表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

迷界楼にて、

作者: 紀希



「うるさい。って?」


「いい加減にしろ。って?」


「あぁ。ごめんね、?」


誰だろう。


知らない子供だ。


でも、何か違和感がある。


「次からは気を付けるから、」


顔が大人みたいな顔なのに。


身長も、声も。子供のままだ。


と言うか。



ここは、、何処だ。



窓の外から見える通路は、


横になって動けば何とか通れる程の狭さで。


俺はそこから今すぐにでも逃げ出したいと思った。


上手く表現できないが。違和感が凄かった。


子供「お腹空いてるか?って。」


子供「一緒に食べるか?って。」


けれど子供達が逃してはくれなかった。


部屋の入り口まで手を引かれる。


隣の部屋の僅かに開かれた玄関からは、


ものすごい異臭がし。


子供達の親であろう人が座って居た。


「すいません、急いでいるので。」


親「何だい!せっかく誘ってやったのに!!」


俺は身の危険を感じ、その場から逃げた。


子供「許さないからな。って」


子供「覚えてろよ?って。」



ここは、何処なんだ!



建物が密集していて。


その奥が見えない。


「はあっ、はぁっ!はあっ。、」


息が詰まりそうだ。



誰も。居ないのか、、?



外にいるハズなのに誰も居ない。


「落ち着け。」


そう、自分に言い聞かせる様に話す。


先ずは状況の整理から。


分かっている事を確認しよう、



「時間は、昼間くらいだろうか。


明るい。太陽もちゃんとある。


空もある。雲は無く、晴れている。


気温は普通。


腹は空いていないが。喉は、渇いた。


トイレは大丈夫だ。」


あえて声に出して確認したが。


また変なのに遭遇したら面倒だ。



荷物は、無い。


さっきの部屋に置いて来たか、?


いや。もう戻りたくない。


それに、道が分からない。


ここはまるで、迷路の様だ。



服装は、、!?


制服だ。


「そうだ!」


慌てて口を塞ぐ。


確か買い物に行ってて。


俺は信号待ちをしてて。



音楽を選んで居たんだ。


店はもう見えてて。



信号を見ようとしたら眩しくて、、


それで。。



『ここは、、何処なんだ。』



ただ道を歩く。


道は整備されている。


だが、建物はそう新しくは無い。


人の気配がする。


まるで、誰かに監視されているかの様だ。



建物は昭和に建てられたみたいな感じので、


ひとつとして同じものは無かったが。


目印になる様な物も無く。


相変わらず周りの景色が見えない。


全ての視界が建物で遮られ。


僅かな隙間でさえも、奥の建物が見える。


「、、ぅっ!」


一瞬。大きな目の様なものが見えたが。


あまり、考えない様にしよう。。


少しだけ、歩くスピードが早くなった。



「ニャォ。」



、、猫?


不意に現れた見慣れた者に何処か嬉しくなった。


壁の上から俺を見下ろした猫は、目の前に降りて来た。


「ニャォ、」


俺に何かを言うと、


「付いて来い。」


と、言わんばかりに。


俺の前を歩いた。


黒猫で、しっぽの先が曲がっていた。



黒猫は時折振り向いて、


ちゃんと付いて来ているか確認した。



俺は心の中で祈った。



『どうか、帰して下さい』



周りの景色を見ていると。


気がおかしくなりそうだったので、


黒猫の姿だけ目に入れた。



そして。


黒猫は止まった。



「ん、、?」



目の前には大きな建物があった。


家を無理矢理くっ付けた様な大きな建物だった。


「何だ、、ここ。」


「ニャォ」


黒猫の声がしたが。


そこにはもう居なかった。



周りを良く見ればそこは橋だった。



「、、え。?」



ようやく周りが見えたと思ったが。


「何だ、こりゃ、、」


目の見える全てが。


【空】


だった。



橋の下も空。


そこには何も無かった。



左右も空。


一面に青が広がっていた。



後ろには街。


前には大きな建物。



それだけだった。



そこでようやく分かった。


ここが【異世界】なんだと。



「はぁ。」


何なら恐怖は無かった。


イライラした。



「何で、俺が。」



ガラガラガラガラ。


目の前の玄関を開く。



突っ立って居ても仕方ない。


"俺は、帰るんだ"


「元の世界に、、



、、。え。」


部屋だった。


そして何となくふと。振り返った。


さっきの玄関は既に後ろには無かった。



「台所、。?」


視界に水道が入った。


俺は走った。



蛇口を捻ると水が出た。


「んぐっ。!」


夢中で水を飲んだ。



冷蔵庫を開けると腐敗臭がし。


中身が全て腐っていた。



電気のスイッチを押すが、電気は付かなかった。



どうやら電気は通ってない様だ。



「暗くなる前に。


何処か安全な場所を確保しなければ。」



家具はそのままだった。



家の全てを見て回るが、特に何も無い。


誰も居ない。


いや。


誰も居なくて良い。



知らない人の家に勝手に上がって居る様なものだ。



それに、変なのだったら困る。



窓は開く所と開かない所があった。


窓の先は違う家で。


仮にそこから行き来したら。


自分が何処に居るのか、分からなくなりそうだった。



玄関を開けると短い橋の様な物があり。


違う家の玄関が見える。


外観からは全てがくっついている様に見えたが、、



きっと、このルートが正解だ。


電気のスイッチを押すが何処も付かない。


水も出ない家があった。



「、、借ります。」


俺は別々の家でリュックと。


水筒。懐中電灯を各々借りた。



水は飲むと安心した。


懐中電灯は電池が無いから付かない。


他にも何か使えそうな物があったら。


どんどん借りようと思った。



何だかそれが楽しくなった。


まるで宝探ししているかの様だった。



家の中は様々で。


インテリア?と言うか、内装が異なって。


気晴らしが出来た。



「こんな感情になったのいつぶりだろうか、、」


このままここに居ても悪くないな。


何て思った時。



♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



聞き慣れたメロディーが聞こえた。


帰るヤツだ。


「、、えっ。」


音の先を確認しようとした時。


窓の向こう側にうっすらと人影が見えた。



「、ヤバい。」



窓の向こう側はオレンジ色に染まっていた。



そう。"彼等が動き始めた"のだった。



急いで押し入れに入った。



【夜】が。訪れた。



「ぅううう、、」


唸り声の様なものが聞こえた。


「ぅうううう。」


会話を、しているのだろうか。


彼等は歩いていた。



何かをしているのだろうか。



僅かな隙間から覗こうとした時に気付いた。


、、電気が付いていた。


昼間は付かなかったのに。



ゆっくりと覗くと。


そこには黒い人影があった。



モヤの様な影は動いて居た。



これは、落ち着くまで。


ここに居るしか。ないか、、



疲れていたのだろう。


俺にも夜が訪れた。



♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



ビク!


ガタンッ!


「ヤッベッ。」



恐る恐る隙間を見たが。


そこには誰も居なかった。



いつの間にか朝はやって来ていた。



運動でもしに行ったのだろうか。



こうして何日かこの世界に居て、


分かった事があった。



彼等は、帰りの知らせが鳴り終えると訪れ。


朝の運動が鳴り終えると消える。



「さて。


今日も宝探しでもしますか。」



いつの間にか。俺の中から、


"帰りたい"


というものは無くなっていた。


この世界に毒されたのかも知れない。



そんなある日。


ある日と言っても何日経ったのかは分からないが。


大きな建物に入った。


中は、旅館みたいな所だった。


そこの皆で食事をとる所みたいな場所で。


奇妙なモノを見た。



「、、何だこれ。」



それはまるで遺体の様だった。



遮られた影の中に。


黒い影が横たわって居た。



感覚が麻痺していた。


そうだ、、


ここは。


【普通の世界】


じゃ、無かったんだ。



鳥肌が立ち、恐怖に襲われた。


あれは何だ。


何故あぁなった。



唾を飲み込む。


ゴクッ、


その音が部屋に響いた。



ここはヤヴァイ。


本能的にそう感じた。



震える足を何とか動かし。


俺はその場所から逃げた。



その日はあまり探索出来なかった。


安全そうな場所を見つけ。


そこへ留まった。



怖かった。


身体が震えた。



気が付けば夜が来ていた。



「うぅう、、」


「ぅぅうう、、」



そんな時に限って、彼等が多く居た。



もしこの扉が開かれたら。


もし、彼等にバレたら。



俺もそうなるかも知れない。


そうなってしまうかも知れない、、



その日は眠れなかった。



朝がやって来た。



水筒の水は無くなりかけてた。


昨日入れられなかったからだ。



「喉が渇いた、」



今までは安心する為に飲んでいたが。


今は渇きによって欲した。



昼間は安全だ。



その何も無い確信が揺らぎ。


前よりも慎重になった"つもり"だった。



水場を求め、ようやく見付けた場所で給水する。



ジャー、、



蛇口から出る水とその音に安心した。


「んぐっ、、」


夢中になって水を飲んだ。



夏場に氷の入った冷えた水を飲んだ時の様に。


身体の中に水が流れるのが分かった。



「、、人か。??」


その声に振り返ると。


そこに人が居た。


俺は固まった。


ジャー、、


水が流れる。


「水。貰って良いか?」


男の声で俺は頷いた。


男「いやぁ。


なかなか水が出なくてよぉ。


何か、水飲むと。安心しねえか?」



俺は警戒していた。


この世界の人か、、?


でも最初に会った人?とは違うし。。



男「まあ、そんな警戒すんなって。


捕って食ったりしねえからよぉ?


んぐ。


、、ここら辺は安全だ。



一先ず。


"情報交換"といかねえか?」



男は俺と一緒で。


元の世界から飛ばされたらしい。



どうやら俺よりもこの世界は長い様だ。



男はグループで飛ばされたが。


仲間とはぐれた為。


その仲間を探しているらしい。



男「、、と言う訳だ。」


悪い人。


ではないみたいだ。



「、、あの。


彼等について。何か知ってますか、?」


男「彼等?あぁ。


あいつらの事か。


逆に何を知っている?


ある程度生き残ってるって事は。


あいつらから逃げれたって事だよな?」


「えぇ、、。」


男「先ずは【重要事項】から話そうか。」


「お願いします、」


男「そう堅くなるなよ?


せっかく出会えたんだ。


仲良くやろうぜ。」


彼は肩を組んだ。


久しぶりに人に触れた。



男「あいつらに見られると。


"親"が来る。」


「親、、?」


男「その反応だと、


まだ出逢った事は無いみたいだな?」


「はい。」


男「だから畏まるな、って。弟よ?」


彼は俺の頭を撫でた。


「ぅん。」


何だか恥ずかしかった。


彼「あんちゃんとでも呼んでくれや。


俺は弟。と、呼ばせて貰うぜ?」


「ぅん、、」


俺に初めての兄弟が出来た。


あんちゃん「あいつらは昼間は出ねえ。


夕方の放送が流れると。


地面から湧いてくる。



あいつら。普段は唸ってるだけなんだけどよ。


夜に会っちまうと。


奇声を発しやがる。


するとその声に誘き出されて。


親がやって来る。」


「親、、」


あんちゃん「俺の仲間はその、親に。



"喰われた"



「、、ぇ。」


あんちゃん「何かばかでかくてよぉ。


アイツはやべえ。


別格だ。


アイツだけ。昼間も動いてやがる。」


「じゃあ、今も。??」


あんちゃん「あぁ。


きっと俺達を探しているだろうさ。



弟はどうやって移動してる?」


「えと、、


道が分からなくなってしまうから、


玄関から入ってる。かな、」


あんちゃん「そうか。じゃあ、


それはもうやめた方が良いぜ。



アイツはなあ。


"音"でやって来るんだ。



あいつら(影)は、見られない限り大丈夫だ。


見付かりさえしなきゃ、大丈夫だ。


分かりずれえかもしんねえが。


あいつらは腰が曲がってるだろ?


そっちの方向に目がある。


いや。目があるかは分からねえが、


そこら辺は俺達と一緒だな。



んで、アイツ(親)はさっきも話したが、


音でやって来る。


アイツに出逢ったら"最後"だ。


死ぬ気で逃げるしかねえ。


これもさっき話したが。


アイツは昼間も居るんだ。


お前さんの考えは一理あるが。


玄関の音ってのは響く。


それに。」


「それに、、?」


あんちゃん「まあ。


やってみるか。」


あんちゃんさんは立ち上がった。


あんちゃん「多分大丈夫だと思うが。


ゆっくり、出てくれよ?」


「分かった。」


2人で静かに玄関から出た。



あんちゃん「さて。ここで問題です。」


「うん。」


あんちゃん「目の前から親が来ました。



『どう逃げる??』



振り向いた先には、何も無かった。 


「ぁ、、」



今までは"戻る"という選択肢が無かった。


、、進む事しか。考えて無かった。


何せ逃げるという選択肢を知らずに居たのだから。



俺は運が良かった。


あんちゃんさんに会って無ければ。


俺は近い内に死んでいたかも知れない。


あんちゃん「またひとつ。


賢くなったな?」


あんちゃんさんは俺の頭をポンポンした。


「あり、がとう。」


あんちゃん「おぅ。



でもまあ。考えてみりゃ、


逃げる為には良い方法なのかもな?」


「ぇ。?」


あんちゃん「だってよぉ?


玄関から出りゃ。


その扉は閉まるだろ?そうすりゃ、


違う場所に繋がってる訳だから。


よっぽど運が悪く無きゃ。


近くには繋がらねえだろ?」


「あぁ。」


あんちゃん「ずっと窓から移動してたからよぉ?


親にビビってた俺には考えつかなかったぜ。


サンキューな?」


「ぅん。」



部屋に入り使えそうな物を一緒に探した。


ガシャ、ガシャン、


自分で音を立てるな言ったのに、


あんちゃんさんは俺よりも雑に何かを探していた。


「、、音経てて大丈夫なの?」


あんちゃん「あぁ。【臭い】がしねえからなぁ。?


ヤベ、言い忘れてたわ。


親はな?腐ったみてえな"腐敗臭"がすんだ。


それと。水が出ない場所ってのは、


親がその家に来た。って、事らしい。」


「ぅん。」


あんちゃん「だから異臭がしたら。


何処かに隠れるんだな。


それに、そこは【安全】とは言えない。


まだ"近くに居る可能性"があるからな。」


「分かった。」


あんちゃん「それと。アイツ。親は、


あいつら影と一緒で、下から出て来るから。」


「うん。


えと。あんちゃん。さん?」


あんちゃん「何だ。?」


「さっき、遺体?みたいの見付けて。」


あんちゃん「何処でだっ!??」


あんちゃんさんが血相を変えて走って来た。


あんちゃん「、、やべっ。



。。大丈夫、だな。」


「えと、、旅館の食事する所みたいな場所で、」


あんちゃん「旅館の宴会場か。。


じゃあ、俺じゃないな。


仲間。かも知れない、、。


何かのマークみたいのを見たか?」


「いぇ。」


あんちゃんさんは残念そうな顔をした。


「すいません、、」


あんちゃん「なあに。


気にすんなよ。


弟には、あまり言いたく無かったんだが。。


俺達はな、?



あいつらを"殺して回ってる"んだ。



「影を、殺す、、?」


あんちゃん「弟はすんなよ?


何せ、危ないからな。


変に。警戒、されたく無かったからよ。?


わり。」


「いえ。それで、。」



あんちゃん「殺す。


って言葉が合ってるかは分からないが。


俺達はあいつらを消してるんだ。



安地。【安全地帯】を作ると同時に。


【復讐】と。"帰還"の為にな。」



『帰還』



その言葉に光が見えた。


「帰れるんですか、??」


あんちゃん「それは、分からない。」


「そう、ですか。。」


あんちゃん「期待させる様な事を言って悪かった。」


正直。期待してしまった自分が居た。


「いぇ、、」


あんちゃん「仲間が居るっつったろ?


そいつ。頭が良くてよ。


俺が弟に話したのも。


大体そいつから教えて貰った事なんだわ。」


「そうだったんだ。」


あんちゃん「あんちゃん。なんて呼ばせといて。


こんな兄貴は幻滅するよな。?」


「そんな事無いよ。


あんちゃんは俺にいろいろ教えてくれた。


気に掛けてくれた。


良い。お兄さんだよ。」


あんちゃん「そうか。


、、良かったよ。



この世界に来る前に。


弟とつまらねえ事で喧嘩して。



そんなもんだから。


つい、お節介焼いて。



終いには弟なんて呼ばせてよ。


どうしようもない。兄貴だぜ、



「、、そうだったんだね。


どおりで。何か、



『お兄ちゃん』



って感じだったよ。」


あんちゃん「あはは。


、、そうだ。それで、そいつが言うには。



影を殺すとその影の家が消えるみたいで。


そうやってやる事で、本当の。


出口だか、入口を探し出せるとか。


勿論。安地を作るってのでもある。



この世界の家ってのは、


人が完全に居なくなると消えるらしい。


元の世界とまあ、似てるよな。?



朽ち果て、崩れれば。


そこは。家じゃ、無くなるからな。


家が在るって事は人が居るって事だから。


その逆も叱り。って事らしい。」


「ほぉ。」


あんちゃん「まあ。難しい事は分からねえが。


つまりはそういう事。みてえだぜ?



あぁ。また忘れない内に。


これ、」


手にはノートとペンが2つあった。


あんちゃん「前の世界の記憶はあるか?」


「あまり、無いです。」


あんちゃん「これも教えて貰った事だが。


どうやらこの世界に居過ぎると食われるらしい。」


「記憶を。ですか、??」


あんちゃん「頭の良い弟で、助かる。


だから記録するんだ。記憶し、忘れない様にな。


後、冷蔵庫に日付けと名前を残すんだ。


【印】


だ。因みに今日は、1年と、、」


「ぇっ。。


一年、、??」


俺は絶望した。


きっと産まれて初めて。


膝から崩れ落ちた日だろう。



一度。光が見えてしまったから。



、、あんちゃん達はどれ程辛いのだろう。


こんな場所にそんな長い間。


あんちゃん「そうなる、、よな。?


分からなくは無い。」


あんちゃんが抱き締めてくれた。



あんちゃん「俺達みたいに飛ばされて来ても。


皆が皆。


生き残れる訳じゃあ、無い。



タイミングが悪ければ。


夜に飛ばされる奴等も居るだろう。



運が悪ければ直ぐに死んじまう、


そういう世界だ。



でもなぁ?大丈夫だ。


あんちゃん達がどうにかするから。



だからそれまで。


お前は生きてくれ。」


「、、ぅん。」



強く抱き締められたあの時の心強さを。


俺はまだ覚えている。



あれから飛ばされて来た新入りの何人かと会ったが。


中には自ら命を断つ者も居た。


あんちゃんには会えていないが、


冷蔵庫には印がしてあった。



会う確率が上がったという事は。


部屋が減っているという事だ。



俺に出来る事は知っている情報を与え。


【協力者】


を、増やす事だ。



影を殺す方法は。



影の影を刺す事。



何でも良い。


鋭利な物で影をその場所に固定する事。



その場所が硬ければ硬い程良い。


影も死なない為に。生きる為に。



足掻くのだから、、



俺も今日を生き抜く為に。



足掻こう。









































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ