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ロマン
神性なものを日常化し
日常のものを神性化する。
これが詩人の役目である。
また、詩こそが、
超現実であり、他ならぬ実践であり
人に宿る自然性である。
さらに言うならば、低俗だと見なされ、
人々が軽視してしまっているものに
その必要性や可能性、
尊厳や高次なる神性を見いだし、
聖なる息を吹きかけていくこと、
既知のものには、未知なるものを、
有限のものには、
無限なるものを与えていくことこそが、
詩の持っている力の一つである。
また、これらの運動を私は「ロマン」と、呼ぶ。
この世界は、これから先も、
ロマンするべきであり、
ロマン化された方が、発展的である。
また、ノヴァーリスが言われた
あらゆる事柄や事物のなかに、
真理を見いだして、
それに向かい収斂していく運動である
「ゾークラティー(ソクラテス的イロニー)」もそれだ。
つまり、
人間が「自然に還る」という運動を、
これから先の未来でも、
実践していった方が大変大変良い、
ということを、
私は、ここに記した。