テイク・ケア・オブ・ザ・デッド
ストーリーは特にない
「ぞんぞん!」
僕が世話してるゾンビが今日も元気に鳴いている。
「ほーら人肉だよー」
「ぞん!」
僕の腕を差し出してやると喜んで噛み付いてくる。
顎の力が弱いのでくすぐったいくらいだ。
しばらくはむはむしたあと満足して口を離す。
「さあ、ご飯だよ」
肉に見立てたピンクに着色した大っきいマシュマロを与える。
「ぞーん!」
たちまちはむっと噛み付いて、がんばって食いちぎって、得意げな顔を向けてくる。
「えらいえらい」
ちゃんと褒めてやらないとね。
それからゾンビはぞんぞん言いながらマシュマロを全部食べた。
全部食べられたことも褒めてやる。
「ぞん……」
なでてやってるうちにうつらうつらし始めた。
お眠の時間だね。
ゾンビを持ち上げて寝床に運んでやる。
毛布の上に下ろしてやると、自分でその中に包まっていった。
すぐに寝息が聞こえ始める。
起きたら散歩に連れてってやろう。
こんな日常を繰り返す。
ゾンビの世話ってのはそんなもんさ。