街へ行こう
すいません、久しぶりに投稿します。
もしかしたら月に一度の投稿になるかもしれません。
読者の方々申し訳ございません。
ナノラがまた力の暴走をし、クロムがサラマンダーを追い返したが、クロムとの会話に夢中になり助けた女の子のことを忘れていたのだった。
「あ、ごめんごめん。つい忘れていたよ。」
「キュッ、キュー・・」
「・・・まぁ、いいわ。助けてもらったんだし。」
二人はこの場にちょっと居づらく感じた。
「私は商人のユエルよ。この先の街で店を構えているの。」
「私はナノラだ。向こうの森の中に家を構えているんだ。で、こっちがクロムだ。よろしくな。」
「キュキュッ!」
「・・・カワイイ」
「・・・えっ?」
「ハッ!いやいや、べ、別にそのスライムが可愛いと思ってる訳じゃないからね!か、勘違いしないでよね!」
「・・・」
いや、誤魔化せてねえよとナノラは思った。
「・・・とにかく、私は失礼するわ。街に戻るから!」
いたたまれなくなり、この場から逃げるユエル。
「あっ、ちょっと待って!」
ガシッとユエルの手を掴むナノラ。
「なっ、何よ!まだ何かようあるの!」
「いや、私も街に行きたいんだけどいいかな?」
「勝手に入ればいいでしょ!」
「いや、私ずっと森の中に居たから街への入構証?みたいなの持っていないんだよ。」
「えっ?そうなの?」
「うん」
「あ、だから私を留めたのね。」
「うん、そういうこと。」
「じゃあ、冒険証を作りに行きましょうか。」
「うん、ありがとう。じゃあ、よろしくな。」
「・・・あと、そろそろ手を話してもらってもいいかしら?」
「えっ?あぁ、ごめんごめん。」
「・・・じゃあ、行きましょうか。」
「あぁ!」
「キュー!」
そして、街へ到着。
「着いたわよ。ここがアーノルドよ!」
「へぇ!大きな街だな!」
「キュ~!」
そのアーノルドは中世ヨーロッパ風の街である。
「そうでしょ!ここは有名な冒険者ギルドがあるのよ!」
「そうなの?」
「ええ、そうなのよ。とにかく街に入るわよ!」
「おう!」
中に入るとそこは様々な種族の人々が暮らしていた。ドワーフ、エルフ、ダークエルフ、龍人、人間、様々だ。
「色々いるなー。」
「キュー。」
「ええ、特にエルフやダークエルフはあんまり人前に出ないから、いるのが珍しいんだけどね。特にあなたと同じ種族のダークエルフもね」
「えっ?私ダークエルフじゃないぞ?」
「えっ?」
「キュッ?」
「私、人間だぞ?」
「えぇー!!」「キュー!!」
「何を驚いてるんだよ。しかもクロムまで。」
「だ、だってその黒い肌はダークエルフそのものじゃない。」「キュッ、キュッ。」
「だとしてもだろ?」
「それに、顔もエルフのように整ってるし。」「キュッ、キュッ。」
「そうかもしれないけどさ、私あのエルフ達みたいに耳長くないぞ?」
「えっ?」「キュッ?」
ユエルとクロムはナノラの耳をジーっと見つめる。
「・・・ほんとだ、長くない。」「・・・キュッ。」
「なっ、言っただろ?」
「うん、ほんとに。」「キュッ。」
「・・・そんなにダークエルフみたいなのか?」
「そうよ!!だって・・・そんなに顔カッコイイんだもん。」
言いながらちょっとテレるユエル。
「そ、そうなのか。」
「うん。」
「・・・まぁ、とにかく目的の冒険者ギルドに行かないか?」
「うん、そうね。行きましょうか。ナノラも照れてるみたいだし。」
「・・・いや、照れてないから。」
「フフフッ、とにかく行きましょうか。」
「あぁ、そうだな!」
さっそくギルドに行こうとしたが、
「・・・と、そうだ。クロムはどうした?」
「えっ?あの子は・・・ヒッ!」
「・・・キュー。」
クロムは自分がナノラがダークエルフなのだと思っていたら、実は人間だったという衝撃を受けて落ち込んでいた。自分が見抜けなかったという点で。
「・・・あれ、何だ急に目眩が。」
「・・・何かちょっと息苦しいわ。」
だが、落ち込んだせいで自分の魔力が漏れ周りに悪影響を及ぼしていたが。
「・・・クロム、そんなに気にしなくていいんだぞ?」
「・・・キュー。」
「大丈夫、大丈夫。気にするな。」
その瞬間ナノラから不思議な空気が漂い始めた。
「えっ?」
その空気がクロムの魔力を緩和していく。
そして、周りにも影響が及ぶ。
「あれ?急に目眩がなくなってきたぞ?」
「あ、空気が吸えるようになってきたわ。それに、どこか安らぐ感じがするわ」
むしろ良い影響を与えていた。
「キュー!」
「よし、元気になったな!さぁ、行こうか!ユエル案内してくれないか?」
「え、ええ。冒険者ギルドは此方よ。着いてきて。」
「おう!」「キュッ!」
この時、彼女は感じたのだ。これは神の気配と似ていると。それは後に語ることになるだろう。
「着いたわよ。ここが冒険者ギルドよ。」
「へぇー、ここがか。じゃあ、さっそく入ろうぜ!」
「キュッキュッ!」
「ええ、さっそく入りましょ。」
入るとそこはたくさんの冒険者がいた。主に人間がおり、たまに龍人がいるぐらいだ。
「へぇー、こんな感じなんだなー。」
ナノラが声を上げると周りの冒険者がこちらを見て驚いている。
「ん?みんなどうしたんだ?何かあったか?」
「あのねぇ、あなたは見た目がエルフみたいにカッコイイんだからそりゃ振り向くし、そもそもエルフは冒険者ギルドにはほとんど来ないのよ。行くんだとしたら生産ギルドよ。・・・あなたはエルフじゃないけどね。」
「なるほどな、まぁ、とりあえず冒険証を貰わないとな。」
「ええ、そのためには冒険者になる必要はあるわね」
「ふーん、そうなのか。まぁ、別にいいけど。」
「じゃあ、受付の方に行きましょ。」
前へ進む度に周りが驚き、しかもクロムが肩に乗っているのでさらに驚く。
それを無視してナノラは受付の前に着いた。
「すいませーん、冒険証がほしいんですけども。」
「は、はい、そのためには冒険者にならないといけないのですが、よろしいですか?」
「はい、大丈夫です。」
「そ、それではあなた様のお名前と種族名と年齢をこちらにお書きください。」
「はいはい。」
それにナノラはスラスラと書いてゆく。
・・・本人はあまり気にしていないがこの世界で字を書けることはそれなりの学があるということ。しかも識字率はあまり高くないので書けることは珍しいのである。
「はい、書きましたよ。」
「は、はい、ありがとうございます。・・・あの、種族名に間違いはございませんか?人間となっておりますが?」
「ええ、あってますよ、私人間ですから。」
「え、」
「「えぇー!!」」
その瞬間、ギルドのスタッフや冒険者全員が叫んだ。
「うそだろ!どう見てもダークエルフだろ!」
「ああ、あの肌の感じはダークエルフのはずだ!」
みんなは驚いていたが、
「やっぱり起こるわよねぇ。」「キュー。」
二人はさっきのことがあったから動じてはいない。
「あの、お間違いありませんか!」
「ええ、間違ってませんよ。だってダークエルフだとしたら耳短いし。」
「え、」
すると、周りがナノラをじっくりと観察する。
「ほ、ほんとだ、確かに短い。」
「でも、ほんとだとしたら顔整いすぎだろ?」
「ホ、ホントなんですね。・・・でも、だとしてもそれでもカッコイイなぁ~」
「あ、あのお姉さん?」
「え、あ、ごめんなさい!そ、それではもうひとつ、こちらの水晶にですね、魔力を込めて下さい。」
「水晶にですか?」
「はい、こちらの水晶に込めてもらい、その魔力量で冒険者の初めてもらうランクを決めてもらいます。」
「なるほど、じゃあさっそくやるわ。」
「はい、お願いします!」
さっそく、魔力を込めていくナノラ。
(このぐらいでいいかな?)
すると、
ピキッ
「・・・」
「「・・・」」
「ひ、」
「「ひ、ひびが入ったー!?」」
またもや、叫びだした。
「は、はわわーっ!」
「うそだろー!?」
「こんなの見たことねぇぞ!?」
「いや待てSランククラスの冒険者はひびを入れられると聞いたことがある!」
「だとしたら、それぐらいの強さなのか!?」
「というか、受付の女の人気絶しちゃったぞ!大丈夫なのか!?」
「・・・嘘、ナノラってそんなに力があるの?」
「キュー♪」
その通りだと自分のことのように胸を張るクロム。
・・・胸なんかないけど。
突然の騒動になってしまった、冒険者ギルド。
果たして、無事冒険者になることが出来るのか!?
次回に続く!
転生ものによくある感じになってしまいましたw