1、序章
不定期更新していく予定です。
文体が稚拙や、語彙力皆無とか、読んでいて腹立たしいとか、その、感想お待ちしております。
どうかよろしくお願いします。
その夜、俺は母親を刺した。
母親は俺を睨んでから、自分の体内から流れる血を目で追った。
俺は母親に感謝した。だって、痛いだろうに、叫ばず、唖然としている。
泣き叫ばれたり、ましてや、なぜ刺されたのかを悟って、「ごめんごめん」と謝罪なんてしてきた日には、俺は、この女を……母親を、許せなかっただろう。
でも念のため、この後、泣き喚くとも限らないから、腹を刺したナイフを抜いて、喉を掻っ切ってやった。
あーでもちくしょう。ゲームとか、漫画みたいには上手くいかないな。
なんかカスったみたいになって、うっすらとした痕から血が滲んだだけだった。
すかさずもう一回、ナイフを喉元に突き立てる。
本当は、スパッ! と横に斬ってやるつもりだったけど、距離感が掴めなくて、そのまま首にナイフを刺しちゃったよ。
母親は床に勢いよく突っ伏して、悶えて転がった。バタバタ、ドタドタとフローリングを鳴らすので、動かなくなるまで何度も刺した。
「しっ! 静かにしろよ。いつも俺に怒ってただろ。まったく、そんなんだからアンタの言うことなんか聞きたくないんだよ」
母親にそう言って、フト、あることが頭をよぎった。
「あー、そっか。親父か……」
二階で寝てる父親が起きないように、抜足、差し足、階段を上がっていく。
ベッドの上で、いびきをかいて寝てやがる。なんとも気持ち良さそうで、思わず鼻で笑ってしまった。
「親父、これはさ、仕方ないんだ」
寝ている父親に刃先を立てて真っ直ぐ、重力の向くまま、力を込めて振り下ろす。
喉を狙ったつもりが、野郎が、なんだよ、ったく寝返りを打った所為で右目、あー違う、こりゃ左目かな? どっちでもいいか……、とにかく目に突き刺さった。
そしたら、残った目がカッと見開いたので俺と目が合った。
咄嗟にナイフを握る手に力が入る。
ナイフは父親の頭の中にさらに食い込んでいった。
そしたら、良かった、残った目はぐるんと回って白目を剥いたので、これ以上目を合わさずに済んだ。
ナイフは、そのまま父親にあげちゃって、出掛ける準備をしなくちゃね。
洗面所の鏡の前には、真っ赤……、っていうよりは、真っ黒? な自分の姿が写っていた。
これじゃ奴らにイジられるな……。
テツはいいとして、ジョーは人を小馬鹿にしたり、揚げ足をとったりするのに人生の楽しみを見出しているタイプだ。
しかし、なんで俺こんなに汚れてるんだ?
ダルイけど、シャワー浴びるか。
シャワーを浴びてさっぱりしてから、服を着替えて、筆箱の中に隠してたタバコを二本、それぞれ耳に掛けて、バレないように、勝手口から家を出た。
バレないように? 誰にって? そりゃ、家の奴らにさ。
父親と母親にだよ。
家を出て、タバコに火を点ける。
ふーっと真白い煙を夜空にばら撒いた。