学校①
今回から新キャラにはフリガナをつけることになりました。これで少しは読みやすくなったかも?
学校は徒歩15分程の場所なので、それ程苦でもない。
「おっす奏。」
「おう、おはよう湊」
後ろから声をかけられたので、それに答える。後ろからは、小さい頃から一緒にいた二人がいた。
「華凛も、おはよう」
「おはよう、奏。」
「そうだ華凛、宿題見せてくれない?昨日やるの忘れたんだよ。」
「なんか珍しくない?何かあったの?」
華凛からの質問に、少し戸惑ってしまう。
(今葵のことを出すのは良くないよな?ここは
悪いが嘘を言っておこう。)
「いや、実はバイトで疲れて寝落ちしてたんだよ」
「バカじゃないの?とりあえずわかったから、あとでノート返しなよ。」
そう言って、華凛はバックから宿題のノートを取り出して渡してくれた。
「そういや、食事は大丈夫?お金の余裕ないなら、材料買ってこようか?」
そんなことを言い出したので、背筋に嫌な汗が流れてきた。
華凛は、一人暮らしをしてる俺に度々材料を持ってきては料理を作ったり作らさせたりしている。
(ありがたいと思うが、バレたら死ぬ!今は絶対に避けなければならねぇ!)
「だ、大丈夫だって!あは、あははは」
「...そう。わかったわ」
(あっぶねぇー!なんとかなったぁ!)
朝から危機的な状況で顔が引き攣り冷や汗が止まらなかったが、どうにか回避できたようで心の中でホッとした。
「相変わらず仲良いよなお前ら、早く付き合えばいいんだけどなぁ。」
湊がそう言ってくる。
「お前なぁ、こいつはそんなんじゃないだ
ろ。どっちかといえばオカンの方が合って
る。」
「上等じゃない。喧嘩なら買うよ?ええ?」
なぜかオーラが見えた挙句背後に鬼がいた。
ガチギレしたオカンそのものである。
そんな他愛のない会話を三人で繰り広げ学校へ行く。
教室へ着くと、俺は座るやいなや宿題を写し始めた。
タイムリミットはホームルームまで。それまでに終わらなければアウト。俺は、全意識を集中させて、本気でやった。そのおかげか、無事に宿題を終わらすことができた。
「ありがと華凛、助かった。」
「いいよ、そのかわりお礼は期待してる」
不敵な笑みでそう言われ、わかったと返事をしておく。
(さて、これからはどう行動する。まずは警察を当たるか?だが、そう簡単に動いてくれるのかどうか。それなら、あの人に頼ってみるかな。)
時間があれば考える。今は少しでも早く葵の問題を解決させてあげたい。だから、やることを整理していく。
(てか、あった時点で警察行けばよかったか?いや、あの寒さで歩かせたらかわいそうだよな。それに、あそこで警察行っても家に返されるだけか)
頭で考えていると、いつのまに時間が来たのか、チャイムが鳴り、先生がやってくる。
そこからはホームルームに授業があるので、考えるのは放課後になりそうだ。
授業は受けていればすぐ終わるので、気づけばもう昼休みになっていた。
(児童保護の場所はあったか?もしかしたら、そこならいけるかもしれないが、詳しいことが分からないな。)
集中していると、背後から華凛が大声で呼ぶ。
「おーい!奏ー!」
「うわ!なんだお前は!ビビらせんなよ!」
集中してるときに不意に声をかけられたので、思いっきり驚いてしまった。
「さっきから声かけてたけど、反応しないからでしょ?」
そう言われた後、湊が訪ねてくる。
「そんなに集中して、考え事?話なら聞くけど?僕たちの中でしょ?」
爽やかにいう湊。顔もいいからマジでイケメンだよな。
「話したいのは山々だが、流石にこの問題に
二人を巻き込みたくはないからさ。気遣いありがとよ。」
俺の返しに「そうか、でもマジで大変な時は頼れよな。」と一言言ってきた。マジイケメンすぎる。
「それで、何の用だ?俺何かした?」
俺のところにきた理由を尋ねた。
「なんでそうなるのよ。三人でご飯を食べないかと思ったの。どうせ奏、購買で済ませようとしてるでしょ?お金の節約もしないといけないんだから、こっちで作ってきたよ。」
そう言って、俺の分の弁当箱を渡してくる。
こういう気遣いは完璧にできているのが華凛のいいところだ。わざわざ作ってきたものを断ることもできないので、受け取る。
「ありがたい!でも、少し用事あるから、先に食べててくれ。」
「りょーかい。机並べとくよ。」
二人に場所どりを任せて、俺は教室を後にする。
キャラが増えましたが、次回また増える予定です
忙しすぎて頭痛い。次もまったりと待ってて下さい。