モヤモヤな気持ち
夏樹がこの世界に来て半年。
巫女の予定が一段落したそうで夏樹に会えないかと連絡が来ていた。
もちろん夏樹はそれを了承し、連絡が来た時からずっと嬉しそうだ。
出かける前にキキュリテアンダは夏樹を見送りをしようと思い玄関に行く。
「あれ?リテアさん、お早うございます!今日は早いですね。」
「魔術省に行こうかと思って…あとナツキのお見送りよ~。」
欠伸をしながら答えるキキュリテアンダは少し不満そうな顔をしている。
夏樹は魔術省に行くのが面倒なのかと勘違いをしていた。
「じゃあ帰りにお迎え行きますから一緒に帰りましょう。」
夏樹の言葉に思わず顔がにやけそうになりキキュリテアンダは急いで顔をしかめた。
「あー…魔術使った方が早く帰れるから不要でしたよね。」
「そんなことない!待ってるー。」
またも夏樹が勘違いをしたがキキュリテアンダは待ってると言ったので照れるように笑い。
「では、待ってて下さいね。行ってきます!」
夏樹は巫女に会いに城へ向かった。
その日は珍しく魔術省にいるキキュリテアンダの機嫌が良く周りはざわめいていた。
「うはー。ししょーってば、じじぃどもに押し付けられた仕事を文句言わずしてる!」
「明日の天気は大荒れですか…」
セテセンバニャーニとトゥイティリアンはそんな事を言いながらキキュリテアンダの仕事を手伝い過ごしていた。
「リテアさん、帰りましょう!」
迎えに来た夏樹に笑顔で迎え帰っていったキキュリテアンダだが帰り道にされる巫女との話に少しモヤモヤするのであった。