決まってる
ここ数週間、キキュリテアンダは眉間に皺を寄せながら悩んでいる事が多かった。
がしかし、ここ数日はそれに加えて物思いにふけていたり、夏樹を見ては視線が合うと目を反らす分かりきった行動をしていた。
夏樹は悩んでたはずのキキュリテアンダに突然恋愛スイッチも何故入ったか不思議であった。
その疑問は研究室であった事の一部始終をセテセンバニャーニが夏樹に他愛もない話のようにしたので解決済みである。
当然の事ながらセテセンバニャーニはトゥイティリアンから氷ってしまいそうな程冷たい目で見られ自覚の無い失態を必死で謝っていた。
「セセンは鈍感すぎて困ります。」
トゥイティリアンにしては珍しく膨れていた。
「まぁまぁ、そう膨れないで。」
「膨れてません。師匠が自覚したのでナツキさん覚悟を決めて下さい。」
慰めようとしたがにんまりと笑うトゥイティリアンに夏樹は面を食らった。
「長居してはご迷惑なので失礼します。」
「えぇー、ししょーのトコでナツキのご飯食べてから帰ろーよ!」
セテセンバニャーニはご飯を食べる気満々だったがトゥイティリアンはそれを許さなかった。
「セセンにはまだ仕事が残っているでしょう?」
「明日でもだい、じょーぶじゃないので帰ります、はい。」
押しきろうとするセテセンバニャーニをトゥイティリアンが視線でいなした。
「じゃあ。またね、ナツキ!」
「あぁ、うん。また。」
動揺して力なく笑う夏樹を置いてトゥイティリアンはセテセンバニャーニを引っ張って帰っていった。
「覚悟ね…」
夏樹は呟く。
巫女として喚ばれた幼馴染みに巻き込まれ来てしまった世界。
キキュリテアンダの一生涯かけて解明すると言う言葉を疑っているわけではない。
解明出来ない場合の身の振り方を考えなければならない。
巫女の様に特別な位置付けでもなく術力もない夏樹に何の仕事が出来るのか常に考えている。
キキュリテアンダの家の家事と書類の整理、所謂事務作業をしていた。
誰でも出来る事ではなく且つキキュリテアンダの役に立つ仕事を夏樹は探している。
キキュリテアンダにしてみれば家の家事をしてもらい書類の整理までしてもらえば十分過ぎるのだ。
夏樹の性格上そうはいかないのだろう。
覚悟なんて諦めと共に決まっていて後はどう選択をするのか次第だと思う夏樹であった。




