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とある召喚者の力魔法  作者: トカイナカ
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第1話

 「・・・・・ここどこ?」

 右を見る、森だ。

 左を見る、森だ。

 後ろを見る、森だ。

 俺、坂井浩一(さかい こういち)は、昨日普通に起床し、普通に学校に行き、普通に帰宅したのち、普通に就寝したはずだ。

 だが目が覚めると辺りには森が広がってる、途端、頭の中に4つの説が思い浮かぶ

1・何者かが寝室に侵入し俺をここまで運んだ

2・俺を除く近所の住民全員が一夜のうちに引っ越し、辺りに木を植えた

3・俺が寝ぼけたまま外出し、ここで二度寝した

4・これは夢である

 現実的に考えれば4が妥当だが、夢にしては地面の感触や吹き抜ける風の感触がリアルすぎる。

 次に考えられるのは1だが、俺は寝る前に戸締まりを確認したはずなので侵入するには玄関の鍵をピッキングするか窓ガラスを割って侵入しなければならない。

 2と3は論外だ、自慢ではないが俺の寝付きは良い方であるし、一夜のうちに近所の住民全員が引っ越し、あまつさえ周囲が森になるほどの木を植えるなど不可能に近いだろう。

 となるとこれはやはり夢なのだろうか、せめてここがどこなのかだけでも把握したい所だが。


―ピコン!

 <おめでとうございます!厳正な審査の結果、あなたは異世界に召喚されました!>


 「は?・・・・」

 俺の目の前にアクリル板のような物体が出現した、そこに映っている文字を読み上げる。

 異世界?

 召喚?

 『はい、その通りです』

 「うぉおっ!?」

 どこかともなく声が聞こえる、辺りを見渡すも声の主らしき者は見当たらない。幻聴か?

 『幻聴とは失礼ですね』

 ・・・・今度は返事が返ってきた、本当に幻聴じゃないのか?

 『だから幻聴ではないと・・・まあ良いです。まずは始めまして、このたびコウイチ様の担当となりました、天使族のメルフィアと申します。呼ぶ際はメアとお呼び下さい』

 頭の中に直接声が響く、声色からして女性であると推測できるが、口調は中々に業務的だ。

 「えっと、メアさん?いったいここはどこなのでしょう」

 『メアで構いません、これからその説明を始めさせていただきます』

 「はあ」

 『まず始めに、ここは地球が存在する世界とは別の次元、いわば異世界に存在する惑星の一つで、名をルエナといいます。この世界には魔素という物が存在し、その魔素を利用した魔法という技術が発展しています』

 「質問、なぜ俺はこの世界にいるのですか?」

 『はい、その理由は今から説明させていただきます。今説明した魔素という物は時間の経過と供に増えていくのですが、あまりにも増えすぎてしまうと空間が不安定となり、自然災害が頻発したりその世界に生きる者達の体に異常が生じてしまいます。それを防ぐために、我々は数千年に一度コウイチ様がおられたような魔素の存在しない世界に魔素を送るのです、しかしそのためには、あちら側の世界の魂を1つ以上こちらの世界に呼び、空間に穴を開ける必要があるのです』

 なるほど、確かに世界を管理するような者にとってそれは避けたい事態だろう。ただ、神とやらが本当に存在するのであれば、わざわざ異世界から魂を呼ばずに空間に穴を開ける事も出来るのではないか?

 『不可能です』

 「思考を読まれた!?」

 『天使ですので』

 それ、どちらかと言えば悪魔のする事ではないかと思ったが、それより不可能とはどういうことだろうか?

 『確かに神々の力を持ってすれば、空間に穴を開けるなどたやすいことです。しかし聞きますが、コウイチ様は消防用のホースを使って試験管に10mlピッタリに水を注ぐことが出来ますか?』

 「・・・・・なるほど、確かにそれは不可能だ」

 『そういうことです、ですがどんな理由であれコウイチ様はこちらの都合で呼ばれた身、呼ばれた魂が異世界でも過ごせるよう、我々は異世界人に生き抜くための力と、私のような担当者をアドバイザーとして付けるのです。詳細は「ステータス」と唱えていただければ確認できるので、そちらをご覧下さい、知りたいことがあれば私の名を念じれば私に通じます。それではまた』

 ふと、何かが途切れる感覚に襲われる。通話が途切れたと言うことだろう、しかし言外にあまり話しかけんなといわれたのは俺の気のせいだろうか。

 「取りあえず、ステータス確認するか」

 森の中、俺の呟きがただ悲しく響くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めっちゃ眠い

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