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「お前を愛する事はない」と旦那様に言われたので速攻でタマを取りにいった令嬢の話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/04/15

「フレア、お前を愛する事はない。部屋に戻り給え」



と新婚初夜で旦那に言われた。

私はスケスケのナイトドレス、旦那はこの時間で私服だ。


ボケ!と言いたいがグゥとこらえた。


旦那は伯爵家の第三子、騎士をしている。細マッチョか?

貧乏子爵家だった私に結納金免除、しかも援助付で縁談が舞い込んだ。

旦那は25歳、結婚を拒むようだ。伯爵が何とか結婚させようとしたのよね。


それで私まで回ってきた。旦那はハンサムだ。人気は高い。



部屋は灯りをつけている。金髪が輝きその整った顔は崩さない。

私は近づいた。


「どうした?泣いて初夜を乞うのか?卑しいな・・・おい、何、脇の下に頭を入れている。おい、やめよ。何をする気だ。ウ、ウワワワワワー!」




私はコブラツイストをかけた。

そうだ。私は前世持ち、デンジャラスな昭和を生き抜いた女。


昭和の時代の子供達はプロレスごっこに興じていたのだ。

あたしゃ、10歳まで男兄弟とプロレスでチャンネル権を争奪していたのだ。



「ウウウウ、やめよ!」


さすが旦那、痛いとは言わないね。


「フフフフ、これはもがくほど抜けなくなるわ」

そして、次は、一端技を解いた。


旦那は膝を曲げ。息を整えている。


「はあ、はあ、はあ、何だ。その技は?おい、背中に乗るな。何をする!」




【パロスペシャル!】


子供達はプロレスからではない。漫画からもプロレス技を学んだのだ。

膝関節と腕を決める。これは抜け出させないね。牛丼が食べたくなった。



「ア、やめろ。やめなさい。フレア!!」


[やめないね~!]



こちとらピチピチの16歳だ。一晩中とはいかない。1時間ちょっとで技を解いた。気がついていたら旦那は失神していた。


「あら、旦那、泡吹いて倒れたね。ちょっと、誰かいないかい?」


ドアを開けたら、メイドがいた。茶髪でニキビの子だ。深夜番だね。


「ヒィ、さきほどから寝室で旦那様の叫び声が・・・」

「ああ、あたしが上に乗ったら泡吹いて倒れたね」

「ヒィ!」


何だ。顔を赤らめて、パロスペシャルで乗ったのだけど・・


「お水持って来てくれる。汗かいたらタオルもね」

「はい!」


「ちょいまち。それとね。このことは絶対に言ってはいけないよ」

「はい・・・」

「初夜で旦那が泡吹いて倒れたなんて絶対に言ってはいけないよ」

「はい、旦那様が初夜で叫び声をあげて気絶したなんて絶対に言いません」


「絶対だよ」

「はい、絶対に言いません」




・・・・・・・・・・・・・・



とメイドに釘を刺していたのに、社交界ではクスクス笑い声が耳に届く。



「ザイル殿・・・元気で積極的な妻を迎えて・・・クスッ!」

「まあ、ザイル卿なら大丈夫ですけども・・・今日は暑うございます。倒れないように・・・クス」


クスクスクス~


気に食わないね。


だから、あたしは言ってやった。


誰だって始めてプロレス技を受けたらそうなる。



【ちょっと!誰にでも初めてはあるよ!それをクスクスと、はっきりお言いなさい!】


「おい、フレア、やめてくれ・・・・頼む。ほんと勘弁」



【泡吹いて倒れても良いじゃない!】


旦那はすっかり萎縮した。



「ミリア王女殿下のご登場でございます」


あ、主賓が来た。

旦那の職場の長だ。旦那は王女の護衛騎士だ。


2人で挨拶をする。



「・・・まあ、ザイル、結婚したのね。おめでとう」

「は、はい、その・・王女殿下に永遠の忠誠と愛を捧げます」



どうやら、旦那は王女に操を立てていたようだ。

そう言えば、騎士道って、貴婦人への疑似恋愛を忠義に置き換えるのだっけ?

思えばとんでもない話だね。


社員は社長夫人や令嬢に恋をして会社に忠義を誓うか?



「・・・まあ、フレア様、ザイルと結婚したのね。今までの令嬢は新婚初日で逃げだしたのに」


「はい、ザイルは立派でしたわ。それはそれは立派に立っていました」


そうだわ。最後まで私の技を受けて立っていた。


「まあ!」


顔を真っ赤にしている。何かしら。



「ねえ。フレア、ザイルと一緒に私に仕えてみない?」


共働きか?OKだ。


「はい、是非、お近くでお仕えさせて下さい」




旦那は王女殿下の護衛騎士。私はメイドになった。

旦那は王女とはエスコートの近さにいる。


段々読めてきた。


旦那は王女殿下と恋仲だ。

だが、決して結ばれない身分差だ。


そして、王女殿下には隣国の嫁入りの話が来ている。

悲恋に酔っているのね。まあ、そのうち冷めるでしょう。


「ザイル、腰の帯を直して」

「はい、ミリア様」


うわ、キスする近さじゃない。


私の役目はただ立っているだけ、ただ見ているだけだ。

これは嫉妬させる腹か?腹黒いがどうでも良い。これで給料をもらえるのだからね。

スーパーのレジ打ちキツかったな。それに比べればクレーマーも面倒な客もこない。幸せだ。


いや、そうだ。ただ一つだけ役目はある。


「ゲップ」


王女殿下がゲップをしたら、手をあげて。


「今のゲップはこのフレアがいたしました」


「「「プゥ~クスクスクスクス~~」」」


と王女殿下に代わりに笑われることだ。

まあ、良いわ。


そんな日々を続けていたら、王女殿下は隣国の王子と顔合わせをすることになった。


会う前は旦那と手を取り合いヨヨヨーとしている。

姫は王子とオセッセをするが、旦那は操を立てて生涯童貞を誓う。

これは寝取られか?寝取られ好きなのか?


考えていたら屁が出た。


ブゥウウウウウウ~~~~~


心なしか木々の葉が揺れたように思えた。


「この私、フレアがしました!」


すると王子は苦虫を潰したような顔になった。


「ゴホ、ゴホ、王女殿下、御屁請負メイドですね。まだ、こんな悪習を・・・」


「違いますわ!この泥棒猫がしました。本当に私ではありません!」


御屁請負メイド・・・令嬢のはしたない行為をすべて請け負うメイドか・・・

あたしゃ、それだったのか?



やいのやいのしているときに、暴漢が木の裏から現れた。ナイフを持っている。



「ミリア王女殿下!かなわぬ恋ならば共に死にましょう!」


「危ない!」

旦那は王女を庇う。粉かけていたのは旦那1人じゃなかったのか?


それは良いが、王子はどうするのよ。

王子も王女の前に出ている。


「やめたまえ!」


向かい合った形になった。男だね。防壁になるつもりだよ。

わたしゃ、王子の後ろから肩を叩き。


「あたしに任せな」

「君?」


腰を落とし。タックルをかました。グレーシー柔術だ。

これも初見なら見抜けまい。


あたしゃ、あの運命の日に、グレーシー柔術を学びだした。



☆☆☆


『〇田!』

『プロレスは最強じゃなかったのかよ!』



現役プロレスラーが負けた。おっさんに・・・・ただ、衝撃だった。




あたしゃ、ナイフを持っている手に飛びつき。


「ヒィ、何だ!」



三角締めだね。パンツが見えてしまうが・・・・まあ、良い。


無事暴漢は気絶をした。


旦那は・・・・あ、王女と抱き合ってブルブル震えている。


こりゃ、離縁かな。実家の援助打ち切りか。



と思ったが。



「フレア殿、是非、ともに我国に来て下さい」

「あたしゃ、御屁請負メイドだよ・・・・」

「いえ、その技を広めて下さい」


何だ。色恋じゃなかったのか。残念だが。


「両親にあって頂きたい」

「あいよ」




その後、正式にザイルと離縁をして、隣国に赴いた。多額の賠償金をもらい全て実家に渡した。今世の弟は学校にいけるぐらいの額だ。


王子の前で抱き合った王女と元旦那は結婚するハメになったけど、生活を落とさなければならない王女はお冠ときいた。



わたしゃ・・・・



「腹ばい三往復!」


「「「はい、マスター!」」」



フレア柔術の創始者になった。



一番弟子は王子だ。


「マスターフレア、好きです。結婚して下さい!」

「あいよ」


二度目の初夜は本物の夜のプロレスをしようかなと思う今日この頃だ。




最後までお読み頂き有難うございました。

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― 新着の感想 ―
ヤバい、楽しいwwwwwww 淡々とした文体と起こることのギャップがもうもうもうwwwwwwwwwwwww
将来は王子とのマッスルドッキング(意味深)ですか? あれキン肉ドライバーかけている選手の首が折れそうで心配なんですが。
フレア「もっと思いっきり蹴ってみ。きちーんと。お前、お前さあ、思いっきり蹴れって言ったら思いっきり蹴らないと。なめてんの俺を? 俺をなめてんの?」 こえーなコイツw ある意味シリアスタグ必須だわ
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