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教育研究高等学校の校長である、秋川 孝は、校舎内にある隠し会議室で、他の数人の前で話をしていた。
「先日、相手側から、このような手紙が送られた」
そう言って、懐から手紙を取り出すと。それをカメラを通じてスクリーンに映し出した。
そこには、
『
教育研究高等学校校長様
戦いの準備は整う事ができました。
こちら側からの刺客も無事に貴校に入学する事ができ、3人揃う事ができました。
期限は3年間となっていますが、そちらに『全知全能』の者がいる、この1年が実質の期限でしょう。
貴方が、"生命を弄んでいる" として認めぬこの研究。その対象者が、貴方が指導する研究の対象者に勝った時こそ、私達の研究が貴方達の研究よりも優れていると認められる時でしょう。
私は、その時を心待ちにしております。
』
と、書かれた手紙が現れた。
「遂に、……3人揃ったんですね」
短髪の女が、喉を鳴らしながら言葉を紡いだ。
「そうだ。既に昨年に1人は入っている事を告げられていたが、誰がその刺客なのか分からずじまいだった……。そこに加えて、今年新たに入ってきた刺客は2人。相当厳しい戦いになりそうだ」
「だからって、策無しな訳じゃないですよね?」
3年間成績1位を取り続けた男が問いかけた。
それに対し、校長は、"もちろん、策はある"、と言って、会議室の外に控えさせていた女に室内に入るように伝えた。
その者を見て、その場にいる誰もが戸惑いの反応をした。
「君は?」
生徒指導係の男の困惑した声を聞きながら、校長は微笑みながら皆に紹介した。
「こちらは、1年F組の那谷 明里だ。研究テーマは『燃犀乃明』。歴代最速で、この学校の仕組みに気付いた者だ」




