麗奈の話①
和利君に再会するとは、思っても見なかった。
ファミレスで、クリームソーダーを飲んでいた。
甘いっ!!
【麗奈ちゃん、あーん】
【甘いっ!!】
【何で、そんな事言うの?美味しいよ】
【和人は、甘党だね】
【かもねー】
何で、和人が浮かんできたんだろうか?
クリームソーダを半分飲み干した頃に、和利君が現れた。
腕を引っ張られて、ファミレスを出た。
行くとこを理解していながらついてきてしまった。
やるんだ!
ラブホテルの入り口で、あの日の私と再会した。
嫌とかじゃなかった。
ただ、今回も悲しい最終回を迎える事は容易に想像できた。
病気の人が、主人公の映画やドラマが必ず死ぬみたいな定番物のような感覚だ。
私と和利君は、ズルズルと身体を重ね合わせて、さよならって終わるのだ。
決められているストーリーにそって歩いていってる自覚をしているくせに、心が追い付いてこなくて涙が流れる。
そしたら、思考も反論がしたくなって、身体の関係を持たないバッドエンドを選ぼうと必死になる。
そしたら、引き留められて引寄せられて、マネキンみたいに動けない私は、ベッドに倒された。
ああ、このストーリー見た事ある!○○ってのと同じよ。
頭は、それを理解したようにキスをしないのをわかっているから首を右に傾けた。
そしたら、その首を引寄せられて息が出来ないぐらいにキスをされる。
あれ、違うストーリーだよ。
思考と思考が追い付かなくて、和利君を突っぱねる。
「キスなんかしなかったじゃない?」と聞いていた。
さっきも、バグがおきたみたいに結婚したいのは私だとシナリオにない事ばかりを和利君は話したり行動する。
もう、脳も心もついてこない。
流れてしまおう。
ユラユラと流れていこう。
そう決めたら、案外楽だった。
特定の誰かがいるわけではない私は、誰よりも自由なのだ。
避妊具をつけようとした和利君を止めた。
答えが出ないから、身体が答えを出してよ。
私は、身体に問いかけた。
ゆっくりと私の中に、和利君が入ってくる。
あー、もー、馬鹿になりそう。
それぐらい、気持ちよかった。
嫌、3ヶ月ぶりだからか?
嫌、覚えているからか?
身体も頭もぐちゃぐちゃに、蕩け出した。
もう、何も考えたくない。
抗わずにいよう、考えるのはやめて流されよう。
和利君が、果てたのを感じた。
もう、流されていいから和利君を選ぼう。
そう思ったら、プロポーズをされた。
シナリオ通りに、和利君はさっきから進まないし。
さっきから、私の欲しくない言葉を投げてくる。