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ぎんいろ

作者: 祁答院 刻

駆け出すような夜だった


めまぐるしく

つめたく

オルゴールに急き立てられるような

待ち伏せの夜だった


ぎんいろの部屋に

時計が泣いて


ぎんいろのシーツに

星が刺さって


ぎんいろのベランダの

ぎんいろの手すりに

あどけない夢が跡をのこして。


少し先のとがった

おすましで

ぎんいろの階段を駆け上がってきた、これまで


しかし世界の最上にまちうけていたのは

ただただ

ぎんいろと逆転の神話だけ

ぎんいろと逆転の神話だけ


ツウと

頬をかすめる一すじの

涙の塩気にうなるとき


わたしは

いそいそとその場をあとにする


作りたてのスープをシンクに廃棄する一連の作業を

行き来する


今は夜

サーカスでもやっているのでしょうか


湖は

口を塞がれて あっけない


こんな真夜中に


せめて、

出来るなら、

ぎんいろのお皿を下げて


せめて、

出来るなら、

きんいろの夜明けをみせて


出来ることなら

ぎんいろからわたしを解放して…

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