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隣国

「羨ましいですね、こぉんなスベスベのお肌」


「お金も時間も掛けてきた私達の面目丸つぶれよね」


「なんとか手は間に合うかしら?」


「肌は白く、胸はあって、腰は括れ・・・、くうう」


仕事禁止令が王妃様から私に発令された

理由は隣国の王子と王女が日除けクリームの御礼と技術交流に此方のお城へ来るからだ。

なんと、私個人を指名しての滞在を予定しているとの事で、国家薬師(仮)がみすぼらしい格好を晒す訳にはいかず、急遽お仕事を取り上げられた上に城の侍女らによって私は磨きあげられ始めたのだ。


元の伯爵家では散々だった容姿も、この数年で歳を重ねた事で評価は真逆になったらしい。

王妃様付きの侍女さんには嫉妬と羨望のお言葉を頂きながらも丁寧な仕事で私は全身触られまくった。


肌が白いのはアルビノである事と夜だけ活動しているから、スベスベなのは肌が弱いので低刺激のクリームを自作して気を使っている結果だ。

胸やおしりは粗食なのに勝手に膨らんだし、クビレはまあ洗濯婦の力仕事による適度な運動かなと思っている。


但し手荒れは散々な言われようだ

職務上そうなんだけど王子様方を迎えるに当たって、目に付く箇所の手がガサガサなのは戴けないと姫様専用の低刺激高級オイルやクリームがふんだんに使われた、これだけで私の給金ンヶ月分の、いや深く考えるのはよそう、これは職務上の待遇改善だ、うん。


「んふ、シンデレラも驚きのシンデレラストーリーね、エルシー」


「止めてよマリーア、まあお陰で手荒れと肩凝りは治ったけどさ、終始恐縮しっぱなしで別の意味で肩凝っちゃった」


勿論マッサージだけに話は終わらない、体型維持のコルセットに、王族を迎える為のマナーレッスン、ドレス等、今や私は薬師(?)と言った具合の待遇で過ごしているのだから、落ち着かないったらありゃしない。


「まったり、薬師で過ごせれば良いのになあ」


「なーにいってんだか、王妃様のお眼鏡に叶った時点でそれは無理に決まってんでしょう」


「うっ」


一般庶民の私が目立つのは良くない

何故ならばバックボーンがとても弱いから、平民で話題に挙がる時点で身の危険を覚える弱さだけどそこは流石の王族。

『王妃様のお気に入り』と広く城内に流された噂に私は護られていた。

まさか私に危害を加えて王妃様の怒りを買う愚か者は居ないよね!ね!


そんなこんなで慌ただしく慣れない日常を過ごしている間に、隣国の王子王女一行来訪日まであっという間だった。


それは月が綺麗な晴れた夜の日のことだ

日中の移動は姫様の体に負担が掛かるとの理由から、昼夜逆転の行程の隣国一行には確かにアルビノの姫様が居るのだろう察せられた。

国としても夜間の警備を厚くする為に騎士団が近隣の見回りを強化しているとアルスロット様からは聞いていたのである。


姫様主体の日程でどれだけ隣国が気を遣い、姫様を慈しんでおられるかは誰でも理解出来た。






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