そもそも、それが異常だと言うのだ。この世界で『魔術』無しで存在を維持できる生き物なぞ有り得るはずが無い」
「でも、実際にいたし、私達のところにまで訪ねて来てくれたんだから仕方ないじゃない」
会議は踊る。されど進まず。
いえ、むしろ駄弁っているだけね、これは。
「だが、おかしいだろ?この世界に管理対象外の個体が、しかも二人も同時にだぞ」
「案外と漏れがあるのかも知れないわね、この世界の仕組みには」
分からない事を推測して話す事は好きじゃない、特に私達は。
そんなわけで雁首揃えて座っているのに、さっきから話をしているのは二人だけ。他の皆は、私も含めて、だんまりを決め込んで沈黙の構え。
だって仕方ないじゃないの。『与えられている情報』の範囲外の事が起こってしまったら、私達に出来る事なんて何も無いんだから。
「とは言えだ。彼女たちが浸食の影響を受けないのなら『管理外の塔』の調査に使っても良いのかも知れんな。イレギュラー同士をぶつけても損失は無かろう」
「それはそうね。むしろ潰し合うぐらいで丁度良いかも知れないわ。始祖様の遺した完璧な仕組みを混乱させる要素は少ない方が良いもの」
完璧ねぇ。想定外の綻びがあちこちに出現し、それを追いかけるように塔と扉も出現し、挙句の果てには『世界のルール』の外側にいる『生き物』が二人も現れた。
これの何処が完璧だと言うのかしら?
「では、あの二人を塔の調査に活用するという事でよろしいな?依頼は・・・ギルド経由で十分か。我らからの指名依頼であれば市井の者が断る事も無かろう」
「そうね。それでいきましょう。議長もそれでよろしいですね?」
あら?そこで私にふるの?
「良いわよ。好きにして頂戴な」
どうせ私達に出来る事なんて・・・たかが知れてるのだから。
「・・・分かりました。では会議が終了次第、依頼の準備に入らせて頂きます」
偉そうねぇ。自分達では何も動けないくせに。
私達なんて単なるメンテ屋さん。始祖様が遺した魔術装置を維持する事しか出来ないレベルの低い管理用人材。理屈も理解出来ず、ただ与えられた仕様とマニュアルに従っているだけの烏合の衆。
それなのに何を勘違いしたのかお城の中にこんな大層な部屋まで構えちゃって
「ホント、嫌になるわねぇ」
私達なんて偉くも何とも無いのに。
今週も読んでくれてありがとう!サクサクと世界設定を開示していきましょう!溜めないよ!ドンドン進むよ!




