迷界楼にて、
「うるさい。って?」
「いい加減にしろ。って?」
「あぁ。ごめんね、?」
誰だろう。
知らない子供だ。
でも、何か違和感がある。
「次からは気を付けるから、」
顔が大人みたいな顔なのに。
身長も、声も。子供のままだ。
と言うか。
ここは、、何処だ。
窓の外から見える通路は、
横になって動けば何とか通れる程の狭さで。
俺はそこから今すぐにでも逃げ出したいと思った。
上手く表現できないが。違和感が凄かった。
子供「お腹空いてるか?って。」
子供「一緒に食べるか?って。」
けれど子供達が逃してはくれなかった。
部屋の入り口まで手を引かれる。
隣の部屋の僅かに開かれた玄関からは、
ものすごい異臭がし。
子供達の親であろう人が座って居た。
「すいません、急いでいるので。」
親「何だい!せっかく誘ってやったのに!!」
俺は身の危険を感じ、その場から逃げた。
子供「許さないからな。って」
子供「覚えてろよ?って。」
ここは、何処なんだ!
建物が密集していて。
その奥が見えない。
「はあっ、はぁっ!はあっ。、」
息が詰まりそうだ。
誰も。居ないのか、、?
外にいるハズなのに誰も居ない。
「落ち着け。」
そう、自分に言い聞かせる様に話す。
先ずは状況の整理から。
分かっている事を確認しよう、
「時間は、昼間くらいだろうか。
明るい。太陽もちゃんとある。
空もある。雲は無く、晴れている。
気温は普通。
腹は空いていないが。喉は、渇いた。
トイレは大丈夫だ。」
あえて声に出して確認したが。
また変なのに遭遇したら面倒だ。
荷物は、無い。
さっきの部屋に置いて来たか、?
いや。もう戻りたくない。
それに、道が分からない。
ここはまるで、迷路の様だ。
服装は、、!?
制服だ。
「そうだ!」
慌てて口を塞ぐ。
確か買い物に行ってて。
俺は信号待ちをしてて。
音楽を選んで居たんだ。
店はもう見えてて。
信号を見ようとしたら眩しくて、、
それで。。
『ここは、、何処なんだ。』
ただ道を歩く。
道は整備されている。
だが、建物はそう新しくは無い。
人の気配がする。
まるで、誰かに監視されているかの様だ。
建物は昭和に建てられたみたいな感じので、
ひとつとして同じものは無かったが。
目印になる様な物も無く。
相変わらず周りの景色が見えない。
全ての視界が建物で遮られ。
僅かな隙間でさえも、奥の建物が見える。
「、、ぅっ!」
一瞬。大きな目の様なものが見えたが。
あまり、考えない様にしよう。。
少しだけ、歩くスピードが早くなった。
「ニャォ。」
、、猫?
不意に現れた見慣れた者に何処か嬉しくなった。
壁の上から俺を見下ろした猫は、目の前に降りて来た。
「ニャォ、」
俺に何かを言うと、
「付いて来い。」
と、言わんばかりに。
俺の前を歩いた。
黒猫で、しっぽの先が曲がっていた。
黒猫は時折振り向いて、
ちゃんと付いて来ているか確認した。
俺は心の中で祈った。
『どうか、帰して下さい』
周りの景色を見ていると。
気がおかしくなりそうだったので、
黒猫の姿だけ目に入れた。
そして。
黒猫は止まった。
「ん、、?」
目の前には大きな建物があった。
家を無理矢理くっ付けた様な大きな建物だった。
「何だ、、ここ。」
「ニャォ」
黒猫の声がしたが。
そこにはもう居なかった。
周りを良く見ればそこは橋だった。
「、、え。?」
ようやく周りが見えたと思ったが。
「何だ、こりゃ、、」
目の見える全てが。
【空】
だった。
橋の下も空。
そこには何も無かった。
左右も空。
一面に青が広がっていた。
後ろには街。
前には大きな建物。
それだけだった。
そこでようやく分かった。
ここが【異世界】なんだと。
「はぁ。」
何なら恐怖は無かった。
イライラした。
「何で、俺が。」
ガラガラガラガラ。
目の前の玄関を開く。
突っ立って居ても仕方ない。
"俺は、帰るんだ"
「元の世界に、、
、、。え。」
部屋だった。
そして何となくふと。振り返った。
さっきの玄関は既に後ろには無かった。
「台所、。?」
視界に水道が入った。
俺は走った。
蛇口を捻ると水が出た。
「んぐっ。!」
夢中で水を飲んだ。
冷蔵庫を開けると腐敗臭がし。
中身が全て腐っていた。
電気のスイッチを押すが、電気は付かなかった。
どうやら電気は通ってない様だ。
「暗くなる前に。
何処か安全な場所を確保しなければ。」
家具はそのままだった。
家の全てを見て回るが、特に何も無い。
誰も居ない。
いや。
誰も居なくて良い。
知らない人の家に勝手に上がって居る様なものだ。
それに、変なのだったら困る。
窓は開く所と開かない所があった。
窓の先は違う家で。
仮にそこから行き来したら。
自分が何処に居るのか、分からなくなりそうだった。
玄関を開けると短い橋の様な物があり。
違う家の玄関が見える。
外観からは全てがくっついている様に見えたが、、
きっと、このルートが正解だ。
電気のスイッチを押すが何処も付かない。
水も出ない家があった。
「、、借ります。」
俺は別々の家でリュックと。
水筒。懐中電灯を各々借りた。
水は飲むと安心した。
懐中電灯は電池が無いから付かない。
他にも何か使えそうな物があったら。
どんどん借りようと思った。
何だかそれが楽しくなった。
まるで宝探ししているかの様だった。
家の中は様々で。
インテリア?と言うか、内装が異なって。
気晴らしが出来た。
「こんな感情になったのいつぶりだろうか、、」
このままここに居ても悪くないな。
何て思った時。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
聞き慣れたメロディーが聞こえた。
帰るヤツだ。
「、、えっ。」
音の先を確認しようとした時。
窓の向こう側にうっすらと人影が見えた。
「、ヤバい。」
窓の向こう側はオレンジ色に染まっていた。
そう。"彼等が動き始めた"のだった。
急いで押し入れに入った。
【夜】が。訪れた。
「ぅううう、、」
唸り声の様なものが聞こえた。
「ぅうううう。」
会話を、しているのだろうか。
彼等は歩いていた。
何かをしているのだろうか。
僅かな隙間から覗こうとした時に気付いた。
、、電気が付いていた。
昼間は付かなかったのに。
ゆっくりと覗くと。
そこには黒い人影があった。
モヤの様な影は動いて居た。
これは、落ち着くまで。
ここに居るしか。ないか、、
疲れていたのだろう。
俺にも夜が訪れた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ビク!
ガタンッ!
「ヤッベッ。」
恐る恐る隙間を見たが。
そこには誰も居なかった。
いつの間にか朝はやって来ていた。
運動でもしに行ったのだろうか。
こうして何日かこの世界に居て、
分かった事があった。
彼等は、帰りの知らせが鳴り終えると訪れ。
朝の運動が鳴り終えると消える。
「さて。
今日も宝探しでもしますか。」
いつの間にか。俺の中から、
"帰りたい"
というものは無くなっていた。
この世界に毒されたのかも知れない。
そんなある日。
ある日と言っても何日経ったのかは分からないが。
大きな建物に入った。
中は、旅館みたいな所だった。
そこの皆で食事をとる所みたいな場所で。
奇妙なモノを見た。
「、、何だこれ。」
それはまるで遺体の様だった。
遮られた影の中に。
黒い影が横たわって居た。
感覚が麻痺していた。
そうだ、、
ここは。
【普通の世界】
じゃ、無かったんだ。
鳥肌が立ち、恐怖に襲われた。
あれは何だ。
何故あぁなった。
唾を飲み込む。
ゴクッ、
その音が部屋に響いた。
ここはヤヴァイ。
本能的にそう感じた。
震える足を何とか動かし。
俺はその場所から逃げた。
その日はあまり探索出来なかった。
安全そうな場所を見つけ。
そこへ留まった。
怖かった。
身体が震えた。
気が付けば夜が来ていた。
「うぅう、、」
「ぅぅうう、、」
そんな時に限って、彼等が多く居た。
もしこの扉が開かれたら。
もし、彼等にバレたら。
俺もそうなるかも知れない。
そうなってしまうかも知れない、、
その日は眠れなかった。
朝がやって来た。
水筒の水は無くなりかけてた。
昨日入れられなかったからだ。
「喉が渇いた、」
今までは安心する為に飲んでいたが。
今は渇きによって欲した。
昼間は安全だ。
その何も無い確信が揺らぎ。
前よりも慎重になった"つもり"だった。
水場を求め、ようやく見付けた場所で給水する。
ジャー、、
蛇口から出る水とその音に安心した。
「んぐっ、、」
夢中になって水を飲んだ。
夏場に氷の入った冷えた水を飲んだ時の様に。
身体の中に水が流れるのが分かった。
「、、人か。??」
その声に振り返ると。
そこに人が居た。
俺は固まった。
ジャー、、
水が流れる。
「水。貰って良いか?」
男の声で俺は頷いた。
男「いやぁ。
なかなか水が出なくてよぉ。
何か、水飲むと。安心しねえか?」
俺は警戒していた。
この世界の人か、、?
でも最初に会った人?とは違うし。。
男「まあ、そんな警戒すんなって。
捕って食ったりしねえからよぉ?
んぐ。
、、ここら辺は安全だ。
一先ず。
"情報交換"といかねえか?」
男は俺と一緒で。
元の世界から飛ばされたらしい。
どうやら俺よりもこの世界は長い様だ。
男はグループで飛ばされたが。
仲間とはぐれた為。
その仲間を探しているらしい。
男「、、と言う訳だ。」
悪い人。
ではないみたいだ。
「、、あの。
彼等について。何か知ってますか、?」
男「彼等?あぁ。
あいつらの事か。
逆に何を知っている?
ある程度生き残ってるって事は。
あいつらから逃げれたって事だよな?」
「えぇ、、。」
男「先ずは【重要事項】から話そうか。」
「お願いします、」
男「そう堅くなるなよ?
せっかく出会えたんだ。
仲良くやろうぜ。」
彼は肩を組んだ。
久しぶりに人に触れた。
男「あいつらに見られると。
"親"が来る。」
「親、、?」
男「その反応だと、
まだ出逢った事は無いみたいだな?」
「はい。」
男「だから畏まるな、って。弟よ?」
彼は俺の頭を撫でた。
「ぅん。」
何だか恥ずかしかった。
彼「あんちゃんとでも呼んでくれや。
俺は弟。と、呼ばせて貰うぜ?」
「ぅん、、」
俺に初めての兄弟が出来た。
あんちゃん「あいつらは昼間は出ねえ。
夕方の放送が流れると。
地面から湧いてくる。
あいつら。普段は唸ってるだけなんだけどよ。
夜に会っちまうと。
奇声を発しやがる。
するとその声に誘き出されて。
親がやって来る。」
「親、、」
あんちゃん「俺の仲間はその、親に。
"喰われた"
」
「、、ぇ。」
あんちゃん「何かばかでかくてよぉ。
アイツはやべえ。
別格だ。
アイツだけ。昼間も動いてやがる。」
「じゃあ、今も。??」
あんちゃん「あぁ。
きっと俺達を探しているだろうさ。
弟はどうやって移動してる?」
「えと、、
道が分からなくなってしまうから、
玄関から入ってる。かな、」
あんちゃん「そうか。じゃあ、
それはもうやめた方が良いぜ。
アイツはなあ。
"音"でやって来るんだ。
あいつら(影)は、見られない限り大丈夫だ。
見付かりさえしなきゃ、大丈夫だ。
分かりずれえかもしんねえが。
あいつらは腰が曲がってるだろ?
そっちの方向に目がある。
いや。目があるかは分からねえが、
そこら辺は俺達と一緒だな。
んで、アイツ(親)はさっきも話したが、
音でやって来る。
アイツに出逢ったら"最後"だ。
死ぬ気で逃げるしかねえ。
これもさっき話したが。
アイツは昼間も居るんだ。
お前さんの考えは一理あるが。
玄関の音ってのは響く。
それに。」
「それに、、?」
あんちゃん「まあ。
やってみるか。」
あんちゃんさんは立ち上がった。
あんちゃん「多分大丈夫だと思うが。
ゆっくり、出てくれよ?」
「分かった。」
2人で静かに玄関から出た。
あんちゃん「さて。ここで問題です。」
「うん。」
あんちゃん「目の前から親が来ました。
『どう逃げる??』
」
振り向いた先には、何も無かった。
「ぁ、、」
今までは"戻る"という選択肢が無かった。
、、進む事しか。考えて無かった。
何せ逃げるという選択肢を知らずに居たのだから。
俺は運が良かった。
あんちゃんさんに会って無ければ。
俺は近い内に死んでいたかも知れない。
あんちゃん「またひとつ。
賢くなったな?」
あんちゃんさんは俺の頭をポンポンした。
「あり、がとう。」
あんちゃん「おぅ。
でもまあ。考えてみりゃ、
逃げる為には良い方法なのかもな?」
「ぇ。?」
あんちゃん「だってよぉ?
玄関から出りゃ。
その扉は閉まるだろ?そうすりゃ、
違う場所に繋がってる訳だから。
よっぽど運が悪く無きゃ。
近くには繋がらねえだろ?」
「あぁ。」
あんちゃん「ずっと窓から移動してたからよぉ?
親にビビってた俺には考えつかなかったぜ。
サンキューな?」
「ぅん。」
部屋に入り使えそうな物を一緒に探した。
ガシャ、ガシャン、
自分で音を立てるな言ったのに、
あんちゃんさんは俺よりも雑に何かを探していた。
「、、音経てて大丈夫なの?」
あんちゃん「あぁ。【臭い】がしねえからなぁ。?
ヤベ、言い忘れてたわ。
親はな?腐ったみてえな"腐敗臭"がすんだ。
それと。水が出ない場所ってのは、
親がその家に来た。って、事らしい。」
「ぅん。」
あんちゃん「だから異臭がしたら。
何処かに隠れるんだな。
それに、そこは【安全】とは言えない。
まだ"近くに居る可能性"があるからな。」
「分かった。」
あんちゃん「それと。アイツ。親は、
あいつら影と一緒で、下から出て来るから。」
「うん。
えと。あんちゃん。さん?」
あんちゃん「何だ。?」
「さっき、遺体?みたいの見付けて。」
あんちゃん「何処でだっ!??」
あんちゃんさんが血相を変えて走って来た。
あんちゃん「、、やべっ。
。。大丈夫、だな。」
「えと、、旅館の食事する所みたいな場所で、」
あんちゃん「旅館の宴会場か。。
じゃあ、俺じゃないな。
仲間。かも知れない、、。
何かのマークみたいのを見たか?」
「いぇ。」
あんちゃんさんは残念そうな顔をした。
「すいません、、」
あんちゃん「なあに。
気にすんなよ。
弟には、あまり言いたく無かったんだが。。
俺達はな、?
あいつらを"殺して回ってる"んだ。
」
「影を、殺す、、?」
あんちゃん「弟はすんなよ?
何せ、危ないからな。
変に。警戒、されたく無かったからよ。?
わり。」
「いえ。それで、。」
あんちゃん「殺す。
って言葉が合ってるかは分からないが。
俺達はあいつらを消してるんだ。
安地。【安全地帯】を作ると同時に。
【復讐】と。"帰還"の為にな。」
『帰還』
その言葉に光が見えた。
「帰れるんですか、??」
あんちゃん「それは、分からない。」
「そう、ですか。。」
あんちゃん「期待させる様な事を言って悪かった。」
正直。期待してしまった自分が居た。
「いぇ、、」
あんちゃん「仲間が居るっつったろ?
そいつ。頭が良くてよ。
俺が弟に話したのも。
大体そいつから教えて貰った事なんだわ。」
「そうだったんだ。」
あんちゃん「あんちゃん。なんて呼ばせといて。
こんな兄貴は幻滅するよな。?」
「そんな事無いよ。
あんちゃんは俺にいろいろ教えてくれた。
気に掛けてくれた。
良い。お兄さんだよ。」
あんちゃん「そうか。
、、良かったよ。
この世界に来る前に。
弟とつまらねえ事で喧嘩して。
そんなもんだから。
つい、お節介焼いて。
終いには弟なんて呼ばせてよ。
どうしようもない。兄貴だぜ、
」
「、、そうだったんだね。
どおりで。何か、
『お兄ちゃん』
って感じだったよ。」
あんちゃん「あはは。
、、そうだ。それで、そいつが言うには。
影を殺すとその影の家が消えるみたいで。
そうやってやる事で、本当の。
出口だか、入口を探し出せるとか。
勿論。安地を作るってのでもある。
この世界の家ってのは、
人が完全に居なくなると消えるらしい。
元の世界とまあ、似てるよな。?
朽ち果て、崩れれば。
そこは。家じゃ、無くなるからな。
家が在るって事は人が居るって事だから。
その逆も叱り。って事らしい。」
「ほぉ。」
あんちゃん「まあ。難しい事は分からねえが。
つまりはそういう事。みてえだぜ?
あぁ。また忘れない内に。
これ、」
手にはノートとペンが2つあった。
あんちゃん「前の世界の記憶はあるか?」
「あまり、無いです。」
あんちゃん「これも教えて貰った事だが。
どうやらこの世界に居過ぎると食われるらしい。」
「記憶を。ですか、??」
あんちゃん「頭の良い弟で、助かる。
だから記録するんだ。記憶し、忘れない様にな。
後、冷蔵庫に日付けと名前を残すんだ。
【印】
だ。因みに今日は、1年と、、」
「ぇっ。。
一年、、??」
俺は絶望した。
きっと産まれて初めて。
膝から崩れ落ちた日だろう。
一度。光が見えてしまったから。
、、あんちゃん達はどれ程辛いのだろう。
こんな場所にそんな長い間。
あんちゃん「そうなる、、よな。?
分からなくは無い。」
あんちゃんが抱き締めてくれた。
あんちゃん「俺達みたいに飛ばされて来ても。
皆が皆。
生き残れる訳じゃあ、無い。
タイミングが悪ければ。
夜に飛ばされる奴等も居るだろう。
運が悪ければ直ぐに死んじまう、
そういう世界だ。
でもなぁ?大丈夫だ。
あんちゃん達がどうにかするから。
だからそれまで。
お前は生きてくれ。」
「、、ぅん。」
強く抱き締められたあの時の心強さを。
俺はまだ覚えている。
あれから飛ばされて来た新入りの何人かと会ったが。
中には自ら命を断つ者も居た。
あんちゃんには会えていないが、
冷蔵庫には印がしてあった。
会う確率が上がったという事は。
部屋が減っているという事だ。
俺に出来る事は知っている情報を与え。
【協力者】
を、増やす事だ。
影を殺す方法は。
影の影を刺す事。
何でも良い。
鋭利な物で影をその場所に固定する事。
その場所が硬ければ硬い程良い。
影も死なない為に。生きる為に。
足掻くのだから、、
俺も今日を生き抜く為に。
足掻こう。